映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「カフェ・ソサエティ」「ノーエスケイプ」「追憶」「赤毛のアン」etc.

ジェームズ・マカヴォイ

X-MEN:アポカリプス

X-MEN:アポカリプス 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]
紀元前3600年、文明が誕生する前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプスは、裏切りにあい、古代エジプトのピラミッドの中に封印される。しかし1983年、アポカリプスは長い眠りから目覚めた。人間と文明が堕落したと判断したアポカリプスは、新しい秩序をもたらそうと、マグニートーら4人のミュータントを“黙示録の四騎士”として従えて世界の破壊に乗り出す。プロフェッサーXやミスティークの率いる若きX-MENは、その流れを危険視しアポカリプスの計画を阻止しようと立ち向かうが、強大な力を持つアポカリプスに、プロフェッサーXが連れされられてしまう…。

世界最古にして最強のミュータントとの死闘を描く「X-MEN:アポカリプス」。この大人気アメコミシリーズは、過去に遡ったエピソードが多いのだが、第6作となる本作では、X-MEN誕生の瞬間を描いているので、シリーズを見続けてきたファンには非常に興味深い内容に仕上がっている。監督が第1作を手掛けたブライアン・シンガーなので、キャラクターへの深い愛情が感じられるのだ。特に、金属を操るマグニートーの悲痛な過去、ジーンの覚醒のプロセスは、原点を知る意味でも重要なエピソードだ。ついでに言うと、なぜプロフェッサーXがスキンヘッドなのかの理由も明かされる。オスカー・アイザックが演じるアポカリプスは、神と崇められた最強のミュータント。大仰な立ち居振る舞いとせりふで本作に重厚感を与えている。何よりも最先端のVFXを使ったド迫力のビジュアルは必見だ。近頃のCG満載のアクション映画の特撮を見慣れている目にも、「X-MEN」シリーズのそれは単なる破壊ではなく非常に洗練されていて、感心する。ミュータントたちの死闘と世界崩壊の造形はそれぞれの特殊能力を活かしたもので、一瞬も目が離せない。音速を超えるスピードで動くクイックシルバーがゆっくりと学園の危機を救う様はコミカルかつスタイリッシュで大きな見所だが、実は彼は、ある重要キャラクターの息子。本作ではそのことがほとんど活きてなかったが、今後どう展開するかが楽しみだ。
【75点】
(原題「X-MEN:APOCALYPSE」)
(アメリカ/ブライアン・シンガー監督/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、他)
(原点回帰度:★★★★☆)
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X-MEN:アポカリプス|映画情報のぴあ映画生活

X-MEN フューチャー&パスト

X-MEN:フューチャー&パスト 3枚組コレクターズ・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]
未来と過去を舞台にX-MENたちの生存をかけた戦いを描くSFアクション「X-MEN フューチャー&パスト」。タイムトラベルもののタブーをこうまで堂々と破ってくるとは!

2023年。史上最強のバイオメカニカル・ロボット“センチネル”によって地球は破滅の危機を迎えていた。プロフェッサーXとマグニートは共闘し、1973年にウルヴァリンの“魂”を送り込むことで、未来に起こる危機の根源を絶とうする。タイムトラベルのダメージに耐え、50年前の自分の肉体に宿り、センチネル・プログラムの開発を阻止しようとするウルヴァリンだったが…。

