映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ワンダーウーマン」「エル」「関ケ原」「ボブという名の猫」etc.

シャイア・ラブーフ

マン・ダウン 戦士の約束

マン・ダウン 戦士の約束 ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
アメリカ軍海兵隊員ガブリエルは、故郷に妻ナタリーと幼い息子ジョナサンをおいて、アフガニスタンの戦場へ赴く。妻子との再会だけを心の支えに過酷な任務をやり遂げたガブリエルは、ようやく帰還することに。だが、戻ってみると故郷は荒廃し住民たちの姿もなかった。驚いたガブリエルは、一緒に帰還した友人デビンと共に、妻子の行方を探すが…。

アフガニスタンからの帰還兵が荒廃した故郷をさ迷う異色の戦争映画「マン・ダウン 戦士の約束」。戦争などの過酷な体験によって精神が崩壊するPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、米映画以外でも映画化されているが、とりわけ米軍帰還兵のPTSDは深刻である。近年では、実在の人物を扱った秀作「アメリカン・スナイパー」が記憶に新しい。「マイ・ブラザー」(デンマーク映画「ある愛の風景」のハリウッドリメイク)、「告発のとき」、少し古いが「タクシードライバー」なども思い浮かぶ。本作は、主人公ガブリエルがたどってきた現実と妄想が混濁しているのがユニークだ。そのすさんだ心象風景によって、観客はPTSDという病の恐ろしさを擬似体験する。一種のミステリー仕立てになっているので、詳細は明かさないが、親しい人の裏切りと戦場での理不尽な現実によって心を破壊されたガブリエルを待つ運命が、あまりにも哀しい。少々メロドラマに傾くのが気になるが、国家が国民を戦場へ送り込んだあげく人間性を破壊する大罪を、ディストピアのような映像が何よりも雄弁に物語っている。主人公を演じるシャイア・ラブーフは、最近ではもっぱらゴシップばかりが話題になっていたが、久しぶりの熱演だった。帰還兵の5人に1人がPTSD。20万人がホームレスで苦しんでいる。1日に約22人の人間が自殺を図る。ラストに流れるこれらのテロップに心が痛む。
【60点】
(原題「MAN DOWN」)
(アメリカ/ディート・モンティエル監督/シャイア・ラブーフ、ケイト・マーラ、ジェイ・コートニー、他)
(不条理度:★★★★☆)
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マン・ダウン 戦士の約束|映画情報のぴあ映画生活

フューリー

FURY / フューリー [Blu-ray]
1台の戦車で300人ものドイツ兵に立ち向かった5人の男たちを描く戦争アクション「フューリー」。本物の戦車を使用して撮影するなど、リアル重視の映像が迫力たっぷり。

第二次世界大戦末期のドイツ。歴戦の勇士であるベテラン兵士ウォーダディーのチームに、戦闘経験のない新兵のノーマンが配属される。“フューリー”と名付けられた戦車シャーマンM4に乗り込んだノーマンは、想像をはるかに超える戦場の凄惨な現実を目の当たりにする。繰り返される激しい戦闘の中、次第に仲間とも絆を育んでいくが、ドイツ軍との激しい戦闘で他部隊は全滅。ウォーダディーの部隊だけはなんとか生き残るが、300人ものドイツ軍部隊から包囲されてしまう…。

