映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

オルガ・キュリレンコ

ロープ 戦場の生命線

Perfect Day / [Blu-ray] [Import]
1995年、停戦後間もないバルカン半島。ある村で井戸に死体が投げ込まれ、生活用水が汚染される事態が発生する。国籍も年齢もバラバラの男女5人からなる国際援助活動“国境なき水と衛生管理団”は、水を浄化するためにまずは死体を引き上げようとするが、古いロープは運悪く切れてしまう。団のリーダーのマンブルゥと仲間たちは、やむを得ず、武装集団や地雷原などの危険地帯をロープを求めてさ迷うことに。そんな中、幼い少年二コラが自分が住む村にロープがあると言い、彼らと行動を共にするが、そこには衝撃の事実が待っていた…。

90年代の紛争地帯で人々を救うために活動している国際援助活動家たちの奮闘を描くドラマ「ロープ 戦場の生命線」。原作は“国境なき医師団”に所属する医師でスペイン人作家パウラ・ファリスの小説「雨を降らせて」だ。ボスニア紛争の内戦の実態を描く映画は秀作「ノー・マンズ・ランズ」など、いくつかあるが、本作は兵士や戦闘の映画ではない。地味だが大切な活動をコツコツと続ける名もなき人々の物語だ。とはいえ、彼らの活動の実態は、複雑な国際情勢の中、あまりにも困難で、やってもやっても報われない徒労感が漂っている。その悲壮感とバカバカしさを、ドライなユーモアで受け流し、自分たちが出来ること(この場合、ロープを探して村に戻ること)に専念するのだ。本当にやれやれの連続で気の毒になる。そもそも死体による井戸の汚染は、水の密売ビジネスで儲けようとする犯罪組織の仕業なのだから、たまったモンじゃない。

オスカー俳優のベニチオ・デル・トロをはじめ、国際的演技派キャストの競演が絶妙だ。元カノとのゴタゴタや、地雷原をのんびり歩く老婆、少年たちのボールの奪い合いなど、小さなエピソードもきちんとストーリー展開に活かされている。ニコラ少年がみつけたロープの先にはなんと凶暴な犬が!だが、その後に見た衝撃的な光景に戦争の本物の悲劇がある。そして苦労して手に入れたロープの皮肉な運命にも。終盤、名曲「花はどこへ行った」が流れ、次の任務を阻む無常の雨が降るが、その雨は同時に恵みの、いや奇跡の雨でもあるのだ。今できる精一杯のことをやり続ける忍耐と勇気。不条理の中でもくじけない活動家たちの行動をたたえたい。見終われば、じんわりと感動がしみてきた。
【75点】
(原題「A Perfect Day」)
(スペイン/フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督/ベニチオ・デル・トロ、ティム・ロビンス、オルガ・キュリレンコ、他)
(徒労度:★★★★☆)


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ある天文学者の恋文

ある天文学者の恋文 [Blu-ray]
天文学者エドと、教え子のエイミーは、秘密の恋をしていた。その日もホテルの一室で愛しあった後、エドは自宅へと戻っていった。ある日、出張中のエドからエイミーにメールが届く。だが同じ日、大学の講義が始まる前、エドが数日前に亡くなったという衝撃的な訃報が届く。驚くエイミーだが、それからもエドから、次々にメールやプレゼントが届き続けた。エドが残した謎を解き明かそうと、エイミーは、エドが暮らしたスコットランドのエジンバラ、二人で訪れたイタリア湖水地方を訪れる。そこで、エイミーが誰にも言えずに封印してきた過去を、エドが密かに調べていたことを知るのだが…。

