映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

サラ・ガドン

ルイの9番目の人生

ルイの九番目の命 (ソフトバンク文庫)
ルイは生まれてから毎年、命にかかわるような危険な事故に遭い続けている。9歳の誕生日、彼は崖から海に転落し、奇跡的に命をとりとめたものの、こん睡状態に陥ってしまう。ルイを目覚めさせようと、担当医のパスカルはあらゆる手を尽くすが、ルイの病状は変わらなかった。一方で、ルイの父親ピーターが行方不明になり、母親ナタリーには警告文が届く。パスカル自身も悪夢にうなされ不可解な出来事が続くようになる。すべての事情を知るルイが眠り続ける中、パスカルはかつてルイのセラピーを担当した精神科医ペレーズを訪ねるが、次第に衝撃的な事実が明らかになる…。

9年間で9度死にかけた少年の秘密を描くサスペンス「ルイの9番目の人生」。原作はリズ・ジェンセンによるベストセラーで、人間の心に宿る闇を描く小説だ。全身骨折、感電、食中毒などなど、毎年遭う事故は死に直結する危険なものばかり。そんな数奇な運命の少年ルイの精神世界と、こん睡状態のルイを見守る大人たちの現実世界が交錯しながら物語は進んでいく。悪意を持つ何者かの仕業か。でもいったい誰が? もしやこの世のものではない力が働いているのか。 それはいったい何? ルイを特別な子として溺愛する母親が引用するのは「猫には9つの命がある」という言葉。すでに8つの命を使ってしまったルイは、最後の命をつなぎとめるために、夢の中で奮闘中というわけだ。

担当医と美貌の母親との恋が意外な方向へと向かう中、事故多発少年ルイの秘密にも思いもよらない展開が。荒唐無稽な物語が、真相を露わにするとき、立ち上ってくるのは、人間は根源的に愛されたいと願う生きものなのだという事実だ。悲しみと諦観に満ちた美少年ルイが選んだその道は、納得できないかもしれないし、ご都合主義とも思えるラストに首をかしげる人もいるだろう。それでも、海や水族館、ルイの夢の中の深海など、繰り返し描かれる水のモチーフとゆっくりと海に沈んでいくような感覚は、決して不快ではない。メガホンをとったのは、フランス出身でホラー映画の旗手、アレクサンドル・アジャ監督。本作は流血描写の代わりに、シュールでファンタジックな要素が組み込まれているが、見終わると、ゾクッとする怖さも。それは、子どもの心の中の傷みに気付かない身勝手な大人への警告なのかもしれない。
【65点】
(原題「THE NINTH LIFE OF LOUIS DRAX」)
(カナダ・英/アレクサンドル・アジャ監督/ジェイミー・ドーナン、サラ・ガドン、アーロン・ポール、他)
(ダーク・ファンタジー度:★★★★☆)


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ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 [Blu-ray]
1945年5月8日、ヨーロッパ戦勝記念日。ドイツとの戦争に終止符を打ち、ロンドンの街は祝賀ムード一色だった。軍服に身を包んだ19歳の王女エリザベスは、この機会を逃すと二度と外出のチャンスはないと察して、父親の国王ジョージ6世に宮殿の外に出て国民とともに6年間続いた戦争終結を祝いたいと懇願する。何とか許可をもらい、生まれてはじめてお忍びでの外出を果たしたエリザベスだったが、一緒に出掛けた妹のマーガレットがお目付け役の目を盗んで姿をくらましてしまう。エリザベスは、偶然出会った兵士ジャックの助けを借りてマーガレットを探すのだが…。

現英国女王エリザベスがまだ王女の頃、こっそりとロンドンの街に出たという実話をベースにしたロマンチックな物語「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」。生まれて初めてお忍びで外出し、さまざまな冒険と淡い恋を経験し成長する…というストーリーはまるで「ローマの休日」のよう。実際はたくさんのお供(お目付け役やボディガード)を引き連れていたというから、映画はほとんどフィクションなのだが。それでも、将来、英国女王になると決まっているエリザベスが、この時、庶民の生活をはじめて垣間見て、単に戦争に勝利したと祝うだけでなくその影にある悲しみを理解するというストーリーには、魅力がある。おしゃれして出かけた若く美しい王女たちは、ナンパされ、お酒を飲み、ダンスをして高揚する。分別があるエリザベスは、奔放な妹マーガレットを追いかける形で冒険するのだが、この経験が後に女王としての責任感につながっていく。上流階級と庶民とのギャップで笑わせ、淡い恋にときめき、王室に対する批判もちょっぴり。何もかもが表層的ではあるが、主演のサラ・ガトンの上品な美しさも手伝って、後味はさわやかだ。後に恋多き人生を送るマーガレット王女(映画より実物の方が断然美しい!)のお騒がせぶりや王室大好きギャングなど、全体的にコミカルな演出なので、王室ものというより軽いラブコメのノリで楽しんでほしい。
【60点】
(原題「A ROYAL NIGHT OUT」)
(イギリス/ジュリアン・ジャロルド監督/サラ・ガドン、ベル・パウリー、エミリー・ワトソン、他)
(さわやか度:★★★★☆)
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ドラキュラZERO

