映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ラ・ラ・ランド」「トリプルX 再起動」「彼らが本気で編むときは、」etc.

ジョニー・デップ

アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅

アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅 MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
アリスは父の形見であるワンダー号での航海を終えて3年ぶりにロンドンに戻るが、雇い主から大切な船を奪われそうになる。失意のアリスの前に、青い蝶アブソレムが現れ、マッドハッターの危機を告げる。過去に心を奪われ、帰らぬ家族を待ち続けるハッターを救うため、アリスは再びワンダーランドを訪れ、白の女王、チェシャ猫ら、懐かしい仲間たちと再会。アリスは、大切な友だちであるマッドハッターのため、時間の番人・タイムが持つ、時間をコントロールできる“クロノスフィア”を盗み、過去を変える禁断の旅に出るが…。

大ヒットした「アリス・イン・ワンダーランド」の待望の続編だが、ティム・バートンは今回は製作にまわり、「ザ・マペッツ」のジェームズ・ボビン監督がメガホンをとっている。これがそもそもマズい。バートンという特濃の才能を意識するあまり、没個性の演出に陥った本作は、タイムトラベルものにつきものの矛盾を差し引いても、何だか魅力に乏しいものだ。相変わらずの凝りに凝った映像はクラクラするほどの色彩にあふれ独特の世界観を堪能できるが、ジョニー・デップ演じるマッド・ハンターが終始暗いのでさっぱり楽しくない。怪演が個性のサシャ・バロン・コーエンも重要な役どころなのに、どこかパンチ不足だ。赤の女王と白の女王の姉妹の不和の原因が明かされるのは、興味深いエピソードだったが、原作である「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」から、前作以上に大きく離れた物語は、原作ファンにとっては不満が残るかもしれない。何しろ、ワンダーランドの可愛らしいキャラクターたちはほとんど活躍しないのだから。とはいえ、過去は変えられないが、未来へと向かって進むことの大切さは、時間は決して敵ではないと気づくことで、しっかりと伝わってきた。ラストにはちょっぴりフェミニズムの香りも。何よりも、前作では新人だったミア・ワシコウスカが、着実なキャリアを積んで、堂々とした存在感を示す女優になっているのが頼もしい。続編としての魅力には欠けるが、時間と折り合いをつけて生きることを学ぶアリスの成長物語としてギリギリセーフといったところだ。
【55点】
(原題「ALICE THROUGH THE LOOKING GLASS」)
(アメリカ/ジェームズ・ボビン監督/ジョニー・デップ、アン・ハサウェイ、ミア・ワシコウスカ、他)
(カラフル度:★★★★☆)
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ブラック・スキャンダル

ブラック・スキャンダル ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
1970年代のサウス・ボストン。ジェームズ・バルジャーとその弟ビリー、二人の幼なじみジョン・コノリーは、ギャング、政治家、FBI捜査官と、それぞれの道に進んでいった。コノリーは、アイルランド系マフィアのボスになったバルジャーに、FBIと協力して共通の敵であるイタリア系マフィアを撲滅させるため、敵の情報を流すように持ち掛ける。その密約は次第に歯止めが効かなくなり、バルジャーは一大犯罪帝国を築き、ビリーとコノリーもまた権力を手にしていった。彼らの関係は、やがてアメリカ史上最悪の汚職事件に発展していく…。

ギャング、FBI、政治家が手を組むという米犯罪史上最悪のスキャンダルを描く実録犯罪映画「ブラック・スキャンダル」。マフィアのボスであるジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーは伝説的なギャングで、ビンラディンに次いでFBIの最重要指名手配犯だった人物だ。何しろFBIとの密約に守られているので、白昼堂々と人を殺しても一切おとがめなしとは。一体どこまで腐りきった関係なんだとあきれるばかり。それはコノリーの言葉を借りれば「貧しい街で生まれ育った仲間の絆と忠誠心」ということになるが、本作ではギャング映画にありがちな、幼少期のノスタルジックな描写は、いっさい排除している。実話をもとにしたギャング映画など、手垢がついたジャンルだが、このドライな演出が実に潔い。スコット・クーパー監督は本作が監督3作目だが、彼の作品ではいつも俳優が最高の演技をみせるのは、監督自身が俳優出身で、演技者に寄り添って演出しているからに違いない。とりわけ、薄い頭髪のオールバック姿で非情なマフィアを演じるジョニー・デップの圧倒的な存在感ときたら!デップの怪演の前では、カンパーバッチやエドガートンら、演技巧者たちさえ影が薄いほどだ。支配欲や冷酷さを持ちながら、家族を溺愛するなど矛盾したバルジャーという男は、常に光と闇を内包しながら肥大化してきたアメリカ社会そのものに思える。
【85点】
(原題「BLACK MASS」)
(アメリカ/スコット・クーパー監督/ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ、他)
(バイオレンス度:★★★★☆)
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チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密(初回限定版) [Blu-ray]
インチキ美術商が盗まれた名画の謎に迫るアドベンチャー「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」。ヘンテコキャラはジョニデの十八番。

