映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ユダヤ人を救った動物園」etc.

ガイ・リッチー

キング・アーサー

King Arthur: Legend Of The Sword
中世のイングランド。両親を殺され孤児になった青年アーサーは、スラム街の売春宿で育ち、たくましく生き抜いてきた。彼の両親の命を奪った暴君ヴォーティガンは、やがて自分を殺すであろう青年を探していたが、アーサーは、まだ、自分がかつてのイングランド王の一人息子であることを知らなかった。やがて聖剣エクスカリバーを手に入れたアーサーは、自らの過去と、亡き父王の代わりに王座を奪還する運命を知り、仲間の力を借りて立ち上がる…。

アーサー王伝説を新感覚で描いたソード・アクション「キング・アーサー」。中世の伝説の英雄アーサー王は、元祖ヒーローと言われ、小説、オペラ、舞台、コミック、アニメ、ゲームとさまざまな形で描かれてきた。映画でも数えきれないほどの作品があるが、本作は、いわばアーサー王の誕生秘話。物語の背景は、人間と魔術師が共存する混沌とした世界だが、主人公のアーサーは、格闘はカンフー仕込み、タフで仲間思いの心優しいストリート系ヒーローである。ガイ・リッチー監督は、手垢がついたストーリーを、主人公のキャラをイマドキ感満載にした上で、格調高さや文学的な趣をバッサリと切り捨てて、スピード感あふれるアクション・エンターテインメントとして描き切った。CGIも気合が入っていて、冒頭の巨大な象が登場するバトルは大迫力だし、セイレーンや湖の乙女の描写は幻想的で恐ろしくも美しい。もっとも“スラムのガキから王になれ”の下剋上的なキャッチコピーは、もともと王位継承者だった主人公の出自を思えばさほど響かず、なるべき人が王になる英国はやっぱり階級社会か…との思いがよぎった。聖剣エクスカリバーを岩から引き抜く重要なシーンで、特殊メイクのベッカムをカメオ出演させた後は、誰もが知っているカタルシスに向かって一直線に突き進む。魔術と権力に取りつかれた暴君ヴォーティガンが「今、ここにいるのもお前が原因だ。お前が俺を創った」と語るが、それがそのままアーサーの口を通して語り直されるとき、伝説や物語特有の因果応報がくっきりと浮かび上がる。華やかでスピーディー、時にコミカルでアクション満載の若きアーサー王の物語は、歴史ものはちょっと苦手な映画ファンにもおすすめの活劇に仕上がっている。
【60点】
(原題「KING ARTHUR: LEGEND OF THE SWORD」)
(アメリカ/ガイ・リッチー監督/チャーリー・ハナム、ジュード・ロウ、アストリッド・ベルジュ=フリスベ、他)
(下剋上度:★★★☆☆)
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コードネーム U.N.C.L.E.

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東西冷戦下の1960年代。ナチスの残党が核兵器拡散をたくらむ謎の国際犯罪組織と手を組んだ。世界のパワーバランスを脅かす大規模なテロ計画を阻止するため、アメリカのCIAとソ連のKGBが長年の敵対感情をひとまず忘れ手を組むことに。コンビを組むのは、CIAで最も有能な男といわれるナポレオン・ソロとKGBに史上最年少で入った超エリートのイリヤ・クリヤキン。やり方も考え方も正反対の2人は、何かと対立するが、鍵を握るドイツ人科学者の娘を守りながら核兵器の大量生産を阻止すべく奔走する…。