監督のデヴィッド・エアーは、実際に米海軍に従軍経験があるそうだ。製作総指揮と主演を兼ねるブラッド・ピットと共に、リアルな戦闘シーンに徹底的にこだわって作ったのがこの力作戦争アクションである。タイトルのフューリーとは、主人公たちが乗る戦車の愛称で、激しい怒りを意味する。新兵ノーマンの目は、そのまま観客の視点となるのだが、戦争とは、戦場とは、決してヒロイックなものでもなく、ひたすらつらくおぞましいものだということを思い知らされる。兵士たちの胸には、敵だけではなく、命がけで戦っている自分たち自身に対してもフューリー(怒り)の感情が常に渦巻いているのがその証拠だ。カリスマ性のあるリーダーだが、過去の戦闘でのトラウマを抱え複雑な思いを秘めた指揮官のウォーダディーがその象徴である。彼は、新兵のノーマンに儀式のように処刑を命じるかと思えば、ノーマンの淡い恋心を助ける場面も。だがすべては、戦争という歴史のうねりの中では、一瞬で吹き飛ばされる塵にも似た些細な出来事にすぎない。第二次世界大戦の戦いのスタイルは、現代から見ると少しノスタルジックに思える。だがミリタリー好きの言葉を借りるなら、史上最も重要な戦車である、ドイツ軍が駆るティーガー戦車が実際に動いている図は、垂涎ものに違いない。多大な犠牲を強いる激しい戦闘が過ぎ去った後の虚しさが、余韻として残る作品だった。
【70点】
(原題「FURY」)
(アメリカ/デヴィッド・エアー監督/ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、他)
(リアル度:★★★★☆)
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フューリー@ぴあ映画生活

ランナウェイ 逃亡者

ランナウェイ/逃亡者 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)(2枚組) [Blu-ray]
潜伏していた過激派メンバーの逃避行と秘められた真実を描く社会派サスペンス「ランナウェイ 逃亡者」。あまりにも豪華な出演者にレッドフォードの人脈の豊かさを見る。

過激派組織ウェザーマンは、1961年にベトナム戦争反対を訴えて連続爆破事件を起こす。FBIの最重要指名手配リストに載りながら、彼らは、その後、戦争の終結と共に消息を絶った。それから約30年後、元ウェザーマンのメンバーの一人が逮捕されたことで、ウェザーマンと彼らが起こした事件が再び注目されることに。新聞記者のベンは事件を追ううちに、男手一人で幼い娘を育てる、真面目な雰囲気のシングルファーザーの弁護士ジム・グラントにたどり着く。彼こそがウェザーマンの幹部だったニック・スローンだった。危機を察したスローンは逃亡し、FBIとベンの両方が彼を追うが、やがて事件の知られざる真相が浮かび上がってくる…。

名優ロバート・レッドフォードが、監督・主演を務める骨太な社会派サスペンスで、主人公はある秘密を抱えながら、30年間もの間、偽りの人生を生きている。サスペンスの詳細は明かせないが、過去に過激派として同じ思想を共有しながら闘った同士たちは、今は別々の人生を歩んでいて“あの頃の自分”に対する思いもさまざまだ。後悔や諦念もあれば、今も熱い情熱を持ち続ける者もいて、30年という年月がそれぞれに異なった年輪を刻んでいることがわかる。いずれにしても、主人公がかつての仲間を一人一人訪ねていくプロセスで少しずつ事件の輪郭が浮かび上がってくる仕組だ。最初はジャーナリストとしての使命感より名声を求めていた若い新聞記者のベンが、事件とスローンを通して、アメリカの過去と現在の真実を掴み取っていき、正義の意味を深く問い直すことになる。レッドフォードの演出は、いつもながら堅実で、政治的メッセージを感じるものだ。だが、映画のラストで、この作品が社会派であると同時に、ヒューマン・ドラマやラブ・ストーリーの要素も含んでいることが分かれば、より深みが増すだろう。それにしても、この名優たちの豪華共演には驚くばかりだ。オスカー常連俳優がずらりと並びいぶし銀の演技を披露。若手のシャイア・ラブーフやアナ・ケンドリックも、先輩たちに触発されたかのように熱演している。ウェザーマンは実在した過激派組織。アメリカ史のグレーゾーンを描く本作で、改めて過去の歴史から学ばないアメリカ社会に警鐘を鳴らしている。
【65点】
(原題「THE COMPANY YOU KEEP」)
(アメリカ/ロバート・レッドフォード監督/ロバート・レッドフォード、シャイア・ラブーフ、ジュリー・クリスティ、他)
(豪華キャスト度:★★★★★)
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ランナウェイ 逃亡者@ぴあ映画生活