イギリス・オックスフォード。ちょびヒゲがトレードマークのインチキ美術商チャーリー・モルデカイは、何者かに盗まれたゴヤの幻の名画を見つけ出すように英国諜報機関MI5から依頼される。不死身の用心棒ジョックと共に、盗まれた名画の行方を追ってイギリス、ロシア、アメリカを飛び回るが、その名画には世界を揺るがす財宝の秘密が隠されていた。やがてそれはロシアンマフィアや国際テロリストを巻き込む大騒動へと発展する…。

原作はミステリー作家、キリル・ボンフィリオリの小説。うんちく好きのアートディーラー・モルデカイは、自称セレブ貴族だが実情は借金と税金に追われて無一文に近い。ゴヤの名画を追う冒険も、いわば借金のためだ。それが悲壮に感じられないのは、主人公のキテレツキャラのおかげである。白塗りの代わりのチョビ髭姿で、ジャック・スパロウとウィリー・ウォンカをミックスしたような可笑しなキャラを演じるジョニデは、実に楽しそうだ。しかし、彼の場合、過去作で繰り返し演じてきたキテレツなキャラの方がフツーに見えるので「あぁ、いつもの」と感じてしまうので困ったものだ。おかげでこの映画、主役のジョニデよりも脇役の方が光ってしまっている。モルデカイに何度もヒドい目にあいながら、それでも彼を守る用心棒(なぜかモテまくる!)役のポール・ベタニー、純情なMI5の刑事を演じるユアン・マクレガーなど、主役級の俳優たちがいい味を出していていて、個性を存分に発揮しているが、何と言っても知的な美人妻ジョアンナ役のグウィネス・パルトローがいい。髭嫌いだが夫をとことん愛し抜くジョアンナが謎を解き、すべてを収まるところに収めていく展開は、最もおいしい役どころなのだ。ゴヤの名画の秘密とその顛末は映画を見て確かめてもらうとして、全編に散りばめられたスパイ映画へのオマージュが嬉しかった。
【65点】
(原題「MORTDECAI」)
(アメリカ/デヴィッド・コープ監督/ジョニー・デップ、グウィネス・パルトロー、ユアン・マクレガー、他)
(ヘンキャラ度:★★★★☆)
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トランセンデンス

トランセンデンス [Blu-ray]
亡き天才科学者の意識を持つ人工知能に世界が支配される様を描くSFサスペンス「トランセンデンス」。映像が極めてスタイリッシュ。

意識を持つ人工知能を研究する天才科学者ウィルは、ある日、反テクノロジーの過激派組織によって銃撃されてしまう。同じ研究に携わる妻エヴリンは、ウィルを愛するあまり、瀕死の彼の頭脳をスーパーコンピューターにアップロードする。ウィルの自我を持つそのコンピューターはネットにつながることによって、世界中の軍事、産業、個人情報まで手に入れ、超高速で進化を遂げていった。ナノテクノロジーを駆使して生命までもコントロールし始めたウィルに脅威を感じた世界は、彼の抹殺を図るのだが…。