マーベル・コミックの人気シリーズの最新作は、久し振りにブライアン・シンガーが監督を務める。ド派手なCGとアクションに目を奪われるこのシリーズのキモは、実はマイノリティの孤独と虐げられた者たちの怒り、そして自らの存在意義という実に悶々とした人間(ミュータントだが…)ドラマなのだ。本作では宿敵であるプロフェッサーXとマグニートが手を組むほどの危機が起こり、それを阻止するためにはミスティークことレイヴンのある行動を食い止める必要があるというサスペンスフルな設定である。ここで、治癒能力があるウルヴァリンが危険なタイムトラベルに挑むことになるが、過去にいる仲間たちとのやりとりは中々楽しい。なんといってもクイックシルバーの活躍が嬉しくなるが、過去と未来のプロフェッサーX(チャールズ)とマグニート(エリック)2人の複雑な関係性も興味深い。時は70年代でJFK暗殺やベトナム戦争の話題がチラリと出てくるが、せっかく過去に来たというのに、それらは深く語られず、時空を旅したウルヴァリンも実はさして活躍しないという、ある意味、意外な展開が待つ。何しろ、過去と未来のX-MENたちがオールスターよろしく総出演するので、どうしても駆け足になってしまうのだ。そもそもタイムトラベルもののお約束では「過去は変えてはいけない!」とあるのに、それを堂々と破ってくるのは、特殊能力を持つX-MENだからこそだろうか。こうなってくると、次回作の方向性が気になる。これが許されるのなら何でもアリなのだから。ともあれX-MENファンには見逃せない最新作であることは間違いない。
【65点】
(原題「X-MEN:DAYS OF FUTURE PAST」)
(アメリカ/ブライアン・シンガー監督/ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、他)
(サスペンス度:★★★★☆)
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X-MEN:フューチャー&パスト@ぴあ映画生活

トランス

トランス [Blu-ray]
記憶をテーマにしたスタイリッシュなクライム・サスペンス「トランス」。多彩な引き出しを持つダニー・ボイルらしい不思議な陶酔感が残る作品。

アート競売人のサイモンは、ギャングのフランク一味に協力して、オークション会場からゴヤの傑作「魔女たちの飛翔」を盗み出す。だがサイモンは予期せぬ行動に出たあげくフランクから頭を強打され、絵の隠し場所を含む記憶を失ってしまう。何としてでも絵を手に入れたいフランクは、サイモンの記憶を取り戻すため、催眠療法士エリザベスを雇うことに。やがてフランクの企みと絵画紛失事件を知ったエリザベスはフランクに手を組むことを申し出て、本格的な催眠療法が始まる。だがサイモンの記憶の底には誰も予想さえ出来なかった“真実”が待ち受けていた…。

「トレインスポッティング」「スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」と、多彩なジャンルの傑作を世に送り出す才人ダニー・ボイル。最近ではロンドン・オリンピック開会式の総監督としてのネーム・バリューが上回ってしまったのはご愛嬌だが、映画ファンには何よりも彼は、スタイリッシュな映像と音楽でファンをしびれさせる映画監督なのである。本作では記憶、潜在意識、心をテーマに、絵画強奪というクライム・サスペンスから始まり、人間の深層心理を巡る3人の登場人物の関係性を、鮮烈なタッチで描いた。物語には大きな秘密が隠されているので、詳細は明かせないのだが、この物語が、初期の作品で、登場人物3人ののっぴきならない関係性を描いた「シャロウ・グレイブ」にどこか似ていると言ったらヒントになってしまうだろうか。さらに、記憶という映画界ではセオリーになりつつあるプロットを利用しながら、他作品のようにSFタッチにはせず、あくまでも会話で記憶を探っていく催眠療法というプレーンな手段を用いるところが逆に新鮮で面白い。この催眠療法を操る女性エリザベスが、超がつくほど優秀でなければこのストーリーは成り立たないのだが、そこには別の仕掛けがあって…と、話はかなりややこしいのだ。サイモンが語り部かと思ったらいつしかエリザベスが心情を吐露しているという語り口のスライドもまた、トリックのひとつである。見終われば「そんなこと、ありえるのか?!」との思いもよぎったが、少なくともこの映画の陶酔感は本物だ。マカヴォイ、カッセル、ドーソンと三者三様に、一筋縄ではいかない役者を配したセンスがいい。キーワードは愛。ダニー・ボイルはやっぱりロマンチストだった。
【70点】
(原題「TRANCE」)
(米・英/ダニー・ボイル監督/ジェームズ・マカヴォイ、ヴァンサン・カッセル、ロザリオ・ドーソン、他)
(どんでん返し度:★★★★☆)
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トランス@ぴあ映画生活

ビトレイヤー

ビトレイヤー ブルーレイ&DVD (初回限定生産) [Blu-ray]
捜査官と大物犯罪者の奇妙な共闘を描くクライム・サスペンス「ビトレイヤー」。クールな映像、渋い役者と、なかなか見所がある。

