映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

キアヌ・リーヴス

ネオン・デーモン

ネオン・デーモン [Blu-ray]
モデルを夢見て、田舎から大都会ロサンゼルスにやってきた16歳の美しい少女ジェシー。すぐにモデル事務所と契約し、チャンスを手にしたジェシーは、一流カメラマンやデザイナーを魅了するようになる。だが、ライバルたちは異常なまでの嫉妬でジェシーを引きずり降ろそうとする。やがて自らの激しい野心に目覚めたジェシーは、ファッション業界の裏側に渦巻く邪悪な毒に染まっていく…。

田舎から出てきた純真な美少女が弱肉強食のファッション業界で自らの闇に目覚め、のしあがっていく「ネオン・デーモン」。物語の大筋をこう説明すると、ポール・バーホーベン監督の「ショーガール」を連想しそうだが、本作の監督は「ドライヴ」「オンリー・ゴット」で観客を驚かせてきたデンマーク出身の鬼才ニコラス・ウィンディング・レフンだ。単純なサクセス・ストーリーで終わるはずがない。美を競うモデル業界を背景に描かれるのは、嫉妬と狂気。人間の価値は、外見の美にあるときっぱり言い切るセリフがあるが、美のためなら命さえも惜しまないファッション業界ならば、当然の“常識”だろう。悪趣味スレスレの幻想的でエキセントリックな映像や、ヒロインの激変、彼女がたどる驚愕の運命など、すべてが過剰で強烈だ。「マレフィセント」のエル・ファニングが最高にハマっていて、ピュアな美少女がダークサイドに堕ちていく過程も、とらえどころのない繊細な演技をみせて、説得力がある。この危険な映画こそ、デーモン(悪魔)の化身。メイク係のジェナ・マローン、モーテルの管理人のキアヌ・リーヴスらの怪演も見逃せない。好き嫌い、賛否両論、大いに結構と言わんばかりに、堂々と観客を挑発する異色作だ。
【60点】
(原題「THE NEON DEMON」)
(米・デンマーク・仏/ニコラス・ウィンディング・レフン監督/エル・ファニング、カール・グルスマン、ジェナ・マローン、他)
(エキセントリック度:★★★★☆)
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ネオン・デーモン|映画情報のぴあ映画生活

砂上の法廷

砂上の法廷 [Blu-ray]
巨額の資産を持つある大物弁護士が自宅で殺害される事件が発生。容疑者は17歳の息子マイクだった。逮捕され拘留後、誰にも心を開かず完全黙秘を続ける少年の弁護を引き受けたのは、一家と交流がある敏腕弁護士ラムゼイ。開廷された裁判では、マイクの有罪を裏付ける証言が次々に繰り広げられる。被害者の妻であり容疑者の母という複雑な立場のロレッタや、ラムゼイの助手を務める女性弁護士ジャネルらが見守る中、裁判は進むが、証言する誰もが嘘をついていた。有罪が確定するかに見えた矢先、ついに被告人のマイクが沈黙を破って衝撃的な告白をはじめるが…。

真実のみを語るべき法廷で次々に繰り出される嘘に敏腕弁護士が挑む法廷ミステリー「砂上の法廷」。少しわかりにくい邦題がついているが、原題「THE WHOLE TRUTH」の意味は「すべての真実」。邦題は、真実のみを述べる法廷でさえもその正義はもろいものだという意味だろうか。見終わると、原題、邦題の両方とも納得できる内容だ。本作では、全員が嘘をついているという設定で、証言台に立つ人間の言葉と、そこに挿入される映像の差異によって、嘘を表現している。嘘の理由は、保身もあれば、思いやりの場合もあり、少しばかりの利益のこともある。理由はさまざまだが、終盤になるにつれて、嘘が大掛かりになっていく仕掛けだ。そのためラムゼイは、嘘を見抜く鋭い観察眼を持つジャネルを雇い「証人は誰もが嘘をつく。そして僕も…」と言って、自分より経験の浅いジャネルに、法廷での駆け引きというテクニックを教えていくのだ。マイクの衝撃の告白とその先に待つさらなる驚愕の事実は、少々唐突すぎて面食らうのだが、法廷に一人座るラムゼイの独白で始まるこの物語では、勘のいい観客には、予想可能かもしれない。映画の性質上、ネタバレはできないが、何よりも“驚愕の事実”は、容疑者の母ロレッタを演じるレニー・ゼルウィガーの容姿の変貌ぶりだ。正直言うと、映画の途中まで、この人がゼルウィガーだと気づかなかったほど、すっかり老け込み、激痩せで顔はしわだらけ。どんでん返しにも影響するロレッタが、こんなにも地味で魅力に欠けるキャラクターでいいのか?!と強く問いたい。
【50点】
(原題「THE WHOLE TRUTH」)
(アメリカ/コートニー・ハント監督/キアヌ・リーヴス、レニー・ゼルウィガー、ググ・ンバータ=ロー、他)
(どんでん返し度:★★★★☆)
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ジョン・ウィック

