映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
毎日のレビューは分かりやすく簡潔な寸評で、週1本の長文映画レビューでは作品をディープに掘り下げます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる公開作品 ◎
「ファミリー・ツリー」「ダーク・シャドウ」「サニー」

ジェシカ・アルバ

スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション

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人気シリーズがキャストを一新して登場。実生活でも母親であるジェシカ・アルバをスパイ・ママに起用したのがニクい。

義理の母親マリッサが元敏腕スパイだと知った双子の姉レベッカと弟セシル。マリッサは引退していたのだが、時間を操ることで世界征服を企む悪党タイムキーパーから人類を守るため現役復帰を決める。だが、秘石クロノスサファイアがタイムキーパーの手に渡ってしまい絶対絶命のピンチに!スパイとしての才能を開花させた双子姉弟がスパイキッズとして立ち上がる。

前作までは家族全員で闘う「スパイキッズ」だったのだが、今回は、ママと子供たちがスパイということはパパには内緒。ロバート・ロドリゲス監督は前作から続投だが、キャストはすべて一新し、新スパイキッズとして再構築している。敏腕スパイママを演じるのはジェシカ・アルバで、セクシーかつ家庭的な魅力をかもし出し、元祖スパイキッズのカルメンとジュニもちゃんと活躍する。だが、何といっても、マリッサをサポートし双子を助けるハイパースパイ犬の活躍が楽しい。特筆なのは、3Dに加えて4Dとなったこと。プラスされたのはにおいだ。画面に番号が登場すると、特製アロマシートの同じ番号を指でこすれば、フルーツやお菓子などのおいしそうなにおいが“飛び出す”という仕掛けである。いわゆるアトラクション・ムービーとして楽しいものだ。最強の悪党タイムキーパーの正体と犯行の動機は、意外にして哀しいもの。タイムトラベルもののセオリー通り、過去をどれほど変えても幸せは得られないので、今を大切に生きるべきというメッセージが伝わってくる。ロドリゲス監督はけれん味が持ち味だが、このシリーズではグッと家庭的なのがほほえましい。
【50点】
(原題「SPY KIDS: ALL THE TIME IN THE WORLD IN 4D」)
(アメリカ/ロバート・ロドリゲス監督/ジェシカ・アルバ、ジョエル・マクヘイル、アレクサ・ヴェガ、ダリル・サバラ、他)
(遊び感覚度:★★★★☆)



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キラー・インサイド・ミー

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封印されていた暴力への激しい欲望に、答えなどない。共感できない主人公を、淡々と演じるケイシー・アフレックが不気味なほど上手い。

1950年代のテキサスの田舎町。ルーは、街の誰からも頼られる仕事熱心な保安官助手で、幼馴染の女性教師エイミーという恋人もいる好青年だ。そんな彼は上司の命令で、町外れに住む娼婦のジョイスを立ち退かせようとするが、逆に彼女に強く惹かれてしまい、情事に溺れるようになる。ある日、ジョイスから彼女に夢中のエルマーと、その父で街の有力者のチェスターを罠にハメて金を奪う計画を持ちかけられる。ジョイスとの出会いから、長年封じ込めていた残虐性があらわになったルーだったが、計画は思わぬ方向へ転がり始める…。

原作は、アメリカの代表的なフィルム・ノワール作家ジム・トンプスンの「おれの中の殺し屋」。主人公ルーは子供のころに亡くした兄の死への復讐を秘めて、ジョイスの計画に乗るように思えるが、本当は彼の心の奥に眠っていた暴力と殺人の衝動を、開放する機会をずっと待っていたのかもしれない。彼は、平和と退屈の隙間に紛れ込んだ異分子で、汚れた存在である娼婦の中に、自分が本当になりたいと願う姿を見たに違いない。「すぐ終わる。すまない。愛してる」と優しさと哀れみの言葉を囁きながら、ジョイスを殴り殺すルー。彼は、刺激のかけらもない自分という存在そのものを破壊しているのだ。こんな破滅願望は、誰の胸にも秘められているのだろうか。ルーがあからさまな異常者ではなく、孤独や痛みを内包するごく当たり前の人間だけに、繰り返される殺人や凶行の答えを導き出すことが恐ろしくなる。何より、現代にはびこる動機なき犯罪の芽が、平和で豊かなはずの1950年代の米国の田舎町に、すでにどす黒く芽生えていたことに戦慄を覚えた。
【60点】
(原題「THE KILLER INSIDE ME」)
(米・スウェーデン・英・加/マイケル・ウィンターボトム監督/ケイシー・アフレック、ケイト・ハドソン、ジェシカ・アルバ、他)
(共感度:★☆☆☆☆)

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キラー・インサイド・ミー@ぴあ映画生活

映画レビュー「マチェーテ」

マチェーテ [DVD]マチェーテ [DVD]
◆プチレビュー◆
フェイク予告編がまさかの映画化。怪優ダニー・トレホが大暴れするバイオレンス映画はB級魂炸裂だ。 【60点】

 凄腕のメキシコ連邦捜査官マチェーテは麻薬王トーレスから妻子を殺され、自らも重傷を負う。3年後、一市民として生きていたマチェーテは、移民嫌いで極右の上院議員マクラフリン暗殺を半ば強引に依頼されるが…。

 タランティーノとロドリゲスが共作したB級映画へのオマージュ「グラインドハウス」の中に登場していた偽の予告編。激しく興味をそそったそのパイロット版がホントに映画になってしまった。これだけでも“事件”だが、主役はロドリゲス作品の常連で、すさまじい悪人顔のダニー・トレホ。しかも、ジェシカ・アルバやミシェル・ロドリゲスら美女たちから激モテなのだからスゴい。もちろん物語は荒唐無稽、エロスとバイオレンスがてんこもりだ。マチェーテが依頼された議員暗殺は実は罠で、その背後には憎き麻薬王が。マチェーテは不法移民たちと協力し、血で血を洗う過激な復讐劇を繰り広げる。