人類を凌駕するテクノロジーの脅威。このテーマはSFではありがちだが、本作では愛する人の命をつなぎとめたいという切実な思いに端を発しているところが切ない。思えば、白塗りではないジョニー・デップが普通に素顔で演技するのは久し振りなのだが、映画はすぐに彼をコンピューターの中へと取り込み、デジタルの怪物・フランケンシュタインへと変えてしまう。またしてもジョニデの素顔は遠くにいってしまうというわけだ。主人公がすべての情報を手に入れてからのストーリーは、サイバー空間にいる男が“神”となって、米国の名もない田舎町を拠点に新文明を築いていくという驚異的な文明論になっている。監督のウォーリー・フィスターは本作が初監督だが、映像技巧派のクリストファー・ノーランと共に仕事をしてきたカメラマンだけあって、映像はとことんスタイリッシュで個性的だ。ナノテクノロジーによって電脳化が加速した世界の映像は、ブルーを基調にしたクールなビジュアルで見事。デジタルとリアルを超越(トランセンデンス)した場所に愛があるとした本作、なかなかセンチメンタルなSF作品だった。
【65点】
(原題「Transcendence」)
(アメリカ/ウォーリー・フィスター監督/ジョニー・デップ、モーガン・フリーマン、レベッカ・ホール、他)
(映像美度:★★★★☆)
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ローン・レンジャー

ローン・レンジャー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
黒いマスク姿の正義のヒーローと悪霊ハンターが巨悪に挑む西部劇風大活劇「ローン・レンジャー」。息つくヒマもないアクションは娯楽の王道だ。

西部開拓時代のアメリカ。兄を殺され自らも凶弾に倒れた検事のジョンは、ネイティブ・アメリカンの悪霊ハンター、トントの聖なる力によって、死の淵から蘇る。トントは幼い頃に遭遇したむごい事件への復讐をもくろんでいたが、同じ相手を恨むべきジョンは、正義による裁きを信じるせいで復讐に踏み切れない。なりゆきでトントと手を組むものの、ことごとく対立してしまう。だがひそかに愛する兄嫁のレベッカと彼女の息子ダニーを奪われたことから、ついにジョンは、覆面で素顔を隠した謎のヒーロー“ローン・レンジャー”として巨悪に立ち向かうことを決意する…。

そもそも「ローン・レンジャー」とは1933年にラジオドラマからスタートし、さまざまなメディアで大人気になったアメリカの西部劇のヒーローものだ。本作は同じタイトルだが、これはいわば“エピソード・ゼロ”。カタブツのジョンがローン・レンジャーになるいきさつと、トントとの出会いからコンビを組むまで、さらに、法を無視し悪党が横行した無法時代に、あるトラウマによってずっと苦しんできたトントの復讐譚なのだ。老いたトントが幼い少年に物語るスタイルは、伝説のヒーローを活写するのにふさわしい。いつも以上に白塗りの“コスプレ”で決めまくるジョニー・デップは絶好調で、誕生したばかりの覆面ヒーローより、トントの物語になってしまっているのは、デップとアーミー・ハマーのスターとしての格の違いから、やむを得ない。それにしても、風変わりでユーモラス、どこかスピリチュアルなキャラクターは、デップの真骨頂。コマンチ族のトントのキャラは、当たり役ジャック・スパロウのそれとかぶらなくもないが、思えば、デップには先住民族の血が流れており、虐げられた先住民族の無念は初監督作である「ブレイヴ」にも生かされていたのだ。とはいえ、本作は正真正銘の娯楽作。悪党の無法には、正義のヒーローと戦士が、きっちりと落とし前をつけてくれる。爆走する列車での戦いや銃撃戦、クライマックスのバトルまで、一瞬も目が離せない。劇中のキモサベとは、相棒や友の意味。「ウィリアム・テル序曲」のメロディと、スピリット・ホースのシルバーへの決め台詞「ハイヨー、シルバー」には、往年のファンはしびれるだろうが、旧作を知らない世代も、きっと楽しめること請け合いだ。
【70点】
(原題「THE LONE RANGER」)
(アメリカ/ゴア・ヴァービンスキー監督/ジョニー・デップ、アーミー・ハマー、ヘレナ・ボナム=カーター、他)
(エンタテインメント度:★★★★★)
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ラム・ダイアリー

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反骨のジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンの自伝的小説の映画化「ラム・ダイアリー」。ジョニー・デップの思い入れだけで成り立っている作品。

