映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

キルステン・ダンスト

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ

Beguiled/ [Blu-ray] [Import]
南北戦争中のアメリカ南部・バージニア州。世間から隔絶された女子寄宿学園には、園長のマーサ、教師のエドウィナ、生徒のアリシアら、美しい7人の女性たちが生活していた。ある日、生徒の一人が負傷した北軍の兵士マクバニーを助け、学園内にかくまうことに。男子禁制の学園に突如紛れ込んだ美しい男性に、女性たちはときめき、虜になる。学園の秩序が乱れていく中、ある事件が起こるが…。

南北戦争時代、男子禁制の女子学園に北軍負傷兵が紛れ込んだことから起こる女たちの愛憎劇「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」。クリント・イーストウッド主演作「白い肌の異常な夜」の原作となったトーマス・カリナンの小説を、女性視点で描いたのは、ガーリー・ムービーの旗手ソフィア・コッポラ監督だ。耽美的映像や繊細な心理描写、女性視点という現代性が評価され、第70回カンヌ映画祭で監督賞を受賞している。世間知らずの女たちの中に放り込まれた男性という異物は、すさまじい異化効果を発揮。女たちの嫉妬や欲望、けん制は、やがてある恐ろしい出来事を経て、狂った審判を招くことになる。まるで、美しくも残酷なおとぎ話のようだ。

ニコール・キッドマン、キルステン・ダンスト、エル・ファニングといったコッポラ監督好みの美しい女優たちが多数出演し実に豪華だが、彼女たちが演じればその深い闇さえも優雅に思える。自然光を多用した昼間の映像や、ランプやロウソクの光の夜間の描写は、絵画のようで、閉ざされた学園の鬱屈した空気の中によどむ狂気を照らし出してる。「白い肌…」がサイコ・ホラーだとしたら、本作は心理スリラーの趣だ。好みは分かれるかもしれないが、女性たちのダークサイドを覗きたいなら、断然こちらがおすすめである。
【70点】
(原題「THE BEGUILED」)
(アメリカ/ソフィア・コッポラ監督/ニコール・キッドマン、キルステン・ダンスト、エル・ファニング、他)
(耽美度:★★★★☆)


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ギリシャに消えた嘘

ギリシャに消えた嘘 [Blu-ray]
人を殺め逃避行をする夫婦と彼らに巻き込まれた青年の運命を描くサスペンス「ギリシャに消えた嘘」。謎解きの醍醐味やスリルはないが、クラシカルな魅力が楽しめる。

1962年のギリシャ、アテネ。ツアーガイドの青年ライダルは、優雅なアメリカ人紳士チェスターと彼の若くて美しい妻コレットに出会う。だがリッチそうなチェスターの裏の顔は詐欺師で、ホテルを訪ねてきた探偵を誤って殺してしまう。ホテルに偶然居合わせたライダルは、国外逃亡を図る夫妻と同行することに。クレタ島へと向かった3人は警察に追われるが、やがてライダルとコレットが親密になり、3人の関係に変化が訪れる…。

原作は「太陽がいっぱい」の作者として有名なパトリシア・ハイスミスの「殺意の迷宮」。ギリシャやトルコでロケされた地中海のムードが異国情緒を醸し出し、1960年代のクラシックな衣装もまた優雅だ。クラシックなのは衣装だけではない。この物語、殺人事件は起こるが、ミステリーやサスペンスとしては、いささか弱い。イマドキの派手なチェイスや血生臭い描写があるわけでもない、クラシックというより古めかしい展開なのだ。では見どころがないかと言えば、決してそうではない。詐欺師のチェスターに父親の面影を重ねるライダルの屈折した感情、コレットと親密になるライダル、チェスターとの歪な三角関係、ニヒルなチェスターが警察に追いつめられた上、嫉妬にかられて弱さを暴露していくなど、心理劇として見るならば、かなり見ごたえがある上質なドラマだ。製作陣が、渋いスパイ映画「裏切りのサーカス」のスタッフというのも納得がいく。ラスト、イスタンブールの路地裏での思いもよらない運命の後に、随所で語られるギリシャ神話のメタファーが浮かび上がった。
【60点】
(原題「TWO FACES OF JANUARY」)
(英・仏・米/ホセイン・アミニ監督/ヴィゴ・モーテンセン、キルステン・ダンスト、オスカー・アイザック、他)
(エレガント度:★★★★☆)
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ギリシャに消えた嘘@ぴあ映画生活

