映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
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(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャスティス・リーグ」「火花」「ギフテッド」「光」etc.

ギャスパー・ウリエル

たかが世界の終わり


劇作家として成功した34歳のルイは、自らの死が迫ったことを家族に伝えるため、12年ぶりに故郷に帰る。マイペースな母はルイの帰郷を過剰に喜び、妹のシュザンヌもいつもより着飾ってそわそわしながら待っていた。だが兄のアントワーヌはそっけない。兄嫁のカトリーヌは、ルイとは初対面で遠慮がち。食事がはじまり、デザートまでには打ち明けようと考えるルイだったが、ぎこちない家族は、かみ合わない会話を繰り返す。そして、アントワーヌの激しい言葉をきっかけにそれぞれの感情が爆発してしまう…。

ある家族が互いに向き合いながらもディスコミュニケーション(相互不理解)に陥ってもがく姿を描く「たかが世界の終わり」。12年ぶりに家に戻る主人公ルイは、作家として成功してはいるが、死期が迫っている。同性愛の弟ルイを兄アントワーヌは理解できず、母は必要以上にはしゃぎ、妹シュザンヌは長い間不在だったルイをやんわりと責める。家とは本来、安らげる場所。だがルイが戻ったその場所には、彼の居場所はすでになく、ますます孤独を深めてしまう。「もうすぐ死ぬ」。この一言が言えずに苦悩するルイのことを、実は一番理解しているのは、初対面の兄嫁なのかもしれないというのも皮肉な話だ。家族それぞれの胸の内や不満、嫉妬は、直接的なセリフでは表現されない。特に主人公ルイはほとんど言葉を発しない。その代わりに多用されるのは、クローズアップだ。ウリエル、セドゥ、コティヤール、カッセル、そして母親役のナタリー・バイと、仏映画界を代表する実力派が演じるだけあって、繰り返される顔のアップや膨大なセリフの応酬も、しっかりと受け止めて演じていて見応えがある。若くして才能を発揮し国際的にも評価が高いグザヴィエ・ドラン監督は、この家族の葛藤のドラマに、ハリウッド映画によくみられる予定調和や単純なハッピーエンドは許さない。それでもかすかに灯る希望の光が見えるのは、不器用で傷付け合うことしかできない家族でも、互いを愛しているとわかるからである。劇中に使われる音楽が効果的で、特に「Natural Blues」は絶品だ。
【75点】
(原題「IT'S ONLY THE END OF THE WORLD/JUSTE LA FIN DU MONDE」)
(カナダ・仏/グザヴィエ・ドラン監督/ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥ、マリオン・コティヤール、他)
(予定調和度:★☆☆☆☆)
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ハンニバル・ライジング

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「羊たちの沈黙」の殺人鬼ハンニバル・レクター博士が、なぜ人喰いになったのか、冷酷かつ華麗な殺人手口にはどういういきさつで身に付けたものなのかという源を探る。ヒントはなんと日本。時にはアクション映画並みに活動的な若きレクターの青春物語の趣だ。
【50点】
(原題「HANNIBAL RISING」)
(イギリス・チェコ・イタリア・フランス/ピーター・ウェーバー監督/ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンズ、他)
(もの哀しさ度:★★★☆☆)

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ロング・エンゲージメント

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◆プチレビュー◆
本来、ジュネ監督は、グロテスクな寓話風な作風が特徴で、オドレイ・トトゥともども「アメリ」の呪縛から解放してやりたいが、この分じゃ当分難しそうだ。

マチルドとマネクは幼なじみの恋人同士。深く愛しあうが、第一次世界大戦が勃発し二人は引き裂かれてしまう。マネクの身を案じながら待つマチルドのもとにある日、悲報が届くが、彼の最期を見たものは誰もいない。「きっと生きている。彼に何かあれば私には判るはず」。不思議な愛の直感はマチルドを壮大な旅へと誘うのだった。

映画の良し悪しを判断する以前に、この映画のわかり難さに触れておきたい。登場人物の多さ、名前の難解さ、時間軸のずれ。ミステリー仕立てなので、人物の把握は必須なのだが、最初に登場する重要人物5人は戦争の最前線にいるため、服はボロボロな上に顔が汚れて見分けがつかない。小物や髪型などで特徴を掴み、とにかくこの5人の区別がつくようにしておくことを、まずはお勧めする。そうしないと、その後の展開に大いに支障をきたしてしまうのだ。

物語はひと言で言うと「思い込み」系の暴走ラブ・ストーリー。だが半分は戦争映画の様相なので、かなり激しい戦闘シーンや残酷描写が平気で登場。ほんわかムードの「アメリ」のノリを期待すると、大きく裏切られる。戦場でマネクに起こった出来事と、彼の生存を信じて旅をするマチルドが紐解くミステリーが複雑にからみあって、真相へと向かう構造だ。幸せな回想場面が激しい戦争場面にサンドイッチされて、メリハリがはっきりついている。

ミステリー形式なので物語の詳細には触れないが、ちょっとした驚きは、大半がフランス人キャストのこの映画に、ジョディ・フォスターが出演していること。重要な役だが特に目立つわけではないこの役に、なぜ米国人オスカー女優が?と思ったが、何でも彼女、ジュネ監督の熱烈なファンなのだそう。

原作はセバスチャン・ジャプリゾの全仏ベスト・セラー小説。全編セピア調のノスタルジックな映像で構成されたジュネ・ワールドは、デジタル撮影技術の高さを窺わせて見応え十分だ。色彩や構図など絵画のような美しさ。細部に徹底的にこだわった極めてジュネ的な恋愛映画の力作である。

□2004年 フランス映画  英語原題「A VERY LONG ENGAGEMENT」
□監督:ジャン=ピエール・ジュネ
□出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、他

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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