イギリス・ロンドン。捜査官マックスは大物犯罪者スターンウッド一味を単独で追い、重傷を負った上、取り逃がす。心と身体に深い傷を負ったマックスだが、3年後、スターンウッドが、息子が事件に巻き込まれたため、潜伏先からロンドンに戻るとの情報を得て、再び執念で彼を追うことに。衝突しながら距離を縮める二人は、やがて政治絡みの巨大な陰謀に巻き込まれたことを知り、生き残るために図らずも協力しあうことになる…。

ブルーグレーの映像で切り取られたロンドンの風景は、歴史的景観や観光名所などはいっさい映さない。冒頭のスタイリッシュな犯罪と一味を追う捜査官のシークエンスで一気に引き込まれる。ちなみに、イギリスは銃規制が厳しく、刑事でさえも通常は銃の携帯は許されていないことを、この映画で初めて知った。主人公の捜査官マックスは、撃たれた膝の激痛でボロボロ状態。だが、挫折感と屈辱感で心の痛手の方が根深い。傷だらけの捜査官が犯罪者を追ううちに政治的陰謀に巻き込まれるというのが軸となるストーリーだが、実は影の主役はマーク・ストロング演じるベテラン犯罪者スターンウッドの方なのだ。息子を罠にかけた犯人とその黒幕を追う彼は、どんな時も冷静で入念に準備しスキがない。それどころか、自分を追うマックスを助け、溺愛する息子を亡くして涙するなど、その男気に思わず感情移入してしまうほど。執念でスターンウッドを追うマックスが動なら、どこか達観した犯罪者スターンウッドは静。この対比が鮮やかで効いている。ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロングをはじめ、脇を固める俳優も英国出身の渋い役者が揃った。クライマックスの激しいアクションシーンは手に汗を握るが、裏切り者(ビトレイヤー)が事の顛末を台詞で説明しすぎるのがやや難点。とはいえ、どこの国でも起こる腐敗した政治の思惑はおかげですんなり理解できる。上映時間はキリッと99分。地味ながら刑事サスペンスとしてはなかなかの拾い物だ。
【65点】
(原題「WELCOME TO THE PUNCH」)
(米・英/エラン・クリーヴィー監督/ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロング、アンドレア・ライズブロー、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
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ビトレイヤー@ぴあ映画生活

声をかくす人

声をかくす人 [DVD]声をかくす人 [DVD] [DVD]
アメリカで初めて死刑になった女性の知られざる真実を描く「声をかくす人」。正義の在り方を改めて問う意義は大きい。

1865年、多くの犠牲者を出した南北戦争終結後、これから新しい国を導くはずだったリンカーン大統領が暗殺される。すぐに8人の犯人グループが逮捕されるが、その中に南部出身の未亡人メアリー・サラットがいた。彼女が営む下宿屋を犯人たちのアジトとして提供したという暗殺幇助の罪だが、裁判になるとメアリーは「私は無実です」とだけ述べ、それ以外のことは口にしなかった。メアリーの担当弁護士を引き受けることになったフレデリックは、北軍出身ということもあり、最初は弁護に抵抗を感じるが、メアリーの毅然とした態度と、最初から彼女の有罪を決めつける裁判そのものに疑問を感じ、やがてメアリーは無実ではないかと思い始める…。