死んだはずの恋人から届くメッセージの謎を解き明かすラブ・ストーリー「ある天文学者の恋文」。亡き恋人からの手紙や贈り物の意味は?誰かのいたずらなのか。死者からの不思議なメッセージなのか。もしやエドはまだ生きているのか。ミステリアスなその謎を調べる主人公エイミーの旅は、そのままエイミー自身をみつめる旅になっていく。謎を解くカギのひとつは、天文学者エドと教え子エイミーが星と天空を愛し、その神秘に魅せられていることだ。夜空で美しく輝く星は、その輝きが地球に届く時、もしかしたらもう何年も前に消滅しているかもしれないという不可思議な事実。時間と空間を超えて届く輝きがあるように、本物の愛もまた、時を超えて届けられる。ミステリーの詳細は映画を見て確かめてほしいが、エドの愛情の伝え方は、考えようによっては恋人をいつまでも束縛するエゴイスティックなものともいえる。それでも最愛の人が誰にも言えずに抱えていた苦しみを和らげようと、人知れず心を砕くのは、恋人の愛であると同時に、大人の慈愛のようで胸にしみる。名優のジェレミー・アイアンズが、老天文学者の大きな愛と内に秘める寂寥感を静かに熱演して味わい深い。スコットランド・エジンバラの落ち着いたたたずまいや、イタリア湖水地方のサン・ジュリオ島の美しさが、物語を彩り、少し風変わりなラブストーリーに、エンニオ・モリコーネの美しいメロディーがそっと寄り添っている。ジュゼッペ・トルナトーレ監督が近年得意とするミステリー仕立ての恋愛映画だ。
【60点】
(原題「CORRESPONDENCE/LA CORRISPONDENZA」)
(イタリア/ジュゼッペ・トルナトーレ監督/ジェレミー・アイアンズ、オルガ・キュリレンコ、、他)
(ミステリアス度:★★★★☆)
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スパイ・レジェンド

スパイ・レジェンド [Blu-ray]
伝説的スパイがかつての組織と対峙するサスペンス・アクション「スパイ・レジェンド」。硬派なスパイ映画好きにはおすすめ。

ザ・ノヴェンバー・マンというコードネームで呼ばれた伝説的CIAエージェントのピーター・デヴェローは、スイスで引退生活を送っていたが、かつての仲間が次々に殺されているのを知る。デヴェローは彼らの救助に向かうが、元同僚で愛していた女性を目の前で殺されてしまう。しかもその犯人は自分が所属していたCIAだった。自ら教育した現役最強のスパイと激しい攻防を繰り広げながら、事件の全貌をつかもうとするデヴェローだったが、やがてロシア大統領選をめぐる国際的陰謀にたどりつく…。

原作はビル・グレンジャーの小説「ノヴェンバー・マン」。ジェームズ・ボンド役で知られるピアース・ブロスナンが久々のスパイ役を演じることが話題だが、娯楽満載の007シリーズとは対極の、古典的なスパイ映画の香りを漂わせる硬派なサスペンス映画に仕上がっている。とはいえ、爆発、カーチェイスなど、見せ場はたっぷり用意されていて、知的要素とアクションが上手くミックスされているのだ。映画は、おそらく現実に起こったリトビネンコ事件をヒントにしているのだろう、CIAの裏切りやロシアのチェチェン侵攻など、描かれる背景がやけに生々しい。ピーター・デヴェローは、冷徹と言えるほどクールで無駄な動きなどないプロ中のプロ。かつて自分が育てた若手エージェントを相手に、自分の中の正義に従って挑んでいく。元ボンドガールのオルガ・キュリレンコが事件の鍵を握る女性役で出演するが、彼女には実は秘密があって…というサスペンス要素もまた緊迫感を醸し出している。CIA側の二重スパイ、チェチェン侵攻の黒幕、謎の女性ミラ。ほとんど味方がいない状態で、孤軍奮闘するニヒルな男デヴェローは、ピアーズ・ブロスナンの新たな当たり役になるかも。決して派手さはないが、リアリズム重視の硬派なスパイ映画が好きなファンにはおすすめの作品だ。
【65点】
(原題「The November Man」)
(アメリカ/ロジャー・ドナルドソン監督/ピアース・ブロスナン、オルガ・キュリレンコ、ルーク・ブレイシー、他)
(硬派度:★★★★☆)
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トゥ・ザ・ワンダー

トゥ・ザ・ワンダー [Blu-ray]
移ろいゆく愛の悲しさを息を呑む美しい映像で綴る「トゥ・ザ・ワンダー」。基本はメロドラマなのにマリックの手にかかると芸術的な叙事詩に変わるから不思議だ。

アメリカ人エンジニアのニールは旅先のフランスで、シングルマザーのマリーナと出会い、恋に落ちる。深く愛し合う二人はマリーナの娘タチアナと共に、アメリカのオクラホマで暮らし始めるが、慣れない土地での寂しさからマリーナは情緒不安定になり、やがて二人の心は離れていく。マリーナが娘を連れてフランスへ戻った後、ニールは幼馴染のジェーンと再会し、関係を深めていく。一方、マリーナの相談相手だったカトリック教会の神父クインターナは、救いを求める人々に布教を行っていたが、神への信仰で苦悩を深めていた。やがて、マリーナが、フランスでも生活が破綻したと知ったニールは、責任感からマリーナと結婚を決意。ジェーンは彼の元を去っていく。愛について深く考える彼らは、やがてそれぞれの結論を迫られることになる…。