60年代に一大スパイものブームを巻き起こした伝説的TVシリーズ「0011 ナポレオン・ソロ」を、スタイリッシュな演出と独特の映像感覚でスピーディに活写したのが「コードネーム U.N.C.L.E.」。単純なリメイクや、設定を現代に置き換えたりはせず、あえて60年代のポップでレトロな雰囲気の中で凄腕スパイ2人が大活躍するエンタテインメントに仕上げたのが良かった。今回は久し振りにガイ・リッチー監督自ら脚本も担当しているだけあって、セリフが小粋でテンポがいい。のんびりした60年代が舞台だが、アクションはスピーディだし、ここぞというところでヒュー・グラントを投入するなど、演出も抜かりがない。もちろん、アーミー・ハマーはロシア人にはとうてい見えず、悪女のエリザベス・デビッキがパリス・ヒルトンに激似など、つっこみどころはあるものの、女好きのナポレオン・ソロとカタブツのクリヤキンという正反対の二人は見ていて楽しめる。真逆でありながら、実はお互いのことを誰よりも理解している男性コンビは「シャーロック・ホームズ」でもガイ・リッチーが描いたお得意の素材。60年代のファッションや音楽なども、往年のファンにはたまらないだろう。スパイ映画の大作がひしめく今年、本作は意外にも拾いもの。シリーズ化希望!である。
【70点】
(原題「THE MAN FROM U.N.C.L.E.」)
(アメリカ/ガイ・リッチー監督/ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル、他)
(レトロモダン度:★★★★☆)
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シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

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文武両道のホームズ像が新鮮で大ヒットしたシリーズ第2弾「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」。よりアクション色が強くなり、ダイナミックな展開が楽しめる。

ヨーロッパで連続爆破事件が多発、次いで、オーストリア皇太子の遺体が発見される。名探偵シャーロック・ホームズは、一連の事件を、元ボクシング・チャンピオンにして天才数学者、社会的地位も高い宿敵モリアーティ教授の仕業と推定した。ホームズは、相棒のワトソン、事件の鍵を握る女占い師シムと共に、ロンドン、フランス、ドイツ、そしてスイスへと渡り、捜査を続ける。命の危険にさらされる3人だが、モリアーティは常に彼らの一歩先を行く。やがてこの事件の裏には、世界の歴史を変えてしまうほどの陰謀と策略があると分かるのだが…。

コナン・ドイルが生み出した世界屈指の知的キャラ、名探偵シャーロック・ホームズを、やんちゃな武闘派として再構築した試みが大成功した前作は、たとえ知的な謎解きは少なくなっても、とにかく新鮮だった。続編である本作も、その流れに沿って、緻密な頭脳戦というよりは、ハイスピードで展開するアクション・エンタテインメントの趣である。世界征服を企てる強敵の野望を阻止する構図は、まるで「007」か、はたまた「ミッション・インポッシブル」のよう。だが、ガイ・リッチーの遊び心全開のこのシリーは、ロバート・ダウニー・Jr.がハマリ役で演じるホームズのやんちゃなキャラがたまらなく魅力的なのだ。何しろ、親友で相棒のワトソンが結婚するのが寂しくてスネたりするホームズは、恋愛よりも同性同士で転げまわって遊ぶのが何より楽しい10代前半の少年にさえ見える。そんなキャラクター設定が個性的な本作だが、ホームズと対等に渡り合える唯一の敵モリアーティ教授との全面対決で、ヒートアップする。相手にとって不足なし!と全力でぶつかるホームズだが、さすがに今回は手強い。次々に舞台が変わり、文字通り命を賭けたクライマックスへとなだれ込む。映画は派手なジェットコースター・ムービーで、コメディタッチの会話も含めて退屈とは無縁で楽しめる。悪役ながら原作ファンの間で人気が高いモリアーティを演じるジャレッド・ハリス、エキゾチックなジプシーの女占い師シム役のノオミ・ラパスと、欧州の香りを意識したキャスティングが、地味ながら渋いところだ。
【65点】
(原題「SHERLOCK HOLMES: A GAME OF SHADOWS」)
(アメリカ/ガイ・リッチー監督/ロバート・ダウニー・Jr.、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、他)
(アクション度:★★★★★)
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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム@ぴあ映画生活

映画レビュー「シャーロック・ホームズ」

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◆プチレビュー◆
世界一有名な名探偵は、タフな武闘派。科学と魔術が混在する19世紀ロンドンの空気が伝わってくる。 【65点】

 1891年、ロンドン。若い女性を狙う連続殺人事件が起きる。名探偵シャーロック・ホームズと相棒のワトソン博士は、犯人のブラックウッド卿の逮捕に貢献するが、黒魔術を操る卿は、自分はたとえ死んでも蘇ると豪語する…。

