映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

クリスチャン・ベール

エクソダス:神と王

旧約聖書の出エジプトを描くアドベンチャー大作「エクソダス:神と王」。聖書の独自解釈が興味深い。

紀元前1300年。最強王国エジプトで、王家の養子として育ったモーゼは、兄弟同然の固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセスに反旗を翻す。自分がヘブライ人だと知ったモーゼは、虐げられていた40万のヘブライの民を率いて、新天地を求め、エジプトを脱出する苦難に満ちた旅に出るが、彼らをラムセスの大軍が襲撃。紅海に追いつめられ絶対絶命と覚悟したとき、信じられないことが起こる…。

リドリー・スコットの久々の新作は、過去にも映画化された旧約聖書の出エジプトをテーマにしたスぺクタクル史劇。映像派のスコット監督らしく、壮大な冒険活劇として、また災いや奇跡がてんこもりのディザスター・ムービーとして見どころ満載な力作だ。もちろん昨今の聖書ものにならって、監督独自の解釈で描かれる描写には、驚きや疑問もあるだろう。例えばかつてチャールトン・ヘストンが威風堂々と渡った紅海も劇的には割れてくれないし、ラムセス王と決別するときのモーゼの残念そうな表情や、何かと意見してくる神(意外な姿をしている)に対しても、モーゼは単純には信じてないばかりか、神に対して特に恐れや敬いも感じられないのだ。しかし、それは神の方も同じで、モーゼを選んではみたものの、彼を全面的に信頼してはいない。だが、だからこそ、契約的な取引で事を成すわけで、人は変わるが石に記した戒律は変わらないというセリフに帰結するわけだ。宗教的な解釈はさておき、映像的に注目なのは、エジプトを襲う災いの数々だ。ナイル川が真紅に染まる様子や、イナゴの群れに人食いワニ、王さえも逃れられない疫病など、多分にB級ホラー的な内容なのだが、格調と迫力で活写する特殊効果に思わず目を見張る。消化不良のような終わり方が少々気になるが、現在もまだ人々は苦難の旅の途中ということかもしれない。亡き弟トニー・スコットに捧げられた作品であることも付け加えておきたい。
【65点】
(原題「EXODUS:GODS AND KINGS」)
(米・英・スペイン/リドリー・スコット監督/クリスチャン・ベール、ジョエル・エドガートン、ベン・キングスレー、他)
(スペクタクル度:★★★★☆)
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エクソダス:神と王@ぴあ映画生活

映画レビュー「ダークナイト ライジング」

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◆プチレビュー◆
ノーラン版バットマンの完結編「ダークナイト ライジング」。正義と悪の定義を深く掘り下げた壮絶な物語から一瞬も目が離せない。 【80点】

 トゥーフェイスことデント検事殺害の罪を被ったまま、姿を消したバットマン。だが、ゴッサムシティに、街の破壊をもくろむ凶悪犯ベインが現れたことで、億万長者のブルース・ウェインは、再びバットマンとなって戦うことを決意する…。

 ついに完結する「バットマン」には、あらゆるところに意外性が仕掛けられている。物語の舞台は、前作から8年後。恋人レイチェルの死から立ち直れず、他人との接触を避け、世捨て人のように暮らすブルースの前に現れたのは、敵か味方か不明の謎の泥棒キャットウーマンと、不気味なヘッドギアを付けた史上最凶の男ベイン。かつての敵ジョーカーがアナーキストだとすれば、ベインは狡猾なテロリストである。この悪人の正体と出自は終盤に明かされるが、彼とつながる人物の深い闇は、驚くべきものだ。

 ベインとその仲間によってすべてを奪われ、奈落の底に突き落とされたブルースが、そこからどう這い上がるのか。ここにも意外性が隠されている。ヒントは、バットマンというヒーローが、特殊能力を持たない普通の人間だということ。精神と肉体を極限まで鍛えることで、バットマンの闘志は初めて正義という名の衣をまとうことができるのだ。

 壮大で独特な美意識に彩られた迫力の映像にも注目したい。アメフト会場でのおぞましいテロ行為は、地が割れ、人を飲み込み、この世の終わりかとも思えるすさまじさを至近距離のカメラでスピーティに追う。一方で、巨大な橋が次々に爆破され崩れ落ちる様は、神の視点のような冷徹な俯瞰映像だ。ユニークでクールな武器も健在。バットマンが操る飛行能力を持つ新型バットモービル“フライング・ビーグル”の疾走には興奮必至だ。