フランスのモン・サン・ミッシェルのブルーグレーに煙った風景、オクラホマの乾いた大地と豊かな自然景観、信仰に悩む神父が祈りを捧げるほの暗い室内。すべての映像が一枚の絵画のように美しい。生きる伝説と言われ、世界中の俳優が出演を渇望する巨匠テレンス・マリックは、不確かな愛や移ろう心を、豪華スター共演で詩的に描き出した。マリック作品といえば、静かで印象的なナレーションによって物語が進行するスタイルが特徴だが、本作のナレーションは語り部というより、祈りのよう。この人だけを生涯愛し続けようと誓っても、永遠と思われたその愛は、一時も同じ形ではとどまらない。「なぜ愛は冷めるのか」という解けない命題を登場人物それぞれが深く思考するのだが、英語、フランス語、スペイン語と異なった言語で心象風景が語られるように、彼らの心は苦悩し乖離していく。男女が出会い、離れていくストーリーはメロドラマ以外の何者でもないが、本作には信仰という視点があるため、愛がもたらす喜びと悲しみ、さらに真実の愛の意味を探求する哲学に思えてくる。ベン・アフレックやハビエル・バルデムがいつもと違う静謐なイメージで好演しているが、オルガ・キュリレンコの起用は少し意外。マリック作品のヒロインといえば、はかなげで影が薄く、それでいて聖なる女性のイメージなのだが、キュリレンコの内に秘めた激情が、物語に先読み不能のサスペンスを与えていた。格調高いクラシックのメロディーと、名カメラマンのエマニュエル・ルベツキの美技を堪能したい。
【65点】
(原題「To the Wonder」)
(アメリカ/テレンス・マリック監督/ベン・アフレック、オルガ・キュリレンコ、レイチェル・マクアダムス、他)
(映像美度:★★★★☆)
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トゥ・ザ・ワンダー@ぴあ映画生活

オブリビオン

オブリビオン (サントラ・ショートエディションCD・eCOPY付き)(初回生産限定) [Blu-ray]
壊滅状態の地球で運命を切り開き戦う男を描く「オブリビオン」。SF活劇だが、ラブ・ストーリーとしても楽しめる。

2077年、エイリアンの攻撃によって壊滅した地球。すべての人類が他の惑星へ移住した中、ジャックは妻ヴィクトリアと共に地球に残り、高度1000mの上空に暮らして地球を監視する任務をこなしていた。その任務の期限ももうすぐ終わるというある時、ジャックは地上に墜落した宇宙船を確認、ジュリアという美女を助ける。彼女は時折、夢に出てきた女性で、なぜかジャックの名を口にする。不思議な記憶が蘇る中、ジャックは誰もいないはずの地上エリアで、何者かによって捕らえられる。目の前にいたのは謎の男ビーチ。彼との遭遇により、ジャックは驚愕の事実を知り、地球と人類の運命を賭けたミッションに巻き込まれていく…。

半壊した地球の衝撃的なビジュアル、高度1000m上空の超未来的デザイン、緑の植物にあふれた郷愁を誘う森。どれも独特の映像センスが冴えていて、これらまったく異なる空間が存在する意味が、後半の謎解きの重要な鍵となる。地球を守る孤高のヒーローが主人公のSFだが、ベースにあるのはラブ・ストーリーだ。ジャックはなぜ孤独な任務についているのか。彼が時折感じる日常の違和感と断片的な記憶の意味とは。敵と味方があいまいな人間関係の中、いくつもの謎が浮かぶが、それらもすべて後半につながっている。物語の性質上、詳細を明かすのは避けるが、ひとつひとつの設定は、過去のSF作品で見てきた既視感があるものの、最後まで飽きさせない作りだ。細部まで作りこまれたスタイリッシュな映像と、愛を巡る記憶をエモーショナルに描き、自己犠牲というクライマックスに突入する展開は、SF大作にふさわしいスケールである。トム・クルーズは「マイノリティ・リポート」などSF大作ではやはりひときわ演技が冴えるようだ。劇中に、米国を代表する画家アンドリュー・ワイエスの代表作「クリスティーナの世界」が印象的に登場する。足が不自由でも、何でも自分の力で成し遂げる毅然とした女性クリスティーナ。たとえ不完全な存在でも人間は不屈なのだという、本作のメッセージと見事に重なる。監督のジョセフ・コシンスキーは「トロン:レガシー」では観客をがっかりさせたが、本作ではしっかりとその才能を証明してくれた。
【65点】
(原題「OBLIVION」)
(アメリカ/ジョセフ・コシンスキー監督/トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコ、モーガン・フリーマン、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
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オブリビオン@ぴあ映画生活

