映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「パッセンジャー」「キングコング 髑髏島の巨神」etc.

オダギリジョー

FOUJITA



1920年代のパリ。日本人画家のフジタ(藤田嗣治)は、「乳白色の肌」と称賛される裸婦像で一躍エコール・ド・パリの人気者となる。雪のように美しい肌をしたリシュー・バドゥーと出会い、一緒に暮らし始めるが、やがて第二次世界大戦が勃発。日本に帰国したフジタは、戦意高揚のため戦争画を描き美術界の重鎮になっていく。5番目の妻・君代と共に疎開先の村で暮らしながら、終戦を迎えるが…。

国際的に評価が高い小栗康平監督が「埋もれ木」以来、10年ぶりに発表した「FOUJITA」は、日本人画家・藤田嗣治の波乱の生涯を描くものだ。だが通常の伝記映画のように、一生を追う形はとっておらず、説明も極力排した演出は、物語性も希薄で、まるで絵画を見ているよう。前半では1920年代のパリ時代の享楽的な創作の日々を、後半では1940年代の帰国後の疎開先での閉塞的な暮らしぶりを、静謐なタッチのビジュアルで描いている。浮かび上がるのは、異国で成功したフジタのプライドや傲慢さ、その裏に潜む孤独などだ。パリ時代、独特な風貌と奇抜な言動でフーフー(お調子もの)という愛称で呼ばれても、そこには、まずは覚えてもらわないといけないというフジタの確信犯的戦略があった。キラ星のような才能が集まったエコール・ド・パリの中、何とかして自分を印象付けようと自らを演出したのだろう。彼が、なぜ帰国後に戦争画を描いたのかという疑問に、映画は明確な説明は提示しない。フランスでは日本画を思わせる絵を、日本では西洋風の絵を描く。この矛盾の答は、劇中にフジタが言う「絵はしょせん絵空事」という皮肉とも達観ともいえる言葉の中にあるのかもしれない。おかっぱ頭と猛特訓したというフランス語のセリフで熱演する主演のオダギリジョーの抑えた演技となりきりぶりに、感心した。
【65点】
(原題「FOUJITA」)
(日本・仏/小栗康平監督/オダギリジョー、中谷美紀、アナ・ジラルド、他)
(伝記映画度:★★☆☆☆)
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ミスターGO!

ミスターGO! [Blu-ray]
ゴリラが野球チームで大活躍する奇想天外なスポーツ・コメディ「ミスターGO!」。韓国映画特有の泣きの演出が控えめなのは好感が持てる。

韓国野球界随一の弱小球団ベアーズは、万年最下位から脱出するべく、サーカス出身でパッティングが得意のゴリラと契約を結ぶ。賛否両論が巻き起こる中、ゴリラのリンリンはゴリラ使いの少女ウェイウェイと共に初打席に立つが、そのすさまじいパワーで一躍スター選手となる。ミスターGOと名付けられたゴリラの活躍の噂は海を超え、日本からもスカウトがやってくるが、そこにミスターGOのライバルとなるゴリラ投手ZEROSが現われる…。

ゴリラが野球チームで代打として大活躍。荒唐無稽という形容しか思い浮かばない珍作だが、バカバカしさを楽しむ余裕があれば意外にも楽しめる。ミスターGOは心優しいローランドゴリラで、ゴリラ使いの少女ウェイウェイとの絆は誰よりも強い。ウェイウェイは祖父が残した借金を返すため、ゴリラ共々韓国野球界入りを決め、ミスターGOの活躍は、借金返済の最後の頼みの綱なのだ。実利主義に見えて実は人情家のスカウトマン、ソンとの心の交流、ライバルゴリラの登場、ミスターGOの膝の故障による大ピンチと、ゴリラであることを抜きにすれば、スポーツ映画として、いたってまっとうな作りである。さらに、日本の巨人と中日のスカウト合戦まであって、オダギリジョー(あの髪型はナンなんだ?!)の悪ノリ演技には、もはや笑うしかない。しかし、オールCGで活写されるゴリラのヴィジュアルと演出は、毛の質感から超ド級のダイナミックなプレーまで、CG本気度最大級で、思わず目が釘づけになるはずだ。「ミラクル7号」では愛らしい少年役だったシュー・チャオの女優としての成長も確認できる。ただし、このおバカな設定で133分は少々長すぎ!奇想天外なファミリー・ムービーとして約90分でまとめてほしかった。
【55点】
(原題「Mr. Go 」)
(韓国/キム・ヨンファ監督/リンリン(ゴリラ)、シュー・チャオ、ソン・ドンイル、他)
(CGクオリティ度:★★★★☆)
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ミスターGO!@ぴあ映画生活

