映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

ソフィア・ブテラ

アトミック・ブロンド

Ost: Atomic Blonde
東西冷戦末期の1989年。イギリス諜報機関MI6が誇る美貌の女スパイ、ロレーン・ブロートンは、西ベルリンを訪れる。彼女に課されたミッションは、世界中で暗躍する各国機関のスパイの名が記録された超極秘リストを奪い返すこと。同じくMI6のエージェントで先にベルリンに潜伏している凄腕スパイのパーシヴァルと共に任務に当たるが、彼は不審な行動を連発してロレーンを混乱させる。各国のスパイがリスト争奪戦を繰り広げる中、ロレーンには、MI6内部にいる二重スパイを探し出して始末するというもう一つの任務があった。ベルリンの壁が崩壊する歴史的事件が間近に迫るなか、誰が敵で誰が味方が分からない状況に、ロレーンは絶体絶命の苦境に立たされる…。

MI6の凄腕女スパイが、盗まれた極秘情報の行方と裏切者の存在を追うスパイ・アクション「アトミック・ブロンド」。原作は、アントニー・ジョンストン、サム・ハートによるグラフィックノベル「The Coldest City」だ。英のMI6をはじめ、露のKGB、仏のDGSE、米のCIAまで入り乱れるハイレベルな諜報合戦は、裏切りの気配が濃厚で、敵味方の区別がつかない混乱、そこに隠された驚愕の事実…と、ジョン・ル・カレのスパイ小説さながらである。特筆なのは、主人公が超凄腕の女性エージェントであること。演じるのは演技もアクションも一級のオスカー女優シャーリーズ・セロンで、女性版007、いやそれ以上にクールでタフなヒロインを演じて、ハマリ役だ。男性優位のハリウッドで、これほど惚れ惚れするほどかっこいい女優はめったにお目にかかれない。ボンド風のロマンスもひとひねりした形でしっかり織り込んで、まさに女も惚れるイイ女が、ロレーン・ブロートンなのだ。

物語は、終わってみれば特に目新しいものではないのだが、裏切り者の存在や意外なつながりなどで飽きさせない。セロンのコスプレ付の超絶アクションによる見せ場もたっぷり用意してある。長身で筋肉質な身体のセロンが、廃ビルで見せる部屋から階段、外に至るまでの接近戦をとらえたワンカットのバトルは、本作の大きな見所だ。メガホンを取るのは「ジョン・ウィック」の共同監督を務めたデヴィッド・リーチ。冷戦末期の混乱したベルリンのデカダンス漂う空気を写し取った映像や、1980年代のヒットナンバーを効果的に活かす音楽など、随所にセンスの良さを感じさせる。荒唐無稽な活劇とリアリティをうまく織り交ぜた、ポップでクールなアクション痛快作だ。
【70点】
(原題「ATOMIC BLONDE」)
(アメリカ/デヴィッド・リーチ監督/シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、ソフィア・ブテラ、他)
(スタイリッシュ度:★★★★★)
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ザ・マミー/呪われた砂漠の王女

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中東で古代エジプト文字が刻まれた石棺が発見される。発掘に立ち会った米軍関係者のニックと考古学者のジェニーは、調査のために棺を英国へ輸送するが、途中でアクシデントが発生。ジェニーは何とか助かるが、ニックを乗せた輸送機はロンドン郊外に墜落し、棺は行方不明に。やがて石棺の中から、封印されていた古代エジプトの邪悪な王女アマネットが目覚める。なぜか傷ひとつない身体で助かったニックは王女の呪いに導かれるように棺を探すが、やがてアマネットの想像を絶する復讐が幕を開ける…。

古代エジプトの邪悪な王女が復讐のために現代に蘇るホラー・アクション・アドベンチャー「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」。1932年製作の「ミイラ再生」を最新技術で新たに蘇らせたものだ。モンスター・ホラー映画の老舗であるユニバーサル・スタジオが自社の自前のモンスターを次々に再生させる巨大プロジェクト“ダーク・ユニバース”の第一弾が本作である。ヒーローたちがチームを組むアベンジャーズやジャスティスリーグのモンスター版のような企画だが、その最初のモンスターがミイラというのは、意外というか、渋いというか。ともあれ古代の王女アマネットは、最初はミイラ状態でも、みるみるうちに美しくも恐ろしい姿になり、暴れまわる。4つの瞳、全身タトゥー、傲慢で邪悪、それでいて切ないキャラを演じるソフィア・ブテラは、完全に主役のトム・クルーズを食ってしまって、魅力的だ。

とはいえ、何をやらせても俺様キャラのヒーローになってしまうトムも、結構奮闘している。今回は“ハムナプトラ”な環境でのアドベンチャーだが、盗品をさばいて小銭を稼ぐセコい部分や、相棒とのやりとりでコミカルな芝居にも一生懸命に挑戦。もちろんトレードマークである身体をはったアクションも健在だ。舞台をロンドンに移してからは、ラッセル・クロウ演じるジキル博士(とハイド氏)が登場し、事態はにわかに急展開。このジキル博士率いる秘密結社プロディジウムが、今後のダーク・ユニバースの軸になっていく。正直、本作はトム・クルーズじゃなくても良さそうな“贅沢なB級大作”なのだが、大物俳優が揃うこの超大型企画ダーク・ユニバースは確かに楽しみだ。個人的には「大アマゾンの半魚人」に大いに期待!である。
【60点】
(原題「THE MUMMY」)
(アメリカ/アレックス・カーツマン監督/トム・クルーズ、ソフィア・ブテラ、アナベル・ウォーリス、他)
(大型企画度:★★★★★)
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