アップサイドダウン 重力の恋人

アップサイドダウン 重力の恋人 Blu-ray
上下別々の星で暮らす男女の運命的な恋を描くSFラブファンタジー「アップサイドダウン 重力の恋人」。摩訶不思議な映像の中にロミオとジュリエットがいる。

二重引力が存在する双子惑星。富裕層が暮らす上の星と貧困層が暮らす下の星が、上下で接近して引き合っていた。下の世界に住む貧しい若者アダムは、上の世界のエデンと許されない恋に落ちる。何度も密会を重ねる二人だが、ある時、星の境界の警備隊に見つかり、引き離される。その時頭を強打したエデンは記憶を失くしてしまう。それから10年後、エデンが生きていることを知ったアダムは、二つの世界をつなぐ唯一の企業トランスワールド社へ入社し、エデンに会うために特殊な装置をつけて命がけで“上の世界”に潜入するが…。

究極の格差社会は、世界を上下に分けてしまうのか。SF作品で、富裕層と貧困層が分かれて暮らす設定は珍しくないが、その2つの世界が、上下逆さまになりながら真反対に引力が作用している図は初めてだ。互いに引き合っているのは、お互いの存在がなくてはならないものであることを意味して興味深い。劇中では、富裕層は貧困層の世界から燃料を不当に搾取することで、豊かな暮らしを維持しているのだ。何しろ、すべてのものが上下に存在する幻想的で摩訶不思議なヴィジュアルが素晴らしく美しくて、精緻に構築されている世界観に魅了される。アダムはかつて愛し合ったエデンが記憶を失くしていることを知りショックを受けるが、それでも彼女を忘れられず、反対世界の“逆物質”を身に着けて、命がけでエデンに会いに行く。引力と身分格差という大きな障害が恋人たちの前にたちはだかっているのだ。上下に分かれた“ロミオとジュリエット”を助ける友人ボブ、逆物質の進化形、二つの世界の両方で生きるピンク・ミツバチ。それらすべてが運命に抗う恋人たちを応援している。色彩はブルーとオレンジが中心でスタイリッシュだ。上下に分かれながらも整然としたオフィス風景や、アダムとエデンがデートするノスタルジックなカフェ、二つの世界が接近する山頂の寒々とした風景などが、特に印象深い。監督のフアン・ソラナスは、男が山頂にいて、もう一方の山頂にいる女性を見上げる夢を見て、逆さまの構図というワン・アイデアからこの物語を思いついたという。元カメラマンらしい映像的なひらめきである。身分違いの恋という古典的ラブストーリーと、誰も見たことがないドラマチックな映像の組み合わせが斬新な1本だ。
【65点】
(原題「Upside Down」)
(カナダ・フランス/フアン・ソラナス監督/ジム・スタージェス、キルステン・ダンスト、ティモシー・スポール、他)
(独創的度:★★★★☆)
チケットぴあ

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アップサイドダウン 重力の恋人@ぴあ映画生活

映画レビュー「マリー・アントワネット」

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◆プチレビュー◆
ポップな音楽にキャンディーのようなパステルの色彩。まさにガーリー・ムービーの王道だ。10代の女の子のとらえどころのなさとコスプレの楽しさが良く出ている。 【65点】

オーストリアとフランスの同盟ともいえる政略結婚で、14歳のマリーはヴェルサイユ宮殿へ。孤独で窮屈な宮廷生活の中で、彼女は徐々に浪費に走る。ドレス、靴、スイーツ、そしてパーティにギャンブル。幼い王妃は享楽の生活を送り続ける。数年後、子どもが生まれてからは徐々に落ち着いていくが、彼らの背後にはフランス革命の影が迫っていた…。

日本では「ベルばら」でおなじみの、断頭台の露と消えた悲劇の王妃マリー・アントワネット。監督のソフィア・コッポラは、彼女を10代の悩める女の子として描ききった。重厚でシリアスな歴史映画を期待した人は、冒頭からド肝を抜かれるはず。歯切れのいいロックで始まり、シャーベットやマカロン色の洪水のような映像があふれ出る。さらに、本物のヴェルサイユ宮殿で贅沢に撮影された映像には、ただただ圧倒されるばかりだ。