映画レビュー「舟を編む」

舟を編む 豪華版(2枚組) 【初回限定生産】 [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
辞書作りに携わる人々の静かな情熱を描く「舟を編む」。抑制したタッチが好感度大。 【70点】

 玄武書房に勤務する馬締光也は、卓越した言葉のセンスを買われ、辞書編集部に配属される。携わるのは、略語や若者言葉も取り入れた、今を生きる人のための生きた辞書「大渡海」作り。編集部の個性的な面々と共に、辞書作りに没頭していく馬締は、ある日、大家の孫娘の香具矢に出会いひと目惚れする…。

 原作は、2012年本屋大賞を獲得した三浦しをんの大ベストセラー。個性的なタイトルは、辞書(舟)を編集する(編む)の意味だ。途方もなく地味で長い作業に携わる人々を描くが、仕事に対してはこれみよがしの“頑張り”感はあえて描かない。だからこそ主人公の、恋への“一生懸命”が効いてくる。このバランスの妙が、本作の一番の魅力なのだ。

 馬締(マジメ)は、辞書作りという一生の仕事を見つけ、香具矢(かぐや)という生涯の伴侶を得た、幸福な人間である。そんな彼がさまざまな困難にぶつかりながら、情熱を傾ける辞書「大渡海」は、完成するまでなんと15年。用例採集、見出し語選定、語釈執筆、レイアウト、校正…。映画はそんな辞書作りの工程を丁寧かつユーモラスに描き、決して退屈させない。こつこつとした仕事ぶりは時に美しく、その“行間”には、恋や友情、出会いや別れがある。辞書作りが、次第に壮大なロマンに思えてくる。

 とりわけ、言葉に情熱を傾ける人たちの議論が、実にユーモラスで味わい深い。「右」という言葉の説明から始まり、「恋」の語釈に頭を悩ませ、「ダサい」は実体験に基づく例文がつく。言葉は生きているのだ。

 バラエティに富んだキャスティングは、脇役まで含めて実に味のある役者が揃っている。実は松田龍平を“久しぶりに”「いい俳優だ」と感じた。不器用で変人、親友はネコのトラさんというマジメが、仕事と恋によって成長し、いつしか人ときちんとコミュニケーションをとれる、頼れる編集者になっていくプロセスを、繊細に演じている。才人の石井裕也監督にしては、毒気が足りず、端正すぎるのだが、それが欠点になっていないのがこの作品の力だ。

 調べものはインターネットでサクッと検索が常識の今、この映画は「人によって紡がれる言葉は、人をつなぐ」という役割を再確認させてくれる。主人公は、他者と交わることによって、キラめく言葉の海へと舟をこぎ出していった。淡々としたタッチで途方もない情熱を描く、奥ゆかしい秀作である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)端正度:★★★★☆

□2013年 日本映画 □原題「舟を編む」
□監督:石井裕也
□出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、他
(宮崎あおいの崎は代用文字。 正しくは“たつさき”)
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世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶

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ヴェルナー・ヘルツォーク監督がショーベ洞窟を3Dでとらえたドキュメンタリー「世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶」。3万年以上前のアートと現代の最新技術3Dが融合するのはまるで奇跡のよう。

1994年南仏で発見されたショーヴェ洞窟。仏政府により、遺跡を守るために研究者や学者のみしか入場できなかったこの洞窟に初めてカメラが入った。ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督率いるスタッフは、洞窟の奥に残された古代人の手による絵画を3D映像で美しく立体的に表現していく。

恥ずかしながらこの作品を見るまでショーヴェ洞窟のことは何も知らなかった。文化財保護の観点から、私たち一般庶民は、決して入れないショーヴェ洞窟。その内部は、驚くべき芸術の宝庫だ。牛、馬、サイ、ライオンなどの多くの動物画はとても3万年前のものとは思えないほど上手い。しかも技巧に富んでいていて、岩の凹凸を利用して、見る位置によって絵が変化する“トリックアート”まであるのには驚いた。技法は、スタンプや吹き墨など。動物を描く画家にはシャガールやピロスマニがいるが、彼らの芸術の原点を見る思いがする。思えば個性的な作風で知られるヘルツォークの映画には、「アギーレ 神の怒り」や「フィッツカラルド」「彼方へ」など、原初的な自然と人との関係性をテーマにした作品が多い。本作は、3万年以上前の人間が残した芸術作品に、最先端の映像テクニックで挑む、現代と過去のコラボレーションだ。このモチーフがいかにもヘルツォークらしい。ショーヴェ洞窟と内部の壁画に関しては、現在も調査・研究が進行中。幻想的な音楽と共に、スクリーンで時空を超える体験ができたのは貴重だった。日本語版のナレーションは、ヘルツォークのファンであるオダギリジョーが担当。静かで深みのある声が作品を魅力的にしている。
【65点】
(原題「CAVE OF FORGOTTEN DREAMS」)
(アメリカ/ヴェルナー・ヘルツォーク監督/ヴェルナー・ヘルツォーク、日本語版ナレーション:オダギリジョー)
(アート度:★★★★☆)
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世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶@ぴあ映画生活