監督業でも高い評価を得るロバート・レッドフォードがメガホンを取る本作は、リンカーン暗殺事件の裁判の顛末を通して、法の公正、正義の在り方を問い直すものだ。それは、現代アメリカの国家権力への痛烈な批判にもつながり、レッドフォードがかつて出演した社会派映画の傑作「大統領の陰謀」と同じ香りを漂わせる。メアリー・サラットはアメリカで初めて死刑になった女性。フレデリック・エイキンは、北軍の英雄、弁護士、そして「ワシントン・ポスト」初代社会部部長を務めた人物だ。アメリカの十八番に“敵を作ってしっかり団結”があるが、敵は外国にいるとは限らず、悲劇を乗り越えるための犠牲者であってもかまわないようだ。大統領暗殺はもちろん大罪で許されないことだが、いかなる時も、法は感情に流されるべきではない。大統領暗殺の復讐と憎悪からメアリーを最初から有罪と決めてかかる裁判は、茶番そのもので、結論はすでに出ているのだ。しかもメアリーは民間人なのに軍事法廷で裁かれる。この状況に、フレデリックは弁護士としての本来の責務に目覚める。たとえ被告が誰であれ、どんな罪であれ、公正な裁判を受ける権利があり、それこそリンカーンが目指した基本的人権を尊重する法治国家なのだとの訴えは、正当で高潔なメッセージとして響いてくる。ただ、メアリーがひた隠す秘密は、さほどミステリアスなものではなく、母としての彼女の姿を見れば容易に想像できる。本作はその謎に迫ることより、理不尽な裁判を目の当たりした一人の若き弁護士の闘いと、心の成長のドラマに重きを置いて見るべきだ。強い意志を持つ女性メアリーを演じるロビン・ライトのストイックな熱演が素晴らしい。映画全体を覆うセピア色の映像も心にしみる。
【65点】
(原題「THE CONSPIRATOR」)
(アメリカ/ロバート・レッドフォード監督/ジェームズ・マカヴォイ、ロビン・ライト、ケヴィン・クライン、他)
(社会派度:★★★★☆)
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声をかくす人@ぴあ映画生活

アーサー・クリスマスの大冒険

アーサー・クリスマスの大冒険 クリスマス・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]アーサー・クリスマスの大冒険 クリスマス・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]
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サンタのプレゼント集配の秘密を解き明かす“イマドキ”仕様のクリスマス・ファンタジー「アーサー・クリスマスの大冒険」。欠点だらけのサンタ家族が微笑ましい。

北極の氷の下には、サンタの国の巨大なオペレーション・センターがあり、超ハイテクで画期的な集配システムによって600万人の子どもたちにプレゼントを配っていた。サンタ、サンタの息子でエリートの長男スティーブ、100万人の妖精(エルフ)は、世界中の子どもにプレゼントを配り終えたが、イギリスに住む女の子グエンへのプレゼントを配達し損ねてしまう。サンタとスティーブは“仕方ないミス“と諦めるが、お手紙係の末っ子アーサーは納得できない。クリスマスの夜が明けるまであと2時間。祖父のグランドサンタの助けを借りて、アーサーは何としてでも最後のプレゼントを届けようと大空へ飛び出すが…。

アニメーション制作はイギリスの名門アードマン・アニメーションズ。隅々まで作り込んだ映像やクリスマス・カラーでまとめられた色彩設計の素晴らしさは言うまでもないが、何しろお話が面白い。冒頭、古典的なキャラのサンタクロースが、目を見張るハイテク・システムでプレゼントを配っているという現代的でスピードディなシークエンスがまず見事だ。宇宙船型そりや、ハイテク七つ道具を使っての愉快な配送システムにワクワクする。物語はたった一つ配り忘れたプレゼントを、気弱でドジだが心優しい、クリスマス家の末っ子アーサーが、勇気を出して届けるという冒険物語。ストーリーの中には、任務が慢性化し“やっつけ仕事”になっていることへの批判、あるいは、人間が未知の存在を怖がり攻撃する不寛容など、現代社会への目配せがある。旧式のそりに乗ったはいいが、方向オンチで世界中を放浪するアーサーとグランドサンタ、ラッピングの天才の妖精や老齢トナカイの一行の珍道中に、ハラハラ、ドキドキ。半人前のアーサーはもちろん、現役サンタ、エリートの長男、祖父のグランドサンタらは、それぞれコンプレックスを抱えているのが“人間”くさくていい。だからこそ全員で団結して大切なミッションをやり遂げるラストに感動がある。ヘタレの主人公が繰り広げる手に汗握るアクションと、ワールド・ワイドな冒険、そしてエモーショナルな家族のドラマは、父と子のバトン・リレーのよう。心温まる秀作アニメーションに仕上がった。
【75点】
(原題「ARTHUR CHRISTMAS」)
(アメリカ/バリー・クック、サラ・スミス監督/(声)ビル・ナイ、ジェームズ・マカヴォイ、ヒュー・ローリー、他)
(ハートウォーミング度:★★★★★)
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アーサー・クリスマスの大冒険@ぴあ映画生活

