映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
毎日のレビューは分かりやすく簡潔な寸評で、週1本の長文映画レビューでは作品をディープに掘り下げます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる公開作品 ◎
「ファミリー・ツリー」「ダーク・シャドウ」「サニー」

シャイア・ラブーフ

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

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「トランスフォーマー」シリーズの第3弾はド迫力の3D映像が堪能できる。驚異的な映像と大雑把なストーリーがマイケル・ベイらしい。

1969年7月20日、アポロ11号による月面着陸が成功するが、その陰でNASAとアメリカ政府がひた隠しにしたのは、トランスフォーマーたちの地球侵略の足掛かりとなる宇宙船が月に不時着していた事実だった。そして現代のシカゴ。社会人になったサムの周囲で、再び異変が起き始める。あらゆる機械にトランスフォーム(変身)する金属生命体の侵略者たちが、再び人類に襲いかかってきたのだ…。

スピルバーグが製作総指揮、マイケル・ベイが監督の人気シリーズ最新作は、あきれるほど気合の入った3D映像で、観客のド肝を抜く。正義のオートボットと悪のディセプティコンという機械生命体同士の対決は、全編これクライマックスと言わんばかりの迫力だ。潤沢な予算と時間をかけたであろう映像は、破壊に終始するのに限りなく美しい。車が機械にトランスフォームする動きはますます滑らかだし、次々に繰り出される戦闘は臨場感たっぷりで、画面のすみずみまで丁寧に動いている。映像は現在作りうる最高の3Dと断言できる。一方で、話の発端を宇宙にまで広げたストーリーは相変わらずの荒っぽさだ。新しい恋人とラブラブのサムや、サムの過保護な両親の会話などで笑いを誘う演出はまだしも、名優ジョン・マルコビッチをわざわざキャスティングしておきながら、彼が何の役目も果たしていないのはいかがなものか。人間側の悪役もさっぱり迫力不足だ。何より、今回のこの話のメインは、オートボットとディセプティコンの大喧嘩。そもそも主人公のサムですら、必要ないんじゃないの?!とツッコミたくなる。だがそんな“細かいこと”は吹っ飛ばしてくれるくらい映像がすごいのだ。シカゴの街が壊滅状態になり、悪の金属生命体が巨大ビルに巻きついて、建物をなぎ倒していくド迫力。3Dによる大がかりな破壊シーンが延々と続くのに、ほとんど眼が疲れないのだからお見事というしかない。2時間34分の驚異の映像体験。間違いなく料金の元が取れる。
【65点】
(原題「TRANSFORMERS: DARK OF THE MOON」)
(アメリカ/マイケル・ベイ監督/シャイア・ラブーフ、ロージー・ハンティントン・ホワイトレイ、ジョシュ・デュアメル、他)
(破壊度:★★★★★)



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トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン@ぴあ映画生活

ウォール・ストリート

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1987年の「ウォール街」の23年ぶりの続編では、カリスマ投資家ゲッコー・ゴードンの復活劇と彼が仕掛ける新たなマネー・ゲームがスリリングだ。大手投資銀行に勤めるジェイコブは、若くして成功し、恋人ウィニーと幸せに過ごしていた。だが勤め先が経営破たんに追い込まれ、恩人である上司が自殺するという事態に。それが金融界の黒幕ブレトンの陰謀だと知ったジェイコブは、復讐のため、8年の刑期を終えて出所した元大物投資家のゲッコーに接近する。ゲッコーはウィニーの実の父で、娘とは絶縁状態。ウィニーとの復縁を助けるという密約を条件に金融の指南を仰ぐジェイコブだったが…。

映画「ウォール街」は80年代のバブル期の狂乱を背景にしたスタイリッシュなマネー・ゲームが観客を魅了した。一般庶民には想像さえ難しい大金も、その頃は“有り”だったと思う。だが今はどうか。リーマン・ショックとその後の悪夢を知っている我々には、映画前半に描かれる、まだ何も知らない投資家とトレーダーたちの背後に、くっきりとした失意を見てしまう。そんな中、すでに先を予見してるゴードン・ゲッコーだけが、現実的に思えるのだ。たとえ彼が、強欲を善として、身内でさえも利用する悪しきマネー・ゲーマーだと分かっていても。今回は、シャイア・ラブーフ扮するジェイコブがマネー・ゲームの参戦者だが、ゲッコーの娘を愛しながら、恩人の復讐を企てるためゲッコーに接近するという複雑な立場。単純に善悪では分けられない上に、ゲッコーの真意さえつかめないスリリングな物語が展開する。