1960年、カリブ海の島国プエルトリコ。ジャーナリストのポール・ケンプは、喧騒のNYを離れてプエルトリコのサンファンの地元新聞社で働くことになる。神経過敏な編集長や個性豊かな仲間たちに囲まれ、ケンプはあびるようにラム酒を飲みながら暮らす島の生活に馴染んでいく。そんな時、アメリカ人企業家サンダーソンと、その美しい婚約者シュノーと知り合う。サンダーソンの危険なビジネスの策略に巻き込まれながら、シュノーの類まれな美しさに惹かれていくケンプだったが…。

原色が似合う灼熱の島プエルトリコの海沿いの道を、ジョニー・デップとアンバー・ハードの美男美女が真っ赤なオープンカーに乗って疾走する図は、まるで一枚の絵ハガキのようだ。ビジュアルはいい。だがこの映画、ストーリーがどうもピリッとしない。デップは自身が出演した「ラスベガスをやっつけろ」の原作者のハンター・S・トンプソンとは親しい間柄で、トンプソンのドキュメンタリー「ゴンゾ」ではナレーションも務めている。本作はトンプソンの若き日々を描いた自伝的青春小説を、デップが数々のトラブルを乗り越えて執念で映画化にこぎつけた経緯があるが、親友だった反骨のジャーナリストの姿を映像に焼き付けたいとの思いがあったに違いない。なるほど、デップはこのハチャメチャなジャーナリストを好演してはいるが、トンプソンの気骨や個性は、どこかに埋没してしまっている。腐敗した米国人実業家たちによる土地開発の策略にいやおうなしに組み込まれたケンプは、ペンの力で反撃し気概をみせようとするが、最後の作戦もどうもジャーナリズムの真髄を伝えてはくれない。シュノーとの恋や、ラムとトラブルにまみれた、アンモラルな生活を描ききるにも、中途半端な物語だ。そもそも、いまだ「自分の文体がみつからない」と生きる道を模索する新聞記者の役には、もっと若い俳優が適しているのだ。とはいえ、この映画から人気スターのジョニー・デップのカリスマ性を除いたら、いったい何が残るというのか。唯一、「ドライブアングリー」で注目された新進女優アンバー・ハードのセクシーな美しさが印象的だった。
【50点】
(原題「THE RUM DIARY」)
(アメリカ/ブルース・ロビンソン監督/ジョニー・デップ、アーロン・エッカート、アンバー・ハード、他)
(個人的思い入れ度:★★★★☆)
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ダーク・シャドウ

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バートン&デップのテッパンコンビによるダーク・ファンタジー「ダーク・シャドウ」。“浦島太郎”状態のヴァンパイアが笑いを誘う。

18世紀、アメリカ・メイン州の港町の有力者バーナバス・コリンズは、使用人のアンジェリークを失恋させてしまう。彼女は実は魔女で、フラれた腹いせに、バーナバスをヴァンパイアに変え生き埋めにした。200年後の1972年に偶然開放されたバーナバスは、さっそく懐かしい屋敷を訪ねるが、コリンズ家はすっかり落ちぶれ、変人だらけの末裔たちは、それぞれが暗い秘密を抱えて生きていた。当主のエリザベスにだけは真実を教え、他には自分の正体を隠しながら、バーナバスは亡き父の教え「本物の財産は家族だけ」を胸に、コリンズ家再興を目指すことに。だがそこに、憎き魔女アンジェリークが立ちふさがることになる…。

