映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

キム・オクビン

悪女/AKUJO

The Villainess
幼い頃に父を殺された少女スクヒは、犯罪組織の殺し屋として育てられ、やがて育ての親ジュンサンに恋し結婚する。だがまもなくジュンサンが対立する組織によって殺される。スクヒはたった一人で復讐を実行するが、その後彼女は国家組織に身柄を拘束されてしまう。10年後の自由と引き換えに国家専属の暗殺者となったスクヒは、顔や名前を変え、ジュンサンの忘れ形見の娘と共に郊外のマンションに住み、第2の人生を送ることになる。そんな時、スクヒが国家の指令で出会った暗殺ターゲットは、あまりにも思いがけない人物だった…。

国家直属の最強の女殺し屋が愛と裏切りに翻弄される運命を描くバイオレンスアクション「悪女/AKUJO」。韓国のアクション映画はその激しさにいつも驚かされるが、本作のインパクトは、とりわけすさまじい。父を殺され裏社会の殺し屋として育ったヒロインは、まず冒頭7分にも及ぶ殺戮を繰り広げる。長回し風のカメラワークで「ハードコア」を思わせる一人称カメラは、なかなかヒロインを映さないじらしと共に、これは尋常な映画ではないという予感を漂わせた。ハイレベルなアクションは、一気に観客を物語に引きずり込んでいく。

物語は、スクヒをめぐって、愛憎や陰謀、意外な黒幕などが暗躍するドラマチックなものだ。ヒロインのキャラクター造形や背景は、「レオン」や「ニキータ」を思わせる点が多数ある。ただリュック・ベッソンをはるかに超えているのは、スタントマン出身のチョン・ビョンギル監督が、徹底的に“魅せるアクション”にこだわっていることだ。主演のキム・オクビンはアクションが未経験だったというが、彼女はテコンドーとハプキドーの黒帯保持者というから、もともと身体能力は高いのだろう。ドレスや下着などの美しく妖艶なコスプレで激しいアクションを披露する様には思わず見惚れた。無論、特濃の流血演出が得意の韓国映画、それだけでは終わらない。やがてスクヒはナイフや日本刀、斧を片手に暴走するバスに飛び移り、狂気の大乱闘を繰り広げる。いやはや、恐れ入った。資料によると、韓国映画界では“女性アクション映画は受けない”と言われているそうだが、どうやらそれは間違いだ。「ワンダーウーマン」「アトミック・ブロンド」、そして本作。女性アクション・ムービーの勢いが世界中で止まらない。
【70点】
(原題「AKNYEO/THE VILLAINESS」)
(韓国/チョン・ビョンギル監督/キム・オクビン、シン・ハギュン、ソンジュン、他)
(流血度:★★★★★)


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渇き

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鬼才パク・チャヌクのバンパイア映画は、常識をヒョイと乗り越える設定と、エロティシズムやブラック・ユーモアが混在した独特の作品だ。サンヒョン神父はアフリカでの伝染病の人体実験で奇跡的に助かるが、やがて身体に異変が起こる。異常なまでに聴覚や嗅覚が研ぎ澄まされ、人の血を求めてしまうサンヒョン。彼は輸血の影響でバンパイアになってしまったのだ。韓国に戻ると幼なじみのガンウの家に招かれるが、そこで不思議な色気を持つ人妻テジュと出会う。急速に惹かれあい、愛欲に溺れる2人は、共謀してガンウ殺害を企てるが…。

ストイックであるべき神父が、悪魔同然のおぞましいバンパイアになるだけでも十分に背徳的なのだが、人間の血を渇望した上に、人妻との情事に溺れ、あげくの果てに、彼女の夫を殺害するというから、物語はタブーの三重構造である。特に人妻との不倫は、人間同士ならドロドロの修羅場だが、バンパイアという突飛な設定のせいで、妙にコミカルな味わいがあり、不道徳の度合いを増しているのが面白い。サンヒョンが聖職者である自分の立場とバンパイアになった運命の摩擦に多少なりとも悩むのに対し、夫を裏切った上に自分もバンパイアになったテジュは、あっさりと運命を受け入れ、急激に美しくなるのが対照的だ。映画全体に漂うグロテスクなユーモアは、一線を越えた人間の居直りにも似たおかし味なのだろう。後戻りできない道に踏み込んだサンヒョンとテジュには、壮絶な最期が待っている。

従来のバンパイア映画は、ホラー映画か耽美系ファンタジー。だが、本作はそのどちらでもない。あえて言えば、人の道を踏み外したものの滑稽さと、その中での究極の愛といったところか。渇きというタイトルは、人の血を求める渇きと、禁断の愛を求める渇きの両方の意味を兼ねる。チャヌク映画に特有の痛みを感じる描写は今回は控えめだが、バンパイアものだけに流血場面はてんこもりだ。コミカルな役が多い演技派ソン・ガンホが、10kgも減量しスリムな姿と憂い顔を披露するのが新鮮だ。この世ならぬものへの畏怖とあこがれに呑み込まれていく主人公たちには、不思議な情緒が漂っていた。パク・チャヌクのタブーへの欲望もまた、決して満たされることのない渇きに似たものなのだろう。
【60点】
(原題「BAK-JWI/Thirst」)
(韓国・米/パク・チャヌク監督/ソン・ガンホ、キム・オクビン、シン・ハギュン、他)
(ブラック度:★★★★☆)

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