マイウェイ 12,000キロの真実

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圧倒的な戦闘シーンからすさまじい生命力を浮き彫りにする「マイウェイ 12,000キロの真実」。韓国映画らしい過剰な描写と力技に圧倒される。

1928年、日本統治下の朝鮮・京城(現ソウル)。憲兵隊司令官の祖父を持つ日本人の辰雄と、朝鮮人の使用人の息子ジュンシクは、共に走ることが好きな少年だ。成長し、オリンピックを目指すライバルとなるが、ある事件をきっかけに2人は憎しみ合うようになる。やがてノモンハンの戦場で、日本軍に強制徴用されていたジュンシクは、守備隊長の辰雄と再会する…。

第二次世界大戦期、日本とソ連とドイツの軍服を着て、生き抜いた男たちがいた。荒唐無稽に思えるこの設定、実話が基だというから驚く。驚くのはそれだけではない。この映画の戦闘シーンの迫力は、ハリウッドの「プライベート・ライアン」に匹敵するほどダイナミックなのだ。日本人と韓国人二人の愛憎半ばの友情という感動のツボを、あえて薄味にしてまで、こだわり抜いたド迫力の戦闘場面はすさまじいの一言である。大量の人と物を動員し、さらにアジアからヨーロッパへ大陸を横断して撮影を敢行、圧倒的なスケールで演出したカン・ジェギュ監督は、今までのアジア映画にはない迫力を生みだしている。オダギリジョーとチャン・ドンゴンのダブル主演だが、走ることだけを信じ決してブレないジュンシクに対し、オダギリ演じる辰雄は悪役で分が悪い。だが、戦争の不条理と生死の極限状態で、信じていた国から裏切られた辰雄の心が変化する様は、逆に人間らしくも思える。対照的なジュンシクと辰雄に共通するのは、どんな状況でも生きると決めたこと。満州、ソ連、ドイツ、フランス・ノルマンディーと、どれほどの危機に瀕してもしっかり生き残る展開には苦笑するのだが、歴史の大きなうねりに翻弄されながらも、生き抜く生命があるというメッセージは力強い。サミュエル・フラーが監督した傑作「最前線物語」の中の“戦場では生き残ることがモラルだ”という名セリフが思い出される。
【65点】
(原題「My Way」)
(韓国/カン・ジェギュ監督/オダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビン、他)
(スペクタクル度:★★★★☆)
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マイウェイ 12,000キロの真実@ぴあ映画生活

映画レビュー「奇跡」

奇跡 [Blu-ray]奇跡 [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
“奇跡”を願う子供たちの成長物語の秀作。まえだまえだの2人が自然体で素晴らしい。 【85点】

 両親の離婚により、母の実家の鹿児島で暮らす兄・航一と、父と一緒に福岡で生活する弟の龍之介。二人は、両親が仲直りし、再び家族4人で暮らす日を夢みていた。そんな時、九州新幹線全線開通にまつわるある噂を耳にする…。

 フランソワ・トリュフォー、アッバス・キアロスタミ、そして是枝裕和。彼らに共通するのは、子供の使い方が抜群に上手いということだ。本作でも、主人公の兄弟を演じる小学生お笑いコンビ“まえだまえだ”の演技の素質を見抜いた是枝監督の眼に狂いはなかった。大人びているようで本当はナイーブな兄と、寂しさを笑いに変える力を身に付けた、実はしっかり者の弟。自然体で演じる2人を、大人の俳優たちがしっかりと支え、バランスが絶妙だ。

 離れて暮らす兄弟が願いを託したその噂とは、九州新幹線が全線開業する日、博多発と鹿児島発の2つの新幹線の一番列車がすれ違う瞬間を目撃すれば、すごいエネルギーが発生し奇跡が起きて願いが叶うというもの。列車が行き交う場所・熊本に行こうと、子供だけで始めた無謀な旅行は、見ていてハラハラする。だが、そんな旅はいつだって子供を成長させるのだ。「友だちのうちはどこ?」や「スタンド・バイ・ミー」がそのことを証明してくれている。