故郷よ

故郷よ [DVD]故郷よ [DVD] [DVD]
チェルノブイリ原発事故の立入制限区域内で撮影された初めての劇映画「故郷よ」。素朴な風景の抒情性が悲劇を際立たせる。

1986年。ソビエト連邦(現ウクライナ)にあるチェルノブイリからわずか3キロに位置する町プリピャチ。春が訪れ豊かな自然に恵まれた美しいその町で、原子力発電所の技師アレクセイは幼い息子ヴァレリーと、川辺にリンゴの苗木を植え、アーニャはピョートルとの結婚式で幸福の絶頂にいた。だが、4月26日、原子力発電所で事故が起こる。技師のアレクセイはいち早くことの重大さを知るが、政府は情報を差し止めていた。現場に向かった花婿のピョートルは二度戻らず、街全体に強制退去命令が下り、人々は何も教えられないまま散り散りになってしまう。10年後、アーニャはツアーガイドとして故郷に留まっていた。別の土地で成長したヴァレリーも、消息を絶った父を探すため、事故以来、初めてプリビャチにやってくる…。

チェルノブイリ原発事故を取りあげたドキュメンタリーは多く作られているが、立ち入り制限区域内で撮影されたフィクションは本作が初だという。うららかな春の日に、想像を絶する悲劇が突然起こるなど、いったい誰が予想しただろう。物語は、事故当時の様子と、その10年後の人々を描くことで、実際の事故と、心身ともに傷ついた人間のドラマが合体し、リアリティを持って迫ってくる。ただし映画は事故そのものを直接的には描かない。黒い雨が降り、植物が枯れ、動物は息絶えるが、人々は情報不足のせいであまりにも無防備だ。美しい花嫁だったアーニャは10年後も周囲を魅了する美しさだが、他の場所で生きていきたいと願いながら、故郷プリピャチを離れられないでいる。事故の記憶が彼女を縛っているのだが、故郷とそこで起こったことを忘れてはならないという彼女自身の意志でもあるのだ。一方、技師のアレクセイは、事故の後、故郷を喪失し、家族に会うこともなく終わりのない放浪の旅を続けている。この作品では、事故の悲劇性もさることながら、その土地がその後どうなったのか、そこに暮らしていた人々のその後の人生はどう変わったのかを丁寧に描くことで、未来へのメッセージを発しているのだ。喪失感と深い悲しみが静かな画面からあふれ、そのことが、福島の原発事故とどうしようもなく重なってしまい、胸が苦しくなる。10年後のプリピャチの街は廃墟の冬景色。それでもそこは、心の拠り所であり、かけがえのない故郷なのだ。「007 慰めの報酬」の、ウクライナ出身のオルガ・キュリレンコが故郷に対する想いを抱きながら生きるヒロインを熱演している。
【70点】
(原題「LA TERRE OUTRAGEE」)
(仏・ウクライナ・ポーランド・独/ミハル・ボガニル監督/オルガ・キュリレンコ、アンジェイ・ヒラ、イリヤ・イオシフォフ、他)
(抒情性度:★★★★★)
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故郷よ@ぴあ映画生活

マックス・ペイン

マックス・ペイン (完全版) [DVD]マックス・ペイン (完全版) [DVD]
人気ゲームの映画化だけあって、アクションは現実も幻覚もスタイリッシュだ。妻子を殺され復讐に燃えるという、超ありがちな設定のやさぐれ刑事が、真相を追ううちに大企業の陰謀に巻き込まれる。繰り返し登場する黒い羽根のイメージが効果的で、もしやこれは異色ファンタジーかと思い始めた頃、製薬会社による新薬実験という腑に落ちる展開になっていく。だが、ベトナム戦争でも試されたというその薬の効果に統一感がないのがマズい。最強であるはずの軍曹との対決がこうまで軽く流されては、クライマックスの興奮に水をさすではないか。話はB級だが、スローモーションで細部を見せるガン・アクションなど、時折ハッとするほど美しく凝った映像は一見の価値ありだ。
【50点】
(原題「MAX PAYNE」)
(アメリカ/ジョン・ムーア監督/マーク・ウォールバーグ、オルガ・キュリレンコ、ミラ・クニス、他)
(映像美度:★★★★☆)

