映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
毎日のレビューは分かりやすく簡潔な寸評で、週1本の長文映画レビューでは作品をディープに掘り下げます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる公開作品 ◎
「ファミリー・ツリー」「ダーク・シャドウ」「サニー」

スカーレット・ヨハンソン

アイアンマン2

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大ヒットしたアメコミ・ヒーロー映画の続編は、相変わらずド派手な作りで、娯楽映画の王道を行く。“アイアンマン”であることをメディアに公表したものの、勝手なヒーロー行為が問題視されてしまった天才科学者兼兵器産業のCEOトニー・スターク。アイアンマンの正当性を主張して、国家が求めるパワード・スーツ没収令を断固拒否した彼の前に、アイアンマンと互角の力を持つ敵ウィップラッシュが現われた。彼の武器は金属を一撃で真っ二つにするほどのパワーを持つ“エレクトリック・デス・ウィップ”。一方、トニーはパワードスーツのエネルギー源である、胸に埋め込んだリアクター(特殊電池)の悪影響により苦しみ始めていた…。

主人公を逆恨みする強大な敵、身体に埋め込んだ特殊電池の毒素、謎の美女の図りかねる真意。こう来ると物語はシリアスに見えるが、この映画に関しては深刻な要素は皆無だ。何しろ中年ヒーローのトニー・スタークは生まれながらの億万長者で天才発明家、プレイボーイで遊び人な上に、お気楽な平和主義者なのだ。冒頭のアイアンマン・ショーの演出のように、ネガティヴな要素がまったくないというのがこのヒーローの個性だ。父親の愛情不足を一瞬チラつかせるので同情しかけたが、実は愛されてました〜!となるからつくづく恵まれている。

彼の前に立ちはだかるロシア人の強敵ウィップラッシュは、自身と父の不遇の原因がスタークにあると逆恨みする天才科学者だ。異様な風貌のミッキー・ロークが怪演しているが、どう見ても頭が良さそうに見えないから苦笑してしまう。また本作のウリである新キャラで、スカーレット・ヨハンソンとサミュエル・L・ジャクソンが登場するが、思わせぶりな割には終わってみればさしたる必要性を感じない役。おまけに、スカヨハがセクシーすぎて、グゥネス・パルトロウを引き立て役にしてしまう始末だ。そんなキャスティングのデコボコ感をすべて払拭するのはロバート・ダウニー・Jr.のノーテンキな笑顔だ。悩めるヒーローが多い昨今のアメ・コミ映画の中、この“のんきさ”は捨てがたい。アクションシーンは前作よりさらにパワーアップして単純明快な話を大仰に盛り上げる。これぞ陽気なハリウッド製エンタメ映画の醍醐味といえよう。
【65点】
(原題「IRON MAN 2」)
(アメリカ/ジョン・ファヴロー監督/ロバート・ダウニーJr.、グウィネス・パルトロー、スカーレット・ヨハンソン、他)
(個性派ヒーロー度:★★★★☆)


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アイアンマン2@ぴあ映画生活

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そんな彼なら捨てちゃえば?

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豪華キャストで男女の本音を描き、勘違い系女子の恋愛観にカツ!を入れるセリフの数々は興味深い。物語は、男性と出会うたびに暴走してしまうジジと、彼女にシビアなアドバイスをするアレックスの二人を中心に、ユーモラスに進んでいく。

同性愛や不倫など、あらゆる恋のパターンを盛り込み、誇張した言動で笑わせるが、終わってみると、妻の立場を尊重するなど、意外とマトモな恋愛劇だったりする。米映画の本質というのは、昔も今も案外保守的なのだ。原題は「彼はあなたに気がありません」というミもフタもないもの。目線は完全に女性寄り。だが男子禁制の女性映画かといえば、そうとも言えない。なぜならここには女性の本音と理想がぎっしり。デート・ムービーには不向きだが、男性が見てこそ女性心理の勉強になろう。
【65点】
(原題「He's Just Not That Into You」)
(アメリカ/ケン・クワピス監督/ジェニファー・アニストン、ベン・アフレック、ドリュー・バリモア、他)
(恋愛指南度:★★★★☆)

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映画レビュー「それでも恋するバルセロナ」

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◆プチレビュー◆
人生は貪欲に楽しむべし。バルセロナの街の魅力を堪能できるアレン流のラブ・コメディーだ。 【65点】

 夏のバカンスでバルセロナを訪れた親友同士のヴィッキーとクリスティーナは、セクシーな画家フアン・アントニオと知り合う。積極的なクリスティーナと慎重派のヴィッキーは共に彼に惹かれていくが…。

 いきなりサッカーの話で恐縮だが、08−09シーズンの欧州チャンピオンズ・リーグは、FCバルセロナが制した。勝利至上主義のサッカー界で、このチームが頂点に立ったのは、誰もが魅惑的なフットボールを渇望した帰結ではなかろうか。バルサのファンはたとえ勝ってもつまらない試合は許さない。美しく楽しいサッカー。それがバルセロナの魂だ。前置きが長くなったが、1−0で勝つのがお行儀のよい恋愛だとすると、アレンが描くこの艶笑話は、4−4で引き分けたが、観客も選手も最高に楽しんだ試合によく似ている。

