映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

シエナ・ミラー

ハイ・ライズ

ハイ・ライズ[Blu-ray]
著名な建築家ロイヤルが設計した高層マンションは、上層階に行くほど富裕層が暮らしている近未来都市型住宅。そこに引っ越してきた医師のラングは、最上階に住むロイヤルから招待を受け、その豪華な暮らしぶりに驚く。だが高層階と下層階の間には激しいあつれきがあり、住民のワイルダーと知り合ったラングは、このマンション内で起こっている異常な事態を知ることになる。ある日、停電が起きたのを機に下層階の住民の暴動がはじまるが…。

ロンドン近郊にある、フロアによって階級が分かれた高層マンションでのすさまじい階級闘争に巻き込まれた主人公の運命を描くSFミステリー「ハイ・ライズ」。原作はJ・G・バラードの同名小説だ。私は原作を未読なのだが、果たして読んでいたら理解できたのか?!と首をかしげるほど、難解な作品である。主人公が越してきた高層マンションは、スーパー、医療施設、ジム、学校まで完備した隔離されたコミュニティー。高層階に行くほど富裕層で、階級闘争が起こるという設定は、走る列車の前後で階級が分かれた、ポン・ジュノ監督の「スノーピアサー」を思い出す。夜毎繰り広げられるパーティーは、乱痴気騒ぎを通り越して、混沌と狂気のるつぼと化している。セレブたちの堕落と倫理観の欠如、偽善や欺瞞が、無秩序を象徴している。最上階に住む設計者ロイヤルは神のような存在だが、暴動の首謀者にロボトミー手術を施そうとしたことから、事態は急変していく。愛欲と暴力が渦巻くこの閉ざされた空間には、どこにも共感する要素がない。これは見る側としては、かなり疲れる。久しぶりにクラクラするのほどのカオス・ムービー(あえて、こう呼ばせてもらう)を見たが、主人公を演じるトム・ヒドルストンの存在感だけは、数多い登場人物の中でも際立っていた。70年代風のスーツをサラリと着こなすかと思えば、鍛えあげた裸体を惜しげもなく披露。歪んだタワー・マンションは、アーティスティックだが人間の存在を拒絶しているかに見える。グロテスクとスタイリッシュが混じり合う、この映画の“歪み”に呼応するかのようだった。カルト映画としてなら、見る価値は十分にある。
【40点】
(原題「HIGH RISE」)
(イギリス/ベン・ウィートリー監督/トム・ヒドルストン、ルーク・エヴァンス、ジェレミー・アイアンズ、他)
(カオス度:★★★★★)
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二ツ星の料理人

二ツ星の料理人 [Blu-ray]
一流の腕を持つ料理人のアダムは、パリの二ツ星レストランのシェフだったが、トラブルを起こし、料理界から姿を消していた。3年後、起死回生を狙ってロンドンの友人のレストランのシェフに強引に収まると、かつての同僚ミシェルや、女性料理人エレーヌら、実力あるスタッフを集めて店の新装オープンに備える。だが天才肌で完璧主義のアダムは何かとスタッフと衝突し、さらにパリ時代のトラブルがアダムの前にたちはだかる…。

料理の腕は完璧だが人生は挫折続きのシェフの再起をかけた奮闘を描く「二ツ星の料理人」。芸術的でおいしそうな料理は登場するが、本作はグルメ映画というより、むしろ、自己中心的で欠点だらけの人間が周囲の声に耳を傾け、レストランで料理を作る上で大切なチームワークを学んでいく人間ドラマだ。アダムが天才シェフであることは自分自身も周囲も知っている。だが、戦場のような厨房で働きながらスタッフをまとめ、料理評論家を納得させるには、人間的な成熟こそが必要なのだ。ここまでミシュランの星に執着する思いは、欧米の料理人でないと、正直、実感がわかないのも事実。ただ、厨房での無駄のない動きや真剣なまなざしに、料理にかける熱い思いが伝わってきた。アダムの過去のトラブルの顛末や、娘の誕生日にさえ休みを与えないアダムになぜかエレーヌが惹かれていくなど、ストーリーとしては少々ご都合主義が目につく。はたしてアダムの店は三ツ星を獲得できるのか? それは映画を見て確かめてもらうとして、ライバルの声に耳を傾け、スタッフが作るまかない食を素直に食べるアダムに、シェフとしてだけではなく、人間としての成長がうかがえるラストは、悪くない。今が旬のイケメン俳優ブラッドリー・クーパーが主役であることに加え、国際派俳優のダニエル・ブリュールやオマール・シー、オスカー女優のアリシア・ヴィキャンデル、エマ・トンプソンら共演者が非常に豪華なことも見逃せない。
【60点】
(原題「BURNT」)
(アメリカ/ジョン・ウェルズ監督/ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、オマール・シー、他)
(グルメ映画度:★★☆☆☆)
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アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
実在の射撃手クリス・カイルの半生を映画化した「アメリカン・スナイパー」。無音のエンドクレジットに米国の闇を見る。

アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイルは、イラク戦争に狙撃手として派遣される。カイルは、並外れた狙撃の精度で多くの仲間を救い“レジェンド”と呼ばれる一方、敵からは“悪魔”として懸賞金を賭けられ命を狙われる。家族を愛し、良き夫、良き父でありながら、極限の緊張状態の中、引き金を引いて敵の命を奪い続けるカイル。その過酷な任務は、やがて彼の心を蝕んでいく…。

160人を射殺した米軍の凄腕狙撃手クリス・カイル。徹底して仲間を守ったカイルは伝説とまで呼ばれた兵士だが、本作は彼を単純に英雄視はしない。彼は命令に従って4度もイラクへと送られるが、「ハートロッカー」で描かれた戦争ジャンキーに近い症状だったカイル自身がいつもそれを望んでいたように思える。カイルにとって最優先なのは、幼い頃の父の教えから、仲間を守るという価値観だ。その証拠に、敵とはいえ、家族がいる兵士や、女性、子供の命まで奪う非情な任務の是非よりも、救えなかった仲間の命を思って葛藤する。国や家族を心から愛するカイルは、戦争の原因やその行きつく先の未来にはまったく思いが巡らないのだ。だが映画はそのことを肯定も否定もしない。茶色の砂埃が舞うイラクでの戦争の正義など、最初から視界不良なのだから。自ら映画化権を買い、肉体改造して熱演するブラッドリー・クーパーが素晴らしい。戦争の現実を直視しつつ、主人公の心の内面を丁寧に描きながら、敵のスナイパーとの一騎打ちのような娯楽性もちゃんと加味したイーストウッド監督の老練な演出も見事なものである。だが、何よりも衝撃を受けたのは、ラストに明かされるクリス・カイルの死の原因だ。淡々と明かされるその死は、戦場の狂気のもう一つの側面なのだろう。音楽に造形が深いあのイーストウッドが、あえて音を封印し、無言のエンドクレジットを流した。この沈黙の中に、今も戦争の呪縛から逃れられないアメリカの苦悩がある。
【85点】
(原題「AMERICAN SNIPER」)
(アメリカ/クリント・イーストウッド監督/ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ジェイク・マクドーマン、他)
(問題提起度:★★★★☆)
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G.I.ジョー

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世界を救っているのか、ブッ壊しているのか、区別がつかない超ド級のアクション映画は、人気ミリタリー・フィギュア・シリーズの実写映画化。近未来を舞台に、破壊兵器ナノマイトを奪った悪のテロ組織コブラに、国際機密部隊G.I.ジョーが立ち向かう。だが、隊員のリーダーのデュークには、コブラに所属する美女バロネスと浅からぬ因縁が。悪徳武器商人や謎の科学者などが入り乱れ、エジプト、パリ、北極と、世界中で激しい攻防を繰り広げる。

これだけ目立っておいて、G.I.ジョーのどこが“機密部隊”なのかと言いたくなるが、ヘンテコ日本描写など、ツッコミどころは山ほどあって、きりがないので止めておく。長所は、ハイ・スピードで話が進むのに、キャラが抜群に分かりやすいので混乱がないことだ。タフガイで正義感の主人公を中心に、ジェット機操縦の名人、頭脳明晰な美女、寡黙なニンジャといった具合。敵側も負けずに個性的だ。韓流スター、イ・ビョンホンが悪役で米映画進出を果たしているのは目を引く。ヘタな成長物語や中途半端な心理描写をバッサリ切り捨てて、アクションに徹しているのが何より潔い。花の都パリを舞台にした大乱闘や、海中の秘密基地でのバトルは荒唐無稽を絵にかいたよう。登場人物がハイパー・スーツを着用し、数々のガジェットを駆使して超人的に活躍する図を見ていると、もはやストーリーなど二の次に思えてくる。破壊度ばかりが高く、見終わって何も残らないが、このテの映画ではかえってそれが心地よいというものだ。
【55点】
(原題「G.I. Joe: The Rise of Cobra」)
(アメリカ/スティーヴン・ソマーズ監督/チャニング・テイタム、シエナ・ミラー、イ・ビョンホン、他)
(男子映画度:★★★★☆)

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ファクトリー・ガール

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60年代NYの独特の空気を、時代のミューズのイーディ・セジウィックを通して描く異色伝記映画。今もファッション雑誌が取り上げるイーディは資産家の娘だが、ウォーホールに見いだされ時の人としてブレイク、やがて飽きられ、薬物で身を滅ぼしていく。60年代のサブカル・シーンは魅力的だが、イーディは現代から見るとあまりに空虚で脆い。時代の輝きを体現したと見れば幸せだったのか。ボブ・ディラン役のクリステンセンが超ミス・キャストだ。
【60点】
(原題「FACTORY GIRL」)
(アメリカ/ジョージ・ヒッケンルーパー監督/シエナ・ミラー、ガイ・ピアース、ヘイデン・クリステンセン、他)
(おしゃれ度:★★★☆☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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