映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

チェ・ミンシク

新しき世界

新しき世界 [Blu-ray]
犯罪組織に潜入した警察官の葛藤を描くクライム・サスペンス「新しき世界」。韓国版「インファナル・アフェア」は、男同士の厚い情が見所だ。

警察官のイ・ジャソンは、上司のカン課長の命令に従って、韓国最大の犯罪組織ゴールド・ムーンの潜入捜査官となる。8年もの間に、理事にまでなったジャソンは、兄貴分のチョン・チョンとの間に、兄弟のような絆と情が生まれていた。そんな時、会長の急死によって組織内の後継者争いが勃発。警察はこれを機に犯罪組織粉砕を目論み、潜入捜査を辞めるはずだったジャソンに「新世界」作戦を命じる。ジャソンは、警察に利用されていることに激しい怒りを感じると同時に、チョン・チョンを裏切っていることに罪悪感を覚えていた…。

いわゆる潜入捜査ものは、ヒリヒリした緊迫感と、自分の居場所に対する違和感、組織内で育んだ友情への苦悩が定番のスタイルだ。香港映画「インファナル・アフェア」、そのリメイク「ディパーテッド」、「フェイク」や「ハート・ブルー」などの作品が思い浮かぶ。本作が一番近いのは「インファナル・アフェア」だが、そこに「ゴッドファーザー」的なファミリーものの香りがあるのが特徴的だ。主人公ジャソンにとって冷徹な上司カンは父、自分をブラザーと呼び友情と絆を育むチョン・チョンは兄という位置付けだ。さらにそこには、チョン・チョンは薄々、ジャソンの正体に気付いていて…というサスペンスフルな展開もある。ジャソンとチョン・チョンが韓国華僑であるという同族意識が加わるのは、韓国映画の犯罪ものとしては新しい。これが最後といいながら、いつまでも自分を利用するカンに対する憤りと、チョン・チョンを裏切っている罪悪感の間で、ジャソンの神経は磨り減り、精神的に限界に達していて、ついには究極の選択を迫られることに。内面の葛藤をクールな面持ちで演じるイ・ジョンジェ、ひょうひょうとしながらも男気がにじむファン・ジョンミン、そこにいるだけで凄みを感じさせる名優チェ・ミンシクと、実力派3人の三つ巴の演技は最大の見所である。目を覆いたくなるほど過剰な暴力描写や、情に厚い友情などもまた、いかにも韓国映画らしいテイストだ。終盤の怒涛のシークエンスに、パク・フンジョン監督の、名作「ゴッドファーザー」に対するリスペクトが表れていた。
【65点】
(原題「新世界/NEW WORLD」)
(韓国/パク・フンジョン監督/イ・ジョンジェ、チェ・ミンシク、ファン・ジョンミン、他)
(バイオレンス度:★★★★☆)
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新しき世界@ぴあ映画生活

悪魔を見た

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復讐ものは韓国映画の十八番。とはいえ、これほど強烈な作品は久しぶりだ。ここにはもはや善も悪もない。国家情報院捜査官のスヒョンは、殺人鬼に最愛の婚約者を殺される。無残なバラバラ死体を見たスヒョンは復讐を決意し、極秘で調査した結果、犯人は凶行を繰りかえすギョンチョルという中年男だと突き止める。スヒョンは彼を追いつめるが、あえてとどめを刺さず、GPSカプセルを飲み込ませ、野に放つ。ギョンチョルが犯行に及ぶ直前に現われ、残虐な制裁を加えるスヒョン。やがて死闘はエスカレートし、予測不能な展開になっていく…。

