映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「美しい星」「光をくれた人」「家族はつらいよ2」「光」etc.

ジェフリー・ディーン・モーガン

ノー・エスケープ 自由への国境

Desierto
メキシコとアメリカの国境地帯。不法入国を試みるモイセスは、15人の仲間と共に国境を越え、自由の国アメリカに入国しようと、灼熱の砂漠地帯を歩き続けていた。だが、突如そこに不法移民たちをライフルで撃ち殺す謎の狙撃者が現れ、仲間は次々に命を落としていく。狙撃者の正体は不明、摂氏50度の砂漠、水も武器も逃げ場もないという極限状況の中、モイセスは何とかして生き延びようと、命懸けで逃走するが…。

不法移民と彼らを狙う謎の狙撃者との攻防を描くサバイバル・スリラー「ノー・エスケープ 自由への国境」。監督は名匠アルフォンソ・キュアロンの息子にして「ゼロ・グラビティ」の脚本家であるホナス・キュアロンだ。本作の製作年は2015年。「ゼロ・グラビティ」より本作の脚本の構想が先だったこと、さらに、今、メキシコ国境との壁建設の問題で揺れているトランプ政権誕生以前の作品ということを思うと、その先見性に感服する。物語はキリリと短い88分で、終始、抜群の緊張感を味わえる。トラックの故障で図らずも徒歩で灼熱の砂漠地帯を横断することになったメキシコ人の移民たちを、人間狩りよろしくライフルで狙い撃ちにするのは、移民を憎悪する謎の白人だ。広大な砂漠は、究極の密室と化し、まったく先読みできないサバイバル劇が繰り広げられる。いきなりの銃撃、獰猛な猟犬による襲撃と、流血のバイオレンス描写は、容赦がない。秀逸なのは、移民たちや、謎の狙撃者の背景をほとんど説明せず、最小限のせりふと小道具、表情のみで描き切ったことである。その潔い演出に、ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェフリー・ディーン・モーガンら、実力派がきっちりと演技で応え、只事ではない緊迫感を生み出した。不法移民、差別主義、排他性、行き過ぎた自警に人命軽視。社会派ドラマに傾く要素満載だが、本作に説教臭さは皆無で、サバイバルという娯楽作として成立している。不法移民たちが命懸けで目指すアメリカは、本当に“自由の国”なのだろうか。そして砂漠の向こう側に、希望や未来はあるのだろうか。本作で父アルフォンソは製作にまわり、ホナスは商業映画デビューだ。その才能のDNAは確かに受け継がれている。
【75点】
(原題「DESIERTO」)
(メキシコ・仏/ホナス・キュアロン監督/ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェフリー・ディーン・モーガン、アロンドラ・イダルゴ、他)
(タイムリー度:★★★★★)
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悪党に粛清を

【早期購入特典あり】悪党に粛清を(ポストカード付) [DVD]
妻子を殺された男の復讐劇を描く異色の西部劇「悪党に粛清を」。マッツ・ミケルセンがシブすぎ!

1864年、元兵士のジョンは戦争で荒廃した祖国デンマークから新天地アメリカに移り住む。7年後、ようやく妻子を呼び寄せるが、駅馬車で同乗したならず者に、非情にも妻と子を殺される。怒りのあまり彼らを撃ち殺したジョンだったが、そのならず者は、この辺り一帯を支配する悪名高いデラルー大佐の弟だったため、大佐の怒りを買ってしまう。大佐はジョンを追いつめ、さらにジョンの弟の情婦で声を失った美女マデリンを巻き込んで、それぞれの壮絶な復讐が始まった…。

長年映画を見ているが、ここに来て北欧製西部劇を見ることになろうとは!しかもこれがなかなかの出来栄えなのだから驚く。スタイリッシュな映像は、南アフリカ・オールロケというから、これはかなりのレアものだ。復讐というテーマは、西部劇の本流のひとつだが、デンマーク人監督クリスチャン・レヴリングは、無駄な友情やユルい愛情はいっさい省いて、ひたすらハードボイルドな雰囲気を漂わせる西部劇を作ってみせた。なんといっても主演のマッツ・ミケルセンの冷徹と言ってもいいほどのドライなたたずまいがいい。言葉少なで、愛する妻子と対面しても口の端を少し緩ませる程度でほとんど無表情。しかも射撃の名手で、復讐も自信満々。加えて、一言もしゃべらない(舌を切られてしゃべれないという設定)マデリンを演じるエヴァ・グリーンの目力が、これまたすごい。もともと目つきが悪い美女だが、この役での彼女は凄味がある。西部劇の全盛期は明らかに過ぎたが、このジャンルを偏愛する人は、世界中に確かに存在するのだ。移民の国アメリカの正義の歴史は、血で血を洗う歴史なのだと改めて思い知る佳作である。
【70点】
(原題「THE SALVATION」)
(デンマーク・英・南アフリカ/クリスチャン・レヴリング監督/マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン、他)
(レア度:★★★★☆)
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ポゼッション

ポゼッション [Blu-ray]
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謎の木箱を巡る戦慄のホラー「ポゼッション」。モデルになったのは実在する呪いの箱で、実話だというからホントに怖い。