X-MEN:ファースト・ジェネレーション

X-MEN:ファースト・ジェネレーション 2枚組DVD&ブルーレイ&デジタルコピー(DVDケース)〔初回生産限定〕X-MEN:ファースト・ジェネレーション 2枚組DVD&ブルーレイ&デジタルコピー(DVDケース)〔初回生産限定〕
人気SFシリーズ「X-MEN」の起源をひも解く物語は、非常に内容が濃く満足感が味わえる。超絶アクションでありながら、同時に心を打つドラマ性も兼ね備えた秀作だ。

国際情勢が緊迫する1960年代。強力な精神遠隔感応(テレパシー)を持つ青年チャールズは、金属を自在に操る磁力念動を持つ青年エリックと出会う。友情を育んだ二人は、世界各地のミュータントを探して仲間に迎え入れていく。一方で、元ナチスの科学者でエリックの母親を殺したショウが、邪悪なミュータント集団を結成、恐ろしい計画を実行に移していた…。

恐れられ蔑まれたミュータントの深い傷やコンプレックスが、強大なパワーとなって炸裂した結果、怒涛のアクションへとつながるというアイロニカルな展開がこのシリーズの最も味わい深いところ。さらには、異形のものを認めない人間の狭量がミュータントを分裂させていく悲劇は、歴史とも深くリンクしていて考えさせられる。「イージー・ライダー」の中に「人は、個人の自由には賛成するが、自由な個人の存在を怖がる」とのセリフがある。それはそのままミュータントが信じられず排除しようとする本作の人間たちの姿に重なって見える。

後にプロフェッサーXとなるチャールズと、マグニートーになるエリックは、まるでコインの表と裏のよう。名門出身のチャールズは、人の心を読むことでその悲しみや痛みを知り、人類との戦いを避けようとする。一方、ナチスから母を殺され復讐だけを支えに生き抜いてきたエリックは、人間を支配する武器を操り力を誇示する能力を持っていた。人類から迫害されるミュータントを救うという目的は同じでも、道がまったく違ってしまったのは、出自の違いと共に、授かった能力の差異でもあった。時代背景に米ソ冷戦やキューバ危機という史実を違和感なくからませたストーリーが見事で、一瞬も飽きさせない。同時に、後の三部作に登場する魅力的なキャラクターたちの誕生秘話もしっかり描いていて、あのウルヴァリンもチラリと顔を見せてくれるから嬉しい。プロフェッサーXが車椅子の身になった理由、ヘルメットを被るマグニートーの姿、ミュータントたちの分裂の謎。それらに鮮やかに答えてくれる本作は、若きミュータントたちの青春群像でもある。アメコミの映画化は数多いが、現時点では「X-MEN」が最高峰だと思っている。共に最上級の能力を認め合いながらも決裂せざるをえなかった若者二人の運命をドラマチックに描いた本作を見て、それは確信へと変わった。
【85点】
(原題「X-MEN: FIRST CLASS」)
(アメリカ/マシュー・ヴォーン監督/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコン、他)
(ドラマチック度:★★★★★)
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X-MEN:ファースト・ジェネレーション@ぴあ映画生活

終着駅 トルストイ最後の旅

終着駅 トルストイ最後の旅 [DVD]終着駅 トルストイ最後の旅 [DVD]
ロシアの文豪トルストイ夫妻の晩年の愛憎を、トルストイの秘書である青年ワレンチンの目を通して語る異色の伝記映画だ。さまざまな確執を経てもなお、強く結ばれるトルストイとソフィヤの深い愛情に感動を覚える。世界中から尊敬される文豪トルストイには長年連れ添った妻ソフィヤがいた。だがトルストイは晩年に、平和と平等、非暴力と道徳を説く“トルストイ主義”を提唱。教義に心酔する一番弟子のチェルトコフから、民衆のために著作権を放棄するように迫られる。激怒した妻ソフィヤは子供たちのために財産を守ろうとし、夫婦の間に大きな亀裂が入る。激しく言い争いながらも、深く愛し合う二人だったが、ついにトルストイはすべての解決を放棄するかのように家出してしまう…。