欲望のバージニア

欲望のバージニア Blu-ray
禁酒法時代のアメリカで不死身伝説を打ち立てた3兄弟の実話を描く犯罪ドラマ「欲望のバージニア」。腐敗した権力に立ち向かう無法者たちの生き様が熱い。

禁酒法時代のバージニア州。ボンデュラント3兄弟は密造酒ビジネスを営み、成功していた。中心は男気あふれる次男のフォレスト。怪力で酒びたりの長男ハワードと、気弱だが野心家の三男ジャックとともに「絶対に死なない」という伝説を打ち立てていた3兄弟だが、新任の特別取締官レイクスが町に現れ、法外な賄賂を要求する。周囲は次々に屈するが、ボンデュラント3兄弟だけは断固として拒否。その日を境に、彼らと周囲の人々は非道な脅迫にさらされることになる…。

1930年代、バージニア州のフランクリンは世界で最も密造酒の製造が盛んな地域だったそうだ。そんな土地で“上質な密造酒と健全な商売”で成功したボンデュラント3兄弟は、今も地元のヒーローとして尊敬を集めているという。本作は、ボンデュラント兄弟の末っ子ジャックの孫が、実話に数十年にわたる噂やゴシップを織り交ぜてつづった同名ベストセラー小説を原作としている。ということで、当然、脚色はあるにしても、3兄弟の生き様は無法者のそれなのに、たまらなく熱くカッコいいのだ。特に、寡黙だが度胸と気迫にあふれた次男のフォレストの求心力はすごい。シカゴから来たワケありの美女マギーの前ではオクテな彼だが、兄弟を守り、一家の誇りを守る姿に、レイクス特別取締官の側につかねばならないはずの町の保安官さえも、心の中では3兄弟に肩入れしてしまうほどだ。密造ビジネスという法の外での物語の中、正義と悪、田舎と都会、男と女と、あらゆる要素の対比が効いている。クライマックスにいたるまでもおびただしい血が流れるが、これは正義のワルと非道なワルとのガチンコ勝負。美しくも激しい復讐劇なのだ。妖艶なジェシカ・チャスティン、無垢なミア・ワシコウスカ、偏執的なガイ・ピアースと、出演俳優もメリハリが効いて豪華だが、ギャングのボスを演じるゲイリー・オールドマンの役割がはっきりしないところがちょっと惜しい。ラストには橋の上での“決闘”の後の後日談が語られる。幸せな家族風景と、不死身伝説が思いがけない形で崩れるエピソードが、激動の人生を歩んだ3兄弟の物語を味わい深く締めくくっていた。
【65点】
(原題「LAWLESS」)
(アメリカ/ジョン・ヒルコート監督/シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ガイ・ピアース、他)
(流血度:★★★★☆)
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欲望のバージニア@ぴあ映画生活

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

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「トランスフォーマー」シリーズの第3弾はド迫力の3D映像が堪能できる。驚異的な映像と大雑把なストーリーがマイケル・ベイらしい。

1969年7月20日、アポロ11号による月面着陸が成功するが、その陰でNASAとアメリカ政府がひた隠しにしたのは、トランスフォーマーたちの地球侵略の足掛かりとなる宇宙船が月に不時着していた事実だった。そして現代のシカゴ。社会人になったサムの周囲で、再び異変が起き始める。あらゆる機械にトランスフォーム(変身)する金属生命体の侵略者たちが、再び人類に襲いかかってきたのだ…。