ジョン・ウィック [Blu-ray]
ジョン・ウィックは、裏社会にその名を刻んだ伝説的な殺し屋だったが、妻と出会い足を洗って穏やかに暮らしていた。その最愛の妻を病で失い悲しみの隠遁生活を送っていたジョンを、彼が何者か知らないロシアン・マフィアの暴漢が襲う。愛車を奪われたうえに妻が遺した愛犬を殺されて、怒りに燃えたジョンは復讐を誓い、封印していた殺しのスキルを甦らせ、銃火器を取り出し、敵を次々と殺害していく…。

キアヌ・リーヴスが凄腕の暗殺者を演じる「ジョン・ウィック」は、久しぶりにアクション・スターのキアヌの本領を発揮したバイオレンス・アクションだ。何しろ主人公のジョン・ウィックは、あきれるほど強い。裏社会でその名を轟かせたヒットマンは、裏稼業の同業者を殺す暗殺者。つまり一流中の一流である。ロシアン・マフィアのボスのバカ息子など、もとから敵ではないのだが、息子を守ろうとする父親のボスが無数の殺し屋を送り込む。だが誰が来ようと何人来ようと、ジョンは最強。群がる敵をバッタバッタとなぎ倒すという構図だ。黒のスーツに身を包んだキアヌは、どこまでもクールなのだが、彼が披露する銃撃と格闘技を組み合わせた、新銃術“ガンフー”がユニークなので注目してほしい。流れるような動きで接近戦を制し、瞬時に状況を判断して敵を撃つ。近年のアクションの中では特筆の美しさで惚れ惚れした。さらに裏稼業の男女が集う中立地帯のホテルのたたずまいがシブい。そこでは独特のルールと美学があって、そのことがジョンを後押ししているのだ。「スピード」や「マトリックス」といったアクション映画の傑作に主演したのに、最近ヘンテコな作品ばかりだったキアヌ。どうやらシリーズ化も決まっているらしい本作で、見事に復活を遂げている。
【75点】
(原題「JOHN WICK」)
(アメリカ・カナダ・中国/チャド・スタエルスキ監督/キアヌ・リーヴス、ウィレム・デフォー、イアン・マクシェーン、他)
(スタイリッシュ度:★★★★★)
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ジョン・ウィック@ぴあ映画生活

47RONIN

47RONIN ブルーレイ(「47RONIN」メインキャスト・ポストカードセット(6枚セット)付き) [Blu-ray]
忠臣蔵の世界観をハリウッドが独自に解釈した娯楽アクション大作「47RONIN」。日本愛にあふれた珍作。

美しい赤穂の地。領主の浅野に助けられた混血児カイは、鬼と蔑まれながらも、浅野への忠誠と浅野の娘ミカへの恋心を秘めて、たくましく成長した。だが赤穂の領地を狙う吉良と妖術を操る謎の女ミヅキの策略によって、浅野は命を落とす。大石ら赤穂の侍たちは主君を失い、浪人となるが、1年後再び集まり主君の仇討ちを誓う。彼らは大軍を擁する吉良に対抗するため、奴隷に売られたカイを探し出して仲間に加えることに。彼らは次々に現れる怪物たちを退け、吉良への復讐に向かうが…。

赤穂浪士47人の吉良邸討ち入り事件“忠臣蔵”は、日本人ならば誰でも知る仇討ち話。この古典的な歴史にハリウッドが独自の解釈を施した本作は、主演に世界的スターのキアヌ・リーブスを迎えて異形のアクション・エンタテインメントに仕上がっている。主人公のカイは混血のはぐれ者。周囲からは鬼と蔑視されるが、寡黙にじっと耐え忍ぶ姿はある意味、侍そのものである。カイの侍らしさは、浅野家の武士を助けてもそのことは口には出さず、妖術で動けない家臣に代わって命を懸けて敵との戦いに挑むなど、犠牲の精神にも表れている。最初はカイを軽蔑していた家臣たちもやがては彼を認めていくのはそのためだ。CM界の俊英カール・リンシュは、おそらく忠臣蔵や日本の文化、精神風土に関して徹底的に調べ、すべて判った上で、換骨奪胎したのだろう。もしかしたらこれが、外国人が考える理想の武士道なのかもしれない。妖術や、クリーチャーの登場や、若く野心的な敵・吉良、浅野の娘ミカとカイの恋などの設定は、冒険ファンタジーそのものだ。主演はキアヌだが、国際的に活躍する真田広之、浅野忠信、菊地凛子が豪華共演。見たこともない壮大な冒険物語を活写する。仇討ちや死を美化する思想がそのままなのは不満だが、体面ばかり重んじる武士が異形のカイによって本物の忠義に目覚める展開は、外から見るサムライ・スピリットとして興味深い。忠臣蔵と思えば珍作だが、エキゾチックなファンタジー・アクションと見ればインパクト大の娯楽作だ。
【55点】
(原題「47RONIN」)
(アメリカ/カール・リンシュ監督/キアヌ・リーヴス、真田広之、柴咲コウ、他)
(ファンタジー度:★★★★☆)
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フェイク・クライム

