映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「美しい星」「光をくれた人」「家族はつらいよ2」「光」etc.

ジョニー・トー

ホワイト・バレット

ホワイト・バレット [DVD]
警官隊との銃撃戦で頭部に銃弾を受けた強盗団のメンバーのチョンが、救急病院に搬送されてくる。チャン警部は強盗団一味の情報を聞き出そうとし、女医のトンは緊急手術の準備をするが、チョンはなぜか手術を拒む。緊迫する時間が流れる中、チャン警部は一味につながる電話番号を聞き出すことに成功。医師のトンもなんとか手術の同意を得るが、その裏では、チョンが仲間と連絡をとって彼らの裏をかこうと画策していた。同時にチョン奪還を狙う強盗団一味が病院に迫っていた…。

救急病院を舞台に、強盗、警察、医師の3人が緊迫の心理戦を繰り広げるサスペンス・アクション「ホワイト・バレット」。香港映画界の鬼才ジョニー・トー監督らしいノワール・アクションだが、今回は病院内という限定された空間を舞台にした密室劇風で、医療ノワールとでも呼びたい内容だ。強盗団の一員のチョンは頭がキレるタイプで、手術を拒むのも人権を持ち出してくるインテリ。頭部を撃たれながら裏でさまざまな駆け引きを繰り広げ、油断ならない。警部のチャンはそんな彼から何とか強盗団の情報を聞き出そうとやっきになっているが、一方で、部下がチョンの頭部を撃ってしまったことを何とかもみ消そうと考えている。女医のトンは、外科医としての腕はいいが、過去の自分と折り合いをつけられず、心に傷を抱えている。そんなワケありの3人が病院内で繰り広げる会話劇は、舞台のような緊張感がある。サスペンスなので、詳細は明かせないが、クライマックスに怒涛の銃撃戦をもってくるなど、ジョニー・トー印全開だ。名作「戦艦ポチョムキン」ばりの“オデッサの階段”が登場するが、それが小さくて可愛らしく、微苦笑を誘う。上映時間はわずか88分。原題の「三人行」は、論語の“三人行へば、必ず我が師あり”からとられている。3人いれば必ず自分の師となる人がいる。いい場合は手本に、悪い場合はその悪い点を改めよ、という意味らしい。何だか説教臭いが、映画はまったくそんなことはなく、エンタメ・アクションとして濃密な時間を味わえる。
【70点】
(原題「THREE/三人行」)
(香港・中国/ジョニー・トー監督/ルイス・クー、ヴィッキー・チャオ、ウォレス・チョン、他)
(心理戦度:★★★★☆)
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ホワイト・バレット|映画情報のぴあ映画生活

ドラッグ・ウォー 毒戦

ドラッグ・ウォー / 毒戦 [DVD]
現代中国の麻薬戦争を描くクライム・アクション「ドラッグ・ウォー 毒戦」。中国大陸で初の撮影に挑んだジョニー・トーの気合を感じる。

中国・津海。コカイン製造工場で爆発事故が発生する。逃走し事故でかつぎこまれた男テンミンが麻薬取引に深く関わっていると察した中国公安警察の麻薬捜査官・ジャン警部は、減刑と引き換えにおとり捜査に協力することを命じる。テンミンは承諾し、組織相手に架空取引を仕掛けることに。交渉相手双方から秘密を聞き出すことに成功し、その極秘潜入捜査から、中国全土だけでなくアジア全域に及ぶ巨大麻薬シンジゲートの存在が明らかになる。やがて“香港の七人衆”という真の黒幕の存在が浮かび上がる…。

香港ノワールの雄ジョニー・トー監督が、初めて規制が厳しい中国大陸で本格ロケしたアクション大作だ。中国の検閲は厳しく、トー監督はずいぶんと妥協を強いられたようだが、それでも累々と死体の山が築かれるところがさすがである。覚醒剤取引を巡る、巨大麻薬組織VS.中国公安といえば、現実とリンクしていて、なにやら物騒だが、映画は、麻薬捜査官ジャンと彼がおとり捜査に使う男テンミンとのせめぎあいが面白い。何しろこのテンミン、保身のためにコロコロと態度を変え、身内も売ろうとする信用できない男だ。彼がどちら側につくのかが読めないので、サスペンスに拍車をかけている。今回は麻薬戦争ということで、超絶ガン・アクションもふんだんに盛り込まれ、やがて、文字通りの死闘のクライマックスを迎える。中国の法律では、50グラム以上の覚醒剤製造者は即死刑だそうで、どうりで追う側も追われる側も必死である。これまでのトー作品は男気や友情が必ず盛り込まれたが、今回はジャンとテンミンの間に友情は生まれない。だからこそ、登場人物たちがたどる運命は壮絶きわまるのだ。ルイス・クーとスン・ホンレイの二人は怪演に近い熱演。トー組おなじみの俳優も顔をそろえ、香港ノワールとは一味違う“大陸的な広がり”を感じさせる犯罪映画を引き締めている。
【65点】
(原題「DRUG WAR/毒戦」)
(香港・中国/ジョニー・トー 監督/ルイス・クー、スン・ホンレイ、クリスタル・ホアン、他)
(壮絶度:★★★★☆)
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ドラッグ・ウォー 毒戦@ぴあ映画生活

