映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

オリヴィエ・アサイヤス

パーソナル・ショッパー

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パリで、多忙なセレブのために、服やアクセサリーの買い物を代行するパーソナル・ショッパーとして働くアメリカ人のモウリーンは、数ヶ月前に双子の兄を亡くし、悲しみから立ち直れずにいた。ある時、モウリーンの携帯電話に正体不明の人物から奇妙なメッセージが届き、その人物に誘導されるかのように、依頼主の服を身に着けるというタブーを犯してしまう。同時に彼女の周囲で不可解な出来事が次々に起こり、ついにモウリーンはある事件に巻き込まれる…。

セレブの買い物を代行する女性が、謎めいた事件に巻き込まれるミステリー「パーソナル・ショッパー」。オリヴィエ・アサイヤス監督と主演のクリステン・スチュワートのタッグは「アクトレス〜女たちの舞台〜」に次いで二度目だ。ハリウッド映画とは全然違う顔をみせるスチュワートは、今回もまたセレブの秘書的な地味な役。ただ「アクトレス」と大きく異なるのは、ヒロインが霊能者というスピリチュアルな設定であることだ。モウリーンは、兄の死から立ち直れず、彼が住んでいたパリを離れないのは、生前二人が、先に死んだ方がサインを送ると誓いあっていたから。モウリーンの携帯に次々に届く謎めいたメッセージの送り主は、誰なのか。もしや死後の世界からのものなのか。…と、ミステリーからオカルトへと傾くかに思えたが、終わってみれば、そのどちらでもなかった。依頼主の高価なドレスを身に着けるというタブーは、今より豊かな、別人になりたいというモウリーンの心の欲望だが、物質主義を単純に否定しているわけではない。霊能力があるが、それが事件の解決を助けるわけでも、スピリチュアルな世界を肯定するわけでもない。共に個性的な設定なのに、活かしきれてない印象なのが残念だ。だが、深い孤独と喪失感を抱えたヒロインが、自己を解放する物語としてみれば、なかなか興味深い。雇い主とはほとんど電話で話すだけ。遠いアラビア半島にいる恋人とのやりとりはPCの画面を通して。謎の人物とのミステリアスな会話は携帯のメッセージ。ヒロインはいつも、そこにいない人物と共に生きていた。それは、現世にいない死者を感じる霊能と重なって見える。ファッショナブルかつ不思議なテイストの心理劇だが、別人になりたいと心の奥底で願ったヒロインが、結果的に、アイデンティティーを取り戻すストーリーは、示唆に富んでいて悪くない。
【65点】
(原題「PERSONAL SHOPPER」)
(フランス/オリヴィエ・アサイヤス監督/クリステン・スチュワート、ラース・アイディンガー、シグリッド・ブアジズ、他)
(スピリチュアル度:★★★☆☆)
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クリーン

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無国籍なムードを漂わせる国際派女優マギー・チャン主演の人間ドラマだ。ロックスターだった夫をドラッグの過剰摂取で亡くしたエミリーは、自らも麻薬所持で逮捕され、幼い息子ジェイの養育権を奪われる。、出所後パリへと向かい、息子のために人生をやり直そうと決意する。

実際、この物語のヒロインは、どうしようもないダメ母だ。自らも時に薬に依存し、息子を愛してはいるが育児能力はない。なのに息子との暮らしと歌手としての成功を同時に望む身勝手さだ。プライドが高く、地道な仕事が続かない彼女に感情移入は難しいはず。だが、映画はそんなヒロインを否定も肯定もせず、淡々と追っていく。緊張感が高まるのは、エミリーとジェイが2日間だけ一緒に過ごすときにガチンコでぶつかりあう場面。これは大人と子供や親と子の会話ではなく、人間同士の本音の叫びだ。子供を社会の庇護の下に置こうとする日本や、やたらと自由を尊重する米国とは違う、欧州の価値観を、香港出身のアジア人マギー・チャンが演じるところに面白さがある。エミリーの歌手としての才能が感じられないのが残念だが、妻や母である前に自分に正直な人間であろうとする主人公の生き様は強く印象に残る。
【65点】
(原題「Clean」)
(仏・英・カナダ/オリヴィエ・アサイヤス監督/マギー・チャン、ニック・ノルティ、ベアトリス・ダル、他)
(母性愛度:★★★☆☆)

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夏時間の庭

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老いと孤独。家族の崩壊。この物語の穏やかな喪失感は、どこか小津映画を思わせる。パリ郊外の瀟洒な一軒家に住んだ母の死後、家と美術品コレクションを処分することになり、3人の兄妹はそれぞれの思いで人生に向き合うことに。

緑あふれる家と庭はすべてが絵画的。それに対し、時代の流れやグローバリズム、遺産分割など、子供たちの現実は決して甘くない。結局残るのは物ではなく共に過ごした時間をいつくしむ心なのだ。美は思い出の中にあるというアイロニカルな視点が仏映画らしい。ちょっぴり問題児で現代っ子の孫娘が、祖母と暮らした家や絵がなくなることに対して悲しむラストが秀逸だ。未来の象徴である彼女の心が本当の財産なのだとこの映画は告げている。オルセー美術館20周年企画の美しい小品だ。
【65点】
(原題「L'Heure d'ete」)
(フランス/オリヴィエ・アサイヤス監督/ジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ、他)
(喪失感度:★★★☆☆)

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