アイリス-THE LAST- [DVD]アイリス-THE LAST- [DVD]
人気韓国ドラマの映画版で、ファイナルの位置付けだが、この映画版の製作意図がまったく理解できない。ドラマファン、映画ファンの両方を裏切る内容で、ドラマ未見の観客にはさっぱりわからず、ドラマをきっちりみているファンには総集編にもなりきれない内容になっている。韓国国家安全局(NSS)の特殊要員キム・ヒョンジュンは、ハンガリーでの単独任務中に負傷する。上司のペク・サン副局長に助けを求めるが拒絶され、逆に親友チン・サウに命を狙われる。巨大な秘密組織“アイリス”の謎、愛するスンヒとの過酷な運命。ヒョンジュンには、更なる裏切りと衝撃的な運命が待っていた…。

ドラマ版の映画化は、新しい事件のストーリーを提供する以外では、前日談や後日談、あるいは空白の時間を描くことで、ドラマファンと映画ファンの両方を納得させるのが通常のスタイル。決して、何十時間にも渡って描いてきた物語を無理にダイジェスト版にすることではないはずだ。本作は、ラストの数分を除いて、荒っぽいつなぎの総集編の趣しかない。大々的な海外ロケとして、ハンガリー、日本、上海と「ボーン」シリーズ並みに世界を駆けまわる様は、映画で初めてこのドラマに触れる観客に対してスケール感を演出するもの。もっとも、ロケ費用の安い東欧、重要なマーケットである日本、経済発展著しい中国と、商業主義の匂いがプンプンするが。しかも他国であれだけ派手に暴れておきながら、その国の警察組織からはほとんど無視されているから笑いが出てしまう。キャッチコピーには「すべて映画で明かされる」とあるが、国家間の紛争や軍備拡張で莫大な利益を得ている巨大秘密組織“アイリス”の謎は、これで明かされたと言えるのだろうか。一応、サスペンスなので詳細は語れないと言いたいが、ドラマを見続けてきたファンにはまるでデジャヴのようで、ネタバレも何もあったもんじゃないだろう。最後の最後に、主人公を撃つ人物が誰かが分かるのがこの映画最大にして唯一のウリ。だからといってそれが納得できるかどうかは、また別問題だ。この映画は日本最速公開だそうだから、とりあえずアイリスファンは必見。たとえどれほど失望したとしても、見届けておくのがファンの務めなのだ。
【20点】
(原題「IRIS THE LAST」)
(韓国/ヤン・ユノ監督/イ・ビョンホン、キム・テヒ、キム・スンウ、他)
(ダイジェスト度:★★★★☆)

人気ブログランキン  グ←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)