ドラキュラZERO [Blu-ray]
愛する者を守るため悪に身を捧げた主人公を描く異色の吸血鬼もの「ドラキュラZERO」。マントの端がコウモリ化するポスター・ビジュアルがクール。

15世紀、強大な勢力を誇るオスマン・トルコ帝国の脅威にさらされるルーマニアのトランシルヴァニア国。君主ヴラドは、トルコ帝国から、息子を含む少年たち1000人を兵士として国に渡すよう通達を受ける。ヴラドは、愛する妻や息子、民と国を守るため、大国トルコとの対決を決意し、古代より伝わる絶対的な闇の力と契約を交わす。だが彼は、力と引き換えに、想像を絶する代償を支払わねばならなかった…。

ホラー映画の人気キャラの吸血鬼は、最近はヴァンパイアと横文字で呼ばれ、吸血鬼映画は、イケメンや美女だらけの、おしゃれでクールなジャンルへと変貌しつつある。そんな中“ZERO”と銘打つ本作は、ブラム・ストーカーの吸血鬼小説のモデルとなったワラキア公ヴラド3世という実在の人物に、吸血鬼伝説をからめて、いかにして吸血鬼ドラキュラが誕生したかを描く異色作だ。闇の力と契約を交わし、コウモリに姿を変えて超人的な力で敵を倒す様は、ホラー色よりアクション・ヒーロー映画そのものだ。巨悪となった根源は愛だったというアイデアはなるほど面白い。異形のものになろうとも、民を思い家族を愛したヴラドはまぎれもなくヒーローなのである。監督のゲイリー・ショアはCM界出身というだけあって、“串刺し公”の異名を持つヴラドによる目を覆う地獄絵図や、マントを翻して崖をよじ登る姿などの構図が巧みで、映像センスを感じさせる。だがドラマとしては淡泊で、吸血鬼になってしまったヴラドは、悪でも善でもない中途半端な立ち位置でピリッとしないのが残念。主演のルーク・エヴァンスはコスチュームものがよく似合ってハマリ役だ。
【60点】
(原題「DRACULA UNTOLD」)
(アメリカ/ゲイリー・ショア監督/ルーク・エヴァンス、サラ・ガドン、ドミニク・クーパー、他)
(ヒーロー映画度:★★★★☆)
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アンチヴァイラル

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デイヴィッド・クローネンバーグの長男ブランドン・クローネンバーグが初監督を務めた近未来SFミステリー「アンチヴァイラル」。過剰なセレブ信奉と肉体変容を綴る異色作だ。

憧れのセレブから採取されたウィルスを高額で売買する企業が現れた近未来。セレブのウィルスを顧客に注射するクリニックの若き注射技師シドは、希少価値のある究極の美女ハンナのウィルスを自らの体内に培養し、それを闇マーケットで売りさばいていた。そんなある日、ハンナが謎の病気で急死。それを機に、ハンナのウィルスの宿主であるシドは異様な幻覚症状に襲われながら、謎の組織から追われ、やがて自分を取り巻く陰謀の存在に気付くのだが…。

やっぱり親子の血は争えない。ブランドンの父デイヴィッド・クローネンバーグは「ヴィデオドローム」や「ザ・フライ」などのボディ・ホラーで名を馳せた巨匠だ。息子であるブランドンが初監督作に選んだのは、セレブに憧れるあまり、セレブと同じウィルスに感染したいと願う歪んだ心理と、それを食い物にする犯罪の闇である。特異な世界観の物語だが、クリニックの内装や主人公の部屋、幻覚症状も含めて、徹底して白を貴重にした美術は、非常にスタイリッシュでありながら、人間らしさを排除する冷淡な世界を構築して不気味だ。まるでミュージック・ビデオのようにおしゃれなそのビジュアルの中で描かれるのは、ウィルスによる肉体変容とその陰謀というかなり変態チックなもの。主人公は自分がハマッた罠の真相に迫りながらも、窮地の中で大胆な賭けに出る。ミステリーなのでストーリーの詳細は明かさないが、「時計じかけのオレンジ」の怪優マルコム・マグダウェル扮する医師が、近未来ならでは肉体論を語るあたり、やはり父デイヴィッド同様に、異形への偏執が感じられる。主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズの色素の薄い病的なルックスが印象的。近未来SFの姿を借りて、現代社会を批判しているのだろうが、いきすぎたセレブ信奉を揶揄するというより、むしろ作り手のマニアックな肉体愛を感じてしまう異色作だ。
【55点】
(原題「ANTIVIRAL」)
(カナダ・米/ブランドン・クローネンバーグ監督/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、サラ・ガドン、マルコム・マグダウェル、他)
(変態度:★★★★☆)
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