犯罪者への復讐の成就の基準とはなんだろう。相手を殺すことか、それとも生きながらに苦しめることか、はたまた心から反省して善人になってもらうことなのか。婚約者を奪われたスヒョンは、国家情報院捜査官という仕事柄、武器やGPSカプセルなども使えるし、そもそも卓越した格闘能力で相手に止めを刺すことも可能なのだ。だが彼はそうしない。サイコキラーのギョンチョルに、肉体的な苦痛を与えて追いつめていこうとする算段なのだ。だが物事は思い通りにはいかないもので、このギョンチョルという男、いったいどういう育ち方をしたのか、まったく反省の色がない。“性懲りもなく”とはこの男のためにある言葉で、これでは制裁を加えているスヒョンの方がくたびれもうけに思えてくるほどだ。しかしスヒョンもまた純粋な悪に深くかかわることで、自らも悪の化身になっていくところがこの作品の濃密なところだ。こうなるともう、完全に無法地帯である。そもそも、映画に登場する名悪役は、善悪を超越したところで悟りにも似た静かな境地にいるもの。だがこのギョンチョルときたら、食欲、性欲ともに旺盛で、生々しいことこの上ない。名優のチェ・ミンシクの鬼気迫る名演には、ほのかなユーモアも混じっていて、さすがは韓国映画界一の演技派だと唸ってしまう。ギャアギャアと叫びまくるチェ・ミンシクが“陽”のキャラなら、見た目は冷静だが、中身は完全に狂っているスヒョンを演じるイ・ビョンホンは“陰”のキャラ。そんな二人は磁石のプラスとマイナスのように引かれ合い、相対して決着を着けるときがくる。これがまるで“ソウ”シリーズのような様相を呈するのが違和感があるのだが、こういうけれん味こそが本作の壮絶な復讐劇にはふさわしいのかもしれない。ちなみに、司法の側の人間はいったい何をしているのか?とツッコミを入れたくなるが、韓国映画の復讐ものにそんなヤボは言わないのがお約束だ。
【65点】
(原題「I SAW THE DEVIL」)
(韓国/キム・ジウン監督/イ・ビョンホン/チェ・ミンシク/オ・サナ、他)
(インパクト度:★★★★★)


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オールド・ボーイ

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◆プチレビュー◆
物語の源は、逆恨みじゃないのか?という疑問も一瞬頭をよぎったが、衝撃度はピカイチ。原作は日本のマンガだ。残酷シーンが多数登場するので、気弱な人には勧められない。

平凡な人生をおくっていたオ・デスは、ある日、理由も判らず監禁される。その期間は15年にも及び、自殺することさえ許されない。突如、解放されたオ・デスは、自分をこんな目にあわせた人物に復讐することを誓うが…。

浴びるほど映画を見る毎日のせいで、少々の作品には驚かなくなっている。行儀のいい映画に出会うたびに、そこそこ感動はするものの「心をわしづかみにしてくれるような映画はないものか…」と密かに思うのだが、この作品こそまさにそれだ。“好きな映画”かと問われると違うような気がするが、見終わって何日も後を引く。

韓国映画界を代表する実力派チェ・ミンシク、ソフトなイメージを180度変えてクールな敵役を演じるユ・ジテ、キュートなカン・ヘジョン。主な登場人物は3人だけだ。テーマは復讐。15年監禁するという設定もすごいが、解放されてからの展開はもっと強烈だ。韓国映画特有の過剰でマンガチックなアクションシーンも、この作品の場合あまり違和感を感じない。いや、むしろピッタリくるのだ。

復讐が表側のテーマなら、裏側のテーマは人間の罪。人は知らず知らずのうちに誰かを傷つけながら生きているのだろうか。監禁部屋の浮世離れしたインテリア、クラシック音楽の絶妙な使い方など、けっこうアートの要素も感じられる。なぜ監禁したのか、なぜ解放したのか、自分と犯人のつながりは何か。次々に登場する謎は、観客に一瞬も気を抜くことを許さない。ミステリーの果てにたどり着く事実に絶句するのは必須だ。

緘口(かんこう)令が出されているので、ネタばれできないのがツラい。詳しいことは言えないが、安易な気持ちで鑑賞すると、痛いメにあう。昨今の韓国映画の底力を感じるスゴイ1本だ。これだから、映画はやめられない。

□2003年 韓国映画  英語原題「OLD BOY」
□監督:パク・チャヌク
□出演:チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン、他

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