映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

ジョシュ・ハートネット

30デイズ・ナイト

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吸血鬼というのは映画史上最もリメイクされる人気キャラ。元祖の独映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」以来、ホラー、コメディー、SF、ミュージカル、果てはティーン向け耽美派恋愛映画とさまざまなヴァリエーションがあり、どうにでも料理できる便利な素材だ。だが、それなりの創意工夫がないとファンは納得しない。アメリカ最北の町バロウでは、30日間太陽が昇らない極夜の季節を迎えるが、この闇の世界に乗じて太古から生きながらえるヴァンパイアが町を襲撃、住民たちを襲う。保安官のエバンは、陸の孤島と化した街で、壮絶な戦いに身を投じていく。

本作の個性は「場所」だ。極北の町の寂寞とした世界は、密室型サバイバルの舞台として面白い。だが残念ながら、ヴァンパイアとの戦いがあまりに単調で工夫がない。時折、人工の光を使って逆襲を試みるものの、基本的にはかくれんぼである。クライマックスの主人公の決断は壮絶なものだが、意思を操れるなら、追い詰められる前に対策の立てようもあったろうに。印象的なのは、ヴァンパイアが独自の言語を話すことと、劇画チックなルックスだ。優雅で華麗な従来の吸血鬼のイメージはそこにはなく、ただただ血に飢えた獣のような生き物が、雪と氷の世界で暗躍する図は、人間を完全に否定する強い意志が感じられ背筋が凍った。
【40点】
(原題「30 DAYS OF NIGHT」)
(アメリカ/デヴィッド・スレイド監督/ジョシュ・ハートネット、メリッサ・ジョージ、ダニー・ヒューストン、他)
(サバイバル度:★★★★★)

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アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン

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監督が映像美で鳴らすトライ・アン・ユンで、米・韓・日のイケメン俳優競演とくれば、期待するファンも多かろう。だが、残酷描写やグロテスクなオブジェが登場するハードな内容なので要注意だ。心に傷を抱える探偵クラインが探すのは、謎の青年シタオ。一方、香港マフィアのボスも溺愛する愛人を探す過程で彼を追っていた。

シタオは他人の傷を引き受けるキリストのような存在だが、探偵やマフィアの救いにはならない。無慈悲な傷を受けながら何度でも生き返るが、結局誰の人生にもかかわらない。これがキムタク・キリストの限界か。第一、救世主を信じる地盤がこの物語にはない。“痛み”をテーマに宗教的な深読みもできるが、単純にキワモノとして見るに限る。何もかもちぐはぐなこの話は、トライ・アン・ユンの新しい挑戦なのだから。
【45点】
(原題「I come with the rain」)
(フランス/トラン・アン・ユン監督/ジョシュ・ハートネット、イ・ビョンホン、木村拓哉、他)
(流血度:★★★★☆)

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モーツァルトとクジラ

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自閉症の一種であるアスペルガー症候群をわずらうカップルの、エキセントリックな恋愛を描く異色作。「レインマン」のロナルド・バスが脚本を手がけているだけあって、障害をマイナスにとらえず、応援する物語に好感が持てる。二人がモーツァルトとクジラの仮装をする姿が可愛い。
【40点】
(原題「Mozart & The Whale」)
(アメリカ/ピーター・ネス監督/ジョシュ・ハートネット、ラダ・ミッチェル、ゲイリー・コール、他)
(思わず応援度:★★★☆☆)

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ラッキーナンバー7

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豪華キャストで贈る犯罪サスペンス。前半は、半ボケ顔のジョシュ・ハートネットのキャラが生きた設定でコメディ・タッチ、後半は意外な展開で、芋づる式の謎解きが快感。ギャングの抗争に巻き込まれた不運な青年の運命は?随所に仕込まれた映画ネタが楽しい。
【75点】
(原題「LUCKY NUMBER SLEVIN」)
(アメリカ/ポール・マクギガン監督/ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、他)
(だまされて快感度:★★★☆☆)

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ブラックホークダウン

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◆プチレビュー◆
ノンストップで繰り広げられる戦闘シーン。爆風を感じさせる映像が続き、すさまじい。