 知性、教養、記憶力、もちろん推理力も超人的なシャーロック・ホームズ。誰もが知るこの名探偵を、格闘系のヒーローとして再構築したことで、まったく新しいホームズ像が完成した。シャーロキアン(シャーロック・ホームズの熱狂的ファン)が、この斬新なホームズをどう感じるかはさておき、エネルギッシュな新ホームズからは、とんがった映像感覚と、時間軸をバラして物語を語るスタイルを得意とするガイ・リッチー節が聞こえてくる。

 いつも難事件に挑んでいるホームズだが、今回のそれは前代未聞。儀式めいた殺人を繰り返すブラックウッド卿は、邪悪な組織の頂点に立つことで、大英帝国を崩壊させ、世界を征服しようと企んでいる。国家を動かす貴族階級の鬼っ子である卿のアイテムは、呪い、死者の復活、黒魔術。こんな言葉が必要以上の恐怖を孕んでしまうのが、いかにも19世紀だ。産業革命や科学の発達によって驚異的な発展を遂げたロンドンの街には、同時に闇の世界が存在し、人々は科学で解明できないものを恐れ敬う。ただ一人、冷静なホームズを除いて。

 ただし、本作のホームズは、私たちが知っている今までの彼とは違う。演じるロバート・ダウニー・Jrのイメージそのままの、やんちゃキャラなのだ。何しろ事件がないオフには、うつ状態で散らかり放題の自室に引きこもる。相棒のワトソンが結婚して身を固め、自分とのコンビを解消すると聞けば、ダダをこねた末に相手の女性に意地悪したり。さらに、気取った英国紳士とばかり思っていたこの名探偵は、パワフルな格闘能力をも披露する。武闘派探偵ホームズにとっては、賭けボクシングでさえも先読みして解決可能な“事件”なのだ。

 かつてホームズを出し抜いたこともある知的な美女にして危険な女盗賊アイリーンの人探しの依頼から、事件はトンデモナイ展開に。やがてブラックウッド卿の謎へと収束する。今でもアイリーンにぞっこんのホームズは、食肉解体場や巨大な造船所、建設途中のタワーブリッジで、大奮闘を繰り広げる。手に汗握るのはハンス・ジマーの音楽のおかげだが、これが大仰すぎてやや興ざめ。どうせならガイ・リッチーらしくポップなサウンドがほしかったところだ。

 ともあれ、ブラックウッド卿の陰謀のからくりを、ホームズが知識と科学とユーモアで鮮やかに解き明かすプロセスは、娯楽映画ならではのテンポの良さで大いに楽しめる。しばしば暴走するホームズと良識派のワトソン。このアクション・エンタテインメントには、凸凹コンビの刑事ものの原点を見る思いだ。音楽にしろアートにしろ、後世まで残る英国のムーブメントは、何らかの形で階級闘争をテーマにしてきた。架空の人物であるシャーロック・ホームズもまたしかり。知識だけでなく時には拳を使ってさまざまな階級に踏み込んでいく。ちなみにホームズの生みの親のアーサー・コナン・ドイルは、眼科医から作家に転業した人物。本作のストーリーはオリジナルだが、やがてホームズがこんなアクション・ヒーローとして蘇ることも“見えていた”かもしれない。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)アクション度:★★★★☆

□2009年 イギリス映画 原題「Sherlock Holmes」
□監督:ガイ・リッチー
□出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、他

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珍しく長髪のステイサムが異彩を放つ迷宮系犯罪映画だ。凄腕ギャンブラーの復讐劇は、ほとんどが主人公のモノローグで構成されている。物語は、辻褄が合わない部分もあり、デビッド・リンチ風に内にこもる展開。混乱必至だが、すべては、獄中の主人公の妄想だと解釈すれば納得がいく。伝説のボスやチェスなど思わせぶりな設定は消化不良だが、心理描写も兼ねる色彩の映像がスタイリッシュ。情緒不安定なブチキレ演技のリオッタが良い。
【50点】
(原題「REVOLVER」)
(仏・英/ガイ・リッチー監督/ジェイスン・ステイサム、レイ・リオッタ、ヴィンセント・パストーレ、他)
(しゃべりすぎ度:★★★★★)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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