妻と離婚した中年男クライドは、週末毎に幼い2人の娘と過ごしている。ある日、次女のエミリーがガレージセールで古びた木箱を購入。それ以来、エミリーは木箱に異常なまでの執着を示すようになる。家中に大量の蛾が飛び、エミリーが奇行を繰り返すようになったとき、娘の異様な変化に危機感を覚えたクライドは、独自に調査をはじめる。彼は、古いユダヤ教にまつわる邪悪な魔物の存在を知るが、すでにエミリーの体内にはおぞましい“何か”が棲みついていた…。

アメリカの大手オークションサイトに出品された“呪いの箱”の実話をテーマにしたホラー映画だが、所有者に厄災をもたらすその箱を巡って、超常現象、都市伝説、神秘主義などの研究家が大いに議論したというから、どうやら世の中には、理屈や医学では解明できない本物の呪いが実在するようだ。物語では無理に箱をこじあけた時、邪悪な存在が解き放たれ数々の怪奇現象が起こり始める。悪魔が住処を探すとき、純真な子供をターゲットにするのは「エクソシスト」などでも描かれてきたが、本作では、憑依された少女エミリーが獣のように豹変し凶暴化するだけでなく、彼女の体内に救うおぞましい悪魔の姿がはっきりと見える演出が新しい。口を開けて鏡を覗き込んだとき、喉の奥に2本のうごめく指が見える。このギョッとするシーンは、映画鑑賞後もトラウマになりそうなほど薄気味悪いものだ。ユダヤの民話で伝えられる邪悪な存在“ディビューク”がその正体だが、最新医療機器のMRIの画像に写るその姿もまた衝撃的だ。ユダヤ教の長老さえも恐れる魔物に対し、クライドは父としての愛だけで立ち向かう。無駄な流血ではなく、人間を媒介とした恐怖を描くこの実話はいかにもサム・ライミ好み。ライミは製作にまわり、デンマークの俊英オーレ・ボールネダルに監督をまかせた。家族愛をベースにはしているが、終始、冷ややかなタッチの映像のおかげで、クールなホラー映画に仕上がっている。
【60点】
(原題「THE POSSESSION」)
(米・カナダ/オーレ・ボールネダル監督/ジェフリー・ディーン・モーガン、キーラ・セジウィック、ナターシャ・カリス、他)
(不気味度:★★★★☆)
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クーリエ 過去を運ぶ男

クーリエ タイムリミット60HOURS [Blu-ray]クーリエ タイムリミット60HOURS [Blu-ray]
運び屋の死闘と彼がたどり着く驚愕の真実を描く異色サスペンス・アクション「クーリエ 過去を運ぶ男」。個性的なキャスティングが効いている。

裏稼業の運び屋(クーリエ)は、中身も目的も問わず、指定された場所にそれを届けるという仕事を完璧にこなすプロフェッショナル。ある時、鍵がかかった鞄を60時間以内に、謎の男“イーブル・シビル”に届けるという仕事を、半ば強引に依頼される。クーリエは、イーブルとは、権力者マックスウェルの下にいた殺し屋らしき人物であるという手掛かりを頼りに情報を集め、セントルイスへ。だがクーリエが訪ねる先で、次々に相手が命を落とすことになる…。

パレスチナ人の監督ハニ・アブ・アサドは、自爆テロを扱った問題作「パラダイス・ナウ」で世界を驚かせた注目の監督。その彼の新作は、意外性のあるキャストを使ったミステリアスなサスペンス・アクションだ。クーリエと呼ばれる運び屋に鞄を届けるよう強要するのは実はFBI捜査官。届ける相手イーブル・シビルは、どうやら暗黒街のボスのマックスウェルと仲違いした後、行方不明になったらしいということが分かる。クーリエが行く先々で死体が転がるが、実は時折挿入されるフラッシュバックやふと映る通りの名前など、縦横に伏線が張り巡らされていて、なかなか巧みな展開だ。登場人物は皆、怪しげで、呪術的な雰囲気が漂うニューオリンズや猥雑なラスベガスなど、街の空気も上手く活かしている。とはいえ、この作品自体は非常に地味な小品。だが、映画ファンをひきつけるのは、くせもの揃いのキャスティングだ。やさぐれた風情に男臭さが漂う主人公に「ウォッチメン」のコメディアン役のジェフリー・ディーン・モーガンが扮する他、FBI捜査官にドイツ出身の国際派ティル・シュヴァイガー、拷問にこだわる殺し屋にリリ・テイラーなど、味のある脇役が揃う。そして言われなければ分からない意外な扮装で登場するのがカメオ出演扱いのミッキー・ローク。ロークの登場のおかげで、このミステリアスな人探しは、彼が80年代に主演した名作ホラー「エンゼル・ハート」と同じ気配が漂ってくるのだ。とはいえ超常現象ではないところがミソ。ラスベガスのカジノで見る、ガラスに反転して映った“ELVIS LIVE(エルヴィス・ライブ)”=“イーヴル・シヴル”の電光文字の仕掛けには思わず唸った。この危険すぎる依頼は“自分探しの旅”だったということだろうか。
【60点】
(原題「THE COURIER」)
(アメリカ/ハニ・アブ・アサド監督/ジェフリー・ディーン・モーガン、ミッキー・ローク、ジョシー・ホー、他)
(ミステリアス度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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