オリジナルは1966年代から5年に渡ってアメリカで放送され、カルト的人気を誇ったTVドラマ。白塗りのデップが時代錯誤のヴァンパイアを演じるというこの設定だけで笑いがこみあげるが、何しろ200年も棺桶の中にいたので、時代の流れについていけず、可笑しな言動が止まらない。何をやってもズレまくり、まるで戻ってきた浦島太郎のよう。それでもメゲないバーナバスだが、変わらないのは家族思いという点だ。コトの発端で、使用人の美女を弄んだということは都合よく脇に置いて、200年後の世界を牛耳っているアンジーこと魔女のアンジェリークと対決することになる。顔面蒼白のデップと、これまた白塗りに近い顔で暴れまくるエバ・グリーンの格闘技のごときラブシーンは、映画の最大の見せ場だ。だが物語はバーナバスvsアンジェリークの構図だけでなく、実はコリンズ家の面々がかかえるトンデモない秘密にも言及する。特にクロエ・グレース・モレッツ扮する思春期の娘キャロリンの秘密には絶句した。今一番勢いがある若手スターであるモレッツを使う以上、バートンがタダの可愛い娘で終わらせるはずはないのだ。終盤にはいかにもバートン好みの幻想的なゴシック・ホラー・コメディとなって、家族安泰の大団円へとなだれ込む。バートンとデップの組み合わせは、少々飽きつつあるのだが、それでもこの毒のある笑いは捨てがたい。のほほんとしたラブ&ピースの空気と、ベトナム戦争の泥沼が同居する矛盾だらけの70年代なら、サングラスと日傘のいでたちで太陽の下を歩くヴァンパイアの復活も悪くないという気になる。
【65点】
(原題「DARK SHADOWS」)
(アメリカ/ティム・バートン監督/ジョニー・デップ、エバ・グリーン、ミシェル・ファイファー、他)
(ダーク・コメディ度:★★★☆☆)
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ダーク・シャドウ@ぴあ映画生活

映画レビュー「ランゴ」

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◆プチレビュー◆
まるで実写のように精緻なCGアニメ。全編がマカロニ・ウェスタン愛にあふれている。 【70点】

 砂漠のハイウェイを走る車から振り落とされたペットのカメレオンは、西部辺境の町ダートに辿り着く。「ランゴ」と名乗り、悪党を退治したホラ話を披露すると、住民からヒーローに祭り上げられ保安官に任命されてしまう。初仕事は水強盗事件の調査だったが、事件の裏には大きな陰謀が隠されていた…。

 主人公はカメレオン。この生物を主役にしようと思い付く美意識(?)が、ホントは理解不能なのだが、それはさておき。カメレオン俳優と呼ばれるジョニー・デップがカメレオンの声を担当するという洒落っ気は楽しい。俳優が演じた動きや表情をそのまま取り込む“エモーション・キャプチャー”はもちろん最新技術で、一流の俳優を惜しげなく使う贅沢さが、さすがはハリウッドだ。

 映画が意識しているのは、明らかにマカロニ・ウェスタンである。超クローズ・アップはセルジオ・レオーネの十八番だし、音楽はエンニオ・モリコーネ風。ランゴという名前だって、カルトな名作「続 荒野の用心棒」の原題「ジャンゴ」にちなんでいる。シビレるタイミングで登場する“西部の精霊”もしかり。ポンチョ姿に葉巻きというルックスからすぐに思い浮かぶのは、もちろんあの大スターだ。彼本人の声が聞けないのが、何とも悔やまれるのだが。

 誰も自分を知らないなら、どんな自分にもなれる。砂漠では金と同じくらい貴重な水の強盗事件を調べるうちに、ヒーローのフリをしたランゴの自分探しの道は、思いがけない方向へ。どんなものにもなりすますことができるカメレオンは、生まれて初めて本当の自分を見極めることになるのだ。

 要所要所に登場し、ランゴの運命を歌う4匹のマリアッチふくろうの歌が、いいチャーム・ポイントになっている。砂漠に降り立った腰抜けヒーロー、ランゴの運命やいかに?!世界最高峰のデジタル技術を誇るスタジオ、ILMが、本格的にアニメーションを手掛けるのはこれが初というのが、最も意外である。前代未聞のカメレオンのヒーローの出現と共に、新たな伝説の誕生だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ユニーク度:★★★★☆

□2011年 アメリカ映画 原題「RANGO」
□監督:ゴア・ヴァービンスキー
□出演:(声)ジョニー・デップ、アイラ・フィッシャー、アビゲイル・ブレスリン、他



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ランゴ@ぴあ映画生活

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 ブルーレイ(3枚組/デジタルコピー & e-move付き) [Blu-ray]パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 ブルーレイ(3枚組/デジタルコピー & e-move付き) [Blu-ray]
4年ぶりのパイレーツの新作に素直に心が躍る。ペネロペ・クルスというゴージャスな美女も参入。だが海賊らしさはほとんど感じられない。

自由をこよなく愛する海賊ジャック・スパロウは、元カノの女海賊アンジェリカと再会する。しかし彼女は、永遠の命を得るという伝説の泉の場所を知るためにジャックに近づいたのだ。そこに、史上最強の海賊“黒ひげ”や、英国海軍に寝返ったバルボッサがからみ、泉をめぐる激しい争奪戦が展開する…。