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宣伝の方向を完全に間違っている「フェイク・クライム」。キアヌ・リーヴスの作品選びの無節操ぶりを再確認した。

高速道路の料金徴集係をしているヘンリーの人生には、何の目的もない。ある日、悪友に誘われ、何も知らないまま銀行強盗に加担されられた上、ヘンリーだけが逮捕され、懲役3年の刑を受けるハメに。彼は、刑務所で知り合った、初老の詐欺師マックスから、人生の見直しをアドバイスされる。仮出所したヘンリーは、舞台女優のジュリーと知り合い恋仲になるが、彼女が出演する劇場と自分が襲い損なった銀行がつながっていることを知り、大金強奪の計画を思いつく…。

例えば「オーシャンズ」シリーズのような爽快さや「ユージュアル・サスペクツ」のような驚きのどんでん返しを、この作品に期待してしまったとしたら、怒りで拳を振り上げてしまうだろう。そもそもクライム・サスペンスという宣伝文句に誤りがある。この物語は、覇気のない日々を送っていた男が、愛する人との新しい人生へと踏み出すラブ・ストーリーなのだ。隠し味はオフ・ビートな笑いだが、主人公の性格はとらえどころがない。悪友にいいように騙されているのに、特に理由もなく彼らをかばい、嫁までとられたあげく、自分の計画した銀行強盗に仲間として引き入れる。しかも、強盗するはずが俳優になるとは。ヘンリーの価値観は理解不能だが、思えばこれは、大ヒット作「マトリックス」シリーズや「スピード」という代表作を持ちながら、ワケがわからない映画に出続けるキアヌ・リーヴス自身のフィルモグラフィーと重なって見えなくもない。劇中劇「桜の園」は現実世界を直視できず、昔の栄華に浸るヒロインの、半ば暴力的な旅立ちを描いたが、この舞台にいきなり立つことになったヘタレのヘンリーは、最後には自分の意志で新しい人生をつかみとる。ロパーヒンの心意気が伝わるせいか、かろうじて後味はさわやかだ。銀行強盗も、にわか舞台俳優も、すべてが軽いノリ。そんな中、愛だけは本気モードだったとするこの物語、ロマンチシズムを肯定するポジティブな恋愛映画だったのだと思う…ことにする。
【40点】
(原題「HENRY'S CRIME」)
(アメリカ/マルコム・ヴェンヴィル監督/キアヌ・リーヴス、ヴェラ・ファーミガ、ジェームズ・カーン、他)
(脱力感度:★★★★☆)
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フェイク・クライム@ぴあ映画生活

50歳の恋愛白書

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豪華キャストによる群像劇に見えるが、実はヒロインの女一代記だ。監督は、戯曲家アーサー・ミラーの娘のレベッカ・ミラー。ピッパ・リーは50歳。良き妻、良き母である彼女は年上の作家で出版社を経営する夫と結婚し、幸せそうに見える。だが、彼女を取り巻くのは老齢になっても浮気性の夫、自立心のないダメ女の親友、反抗的な娘、何より退屈な毎日に息がつまりそうな自分だった。30年近く完璧な妻を演じてきたピッパは、若い頃の波乱万丈の人生を振り返りながら、風変わりな青年クリスに惹かれていく…。

50代をアラフィフと言うらしいが、その年齢を迎えた彼女たちは、この時期を折り返し地点ととらえているようだ。ふと立ち止まって自分の人生を振り返り、これでいいのか?と自問する。もう少し早い時期に振り返ってほしい気がするのだが、50代ならではの心の迷いや転機というものがあるのだろう。ピッパの若き日は、母親との確執や心の病、ドラッグ依存など問題だらけ。夫との結婚を手に入れるために、あるショッキングな事件があり、そのことが彼女のトラウマとなっているのだが、ろくに仕事や住む場所もないどん底状態の自分を救ってくれた彼への負い目が、ずっとピッパを型にはめてきた。さらに言えば、自分で居場所を探さず、いつも何かから逃れ誰かの招く方向に行っただけという彼女の主体性のなさが、理想の妻を演じる要因だったように思う。自分が本当に望むものを知らずに生きた代償が、退屈な老後というのは、なかなか考えさせられる。15歳年下の風変わりな青年クリスと出会い、ピッパが旅立つのは、彼女が初めて自分から行動したスタート地点なのだ。それが恋かどうかは分からないが、ヒロインはきっと素の自分に戻れるだろう。豪華キャストの割には渋い人間ドラマの本作、いい意味で期待はずれの内容だった。ただ不満なのはこのセンスのない邦題。せっかく人生の機微を描いた内容なのだから、もう少し「見たくなる」ような味のあるタイトルをつけてほしい。
【60点】
(原題「THE PRIVATE LIVES OF PIPPA LEE」)
(アメリカ/レベッカ・ミラー監督/ロビン・ライト・ペン、キアヌ・リーヴス、ウィノナ・ライダー、他)
(再スタート度:★★★★☆)

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