スピルバーグが製作総指揮、マイケル・ベイが監督の人気シリーズ最新作は、あきれるほど気合の入った3D映像で、観客のド肝を抜く。正義のオートボットと悪のディセプティコンという機械生命体同士の対決は、全編これクライマックスと言わんばかりの迫力だ。潤沢な予算と時間をかけたであろう映像は、破壊に終始するのに限りなく美しい。車が機械にトランスフォームする動きはますます滑らかだし、次々に繰り出される戦闘は臨場感たっぷりで、画面のすみずみまで丁寧に動いている。映像は現在作りうる最高の3Dと断言できる。一方で、話の発端を宇宙にまで広げたストーリーは相変わらずの荒っぽさだ。新しい恋人とラブラブのサムや、サムの過保護な両親の会話などで笑いを誘う演出はまだしも、名優ジョン・マルコビッチをわざわざキャスティングしておきながら、彼が何の役目も果たしていないのはいかがなものか。人間側の悪役もさっぱり迫力不足だ。何より、今回のこの話のメインは、オートボットとディセプティコンの大喧嘩。そもそも主人公のサムですら、必要ないんじゃないの?!とツッコミたくなる。だがそんな“細かいこと”は吹っ飛ばしてくれるくらい映像がすごいのだ。シカゴの街が壊滅状態になり、悪の金属生命体が巨大ビルに巻きついて、建物をなぎ倒していくド迫力。3Dによる大がかりな破壊シーンが延々と続くのに、ほとんど眼が疲れないのだからお見事というしかない。2時間34分の驚異の映像体験。間違いなく料金の元が取れる。
【65点】
(原題「TRANSFORMERS: DARK OF THE MOON」)
(アメリカ/マイケル・ベイ監督/シャイア・ラブーフ、ロージー・ハンティントン・ホワイトレイ、ジョシュ・デュアメル、他)
(破壊度:★★★★★)



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トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン@ぴあ映画生活

ウォール・ストリート

ウォール・ストリート [Blu-ray]ウォール・ストリート [Blu-ray]
1987年の「ウォール街」の23年ぶりの続編では、カリスマ投資家ゲッコー・ゴードンの復活劇と彼が仕掛ける新たなマネー・ゲームがスリリングだ。大手投資銀行に勤めるジェイコブは、若くして成功し、恋人ウィニーと幸せに過ごしていた。だが勤め先が経営破たんに追い込まれ、恩人である上司が自殺するという事態に。それが金融界の黒幕ブレトンの陰謀だと知ったジェイコブは、復讐のため、8年の刑期を終えて出所した元大物投資家のゲッコーに接近する。ゲッコーはウィニーの実の父で、娘とは絶縁状態。ウィニーとの復縁を助けるという密約を条件に金融の指南を仰ぐジェイコブだったが…。

映画「ウォール街」は80年代のバブル期の狂乱を背景にしたスタイリッシュなマネー・ゲームが観客を魅了した。一般庶民には想像さえ難しい大金も、その頃は“有り”だったと思う。だが今はどうか。リーマン・ショックとその後の悪夢を知っている我々には、映画前半に描かれる、まだ何も知らない投資家とトレーダーたちの背後に、くっきりとした失意を見てしまう。そんな中、すでに先を予見してるゴードン・ゲッコーだけが、現実的に思えるのだ。たとえ彼が、強欲を善として、身内でさえも利用する悪しきマネー・ゲーマーだと分かっていても。今回は、シャイア・ラブーフ扮するジェイコブがマネー・ゲームの参戦者だが、ゲッコーの娘を愛しながら、恩人の復讐を企てるためゲッコーに接近するという複雑な立場。単純に善悪では分けられない上に、ゲッコーの真意さえつかめないスリリングな物語が展開する。

