映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
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◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

キム・ヨンファ

ミスターGO!

ミスターGO! [Blu-ray]
ゴリラが野球チームで大活躍する奇想天外なスポーツ・コメディ「ミスターGO!」。韓国映画特有の泣きの演出が控えめなのは好感が持てる。

韓国野球界随一の弱小球団ベアーズは、万年最下位から脱出するべく、サーカス出身でパッティングが得意のゴリラと契約を結ぶ。賛否両論が巻き起こる中、ゴリラのリンリンはゴリラ使いの少女ウェイウェイと共に初打席に立つが、そのすさまじいパワーで一躍スター選手となる。ミスターGOと名付けられたゴリラの活躍の噂は海を超え、日本からもスカウトがやってくるが、そこにミスターGOのライバルとなるゴリラ投手ZEROSが現われる…。

ゴリラが野球チームで代打として大活躍。荒唐無稽という形容しか思い浮かばない珍作だが、バカバカしさを楽しむ余裕があれば意外にも楽しめる。ミスターGOは心優しいローランドゴリラで、ゴリラ使いの少女ウェイウェイとの絆は誰よりも強い。ウェイウェイは祖父が残した借金を返すため、ゴリラ共々韓国野球界入りを決め、ミスターGOの活躍は、借金返済の最後の頼みの綱なのだ。実利主義に見えて実は人情家のスカウトマン、ソンとの心の交流、ライバルゴリラの登場、ミスターGOの膝の故障による大ピンチと、ゴリラであることを抜きにすれば、スポーツ映画として、いたってまっとうな作りである。さらに、日本の巨人と中日のスカウト合戦まであって、オダギリジョー(あの髪型はナンなんだ?!)の悪ノリ演技には、もはや笑うしかない。しかし、オールCGで活写されるゴリラのヴィジュアルと演出は、毛の質感から超ド級のダイナミックなプレーまで、CG本気度最大級で、思わず目が釘づけになるはずだ。「ミラクル7号」では愛らしい少年役だったシュー・チャオの女優としての成長も確認できる。ただし、このおバカな設定で133分は少々長すぎ!奇想天外なファミリー・ムービーとして約90分でまとめてほしかった。
【55点】
(原題「Mr. Go 」)
(韓国/キム・ヨンファ監督/リンリン(ゴリラ)、シュー・チャオ、ソン・ドンイル、他)
(CGクオリティ度:★★★★☆)
チケットぴあ

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国家代表!?

国家代表!? (ハ・ジョンウ 出演) [DVD]国家代表!? (ハ・ジョンウ 出演) [DVD]
初心者スキージャンプチームの奮闘は実話がベースだそうだが、競技そのものの面白さや深みが伝わってこない。1996年、韓国の地方都市ムジュは、冬季五輪の誘致を目指していた。そのために急きょ組織されたのが、正式種目スキージャンプの国家代表チームだ。だが、借りだされたのはジャンプ未経験の落ちこぼれ男たちばかり。実母探しや兵役免除など、不純な動機で参加した彼らに、元子供スキー教室の講師でコーチのパンは、頑張れば夢は叶うと約束するが、国家には別の目論見があった…。

競技未経験の素人選手たちの奮闘記としては快作「クール・ランニング」がすぐに思い浮かぶが、本作で取り上げるスキージャンプを見れば、やはりウィンタースポーツがいかに難しく特殊な競技であるかがよく分かる。登場人物たちはスキーの経験は多少はあるものの、ジャンプは素人で、私生活に問題を抱えるものばかり。幼い頃養子としてアメリカに渡り実母を探す、元アルペンスキージュニアの米国代表のボブ、元ヤク中で女好きのフンチョル、父に頭が上がらないジェボクらにもそれぞれストーリーが用意されている。だが、146分もある物語の中で、真剣にスキージャンプを練習する場面があまりに少ない。とんでもない高さから滑走しV字にスキー板を開いて飛び出していくという危険で特殊なスポーツを、彼らはあまりにもあっさりと習得してしまうので拍子抜けしてしまう。マルチ商法に手を染めるコーチの娘のエピソードなど余計。スキージャンプそのものをもっとしっかり描くべきだろう。とはいえ、この賑やかなドタバタと実母との感動の再会というお涙頂戴のプロットが、スポ根ものと平気で混在しているデタラメ感は、いかにも韓国エンタメ映画らしい。ドイツでの国際大会で明かされる国家の意外な思惑と、転がり込んできた長野オリンピックへの出場権。彼らに奇跡の瞬間は訪れるのか。クライマックスの後のエピソードがクドクドと長いのが辟易するが、この映画が“ほぼ実話”だというから驚く。実際にスキージャンプを習得して頑張った俳優たちの頑張りに拍手を送りたい。
【55点】
(原題「TAKE OFF」)
(韓国/キム・ヨンファ監督/ハ・ジョンウ、ソン・ドンイル、キム・ドンウク、他)
(はばたき度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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