その一挙手一投足が話題になる大作家トルストイが、80歳を過ぎてから突如家出する。これだけでも十分にスキャンダラスだが、高齢な上に病気がちだった彼は名も無い駅で寝込んでしまい、そのまま多くの取り巻きや記者に囲まれながら息を引き取る。これはかなり異様な臨終だといえる。こうなるに至るトルストイ最晩年に焦点を当てて、世界中が注目していた夫婦喧嘩を“愛”というキーワードで読み解いてみせるのが本作だ。そもそもトルストイという人物は矛盾だらけである。トルストイ主義はなるほど立派だが、性欲を否定しながら彼の子供は13人、世界平和と民衆の幸福、農奴解放を目指しながら、貴族出身の彼は贅沢に暮らし、家庭の平和ひとつ実現できない。財産と著作権放棄の件も、妻と弟子の間で右往左往する。あげくの果てに何もかも放り投げて家出ときた。「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」を生み出したこの文豪、残した文学は偉大だが、決して仰ぎ見る偉人ではなく、煩悩と矛盾だらけ、ずるさも弱さも抱える一人の老人にすぎない。そんな彼にとってソフィヤは似合いの相手だ。なるほどソフィヤは時にヒステリックに騒ぎ夫を困らせるが、二人を結びつける絆は夫婦愛そのもの。それを他人が“裁く”こと事態が大きな間違いではないか。単純な理想主義だけでは人は幸せにはなれないものだ。まして夫婦の間には苦楽を共にした歴史があった。そのことを若いワレンチンが汲み取って人間的に成長するという設定が意義深い。

ヘレン・ミレンとクリストファー・ブラマーという名優二人がこの困った夫婦を格調高く、それでいて少しコミカルに、愛情深く演じていて、素晴らしい。ソフィヤは、音楽家モーツァルトの妻コンツタンツェや哲学者ソクラテスの妻クサンチッペと共に世界三大悪妻と呼ばれているが、3組とも実は「割れ鍋に綴じ蓋」。トルストイとソフィヤは案外似合いの夫婦だったのかもしれない。
【70点】
(原題「THE LAST STATION」)
(ドイツ・ロシア/マイケル・ホフマン監督/クリストファー・プラマー、ヘレン・ミレン、ジェームズ・マカヴォイ、他)
(夫婦愛度:★★★★★)

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ジェイン・オースティン 秘められた恋

ジェイン・オースティン 秘められた恋 [DVD]ジェイン・オースティン 秘められた恋 [DVD]
「高慢と偏見」や「エマ」など、著作の映画化も多い英国の女流作家ジェイン・オースティン。今なお人気の作家だが、封建的な環境で結婚をハッピーエンドととらえる彼女の物語は、時に古臭く思えたものだ。だが本作では、そんなジェイン本人の、生涯唯一の激しい恋の顛末を描いて、思いがけず引き込まれる。1795年の英国。女性の地位は低く、恋愛結婚は愚かなことで、裕福な相手との結婚でなければ不幸せと思われていた時代。オースティン家の次女で小説家を目指すジェインは、両親が望む地元の名士との結婚をしぶしぶ検討していたが、ロンドンから来た法律を学ぶアイルランド人青年トム・ルフロイと出会い、運命的な恋に落ちる。

アン・ハサウェイという女優は、見るたびに上手くなる。最初は、たぬき顔の美人でロマ・コメが得意の女優という程度の、薄い印象だったが、はつらつとした雰囲気はそのままに、陰影のある演技を披露するようになった。この物語のハサウェイも、実在の作家ジェインの一世一代の恋と、当時のしきたりや価値観を尊重しながらも、新しい時代を生きていこうと奮闘する、知的で意志の強い女性を演じきり、感動を呼ぶ。自由に生きたくても社会がそれを阻む時代の恋は、情熱と分別の折り合いが難しい。ジェームズ・マカヴォイ演じる青年トムも、古い慣習や貧しさゆえにしばられるキャラだが、一見遊び人風だが実は…という興味深い人物なのだ。美しい衣装だけが見所のような、底の浅いコスチューム劇かと思っていたら、とんでもない。映画は、残された資料をもとに史実を検証しつつ、空白の部分を豊かに想像して、魅力的なエピソードで構成されている。この秘めた恋物語を見れば、お堅い中年の独身女性との印象のオースティンと、彼女の小説への見方が変わりそうだ。もちろん良い方向に、である。
【70点】
(原題「Becoming Jane」)
(イギリス/ジュリアン・ジャロルド監督/アン・ハサウェイ、ジェームズ・マカヴォイ、ジュリー・ウォルターズ、他)
(自立心度:★★★★★)