ジェイコブの一枚も二枚も上手のゲッコーが、誰よりも愛しているはずの娘とその恋人にする仕打ちは、仁義無用の経済界を象徴するようだ。だが、金融危機の後、一握りの金持ちだけが富を独占するシステムが明るみに出ている今、悪役であるはずのゲッコーの大どんでん返しが、一概に悪とは言い切れないところに、社会派オリバー・ストーンの風刺が込められている。それでも最後にストーン監督は、ジェイコブにあるカードを持たせゲッコーの良心に訴える。これがいかにも情にからんだもので禁じ手スレスレなのだが、最後の拠り所は、家族のぬくもりというのはセオリー通り。ともあれ、人間というのは懲りない生き物だ。今回の勝者が次も勝つとは限らず、敗者は復活の時を狙って爪を研ぐ。どうやらウォール・ストリートの悪行は、これからも続きそうである。23年ぶりの続編にふさわしく、ナイーブな若者を演じるシャイア・ラブーフは的役だし、脇役まで豪華なスターがそろって盤石の華やかさだ。前作に出演したあの人物がチラリと登場するサービスも。だが主軸はあくまでも、欲望の権化で、映画史上屈指の悪役ゴードン・ゲッコーの華麗なる復活劇だ。やはり本作は、前作同様にマイケル・ダグラスの魅力に尽きる。
【65点】
(原題「WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS」)
(アメリカ/オリバー・ストーン監督/マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、ジョシュ・ブローリン、他)
(スリリング度:★★★★☆)


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ウォール・ストリート@ぴあ映画生活

トランスフォーマー/リベンジ

トランスフォーマー/リベンジ スペシャル・コレクターズ・エディション  [DVD]トランスフォーマー/リベンジ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
前作同様、ぶっ壊してばかりの騒々しい映画だが、予算もスケールも各段にアップしただけに、ビジュアルは驚異的だ。総勢60体以上のトランスフォーマーの変身のバリエーションは実に創意工夫がある。宇宙から地球へ戻った悪玉ディセプティコン軍団と、親地球派で善玉のオートボットたちはついに全面戦争に。主人公サムは、またしても地球と人類を救うはめになる。

この続編に、深いドラマ性など求めてはダメ。そう割り切れば、機械たちの人間臭いキャラに笑い、金属生命体同士の肉弾バトルに興奮できるはず。後半の「インディ・ジョーンズ」ばりの古代の秘密と、米軍がよりにもよってイスラム圏で戦争ごっこに興じる狂乱には目がテンになるが、マイケル・ベイの映画に固いことは言いっこなしだ。サムの良き友でカマロのバンブルビーの優しさがグッとくるが、元は敵側ながら、途中から主人公たちを助ける超小型のディセプティコンのノリやすいキャラが気に入っている。ただ、意外な形で再登場したシモンズの“勝負パンツ”などという淫らなものを大画面で見たショックが抜けない。どうしてくれる。
【60点】
(原題「TRANSFORMERS: REVENGE OF THE FALLEN」)
(アメリカ/マイケル・ベイ監督/シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョン・タトゥーロ、他)
(大騒ぎ度:★★★★★)

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映画レビュー「イーグル・アイ」

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◆プチレビュー◆
ノンストップで駆け抜けるサスペンス・アクション。全編にヒッチコックの香りが漂っている。 【65点】

 コピー・ショップの店員ジェリーとシングルマザーのレイチェルは、突然、謎の女からの電話を受ける。「私の指示に従わないと死ぬことになる」と告げられ、とまどう2人。電話の声は次々に命がけのミッションを課すのだが…。

 映画とは、つくづく拡大再生産型のメディアだと思う。トーキーやカラーのような真に革新的な技術は数えるほどで、新作の役目の多くは偉大な過去を継承することにある。すべての芸術の進歩は“美しい模倣”が基本なのだ。スピルバーグ原案の本作は、サスペンスの神様ヒッチコックの応用作品のよう。コンセプトは、監視社会とテクノロジーの脅威への警鐘だ。それ自体は目新しくないが、21世紀スタイルのジェットコースター・ムービーは間違いなく観客を興奮させる。