 主人公の名前でありトレードマークでもあるマチェーテとは、スペイン語で長刀のなたのこと。中南米では、農作物の伐採に使われるらしい。そんなモンを武器に戦うのだから、当然接近戦で、その戦いっぷりは、バカバカしくも痛々しい。手や首をバッサリ切り落とし、敵の腹を切り裂いて腸をロープ代わりにダイブするなど、次から次へと残酷描写が登場。マチェーテが行くところには死体の山が築かれるが、そんな中でも主人公や美女たちはほとんど不死身だ。リアリティ無視のムチャクチャな演出はまるでコミックの世界のようで、不思議な爽快感が。骨の髄までB級体質のロドリゲスらしいではないか。

 B級魂はストーリーや演出だけではなく、キャスティングでも炸裂している。移民嫌いのタカ派議員を名優ロバート・デニーロにやらせるのが過激なおふざけなら、麻薬王はB級アクションの権化スティーブン・セガールというニクい配役。なまじ武術の達人だけにセガール一人が浮いているのがビミョーに可笑しい。ラストのマチェーテとの対決には、無駄に本格的なアクションを披露したあげく、日本にゆかりのセガールならではの仰天の落とし前を付けてくれる。

 女性キャラもしかり。ロドリゲス作品の女性は、常にセクシーで刺激的だが、移民関税執行局職員役のジェシカ・アルバのシャワーシーンなど何の必要性があるのだろうか?と首をかしげる。女戦士ミシェル・ロドリゲスが持つ銃が常識はずれにデカいのも同様だ。だが、このデフォルメがロドリゲスの持ち味である。ついでに注目は、お騒がせセレブのリンジー・ローハン。ヤク中の金髪娘という役どころは、私生活とダブりすぎて苦笑ものだが、ヌードや尼僧姿のコスプレなど、ヤケクソ気味の気合が入っていて笑わせる。ジェシカ、ミシェル、リンジーの3人のキャラは、ぜひスピンオフで観てみたいものだ。

 復讐と贖罪を2本柱にしたマチェーテの戦いに味方するのは、面構えもりりしい不法移民たち。ガトリング銃付きのバイクを駆るマチェーテを助けるべく、車の車体をブンブン揺らして気勢をあげる。彼らが長刀を振り上げ銃をぶっ放すクライマックスは、ほとんどファンタジーだ。史上類をみないアウトローを誕生させたラテン・バイオレンスの快作は、マジメに“不真面目”をやっている。通俗的という意味ではこれ以上はないだろう。これぞB級映画の心意気だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)バイオレンス度:★★★★★

□2010年 アメリカ映画 原題「MACHETE」
□監督:ロバート・ロドリゲス/イーサン・マニキス
□出演:ダニー・トレホ、ジェシカ・アルバ、スティーヴン・セガール、他

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アイズ

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タイ映画「the EYE【アイ】」の・ハリウッド・リメイクは、終盤はアクション映画のよう。盲目のシドニーは角膜移植手術を受けて成功するが、以来、突然襲いかかる人影や燃えさかる火事など、彼女だけに見える不可解な光景に悩まされる。超常現象をただ怖がるだけでなく勇気をもって受け止める設定がいかにも米国好みだ。効果音に頼りすぎる演出と、鏡に映る別の人物のビジュアルが、髪の長さや色が似ていて別人の驚きが薄いのが残念。また、せっかくヒロインをバイオリニストにしたなら音楽を効果的に使ってほしかった。セクシー路線脱皮を目指すジェシカ・アルバの頑張りを評価。
【50点】
(原題「THE EYE」)
(アメリカ/ダヴィッド・モロー、ザヴィエ・パリュ監督/ジェシカ・アルバ、アレッサンドロ・ニヴォラ、パーカー・ポージー、他)
(ホラー度:★★☆☆☆)

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噂のアゲメンに恋をした!

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下ネタ系ラブコメディだが、笑えない上にお話があまりにヒドい。「彼と寝ると、次に運命の人と出会う」という呪いで本物の恋が成立しないという設定は悪くない。この呪いの行方をきちんと追うべきなのに、天然キャラ美女のドジっぷりや恋人への束縛、ペンギン好きなど、大脱線。いったい何が言いたいのやら。体を張った演技で頑張るジェシカ・アルバは、残念ながらコメディセンスには欠けるが、健康的なお色気はファンには目の保養だ。
【30点】
(原題「GOOD LUCK CHUCK」)
(アメリカ/マーク・ヘルフリッチ監督/ジェシカ・アルバ、デイン・クック、ダン・フォグラー、他)
(中途半端度:★★★★★)

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ファンタスティックフォー:銀河の危機

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明快な物語と4人の超能力のメリハリが絶妙なのがこのシリーズ。今回の新キャラ、シルバーサーファーは、ビジュアルがスタイリッシュだ。最強の敵との対決を高い技術のCGで活写する。4人はグループで戦うが、仲間意識が強く、イタズラしたり、ハメをはずしたり、内輪モメしたりと、ヒーローなのに親しみやすい。地球や宇宙を救うのもどこか部活動のようだ。アルバは相変わらずキュートだが、ブロンドヘアはNG。
【70点】
(原題「FANTASTIC FOUR:RISE OF THE SILVER SURFER」)
(アメリカ/ティム・ストーリー監督/ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、他)
(単純明快度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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