 クリスチャン・ベールら、おなじみの俳優陣や新キャラは文句のつけどころがないが、今回はゲイリー・オールドマン演じるゴードン警部とブルースの、これまた意外なつながりが明かされ、闇の物語の中での一筋の希望となっている。ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じる警官ジョンには、ラストに「そうか、彼が“彼”だったとは!」というサプライズも用意されている。

 本作の登場人物は、皆、心に闇を抱えながら正義と悪のせめぎあいの中で苦しむキャラクター。“壮絶に伝説が終わる”とのキャッチコピーにふさわしいファイナルには、大きな犠牲的精神と献身が通奏低音のように横たわっている。この物語は、黙示録なのだろうか。そうではない。私たち観客は、闇の騎士(ダークナイト)バットマンという複雑なヒーローが暗躍する超大作エンタテインメントを通して、もう一度世界に希望を取り戻す人間ドラマを目撃するのだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)壮絶度:★★★★★

□2012年 アメリカ映画 □原題「THE DARK KNIGHT RISES」
□監督:クリストファー・ノーラン
□出演:クリスチャン・ベール、アン・ハサウェイ、トム・ハーディ、他
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ダークナイト ライジング@ぴあ映画生活

映画レビュー「ダークナイト」

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◆プチレビュー◆
闇のヒーローの苦悩を描く人間ドラマが秀逸。故ヒース・レジャーの鬼気迫る演技は必見だ。 【85点】

 ゴッサム・シティは、正義漢の新任検事ベントらのおかげで平和な街に。だが、そこに悪のカリスマ・ジョーカーが現われる。暴挙を繰り返すジョーカーに、バットマンこと大富豪のブルース・ウェインは追いつめられる…。

 題名から“バットマン”の文字が消えた。前作「バットマン・ビギンズ」も含め、過去を刷新する決意表明で、この作品の本気度は極めて高い。バットマンはアメコミ・ヒーローの中でも一際ダークで異彩を放つが、今回は対峙する悪の猛威も桁外れ。もはや単純なヒーローものの枠には収まらないのだ。不気味な死の影が覆うこの傑作は、映画冒頭から重低音で脳髄の芯まで響いてくる。

 バットマンの武器は、自らの意思で鍛えた運動能力と知性だけだ。圧倒的な財力のおかげでバットモービルやバットスーツなど、スペシャルな装備を持ってはいるが、もともと彼には超人的な能力はない。命がけの戦いは彼の身体に無数の傷痕を残している。傷は肉体だけではない。平和を求めるバットマンの原動力は、両親を殺した悪への憎悪なのだ。これでは心の傷跡も増える一方だ。しかも、彼が行う、法律とは別の正義は、結果的に悪を呼び寄せてしまう。正真正銘のアナーキーにして極悪非道なジョーカーがそれだ。「おまえは俺だ」というジョーカーの言葉に苦悩するバットマン。二律背反に限界ギリギリまで引き裂かれる主人公の魂が、人間ドラマとして深い感動を誘う。

 本作では、ジョーカー、トゥー・フェイスという過去に登場したキャラを呼び戻した。二人にバットマンを加えた三つの力の衝突が物語を転がしていく。重要キャストの命さえ平気で奪う異様なストーリーはいったいどこへ向かうのか。観客の混乱をよそに、狡猾なジョーカーはバットマンの周りの生命を天秤にかけて弄ぶ。だが、もがくヒーローが、炎から抜け出す時こそ覚醒のとき。二輪車バットポッドが轟音とともに駆け抜けた瞬間、最高にエモーショナルな興奮に包まれる。

 この一級のクライム・アクションは、演技面でも隙はない。主役から脇役まで実力派揃いだが、中でもジョーカー役のヒース・レジャーの怪演は圧巻というしかない。ジョーカーと言えば、かつて名優ジャック・ニコルソンが演じた役。だがヒースは、プレッシャーを不敵な笑みに内包し、役柄をモノにした。陰気な猫背に黄色い歯、時には女装さえしてみせる。狂気の極みで吼える若き演技派は、自らの命と引き代えるかのごとく、死でニコルソンを越えていった。

 正義に燃えるデント判事を光の騎士と呼び、あえて汚名を被るバットマンこそは闇の騎士(ダークナイト)。2人の間には、愛する女性レイチェルへの思いも横たわる。最強にして最狂の敵ジョーカーが仕掛けたゲームに対し、バットマンは彼のみにしか出来ない行為で応える。それは“正しい選択”だ。