ジェイコブの一枚も二枚も上手のゲッコーが、誰よりも愛しているはずの娘とその恋人にする仕打ちは、仁義無用の経済界を象徴するようだ。だが、金融危機の後、一握りの金持ちだけが富を独占するシステムが明るみに出ている今、悪役であるはずのゲッコーの大どんでん返しが、一概に悪とは言い切れないところに、社会派オリバー・ストーンの風刺が込められている。それでも最後にストーン監督は、ジェイコブにあるカードを持たせゲッコーの良心に訴える。これがいかにも情にからんだもので禁じ手スレスレなのだが、最後の拠り所は、家族のぬくもりというのはセオリー通り。ともあれ、人間というのは懲りない生き物だ。今回の勝者が次も勝つとは限らず、敗者は復活の時を狙って爪を研ぐ。どうやらウォール・ストリートの悪行は、これからも続きそうである。23年ぶりの続編にふさわしく、ナイーブな若者を演じるシャイア・ラブーフは的役だし、脇役まで豪華なスターがそろって盤石の華やかさだ。前作に出演したあの人物がチラリと登場するサービスも。だが主軸はあくまでも、欲望の権化で、映画史上屈指の悪役ゴードン・ゲッコーの華麗なる復活劇だ。やはり本作は、前作同様にマイケル・ダグラスの魅力に尽きる。
【65点】
(原題「WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS」)
(アメリカ/オリバー・ストーン監督/マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、ジョシュ・ブローリン、他)
(スリリング度:★★★★☆)


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ウォール・ストリート@ぴあ映画生活

トランスフォーマー/リベンジ

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前作同様、ぶっ壊してばかりの騒々しい映画だが、予算もスケールも各段にアップしただけに、ビジュアルは驚異的だ。総勢60体以上のトランスフォーマーの変身のバリエーションは実に創意工夫がある。宇宙から地球へ戻った悪玉ディセプティコン軍団と、親地球派で善玉のオートボットたちはついに全面戦争に。主人公サムは、またしても地球と人類を救うはめになる。

この続編に、深いドラマ性など求めてはダメ。そう割り切れば、機械たちの人間臭いキャラに笑い、金属生命体同士の肉弾バトルに興奮できるはず。後半の「インディ・ジョーンズ」ばりの古代の秘密と、米軍がよりにもよってイスラム圏で戦争ごっこに興じる狂乱には目がテンになるが、マイケル・ベイの映画に固いことは言いっこなしだ。サムの良き友でカマロのバンブルビーの優しさがグッとくるが、元は敵側ながら、途中から主人公たちを助ける超小型のディセプティコンのノリやすいキャラが気に入っている。ただ、意外な形で再登場したシモンズの“勝負パンツ”などという淫らなものを大画面で見たショックが抜けない。どうしてくれる。
【60点】
(原題「TRANSFORMERS: REVENGE OF THE FALLEN」)
(アメリカ/マイケル・ベイ監督/シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョン・タトゥーロ、他)
(大騒ぎ度:★★★★★)

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映画レビュー「イーグル・アイ」

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◆プチレビュー◆
ノンストップで駆け抜けるサスペンス・アクション。全編にヒッチコックの香りが漂っている。 【65点】

 コピー・ショップの店員ジェリーとシングルマザーのレイチェルは、突然、謎の女からの電話を受ける。「私の指示に従わないと死ぬことになる」と告げられ、とまどう2人。電話の声は次々に命がけのミッションを課すのだが…。

 映画とは、つくづく拡大再生産型のメディアだと思う。トーキーやカラーのような真に革新的な技術は数えるほどで、新作の役目の多くは偉大な過去を継承することにある。すべての芸術の進歩は“美しい模倣”が基本なのだ。スピルバーグ原案の本作は、サスペンスの神様ヒッチコックの応用作品のよう。コンセプトは、監視社会とテクノロジーの脅威への警鐘だ。それ自体は目新しくないが、21世紀スタイルのジェットコースター・ムービーは間違いなく観客を興奮させる。

