ナイト&デイ (エキサイティング・バージョン)ブルーレイ&DVDセット(初回生産限定) [Blu-ray]ナイト&デイ (エキサイティング・バージョン)ブルーレイ&DVDセット(初回生産限定) [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
運命的な出会いと冒険、そしてハッピーエンド。2大スター競演のアクション・ラブコメディーは王道の娯楽作だ。 【65点】

 ジェーンは空港でロイという男性と偶然知り合う。ステキな出会いに胸をときめかせるが、彼はなんと自分は重用任務を遂行中のスパイだと言うのだ。しかも後に現われたCIAは、ロイは危険な裏切り者だと言うではないか。驚きながらも、いつも自分を助けてくれるロイに惹かれるジェーンだったが…。

 往年の名画「或る夜の出来事」のハリウッド・スター、クラーク・ゲーブルとクローデット・コルベールは、長距離バスやヒッチハイクでアメリカを旅するうちに、甘いロマンスへと向かったものだ。時は流れて21世紀、新聞記者と富豪令嬢の組み合わせは、謎のスパイとパニクる美女へと変貌、旅というより逃避行の彼らの行動範囲は一気に拡大し、世界中を駆け巡る。ロマンスとアクションが同時進行する物語では、トク・クルーズは自分の代表作「ミッション:インポッシブル」のパロディのような役を嬉々として演じ、キャメロン・ディアスは彼女が最も輝くコメディー・パートで本領を発揮。スターで魅せる映画は、リアリティーより決めポーズが勝負、絵になることこそが条件なのだ。

 何しろ展開が超が付くほど速い。謎の男ロイは、いきなり銃撃戦を始めたり、飛行機を不時着させたりと、ジェーンでなくても唖然呆然だ。ハイウェイでのカーチェイスで爆走する車にしがみつくロイ。パニック状態で運転するジェーンに指示を出しながらも「そのドレス、素敵だね!」などと言う彼は異様なほどのハイテンションで、どうみてもフツーじゃない。それでもジェーンは自分の命をたびたび救ってくれる彼のことを悪人とは思えず、行動を共にするうちに、トンデモない事件に巻き込まれていく。目覚めるたびに舞台が変わる強引な展開はハチャメチャとも言えるが、ゴージャスな別世界への高速移動は単純に楽しい。物語は、カンザスの田舎から欧州のアルプス、ザルツブルグ、セビリアへ。息つく暇もない非常事態が日常になりつつある中、ロイとジェーンの距離は急接近。同時に、ある重要な発明の試作品の謎へと辿り着く。

 正直、トム・クルーズはこの役には老けすぎの気がしないでもない。それでもこの“最後の大スター”のオーラは捨てがたい魅力がある。白い歯を見せながらニッと笑うそのくったくのなさ。コメディーだろうがシリアスだろうが、すべての映画を自分色に染め上げるオレ様スターだからこそ、スタイリッシュなロマコメ・アクションがサマになるのだ。監督のジェームズ・マンゴールドは、いまどき貴重な職人監督で「3時10分、決断の時」は西部劇、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」は音楽ものの伝記映画と、多彩な作風ながら作る作品はすべてがハイレベルだ。しかもハリウッド黄金期の映画が大好きだというから、ロマコメは案外この人が望むジャンルなのかもしれない。

 はたしてロイの正体と本当の目的とは? やがてジェーンはその答えに自力で辿り着く。絶体絶命の危機を何度も乗り越えて、平凡な田舎娘からタフで美しい女性へと変身するヒロインが魅力的だ。21世紀のロマコメは、お姫様が王子様からの助けを待って結ばれるだけではない。タイトルのナイトは、night(夜)ではなくknightの方。颯爽と現れてはジェーンを救うロイはまさにナイト(騎士)のようだが、最後には逆に“救われる”ことに。鮮やかな逆転の構図に、キャメロン・ディアスのキュートな魅力が花開いていた。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)スピード感度:★★★★★

□2010年 アメリカ映画 原題「KNIGHT AND DAY」
□監督:ジェームズ・マンゴールド
□出演:トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、他

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