 夜明け前は最も暗い。闇に消えるストイックなヒーローの後姿がまぶたに焼き付いて離れない。彼はきっと戻ってくると信じよう。なぜなら、バットマンの正義を知るのは、忠実な執事アルフレッドと、私たち観客だけなのだから。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)スタイリッシュ度:★★★★★

□2008年 アメリカ映画 原題「THE DARK KNIGHT」
□監督:クリストファー・ノーラン
□出演:クリスチャン・ベール、ヒース・レジャー、アーロン・エッカート、他

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プレステージ

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単なるトリック映画に留まらない、深みのあるエンターテインメントである。19世紀末のロンドンを舞台に敵同士のマジシャンの意地の張り合いと、驚愕の種明かしを豪華キャストで描く。小悪魔女優ヨハンソンは単なる脇役、ジャックマンとベールの男の色気を味わうのが正しい鑑賞法。D.ボウイの出演も見所。
【80点】
(原題「THE PRESTIGE」
(アメリカ/クリストファー・ノーラン 監督/ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、他)
(ベンヤミン度:★★★☆☆)

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マシニスト

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◆プチレビュー◆
クリスチャン・ベールは子役時代の「太陽の帝国」から見ているが、彼にこんなに役者根性があろうとは!サンダンス映画祭出品作らしく、低予算ながらアイデア勝負の1本だ。

トレバーは平凡な機械工。単調な毎日を送っているが、実は彼はある時から原因不明の不眠症に陥り、1年間眠っていない状態だった。生命を危険にさらすほどやせ細った体になった彼は、毎日をもうろうとした気分の中で過ごしていたが、ある日、彼の周囲で不気味な出来事が起こり始める。不審なメモ、同僚の事故、怪しい男。真相を探るトレバーだったが…。

映画は目で見て楽しむメディアだが、このクリクチャン・ベールの痩せ細った姿を見るのは、ちょっとしたショックだ。何しろ30キロ減量なのだから、ほとんど命がけ。ベイルの体は骸骨と化し、彼の異常な姿は観客の目に何よりも強く焼きつくだろう。

1年間眠らないという状況が可能かどうかはともかく、主人公トレバーの周囲で起こる出来事の不可解さは、後に彼がたどり着く真実に向かって少しずつ加速していく。同僚の機械工が腕を切断する大事故が起こり、その原因となった大男の存在をトレバーは主張するがは、同僚は誰も彼を認めない。そんな男は職場にはいないというセリフから、若干オチが透けて見えるが、それでも物語に引きこまれるのは、クリスチャン・ベールの骨と皮だけの体がスクリーンにあるからだ。

物語を導く役目で劇中に登場する文字当てゲーム“ハングマン・ゲーム”の意味が、日本人には少し解りにくいかもしれない。子供がアルファベットを覚える際にも使用されるというアメリカのゲームで、指定した単語のつづりを当てれば勝ち。首吊り人形がモチーフというのはブラックすぎる気がするが、映画の素材としておもしろい。

監督のB.アンダーソンは「ワンダーランド駅で」でニアミスですれ違う男女を描き、アンニュイな恋愛映画を作るかと思えば、心理ホラー「セッション9」のような怖い映画も撮っている。作風のふり幅が大きいので観客はとまどうが、案外器用な監督なのかもしれない。次回作に注目する監督がまた一人増えた。

□2004年 スペイン・アメリカ合作映画  原題「THE MACHINIST」
□監督:ブラッド・アンダーソン
□出演:クリスチャン・ベール、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジョン・シャリアン、他

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アメリカン・サイコ

アメリカン・サイコ
バブル絶頂期の1980年代のNY。若きエリートのパトリックは、全てに満たされた生活を送っているにもかかわらず、精神的に満たされない。そんな彼の唯一の解放は殺人だった…。

ウォール街の一流会社に勤めるパトリックの住まいは高級マンション。バブル期のNYの嗜好を反映して部屋の中はモノトーンで統一されている。エクササイズの道具も揃え、壁にはロバート・ロンゴの絵画が飾られている。

典型的なヤッピーの生活をデフォルメして描く本作は、あまりにショッキングな内容のため、映画化は不可能とまで言われていた。病んだ彼らの救いは主にドラッグだが、それは物質的な豊かさがまいた種なのだ。

(2000年/アメリカ/メアリー・ハロン監督/原題「AMERICAN PSYCHO」)

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