監督が「シカゴ」のロブ・マーシャルに交代したのは、イベント的要素が強いこのシリーズに、大人の雰囲気と音楽的要素を加えようという試みだろうが、マーシャル監督、荒唐無稽のアクションはあまり得意じゃなさそうだ。物語は永遠の命を巡る、ジャック、アンジェリカ、黒ひげ、バルボッサ、スペイン軍の五つ巴の戦い。それぞれの思惑が異なるところは、誰が敵で誰が味方か区別がつかず面白い。聖杯や人魚の涙をキーアイテムにして泉を探すが、求めているのは決して不死だけではないのだ。だが、このアトラクション・ムービーの醍醐味は、海の上で暴れまわる海賊の活躍にあるというのに、今回は、その大半が陸上での“泉探し”。移動ばかりでアクションシーンも中途半端だ。おかげで3Dの効果もさっぱりという有様である。人魚が登場するシークエンスはさすがに魅せたが、これでは、インディ・ジョーンズやナショナル・トレジャーと変わらない。海賊らしさがほとんどないのは、何とも寂しい。

そんな中、嬉しいのは、ある目的を持って英国将校になったバルボッサとジャックとの息のあったコンビぶりだ。2人のとぼけたかけあいに、シリーズを見守ってきたファンは、海と自由を愛してやまない海賊魂を見るだろう。例によって、長いエンドロールの後にちょっとしたワンシーンがある。物語は完結しているが、もしや続きがあるかも…と期待してしまいそうだ。
【65点】
(原題「PIRATES OF THE CARIBBEAN:ON STRANGER TIDES」)
(アメリカ/ロブ・マーシャル監督/ジョニー・デップ、ジェフリー・ラッシュ、ペネロペ・クルス、他)
(アクション度:★★★☆☆)
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ツーリスト

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良くも悪くも古典的なラブ・サスペンス。このメンツで、これでいいのか?!との不満がくすぶる困った作品だ。

傷心を癒やすためにヨーロッパを旅行しているアメリカ人フランクは、ヴェネチアへ向かう列車内で謎めいた美女エリーズに声をかけられる。だが彼は、国際的な金融犯罪者と間違えられ、マフィアから命を狙われるハメに。妖艶なエリーズと行動を共にしながら、危険なアバンチュールに酔いしれるフランクだったが…。

アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップというハリウッドを代表する美男美女の豪華共演というのが、本作最大にして唯一のウリ。黄金期のハリウッド映画のようにスターだけを強調した、とても21世紀とは思えない“トラッド”な作りだ。アンジーとジョニデの2人が出ているというのに、この平凡な出来ばえは、イエローカードを出したくなる。さらに監督は「善き人のためのソナタ」のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。あの感動作の作り手が手掛けた作品がこれでは、やはりイエローではなくレッドカードを出さねばならない。久しぶりに“普通の顔”のジョニデを拝めたのは嬉しいが、エキセントリックな役で持ち味を発揮する彼の演技力が生きる場はほとんどなく、いつもはキレのいいアクションでタフな美女を演じるアンジーも中途半端におとなしい。実は登場人物たちにはさまざまな秘密があって…というミステリアスなストーリーの結末を明かすわけにはいかないが、終わってみれば拍子抜け。ストーリーだけ見れば“まるでヒッチコック映画を見ているよう”だが、これが褒め言葉にならないところが本作のツラいところだ。主演の2人が、無駄にゴージャスな装いで華麗な舞踏会に出席しても、ロマンスとしてどうにも盛り上がらないのである。ポール・ベタニーやティモシー・ダルトンまで出ているというのに、あまりに残念。サスペンスとしてもラブロマンスとしても弱いようでは、パリやヴェネチアの風景を堪能するしかなさそうだ。舞台は、数々の名画の舞台になった、世界一ロマンティックな水の都で、そこに美男美女が収まっている図はまるで絵葉書のように美しい。抜群のロケーションの旅情サスペンスと割り切れば楽しめる。
【50点】
(原題「The Tourist」)
(アメリカ・フランス/フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督/アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、他)
(ロマンティック度:★★★★☆)

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プロフィール
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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