サンバ [Blu-ray]
移民問題を独特のユーモアで活写するヒューマン・ドラマ「サンバ」。「最強のふたり」的なほのぼのより、辛辣さが目立つ。

アフリカからフランスに来て10年になる料理人見習いのサンバは、うっかりビザの更新を怠ってしまい、国外退去を命じられてしまう。職場を追われたサンバは、窮地を打開するため移民支援協会を訪れ、燃え尽き症候群となり大企業を休職中のボランティアのアリスと出会う。厳しい状況でも明るく希望を失わないサンバの周囲には、面倒見のいい陽気なブラジル移民ウィルソンや破天荒な法学生マニュなど、個性的な人々が集まってくる…。

スマッシュ・ヒットを記録した「最強のふたり」の監督と主演の2人が再びタッグを組むと聞いて、いわゆる“イイお話”を期待してしまうと、ちょっと肩すかしをクラう。主人公サンバを演じるオマール・シーの笑顔は魅力的だが、さまざまな問題をはらむ移民問題がテーマだけに、リアルでシビアな側面もあり、ほのぼのばかりもしていられないのだ。そもそもビザのうっかり失効は本人の自業自得だし、ビザなし金なし住所なしでは、法も味方してくれないのも当然だろう。それでもサンバをいつしか応援してしまうのは、自分の方が悲惨な状況なのに、大企業の仕事に疲れ切って精神的にマイッているアリスを「元気?」と気遣ったりする、本能的な優しさがあるからだ。ふだんはボーッとしているのにキレやすい中年女性を演じるシャルロット・ゲンズブールが新鮮だが、問題がある者同士、次第に惹かれ合っていくという展開は、ちょっと安易な気がする。そもそも移民問題と、燃え尽き症候群は、まったく別問題ではないのか? なんだか中途半端な印象が否めない作品だが、ともすれば社会派に傾きがちなテーマを、あえて軽く仕上げた個性は評価したい。
【55点】
(原題「SAMBA」)
(フランス/エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ監督/オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、他)
(楽観性度:★★★★☆)
チケットぴあ

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