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映画レビュー「ウォンテッド」

ウォンテッド リミテッド・バージョン [DVD]ウォンテッド リミテッド・バージョン [DVD]
◆プチレビュー◆
脳髄を刺激するダイナミックな映像が快感。ハリウッドに進出した暴走系ロシア人監督に大注目だ。 【75点】

 仕事も恋も生活もストレスだらけの気弱な青年ウェスリーは、突如現れた謎の美女フォックスから、自分は凄腕暗殺者の血を引く人間だと知らされ驚愕する。世界の秩序を守る暗殺組織フラタニティにスカウトされた彼だったが…。

 ティムール・ベクマンベトフ。発音すると粘着質な感があるが、この俊英監督が放つ映像は、驚くほどクールでドライだ。米映画とはひと味違う、荒々しい手触りを持つ彼の才覚は、鮮烈な嵐となってハリウッドに降臨する。監督は、カザフスタン生まれで独特のVFXの使い手。役者はハリウッドの有名スターに欧州の気鋭俳優。原作は大人気グラフィック・ノベル。異なる要素が激しくもファンキーな化学反応を起こした。ただごとではない気配とともに。

 太古から続く暗殺組織フラタニティのモットーは“1を殺して1000を救う”なのだが、いくら正義のためとはいえ人殺しには変わりない。だが、この映画は、そんなモラルなど知ったことかと言わんばかりだ。居直り同然の超絶的な設定が、独特のおかし味を持つ世界観へとつながる。限りなくありえない物語の主人公ウェスリーは「アイム・ソーリー」が口癖の“M”なヘタレ君だ。彼が次第に覚醒し、優秀な暗殺者に変貌する様が見るものにカタルシスを与える。ウェスリーを鍛えるのが“超ド級のS”キャラがハマるアンジェリーナ・ジョリーだから、これまた説得力がある。眉間だけでなく鼻の下まで皺を寄せながら発砲する物凄い形相にはちょっぴり引いたが、しなやかな身体の動きはアクション映画に優美なエロスを持ち込んだ。女性も憧れるパワフルな美女アンジーが、本作の大きな魅力であることは間違いない。

 加えて楽しいのは、マンガ的アイデア満載のユニークな映像の数々。曲がる弾道、アクロバティックなカーチェイス、クローズアップでとらえられた工芸品のような弾丸など、シュールな映像に息つく暇もない。特に細かく割れたガラスのモザイクから人物が飛び出す場面はこの映画の白眉だ。さらにスピード感あふれる展開の中に、絶妙に組み込まれるスローモーションがたまらない。かつてサム・ペキンパーは“死の舞踏”と呼ばれるスローモーションを駆使したが、さしずめ本作はリアリティを度外視した“死のオペラ”。時間を自由に引き延ばすそのセンスがあまりにエレガントで、シビれてしまう。 

 運命を変えられると信じ、今とは違う自分を想像するのは、人間なら誰でも見る夢だ。イヤミな上司に啖呵を切り、恋人を寝取った友人を張り倒す。美女と熱く抱き合い、必殺技で悪人の息の根を止める。リンチすれすれの猛特訓はさておき、もしこうだったら…と憧れることばかりではないか。後半にはウェスリーの意外な秘密を用意し、さらに過激なアクションが観客を待ち受ける。ターゲットは“運命のはたおり機”が教えてくれるという、暗殺の中核をなす部分が、もっともうさんくさいところがミソだ。主人公と父親の絆が弱いのは気になるが、そんな不満はラストの決意の弾丸が打ち砕いてくれる。粗野でありながら洗練されているという、ベクマンベトフ監督の矛盾した才能が、新次元のエンタテインメントを誕生させた。この映画、興奮必至である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ありえない!度:★★★★★

□2008年 アメリカ映画 原題「Wanted」
□監督:ティムール・ベクマンベトフ
□出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フリーマン、他

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プロフィール
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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