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映画レビュー「007/慰めの報酬」

007 / 慰めの報酬 (2枚組特別編) 〔初回生産限定〕 [DVD]007 / 慰めの報酬 (2枚組特別編) 〔初回生産限定〕 [DVD]
◆プチレビュー◆
シリーズ初の続編はボンドの心の葛藤がテーマ。007に何を求めるかで評価が変わる。 【70点】

 愛した女性ヴェスパーの裏切りと死に傷ついたジェームズ・ボンドは、彼女の死に係わる悪の組織の存在を知ることに。それは南米の某国政府の転覆と天然資源の独占をもくろむ世界支配の陰謀だった…。

 最も愛されているスパイ映画007シリーズの第22弾だが、今回は、大きく3つの面で従来のボンド映画と異なる。まず続編であること。「カジノ・ロワイヤル」終了の1時間後から物語は始まるが、前作の説明はほとんどなく、かなり不親切な作りだ。2本で1本の映画とばかりに、1時間46分を疾走する。

 次に、「チョコレート」のマーク・フォスターを監督に、「クラッシュ」のポール・ハギスを脚本に据え、人間ドラマに磐石の態勢をとりながら、シリーズで最もアクション要素が強い作品になっていること。何しろそのバトルは、ジェイソン・ボーンも真っ青なほど激しい。カーチェイスはもちろん、ビルからビルに飛び移る肉体重視の格闘や、ボートや戦闘機での追跡まで、陸・海・空とバラエティに富んだアクションで、観客のボルテージを上げまくる。愛に傷つき任務に悩むボンドは、自分をいたぶるかのように闘っている。

 3番目はボンド映画お約束の美女とのからみだ。この作品では2人のボンド・ガールが登場するが、メインは、元ボリビアの諜報員で、殺された家族の復讐に燃える美女カミーユ。ボンドと行動を共にするのだが、彼女とは同志のような絆で結ばれている。平たく言えば“寝ない”のだ!劇中の彼女は、従来のセクシーなだけのボンド・ガールとは違って、まるで彼の心を写す鏡のように思える。愛したヴェスパーの復讐と任務の間で葛藤するという物語の性質上、女とイチャつくわけにはいかないが、こんなに硬派なボンドは初めてだ。

 結論を言おう。今回のボンドはひたすらシリアスである。6代目ボンドのダニエル・クレイグは、トム・フォードのスーツのおかげか男っぷりも2割は上がっているし、アクションもキレがある。愛する女性を失って復讐心を抑えることが出来るのか。そして007としての自分を信じ、上司Mの信頼を取り戻して、本物のシークレット・エージェントになることが出来るのか。葛藤を抱える演技も合格だろう。劇中、ほとんど笑顔を見せず、ボンドがボンドになる瞬間“ビギニング”をクールにキメてみせた。

 歴代のボンドで誰が最高かという議論は常にある。元祖のコネリーから、1〜2本のみ登場のレーゼンビーやダルトン、軽さが持ち味のムーアやブロスナンらがジェームズ・ボンドを演じてきたが、このキャスティングは、シリアス系とユーモラス系に大別できよう。ボンドに求めるものがシリアスならば、この「慰めの報酬」は限りなく満足する。遊びや快楽を求めるならこれはもはやボンド映画ではない。だが繰り返す。「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」の2本は、すべての007の前日譚だ。タキシード姿でマティーニを飲み、美女を助けて世界を救う男は、極限の悲しみを乗り越えて、最高にスタイリッシュなスパイになったのだ。荒唐無稽なテイストは、ひとまずお預け。それは本作で自分自身を見出したボンドの今後のためにとっておけばいい。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)アクション度:★★★★★

□2008年 イギリス・アメリカ合作映画 原題「QUANTUM OF SOLACE」
□監督:マーク・フォースター
□出演:ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリック、他


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007/慰めの報酬@ぴあ映画生活

ヒットマン

ヒットマン 完全無修正版
大仰なアヴェ・マリアの音楽にのり繰り広げられるアクション映画は、大人気ゲームが原作だ。47は遺伝子操作により誕生した凄腕の暗殺者。ある陰謀で出会った悲しい瞳の娼婦ニカがクールな彼を変えることに。どこか可愛げのあるルックスのオリファントがニカに迫られ、たじろぐ場面が見もの。ガン・アクションがド派手でいちいち格好つけるのが笑えるが、これが案外楽しめる。ただラストは見守るというよりストーキング。ちょいと問題ありかも。
【60点】
(原題「Hitman」)
(アメリカ/ザヴィエ・ジャン監督/ティモシー・オリファント、ダグレー・スコット、オルガ・キュリレンコ、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)

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