1993年、国連の平和維持活動の一環として、米軍は東アフリカのソマリア内戦鎮圧に参加。その作戦とは、ソマリアの軍事独裁政権の指揮官数名を捕獲するというもので、周到に計画された特別作戦はわずか1時間で終わる予定のものだった。しかし、特命を受けた軍用ヘリ“ブラックホーク”が墜落、作戦に誤算が生じ、兵士たちは敵地に取り残されてしまう。砲火と銃弾の雨にさらされながら決死の脱出を試みるが…。

戦争映画の良し悪しを決めるのは、視点をどこに置くかをしっかりと定め、一度決めたら最後までグラつかせないことだ。あれこれ詰め込むと焦点は必ずボケる。スコット監督は、この映画の視点を戦闘そのものを描くことに定めた。その徹底ぶりは見事で、ソマリアでの15時間に及ぶ壮絶な市街戦を、飛び交う銃弾や吹き飛ぶ人間の体でリアルに再現。戦場の恐怖を情け容赦なく描写する。観ている観客も強引に戦場へ放り込まれ、否が応でも極限状態を体験することになる。

怒涛のように襲い掛かる戦闘シーンは、まさに待ったなし。兵士たちが味わう緊張は人間の限界を完全に超えていて、その熾烈な戦いの間に少年は男になり、兵士たちの心も成長するが、同時に戦争と勇気の本当の意味をも知る。何のために戦うのか?答えは爆風に舞う砂埃の中ではつかみとることができない幻のようなものだった。あられのような銃弾の中に米軍の慟哭が響く悲劇を突きつけられて、胸が痛い。

俳優の顔の印象が極めて薄い。いかなる犠牲を払っても仲間を救うというドラマ性はあれど、やはり、この作品の主役は戦闘そのものだ。事実の再現こそが最も雄弁なメッセージという監督の思いが伝わってきた。

リドリー・スコット監督は、もともとはCM制作からスタートした人。今では、CMやミュージックビデオ出身の監督は珍しくないけれど、彼はいわゆる先駆者的存在だ。美術学校に7年も通ったというだけあって、過去の作品を見てもその美意識は際立っているが、できるだけドキュメンタリータッチの映像を心がけたという本作でも、海岸を飛ぶヘリやこぼれ落ちる銃弾など、随所に彼の美的センスが光っていた。

戦争に勝者はいない。誰もヒーローになることなど望んでいない。時として、結果としてそうなるだけなのだ。命を落とした仲間の亡骸の前でのこの言葉は重い。ソマリア内戦への米国の介入は、客観的に見て完全な失敗。ベトナム戦争以来、アメリカが経験した最大の銃撃戦であったことを付け加えておこう。

□2001年 アメリカ映画 原題「Black Hawk Down」
□監督:リドリー・スコット
□出演:ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガーサム・シェパード、他

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シャンプー台のむこうに

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◆プチレビュー◆
イギリスの田舎っぽさがグッド。ジョシュのひょうひょうとした持ち味が生きた作品。

かつて美容師選手権で2度優勝を果たした父フィルと理髪店を営むブライアン。父子を捨てて駆け落ちした母親とは同じ街に住んでいるが10年以上絶縁状態だった。一流美容師になるために選手権に出場したいブライアンのもとに、母シェリーがやってきて家族での出場をもちかけるが…。

話自体は先が読めるし、ご都合主義のところもあるけれど、なぜか全然気にならない。いろんな要素をほどよく配したバランスの良さがいいのか、上手にまとまっている。田舎町に似合わないド派手なヘアコンテストのパフォーマンスで笑わせるかと思えば、ガンを宣告された母親をとりまく家族のそれぞれのわだかまりを描いて涙を誘う。笑いと涙、家族愛、そして音楽とステージ。「フル・モンティ」でオスカー候補になったS.ボーフォイの脚本だけあって、しっかりツボを抑えていた。

“女”とかけおちした妻に逃げられた、寡黙で頑固な父親フィルを好演するアラン・リックマン。本当の主役は彼だ。複雑な思いで別れた妻との再会を果たすことになる。そのときのセリフがいい。「せめて男と逃げるべきだった…」「男はあなたで十分なのよ。」泣かせるではないか!そしてこのフィルが伝説のハサミ師として蘇るコンテストの最終日。もっと誇張されたフィルのハサミさばきの妙技が見たかった。