 航一と龍之介の背景を丁寧なエピソードで積み重ねたことで、彼らの願いと心の成長がスムーズに感じられる。さらに、懸命に生きる大人の姿も盛り込み、その土地の魅力が立ち上るご当地映画としても第一級の作品になっている。新幹線をあえて脇役に据えたことが、人間ドラマを際立たせた。

 家族が一緒に暮らすには桜島が大噴火すればいいとのトンデモない願いは、旅を通してどう形を変えていくのか。両親の離婚で深く傷つきながらも、自分の力だけではどうしようもないことがあり、それを受け入れることを学んでいく二人。まだ思春期にも満たない少年たちは、仲間との小さな旅を通して世界に思いをはせ、少しだけ、でも確かに大人になった。是枝監督は「冒険から帰ってくる子供を玄関先でさりげなく待っている大人でありたい」と語っている。梅雨の雨の後、紫陽花の花が美しく色づくように、子供と大人、それぞれが小さな希望の花をみつける物語だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)成長物語度:★★★★★

□2011年 日本映画 原題「奇跡」
□監督:是枝裕和
□出演:前田航基、前田旺志郎、大塚寧々、オダギリジョー、他
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奇跡@ぴあ映画生活

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PLASTIC CITY プラスティック・シティ

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オダギリジョーが主演だが、世界各国から多才なキャストが集まったことで、無国籍なムードが漂った。育ての親である中国人ユダとブラジルの闇社会で生きるキリンは、日系ブラジル人。ある時ユダの命が狙われたことでキリンもまたマフィアの抗争に身を投じることになる。血よりも濃い義父と息子の関係を軸に、クライム・ムービーとして物語は進むが、杯を逆さにしたような塔の上での乱闘のあたりから幻覚のような気配が漂い、現実感が急激に薄れていく。やがて二人が出会ったジャングルへ戻る展開は、因果応報のギリシャ悲劇のようだ。リクウァイ監督のアート嗜好が色濃く出た作品で、スタイリッシュなミュージックビデオ・クリップ風に見ると楽しめる。
【60点】
(原題「PLASTIC CITY」)
(中国・香港・ブラジル・日本/ユー・リクウァイ監督/オダギリジョー、アンソニー・ウォン、チェン・チャオロン、他)
(リアリティ度:★★★☆☆)

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悲夢(ヒム)

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奇妙な設定はキム・ギドクの十八番だが、今回の素材は夢だ。恋人を忘れられない男ジンの見た夢が、夢遊病の女ランの現実に現れることから、二人は夢に翻弄されていく。恋人と別れたという共通点以外、ほとんど説明はないが、夢と現実、男と女が分かちがたく存在する不思議な世界に魅了された。痛みを伴う愛の描写は、以前に比べマイルドなのでありがたいが、美男美女に異様な表情を演出するなど鬼才ぶりは健在。一方が欠けると生きられない二人。だが蝶のオチは少し弱い気も。刻印士という文字を裏側に掘る職業が効果的で、劇中に登場する“白黒同色”の言葉が深い。
【65点】
(原題「DREAM」)
(韓国/キム・ギドク監督/オダギリジョー、イ・ナヨン、パク・チア、他)
(幻想度:★★★★☆)

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たみおのしあわせ

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これほどの豪華キャストなのに、作品にまったく好感が持てないのは、登場人物全員がイヤな奴だからか。悪いヤツならまだ救われるものを。子離れできない父と成り行きまかせの息子が、結婚しようと奮闘する。名作青春映画を意識したラストは、幸せな未来ではなく、大人になることを拒み過去へと逃避するものだ。不完全燃焼は狙ってのことだろうが、これでは共感は得られない。ダサいオダジョーと謎の人物・忌野清志郎は秘かにウケた。
【20点】
(日本/岩松了監督/オダギリジョー、原田芳雄、麻生久美子、他)
(ツボが違いました度:★★★★★)

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サッドヴァケイション

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作り手の、女性への畏怖と敬意を、隙のない演出でまとめて、素晴らしく出来がいい。豪華キャストも互いを殺すことなく上手く使っている。自分を捨てた母親への復讐を誓う青年と、物事全てを受け入れつつ前進する女の度量を描く物語だ。弱者への優しい視線と現実への対処が心にしみる。珍しくファンタジックなラストも好感度大だ。北九州を舞台にした前2作と関係はあるが、独立しても鑑賞できるところがいい。
【85点】
(日本/青山真治監督/浅野忠信、石田えり、宮崎あおい、オダギリジョー、他)
(女は強し!度:★★★★★)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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