映像的な充実感とはうらはらに、人間描写やドラマ性の深みはほとんどない。ヒロインは18世紀最大のセレブにしてファッション・リーダー。おしゃれに目がなく、時にはばかげたことを流行らせた少女なのだ。深い思考よりも感覚的なタイプだったに違いない。コケティッシュな魅力のキルスティン・ダンストの演技が、少女の頼りなさと無邪気さを表して、今までにないマリー像を作り出した。

贅と特権の象徴のヴェルサイユ。だが、マリーにとって、そこはさしずめハイ・スクールだ。ひとりぼっちはイヤ。ヘンな噂が立てば不安になる。何でもないことで笑い転げ、ショッピングに夢中。でも、何をやっても満たされない気持ちは、ティーン・エイジャー特有のもの。彼女の享楽と浪費が前向きに描かれることは今までなかったので、このアプローチはとても新鮮だ。これをプラスに感じることが出来るかどうかが、この映画の評価の分かれ目になろう。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ガーリー度:★★★★★

□2006年 アメリカ映画 原題「MARIE ANTOINETTE」
□監督:ソフィア・コッポラ
□出演:キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツ、ジュディ・デイヴィス、他

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チアーズ!

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◆プチレビュー◆
健康的なお色気満載!単純に楽しいのがいい。

名門チアリーディング部トロスに所属する快活な少女トーランス。新キャプテンに使命され、大喜びの彼女だったが、着任早々、練習中の振り付けが前部長による他校の盗作だったことが判明。名誉挽回のため、トーランスは新しい振付で全国大会出場を目指す。

とにかく理屈ぬきに楽しい。ノーテンキといっても過言じゃないほど、元気なのだ。本物のチアリーダーたちが演じる、バク転や宙返りなど、高度な妙技が散りばめられ、健康的なお色気も満載。ストーリーはあえて説明するまでもなく、いたって単純で、高校生チアリーダーの奮闘を、笑いや熱気と共に描いていく。困難に立ちむかう主人公たちはどこまでも前向きで、少々のことではへこたれない。まさに青春映画の王道、魅力全開だ。

ミニスカートでチャラチャラと応援しているイメージのチアリーディングだが、体操の床運動のように高度な技術と、ダンスの素養やショーの要素を必要とする、れっきとした団体スポーツ競技。いつもニコニコのエアロビックスが実はハードな有酸素運動であるのと同様に、華麗で流れるようなシンクロが、実は筋肉と肺活量が勝負の競技であるように、チアリーディングという競技は、ハードで緻密なスポーツであることがよく解る。

ヒロインのキルステン・ダンストは、アンニュイなイメージが強かったが、元気でひたむきな高校生を演じさせると、本当にさわやかでかわいい。こんなに明るい役が似合うとは。ミスキャストのようで実はナイスキャスティング。このコは案外コメディもいけるかも。新しい魅力発見だ。

“トロス”の新主将に選ばれたトーランスは、連続優勝を狙おうと大ハリキリ。ところが、転校生ミッシーの報告で、チーム自慢の振り付けが、大会に出場したことのない黒人チーム“クローヴァーズ”のオリジナルを前主将が盗作したものだと判明。このままの振り付けでいくか、どうするか、チーム内で意見が分かれる。しかし、どこまでも明るく前向きな主人公に、盗作など許せるはずもなく、大会棄権ももってのほか。本番にはもちろん新しい振り付けで臨むのだ。たとえたった2週間しかなくっても!これが怖いもの知らずの10代の強みか?!

落ち込んで、立ち直り、旧BFから新BFに惚れ直し、チームメイトの裏切りに怒りながらも「あなたたちが必要なのよ。だって私たちチームでしょ」。コロコロと気持ちが変わる10代の女の子の特徴を良くつかんでいる。

高校のチアリーディング部の新キャプテンの奮闘を、元気いっぱいに描くキュートな青春映画。スカッと爽快、ハイテンションの青春ムービーは、観るだけで絶対に元気が出ること請け合いだ。ラストのタイトルロールのところも見所がいっぱいで楽しい。

□2000年 アメリカ映画 原題「BRING IT ON」
□監督:ペイトン・リード
□出演:キルステン・ダンスト、ジェシー・ブラッドフォード、他

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