映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

ジョー・ライト

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 (オリジナル・サウンドトラック)
第2次世界大戦勃発後の1940年、ヨーロッパでナチス・ドイツが猛威をふるうなか、イギリスでは、チェンバレンの後任としてウィンストン・チャーチルが英国首相に就任した。フランスは陥落寸前、英仏軍がダンケルクの海岸に窮地に追い込まれる絶対絶命の中、政界で敵が多いチャーチルは、ヒトラーとどう向き合うかの選択を迫られる。和平か、徹底抗戦か。街で市民の声を聞いたチャーチルは、国会で議員たちに向かって演説を始める…。

第2次世界大戦下のイギリスで、苦渋の選択を迫られるウィンストン・チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの4週間を描く伝記ドラマ「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」。対話か、抗戦か。ヒトラーという分かり易い絶対悪が存在していた時代、ここでの抗戦は正義の選択だ。だがそれは後の世の人間だから言えること。人間としても政治家としても欠点が多く、政敵だらけだったチャーチルは、不安と絶望の中で、国民に犠牲を強いる苦渋の決断をすることになる。歴史の渦中にいたチャーチルの決断に、今の私たちを含む全世界の運命がかかっていたのだ。本作は“DARKEST HOUR(最も暗い時)”に立ち上がることができる人間だけが真のリーダーなのだと教えるドラマなのである。

政治家の伝記映画だが堅苦しさはなく、新人秘書の目を通すことによって、老政治家チャーチルの私生活や家庭人としての側面、風変わりな仕事ぶりなどを描いたのが効果的だ。無心で猫とたわむれたり、トレードマークのVサインの意外な誕生秘話など、微笑ましいエピソードも楽しめる。何より偉大なチャーチルを、チャーミングな変わり者として演じ切ったゲイリー・オールドマンの名演抜きに、この映画は語れない。彼が今まで演じてきた、ロックスターや悪役などのアウトローの妙演は、政界一の嫌われ者と言われたチャーチルと不思議なほど共通点があるのだ。演説のシーンはどれも見事だが、地下鉄の中で庶民に直接声を聞くシークエンスが素晴らしく感動的である。名もなき国民こそが本当に強く願っていたのだ。「断じて降伏はしない!」と。ジョー・ライト監督は、奥深い人間描写でチャーチルとその周辺の人物たちを見事に描いている。そして特殊メイクの辻一弘の突出した才能が、魅力に満ちたチャーチルを作り上げたことも忘れずに付け加えたい。
【80点】
(原題「DARKEST HOUR」)
(イギリス/ジョー・ライト監督/ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、他)
(歴史秘話度:★★★★☆)


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PAN ネバーランド、夢のはじまり

PAN~ネバーランド、夢のはじまり~ ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ロンドンの孤児院で暮らすピーターは、いつか母親が迎えにきてくれると信じていた。ある時、地下室で母からの手紙をみつけたピーターは母に会いたい思いを募らせる。ある夜、現れた空飛ぶ海賊船にさらわれ、ネバーランドへと旅立つことに。そこには、妖精や人魚、若き日のフック船長や戦うプリンセス、タイガー・リリーらがいた。だが母を探すピーターの前に冷酷な海賊・黒ひげがたちはだかる。ピーターは自分自身さえ知らなかった出生の秘密を知ることになるのだが…。

ディズニーアニメで有名なピーター・パンの前日譚を描くファンタジー「PAN ネバーランド、夢のはじまり」は、ピーターパンがいかにして生まれたか、その出生の秘密や成長(ずっと子供なのだが…)を描く。誕生秘話は、なるほど興味をそそるが、児童文学、しかもファンタジーを、「つぐない」のジョー・ライトが監督するというのが何より興味深い。戦時下のロンドンでいきなり始まる英国空軍と海賊船とのバトルなど、導入部からかなりテンションが高い作りだ。映像も美しくクオリティが高い。だが、宣伝の方向が“あの“ハリー・ポッターのワーナー・ブラザースがおくる…”というキャッチコピーなので、どうしてもハリポタと比べたり類似点を見たりしてしまうのは、かえってマイナスでは?と思わないでもない。過去の伝説を、木目や水紋で語る演出などは、神秘的なネバーランドにふさわしい幻想的でオリジナリティーあふれる場面だ。キャラはどれも見事に立っていて、特にヒュー・ジャックマンが怪演する黒ひげは、怖いようなコミカルなような絶妙な味わいがあるのはさすが。それにしてもピーターと宿敵フック船長が共に戦うコンビだったとは。この後、2人にいったい何があったのか?と気になってしかたがない。ということで続編に期待!だ。
【70点】
(原題「PAN」)
(アメリカ/ジョー・ライト監督/ヒュー・ジャックマン、ギャレット・ヘドランド、ルーニー・マーラ、他)
(幻想的度:★★★★☆)
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PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜@ぴあ映画生活