アクシデント

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ある事故から仲間との関係性が崩れ疑心暗鬼に陥る主人公を描く香港ノワールの秀作。ジリジリするような緊張感と心理描写が巧みだ。

ブレイン、ふとっちょ、女、おやじの4人組は、事故を装った殺人を請け負う闇の殺し屋集団だ。常に完璧な仕事をモットーとする彼らだったが、ある任務を遂行中に、予期せぬ事故が起こり、ふとっちょが死んでしまう。これは偶然の事故なのか。もしや自分たちを狙った殺しなのではないかと疑いを持ったブレインは、殺しの黒幕と思われる男に近づいて真相を探ろうとするが…。

ガラスの破片が刺さり出血多量で死亡する犯罪組織のボス。雨の夜に感電死する質屋の店主。それらの“アクシデント”は、すべて用意周到に仕組まれた計画的な殺しだ。偶然を装うため、殺人の手口は極めて地味だが、完璧な条件が整うまで何度も何度も計画を中止する忍耐力は、彼らが究極のプロ集団であることを示している。ブレインは、仲間を襲った死と自分の部屋に入った空き巣から、何者かの殺意を感じ取り、やがて仲間や自分の判断さえも信じられない疑心暗鬼に陥っていく。完全犯罪を描く冒頭のサスペンスから、やがて心理ホラーの様相を呈する展開は、先読み不能で、目が離せない。壮絶なバイオレンス描写を得意とするソイ・チェンが監督しているが、作品全体には、プロデューサーのジョニー・トーが得意とするサスペンス・ノワールの影響が色濃い。街中の喧騒、雨の中での殺人、クライマックスの日食と、映像は非常にスタイリッシュ。セリフを極端に削ぎ落とした演出も、緊張感を高めた。偶然と必然の迷宮に迷い込んだ主人公の焦燥と予想外の結末に、言葉を失う。心の傷を抱えて苦悩しながら、疑念に呑みこまれていくブレインを演じるルイス・クーが素晴らしい。
【70点】
(原題「ACCIDENT/意外」)
(香港/ソイ・チェン監督/ルイス・クー、リッチー・レン、ラム・シュー、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
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アクシデント@ぴあ映画生活

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

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フィルム・ノワールの本家フランスの香りと、香港ノワールの雄ジョニー・トーの独自の美学の出会いは、芸術的なハードボイルド映画を生んだ。凄腕の殺し屋だった過去を持つフランス人のコステロは、マカオに住む最愛の娘とその家族が何者かによって惨殺されたことを知る。異国の地で偶然出会ったクワイ、チュウ、フェイロクの3人の殺し屋を全財産をはたいて雇い、復讐を誓うコステロだったが、彼は徐々に記憶を失う脳の病を抱えていた…。

記憶を失う1人の男と3人の殺し屋の男同士の絆。非常に魅力的な設定だが、ストーリーは少々甘く、安易な展開もある。だが、男たちの鮮烈で美しい生き様は、横やりの言葉など許さず、見るものを黙らせる迫力がある。寡黙なのは登場人物たちも同様だ。コステロと3人の殺し屋は、会った途端に、どこかに同じ世界の匂いを感じ取り互いを認め合う。さらに銃の扱いを確かめることで絆が生まれるという“熱くてクールな関係”は、その後、仕事を依頼した本人が復讐の意味さえ忘れてしまっても生き続けるのだ。ジョニー・トー作品ではおなじみのスタイリッシュで華麗なガン・アクションは本作でも健在。鬱蒼とした夜の森林の月明かり、狭い街中を疾走するときに降りしきる雨など、そこには周囲の人間の存在など無視した独自の世界が広がっている。圧巻は、強風が吹き荒れるゴミ置き場で繰り広げられる激しい銃撃戦だ。紙ごみを巨大なキューブ状に固めたものを盾にして戦う男たちが流す血は、まるで勲章のように誇らしげである。すべてを忘れてしまう男に復讐の意味があるのかとのセリフの答えは、映画を最後まで見れば明白に分かるはずだ。ジョニー・アリディが漂わす乾いたムードと哀愁、トー作品常連の俳優たちの不敵な面構えこそが、この映画最大の魅力と言えよう。
【75点】
(原題「VENGEANCE」)
(香港・仏/ジョニー・トー監督/ジョニー・アリディ、アンソニー・ウォン、ラム・カートン、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)

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エグザイル/絆

エグザイル/絆 スタンダード・エディションエグザイル/絆 スタンダード・エディション
無駄がないノワール・アクションで、男の美学に貫かれた秀作だ。中国返還が迫るマカオ。裏社会に生きる4人の男たちが1人の男の生死をめぐって対立する物語である。5人は深い絆で結ばれた幼馴染。敵味方に分かれせめぎあうが、事態は思わぬ方向へ。作品の質を上げたのは、ドライに徹した人間描写だ。乱舞のような銃撃戦が特筆で、動作、構図、照明と完璧に美しい。寡黙な男たちの友情と秘めたダンディズムにしびれると同時に、赤ん坊の足に付けた鈴の音色に心が揺さぶられた。トー作品常連の不敵な面構えの俳優たちが適役。クールで硬派な映画好きに勧めたい。
【80点】
(原題「EXILED」)
(香港/ジョニー・トー監督/アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ニック・チョン、他)
(スタイリッシュ度:★★★★★)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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