 さて本題の映画だが、舞台は官能の香り漂う夏のバルセロナ。異邦人には、情熱的で少し危険な街だ。そんな場所で繰り広げられるのは、男一人に女二人の三角関係、いや、四角関係。いやいや、正確に言えば3.5角関係の大騒ぎである。男優冥利につきる役を演じるのは、ハビエル・バルデムだ。このデカくて濃い顔のモテ男を奪いあうのはいったいどんな女性たちだろう。

 婚約中のヴィッキーは堅実型。彼女を基準に物語を眺めると、恋愛観の振り幅がよく分かる。出会ったばかりのフアン・アントニオの「旅行に行こう。そして3人でワインを飲んでセックスしよう」の言葉に憤慨しながらも心が揺れる。平穏な人生こそ望みだが、ちょっぴり“罪深さ”に憧れるその気持ち、多くの女性が頷くはずだ。一方、クリスティーナは前述のフアン・アントニオの提案に大喜び。奔放より尻軽という言葉が思い浮かぶが、なぜだか憎めない。親友同士の危険な三角関係になりかけるが、自由なクリスティーナは彼とさっさと同棲してしまい、一応の決着を見たかに思えた。だがそこに、もう一人の女が登場し、別の三角形が出現する。話が俄然面白くなるのはここからだ。

 その女とはフアン・アントニオの元妻で、激情型の天才画家マリア・エレーナだ。美しくエロティックで、激しくて優しい。まるで竜巻のような彼女の参戦で、修羅場になるかと思いきや、なぜだか落ち着いてしまうから、まったく恋とは異なものだ。3人だとうまくいく。別れた夫婦が愛し合う。女同士でも惹かれあう。いったいこの恋、どうなるの?!それは見てのお楽しみだ。ペネロペ・クルスが、スペイン語でまくしたて、気性が荒い美女をコケティッシュに演じて抜群に魅力的。世界中の女優がアレン作品に出たがるのは、この自意識過剰でインテリの監督が、女優を輝かせる術を熟知しているからに違いない。

 物事の本質を見極めるためには、奇数でなくては。多数決だって偶数ではラチが明かない。このセオリーを恋愛に応用してしまうから洒脱だ。私生活でも不埒な恋愛騒動を演じてきたアレンには、愛する女を一人に決めるなんて所詮無理な相談だろう。だから彼の物語はいつも“地球は女で回ってる”。「僕らは生きている。ステキじゃないか」。「成就しない愛だけがロマンチック」。劇中には印象的なセリフが満載だ。NYからロンドン、そしてバルセロナへ。おしゃべりしながら歩きたくなる美しい街がある限り、アレン節は健在である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)名セリフ度:★★★★★

□2008年 アメリカ映画 原題「Vicky Cristina Barcelona」
□監督:ウディ・アレン
□出演:スカーレット・ヨハンソン、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム、他

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私がクマにキレた理由(わけ)

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ヘンテコな邦題が付いているが、これは新米ナニー(子守兼養育係)の奮闘記。就職に失敗したアニーは、ひょんなことからNYの上流家庭のナニーに雇われる。未知の世界で悪戦苦闘するが、身勝手な雇い主に振り回され、堪忍袋の緒が切れる。セレブなのにちっとも幸せじゃないミセスXを演じるローラ・リニーが抜群に上手い。アニーがついにブチ切れるのもミセスXの役柄に説得力があるから。米国のセレブ・ライフへのまなざしがシニカルだが、基本は少女の成長物語なので共感できる。セクシーでビッチな役が似合うヨハンソンが珍しく健康的な役柄で、ダサい風貌が妙に新鮮だ。
【65点】
(原題「THE NANNY DIARIES」)
(アメリカ/シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ監督/スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、アリシア・キーズ、他)
(恋愛度:★★☆☆☆)

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タロットカード殺人事件

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アレンお気に入りのヨハンソンがコケテッシュな楽しいミステリー。「マンハッタン殺人ミステリー」を思わせる、積極的なにわか探偵ヨハンソンと、気の弱い手品師アレンのコンビは漫才コンビのノリだ。とは言え、過去のアレン作品のように二人が恋愛関係になるには年齢的にキビシいので、この部分は美形青年貴族を演じるヒュー・ジャックマンが担当。死神の目を盗んで現世に戻る設定が楽しい。
【70点】
(原題「SCOOP」)
(イギリス/ウディ・アレン監督/スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン、ウディ・アレン、他)
(コメディ度:★★★★☆)

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プレステージ

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単なるトリック映画に留まらない、深みのあるエンターテインメントである。19世紀末のロンドンを舞台に敵同士のマジシャンの意地の張り合いと、驚愕の種明かしを豪華キャストで描く。小悪魔女優ヨハンソンは単なる脇役、ジャックマンとベールの男の色気を味わうのが正しい鑑賞法。D.ボウイの出演も見所。
【80点】
(原題「THE PRESTIGE」
(アメリカ/クリストファー・ノーラン 監督/ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、他)
(ベンヤミン度:★★★☆☆)

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ママの遺したラヴソング

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母の死で故郷にもどった少女が、家に居座る、元大学教授の初老の男と作家志望の青年に出会う。彼女が知らなかった母のこと、そして大きな秘密とは?オヤジキラーことヨハンソンがしおらしい役を演じるのもご愛嬌だが、トラボルタが大学教授に見えないのが致命的。
【50点】
(原題「A LOVE SONG FOR BOBBY LONG」)
(アメリカ/シェイニー・ゲイベル監督/スカーレット・ヨハンソン、ジョン・トラボルタ、ゲイブリエル・マック、他)
(ミスキャスト度:★★★☆☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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