忘れちゃならないのは市長を演じるウォーレン・クラークの可笑しさ。田舎で初めて開催される全英美容師大会に、最初はオドオドしていたものの、大会の盛り上がりとともにノリノリでハジける姿が爆笑もの。最後には歌も披露してくれるサービスもあり、思わず拍手だ。

美容師としてのプライドと家族の絆を取り戻す個性的な人々が織り成す人間模様。ヘアコンテストを通して絆を取り戻していく、ちょっと風変わりな家族の再生の物語は、小品だが味がある。見終わったあと心が温かくなるのがうれしい。

□2000年 イギリス映画 原題「Blow Dry」
□監督:パディ・ブレスナック
□出演:ジョシュ・ハートネット、レイチェル・リー・クック、アラン・リックマン、他

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パール・ハーバー

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◆プチレビュー◆
延々と続くメロドラマにうんざり。友情か愛に絞れば、まだ救われたか?!

幼馴染みのレイフとダニーは優秀なパイロット。しかしレイフは美しい看護婦の恋人イブリンと親友のダニーを残して英国戦線へ志願。ダニーとイブリンはハワイへ転属。レイフの訃報、イブリンに惹かれていくダニー。過酷で皮肉な運命に翻弄される3人。そして、そこには日本軍の壮絶な奇襲攻撃が目の前に迫っていた…。

どこかで見たような画面のオンパレードは、まるでパロディ。映画前半から、チンケな三角関係メロドラマが冗漫にだらだらと続く。最新のCG技術を駆使して作られた戦闘シーンはさすがに迫力があり、かなりの時間をさいて描かれるが、真珠湾攻撃が終わってからがまた長い。男同士の友情や、引き裂かれる恋人、更に過酷な運命に試されるかのような愛の選択、そして愛国心や命を賭けた闘いと、泣きの要素がてんこもり。総製作費用は200億円と、こちらも桁違いだ。

歴史的に誤った描写はかず知れず。真珠湾攻撃は最近の検証ではアメリカ側は既に情報を入手していたというのが通説になりつつあるが、このことは目をつぶろう。しかし、真珠湾攻撃の司令官が本当は南雲忠一中将なのに山本五十六になっていたり、零戦が史実に反して陸軍病院を襲撃したり、とても時代考証がなされたとは思えない。日本軍が一国の命運をかけて行う作戦会議は、隣で子供が凧上げをしているような野原でオープンに行われているし、迫力の零戦も、真珠湾攻撃当初は機体は灰色だったはずで、濃緑色に塗られたのは日本の敗戦が色濃くなった大戦後半から。映画で完璧な時代考証を再現しろとは言わないが、日本とアメリカでセリフを変えて上映したり、わざわざ、時代考証はしたがこれはエンターティメントと言い訳するところがムシが好かない。

最悪なのは看護婦のイブリンのキャラクターだ。イブリンは初めはレイフを愛し、彼の死を知って親友のダニーに惹かれる。レイフが戻ると「私はダニーを愛しているけど、心はあなたのもの」。何なんだ、これは?!確かにのっぴきならない状況だし、戦争という非常事態でもある。死んだと思った彼が戻るのも悲劇だし、幸せを求める権利は彼女にもある。だが、超大作の悲劇のヒロインとしてとるべき行動ではないのだ。彼女がヤケになってダニーと結ばれたり、逆に本気でダニーに惚れたならまだしも、煮え切らない態度が観客の反感を買うのだ。もう少しスジってもんがあってもいいんじゃないのか。だいたい、奇襲攻撃を受けて病院に駆けつけるのに、ばっちりメイクしてるんじゃないっ!戦争は若者達の愛さえも引き裂いた、などと判り切ったことを今更やるのなら、登場人物のキャラも王道にするべきだ。

日本では批判されながらもヒットしたこの作品。本国アメリカでは観客が入らず不評だったそう。いくら自国を賛美しても映画としての質が悪ければ当然だ。こういう映画を大々的に宣伝して配給してしまう日本の映画産業のあり方に疑問を感じずにはいられない。

□2001年 アメリカ映画 原題「Pearl Harbor」
□監督:マイケル・ベイ
□出演:ベン・アフレック、ジョシュ・ハートネット、ケイト・ベッキンセール、他

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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