映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
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(点数は100点が、★は5つが満点)
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◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

シャーリーズ・セロン

スタンドアップ

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◆プチレビュー◆
ミネソタ州の寒々とした映像が素晴らしい。この北の国の雪景色は、まるで一人のキャラクターのように物語を引っ張る。でも劇中の女性イジメはヒドすぎ!

子どもを連れて故郷ミネソタにもどったシングル・マザーのジョージー。彼女は生活のために、賃金のいい鉱山で働き始めるが、男の仕事を女が奪うと考える労働者たちは、数少ない女性労働者に対し、時には企業ぐるみで壮絶ないやがらせを行う…。

セクハラやいじめとかいう言葉があるが、この映画のそれはそんな生易しいものではない。もはや虐待だ。実話をベースにしたこの物語の素材は、全米で初めて、企業を相手取って起こした、セクハラの集団訴訟。保守的な田舎町で、伝統や権力に対してNOという難しさは想像してあまりある。見ていてつらい場面も多いが、男女ともに目をそむけてはいけない。

物語は進行中の裁判を中心に、回想を交えて進んでいく。ジョージーが過去に受けた傷や家族との溝も含めて、彼女の過酷な人生とそれに負けない人間性を描くことで観客を映画に引き込んでいく。ニキ・カーロという監督は思った以上に実力者だ。さらに脇を固める“地味”系のオスカー女優たちが見事。この脇役の俳優たちが、フェミニズムの説教くささを消し、女性映画というよりも、全ての不正に対して立ち上がる人間のための物語にしてくれた。

典型的なハリウッド・ビューティーのシャーリーズ・セロンが「モンスター」に勝る熱演で、この汚れ役を演じている。結婚に失敗し実家に戻ったヒロインは、保守的な町では完全な異分子。容姿の良さを全面に出す場面もほとんどない。人生負け組の主人公は、同僚の女性からの協力もなく、孤立無援の中で立ち上がる。この孤独な姿がヒロインの勇気をより崇高なものにしている。

□2005年 アメリカ映画 原題「North Country」
□監督:ニキ・カーロ
□出演:シャーリーズ・セロン、フランシス・マクドーマンド、ウッディ・ハレルソン、他

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モンスター

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◆プチレビュー◆
社会性はあるものの、話そのものは単純な構造。監督デビュー作としては上出来だ。実在のアイリーン・ウォーノスは2002年に死刑執行されている。少々ブサイクな外見(!)でも娼婦として商売できることにも驚く。

1986年フロリダ。生きることに絶望した娼婦アイリーンは自殺を考えるが、飛びこんだバーで同性愛者のセルビーと出会い、恋に落ちる。しかし、自分に暴力を振るう客を殺害してしまったアイリーンはセルビーを連れてあてのない逃避行へ。その後も殺人を繰り返すようになる…。

実際に映画を見て、シャーリーズ・セロンのあまりの変貌ぶりに驚いた。実物のアイリーン・ウォーノスに似せるため、特殊メイクを施しているが、13キロも増量させた体のだらしなさといったらない。肌はボロボロ、眉はなく、口もとは無愛想に曲がっている。言われなければセロンだとは気付かない。美貌は見事に消し去られていた。

不幸な家庭環境から娼婦としてしか生きる道がなかった女性アイリーン。アメリカは連続殺人鬼の宝庫だが、女性はさすがに数が少ない。映画はアイリーンが殺人鬼になるべく袋小路に追い詰められる様子を描くことで、米国社会の暴力性と偏見も追求している。アイリーンの犯した犯罪は許されることではないし、自業自得の部分も大きいが、物語が進むにつれてアイリーンの孤独が大きく浮き彫りにされていく。

主人公の不幸をあえて一つあげるとするならば、愛することを知ってしまったことだろうか。自分を蔑まずに受け入れてくれたセルビーには、全く生活能力がなかった。一緒にいたいと願うことが罪を重ねることになる切なさ。ひ弱で子供のようなセルビーが、いつの間にかアイリーンを支配していくようになる恐ろしさ。セルビーは最終的にアイリーンを裏切る。そのことをアイリーン自身、承知なのがあまりに哀れだ。

この映画は、肉体改造を含めたシャーリーズ・セロンの圧倒的な熱演を抜きにしては語れない。モンスター(怪物)とはいったい何を意味するのか。社会や家庭には様々な問題が横たわる。そして、人間とは、罪を犯しながらも愛を求める矛盾した存在なのだ。社会の残酷さと人間の歪んだ心こそがモンスターの正体だ。

□2003年 アメリカ映画  原題「MONSTER」
□監督:パティ・ジェンキンス
□出演:シャーリーズ・セロン、クリスティーナ・リッチ、ブルース・ダーン、他

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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