アンナ・カレーニナ

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ロシア文学の古典をオリジナリティあふれる演出で映画化した「アンナ・カレーニナ」。人生を文字通りの舞台にたとえた演出が見事だ。

19世紀末のロシア。政府高官の妻で美貌のアンナ・カレーニナはサンクトベテルブルク社交界の華だ。兄夫婦のいさかいを仲裁するためにモスクワへと向かった彼女は、青年将校ヴロンスキーと出会い、互いに惹かれあう。最初は平常心を保とうとしたアンナだったが舞踏会で彼と再開し、禁断の恋に落ちる。夫カレーニンへの愛はなく、欺瞞に満ちた社交界にも未練はないアンナは、家庭を捨て、ヴロンスキーとの愛に溺れるが、それは同時に破滅への道でもあった…。

原作は言うまでもなくロシアの文豪トルストイの恋愛小説の金字塔。映画では、かつてグレタ・ガルボやヴィヴィアン・リー、ソフィー・マルソーなどの名だたる美女がヒロインを演じてきた。つまり万人がよく知る素材で、ストーリー展開に驚きは少ない。よく言えば古典、悪く言えば手垢のついた物語をどう面白く、新しく見せるのか。この難題に、ジョー・ライト監督は“舞台のような人生”という鮮やかな演出で答えてみせた。オペラ劇場、舞踏会場、競馬場まで内部に納める巨大な劇場セットにまず驚く。さらに、真実の恋に生きるアンナが動くその背景で、世間体や表層的な道徳観念に縛られる周囲はピタリと動きを止めるという、独創的な演出には、ハッとさせられた。さらに絢爛豪華な衣装や美術はこれ以上ないほど贅沢なもの。特にキーラ・ナイトレイが身にまとうドレスの数々にはため息が出てしまう。衣装や美術もまた、登場人物たちのキャラクターや状況を語る重要な役割を果たしているのだ。愛のない結婚生活を送っていたヒロインの初めての恋は、不倫という不道徳のため、当然のように破滅へと至る。だが偽りのない人生をまっとうするアンナの美しさは、悲劇的な恋だからこそ際立って見えるのだ。古典文学を実験精神あふれる演出で再構築したジョー・ライトの才気に感心させられる、個性的な文芸ロマンで、一見の価値がある。
【70点】
(原題「ANNA KARENINA」)
(イギリス/ジョー・ライト監督/キーラ・ナイトレイ、ジュード・ロウ、アーロン・テイラー=ジョンソン、他)
(絢爛豪華度:★★★★★)
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アンナ・カレーニナ@ぴあ映画生活

ハンナ

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愛らしい少女が恐るべきリーサル・ウェポンという設定は魅力的。キャストはいいのだが、根本的な設定があいまいでディテールが甘い。

フィンランドの山奥で、元CIAの父親から徹底した戦闘能力や語学、教養を叩き込まれた少女ハンナ。16歳になった彼女はついに父の元を離れ、初めて外の世界へと旅立つ。彼女の目的は、父の同僚であったCIA捜査官マリッサを殺すことだったが、強敵マリッサはハンナが行く先々で追っ手を差し向ける…。

「つぐない」のジョー・ライト監督が、バイオレンス・アクションを撮る。文芸ものが得意な監督なので、かなり意外なのだが、本作は全編にグリム童話への目配せがあり、広義での文学系と言えなくもない。ハンナの出生にはある衝撃的な秘密があり、それは科学と軍事力をからませた恐ろしい企てのなれの果てだ。だが、ハンナを助け育てる父親の立ち位置がはっきりしない。闘わせたいのか、守りたいのか、いったいハンナにどうなってほしいのかが、あいまいなのだ。一方で、芸達者なケイト・ブランシェット演じる悪役マリッサは、なかなか強烈なキャラで“悪い魔女”のイメージをしっかり連想させて面白い。流血しながらの歯磨きには、思わず笑いさえ出る。ハンナとマリッサは、まるで相似形のように似ていて、もしや二人には血のつながりが…と勝手に想像をふくらませたが、その“凡庸な”予想はあっさりとはずれ、童話の世界そのもののような場所でクライマックスを迎える。その対決は、さしずめ、森ガールVS悪い魔女で、妙にハラハラさせられた。ハンナが心臓を狙うことに固執するのが興味深い。童話とは本来残酷なものだということをふと思い起こさせる。
【55点】
(原題「HANNA」)
(アメリカ/ジョー・ライト監督/シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット、他)
(アクション度:★★★☆☆)



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