 何しろ最初から最後までハイ・テンションで息つく暇がない。それでも、冒頭のアフガンでのテロ討伐と、ジェリーが一卵性双生児という2つだけはしっかりと覚えておこう。全く面識がなかったジェリーとレイチェルは“選ばれて”相棒となる。物語の中盤までは、逃げまくる彼らの姿を追うだけで精一杯だ。電話の指示があまりにムチャなので守りたいのか殺したいのか疑いたくなるが、その読みは確実に追っ手の先をいく。怒涛の展開すべてがヤマ場状態で、もちろん大迫力のカーチェイスも満載だ。ATMや携帯電話、街の信号や電光掲示板などを自由自在に操って2人を導く電話の女の目的とは? 女の正体と極秘のイーグル・アイ計画の実態が分かる中盤以降は、その敵は牙をむいて襲ってくる。

 それにしてもこの映画のヒッチコック度の高いことと言ったらない。まず、巻き込まれ型サスペンスというのがヒッチだ。ケーリー・グラントやジェームズ・スチュワートの上品さには劣るが、シャイア・ラブーフのポカンとした表情はいかにもこのテの物語にフィットする。広々とした平原で襲われる場面は「北北西に進路を取れ」だし、オーケストラ演奏をモチーフにするのは「知りすぎていた男」だ。D・J・カルーソーという監督、よほどのヒッチコキアンに違いない。

 謎の女の名はアリア。金色に輝く彼女と対面した主人公は驚愕するが、これは正直、予想通りだ。こんな人間離れしたマネが出来るのは他にはいない。ただ、ジェリーに比べレイチェルが選ばれた理由に説得力が薄いのが気になる。演奏する子供たちの中でなぜ彼女の息子サムなのか。あらゆる情報操作が可能なアリアなら、もっと簡単で迅速で確実な方法を選べるだろうに。そもそも、目的達成のためにこんな手の込んだプロセスが必要か?との疑問もわく。まぁ、それを言っては身もふたもなくなるが。

 ともあれ、平穏な日常は命懸けの非日常へ。最先端のテクノロジーの暴走を描いた本作の怖さは、国家がミスッたらどういうツケを払うことになるかをシミュレーションしたことだ。私たちには、国家的陰謀を知る機会も阻止する術もないが、アリアは間違いなくもう生まれている。興奮冷めやらぬまま映画館を出て、安全な現実にホッとする人も多いはず。だが本当にそこが安全かどうかは、そろそろ考えた方が良さそうだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)恋愛度:★☆☆☆☆

□2008年 アメリカ映画 原題「EAGLE EYE」
□監督:D・J・カルーソー
□出演:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ビリー・ボブ・ソーントン、他

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ディスタービア

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ティーン版「裏窓」という趣で、楽しめる青春スリラー。退屈しのぎの覗き見で殺人事件を目撃する少年の物語だ。足首に付けるGPS装置は実際に米国で使われている。21世紀らしくデジカメや携帯電話で犯人に迫るところが面白い。ただし隣の美少女を覗いて恋が成就するくだりは映画だけの絵空事なので真に受けないように。現実では、よくてドン引き、ヘタすると警察に通報だ。よい子は決して真似してはいけない!
【75点】
(原題「DISTURBIA」)
(アメリカ/D・J・カルーソ監督/シャイア・ラブーフ、キャリー=アン・モス、デヴィッド・モース、他)
(ハイテク駆使度:★★★★☆)

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トランスフォーマー

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最初から最後までぶっ壊しまくりで大騒ぎの男の子向け超大作である。見た目は派手だが内容は皆無。つまり極めてマイケル・ベイらしい作品で、頭を使う必要がないSF映画だ。未知の惑星から来た謎の金属生命体との戦いを描く物語は、日本のロボットが元ネタだというから、何だか責任を感じてしまう。
【20点】
(原題「TRANSFORMERS」)
(アメリカ/マイケル・ベイ監督/シャイア・ラブーフ、タイリーズ・ギブソン、ジョシュ・デュアメル、他)
(人間描写度:★☆☆☆☆)

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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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