 何しろ最初から最後までハイ・テンションで息つく暇がない。それでも、冒頭のアフガンでのテロ討伐と、ジェリーが一卵性双生児という2つだけはしっかりと覚えておこう。全く面識がなかったジェリーとレイチェルは“選ばれて”相棒となる。物語の中盤までは、逃げまくる彼らの姿を追うだけで精一杯だ。電話の指示があまりにムチャなので守りたいのか殺したいのか疑いたくなるが、その読みは確実に追っ手の先をいく。怒涛の展開すべてがヤマ場状態で、もちろん大迫力のカーチェイスも満載だ。ATMや携帯電話、街の信号や電光掲示板などを自由自在に操って2人を導く電話の女の目的とは? 女の正体と極秘のイーグル・アイ計画の実態が分かる中盤以降は、その敵は牙をむいて襲ってくる。

 それにしてもこの映画のヒッチコック度の高いことと言ったらない。まず、巻き込まれ型サスペンスというのがヒッチだ。ケーリー・グラントやジェームズ・スチュワートの上品さには劣るが、シャイア・ラブーフのポカンとした表情はいかにもこのテの物語にフィットする。広々とした平原で襲われる場面は「北北西に進路を取れ」だし、オーケストラ演奏をモチーフにするのは「知りすぎていた男」だ。D・J・カルーソーという監督、よほどのヒッチコキアンに違いない。

 謎の女の名はアリア。金色に輝く彼女と対面した主人公は驚愕するが、これは正直、予想通りだ。こんな人間離れしたマネが出来るのは他にはいない。ただ、ジェリーに比べレイチェルが選ばれた理由に説得力が薄いのが気になる。演奏する子供たちの中でなぜ彼女の息子サムなのか。あらゆる情報操作が可能なアリアなら、もっと簡単で迅速で確実な方法を選べるだろうに。そもそも、目的達成のためにこんな手の込んだプロセスが必要か?との疑問もわく。まぁ、それを言っては身もふたもなくなるが。

 ともあれ、平穏な日常は命懸けの非日常へ。最先端のテクノロジーの暴走を描いた本作の怖さは、国家がミスッたらどういうツケを払うことになるかをシミュレーションしたことだ。私たちには、国家的陰謀を知る機会も阻止する術もないが、アリアは間違いなくもう生まれている。興奮冷めやらぬまま映画館を出て、安全な現実にホッとする人も多いはず。だが本当にそこが安全かどうかは、そろそろ考えた方が良さそうだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)恋愛度:★☆☆☆☆

□2008年 アメリカ映画 原題「EAGLE EYE」
□監督:D・J・カルーソー
□出演:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ビリー・ボブ・ソーントン、他

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ディスタービア

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ティーン版「裏窓」という趣で、楽しめる青春スリラー。退屈しのぎの覗き見で殺人事件を目撃する少年の物語だ。足首に付けるGPS装置は実際に米国で使われている。21世紀らしくデジカメや携帯電話で犯人に迫るところが面白い。ただし隣の美少女を覗いて恋が成就するくだりは映画だけの絵空事なので真に受けないように。現実では、よくてドン引き、ヘタすると警察に通報だ。よい子は決して真似してはいけない!
【75点】
(原題「DISTURBIA」)
(アメリカ/D・J・カルーソ監督/シャイア・ラブーフ、キャリー=アン・モス、デヴィッド・モース、他)
(ハイテク駆使度:★★★★☆)

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トランスフォーマー

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最初から最後までぶっ壊しまくりで大騒ぎの男の子向け超大作である。見た目は派手だが内容は皆無。つまり極めてマイケル・ベイらしい作品で、頭を使う必要がないSF映画だ。未知の惑星から来た謎の金属生命体との戦いを描く物語は、日本のロボットが元ネタだというから、何だか責任を感じてしまう。
【20点】
(原題「TRANSFORMERS」)
(アメリカ/マイケル・ベイ監督/シャイア・ラブーフ、タイリーズ・ギブソン、ジョシュ・デュアメル、他)
(人間描写度:★☆☆☆☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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