映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

チャドウィック・ボーズマン

ブラックパンサー

ブラックパンサー・ザ・アルバム
アフリカの秘境にあるワカンダ王国。そこは発展途上国と思われているが、本当の姿は世間から隔絶された超文明国だった。ワカンダで産出される鉱石ヴィブラニウムが高度なテクノロジーを可能していたが、同時にそれは世界を破滅させるほどのパワーを秘めていて、歴代の王は、悪用されないように鉱石の存在を極秘にしていた。父王の急死により、国王とブラックパンサー、二つの使命を引き継いだティ・チャラは、謎の男エリック・キルモンガーや武器商人ユリシーズ・クロウらがヴィブラニウムを狙ってワカンダに潜入しようとしていることを知る…。

国王とヒーローの二つの顔を持つマーベルのキャラクターが活躍するアクション超大作「ブラックパンサー」。国家元首として自国の利益を守るか、あるいはヒーローとして技術と富を共有し人類を守るか。この葛藤は、まさしく現代アメリカを鏡に映したものではないか。さらには、国家や正義のために血のつながりを持った敵と戦わねばならない展開は、ギリシャ神話をも思わせる。ブラックパンサーの決断は、正義と政治の両方に深く関係し、その影響力は計り知れない。黒人を主人公にしたヒーローものは、ブラックスプロイテーション映画の系譜だが、この物語の同時代性を見れば、本作が人種を超えた普遍的なテーマを扱っていると、すぐに気付くだろう。

とはいえ、黒人特有の秀でた特性を活かすことは忘れていない。彼らのルーツを思わせるアフリカの鼓動のような音楽、しなやかな体躯を活かしたアクション演出はブラックパンサーと敵手エリックの動きを流麗に見せている。暴れっぷりがハンパない、美しい女性キャラにも目を奪われた。監督のライアン・クーグラーは「クリード チャンプを継ぐ男」でもアクションに冴えを見せたが、大胆な長回しを用いるなど、むしろ長編デビュー作「フルートベール駅で」にも通じる作家性をスーパーヒーロー映画に持ち込んだセンスを評価したい。マーベルのヒーローは、神だったり大富豪だったり、緑色の大男に変身する科学者だったり…と、誰もが一風変わっているが、ブラックパンサーはその中でも別格だ。希少鉱石ヴィブラニウムはキャプテン・アメリカの盾(シールド)にも使われていて、ブラックパンサーは次回のアベンジャーズにも参戦する。だが本作の優れた点は、この1本単体でも物語がしっかりと構築されていることだ。美しく強靭な黒ヒョウの活躍を見逃してはならない。
【75点】
(原題「BLACK PANTHER」)
(アメリカ/ライアン・クーグラー監督/チャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、他)
(重厚度:★★★★☆)


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ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男

ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~ [Blu-ray]
キング・オブ・ソウルこと歌手ジェームス・ブラウンの破天荒な半生を描く「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」。C.ボーズマンのなりきりぶりは必見。

アメリカ南部の貧しい家庭に生まれたジェームス・ブラウン(JB)は、幼い頃両親に捨てられ、不遇の少年時代を送る。貧しさから働いた犯罪で刑務所に入った彼は、そこで生涯の親友となるボビー・バードと出会い、出所後は、音楽の道へと進むことに。ヒット曲も生まれ、大スターへの階段を駆け昇るJBだったが、同時に、派手な女性関係、仕事仲間との諸問題、自分を捨てた母との関係性や妻への暴力と、さまざまなトラブルに見舞われる。上昇嗜好が強く常に革新を求めるJBは、仕事仲間と衝突し、ついに親友のボビーまでも彼のもとを去って行くが…。

類まれな音楽の才能と、ビジネスセンス、常に時代の先を行く革新性。JBの人生はまさに波瀾万丈だ。映画は極貧の少年時代から、音楽界でめきめきと頭角を現し、黒人差別が激しい時代に白人と対等に渡り合い、やがて時代の寵児になっていく様、トラブル続きの人間関係などを、晩年のJBの回想形式で描いていく。強烈なシャウトで周囲を圧倒する歌声やキレ味鋭いダンス・パフォーマンスはもちろん魅力的だが、映画は、多くのミュージシャンを抱えたJBの横暴なリーダーぶりや、妻に対してのDVなど、彼のダークサイドもしっかり描く。何しろ主演のチャドウィック・ボーズマンのなりきりぶりがすごい。顔は似ていないのに、JBの話し方、歌、ダンスを徹底的に研究し、本人そっくりに見える。光が強烈ならその影もまた濃い。歌うだけでなく宣伝活動やプロモーションも自分で行い、一方で、公民権運動の最前線に立つことも。母親から見捨てられたことが後のJBの人間性に大きな影響を及ぼしているのは明白だが、同時にそんな悲劇さえ軽々と乗り越えるパワーもまた明白だ。スクリーンから時折、観客に語りかける演出は、愛されたいとの思いと重なる。欠点も多いがなぜか憎めない俺様モードの天才の、秘めた寂しさを感じさせて効果的だった。
【65点】
(原題「GET ON UP」)
(米・英/テイト・テイラー監督/チャドウィック・ボーズマン、ネルサン・エリス、ヴィオラ・デイヴィス、他)
(俺様度:★★★★☆)
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ジェームス・ブラウン〜最高の魂〈ソウル〉を持つ男〜@ぴあ映画生活

42 世界を変えた男

42 ~世界を変えた男~ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)
黒人初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの伝記映画「42 世界を変えた男」。主人公の尊い精神に心から感動する。

1945年、アフリカ系アメリカ人のジャッキー・ロビンソンは、ブルックリン・ドジャースの会長ブランチ・リッキーに見いだされ、契約を交わす。2年後の1947年に、ジャッキーは、メジャーリーグ史上初の黒人メジャーリーガーとしてドジャースの本拠地エベッツフィールドに立つ。だが当時は人種差別が激しく、ジャッキーはチームメイトや、他チームの選手、監督、審判はもとより、マスコミや民衆からも糾弾される。壮絶な逆風の中、会長のリッキーや妻レイチェル、黒人記者スミスらの支えで、黙々と素晴らしいプレーを続けるジャッキーの姿に、周囲は次第に心を動かされ、野球界、そして世界を変えていくことになる…。

今や日本人選手も大活躍するアメリカのメジャーリーグ。非白人系選手がのびのびとプレーできるのも、すべてはこの映画の主人公ジャッキー・ロビンソンのおかげといっても過言ではない。バスやトイレ、映画館などの公共の場で、白人と非白人が別々に分けられるという人種差別が公然と横行していた時代、野球界もまた例外ではなかったのだ。最初の、そしてただ一人の黒人選手だったジャッキーは、いやがらせやおどしなど、すさまじい差別や偏見と戦うことになる。会長のリッキーはジャッキーに「偉大なプレイヤーであると同時に紳士であれ、仕返ししない勇気を持て」と説き、ジャッキーはそれを黙々と勇気を持って実行するのだ。このじっと耐える姿が神々しく、彼の精神力の強さには感服してしまう。ついに我慢の限界に達したときでさえ、リッキー会長の言葉に再び冷静さを取り戻すシーンは、胸が熱くなるが、チームメイトがジャキーを認め、かばうシーンにはさらなる感動がこみ上げた。チャドウィック・ボーズマンが才能あふれる若きジャッキー・ロビンソンを好演するが、会長を演じるベテランのハリソン・フォードのおおらかで気高い演技が味がある。名作「L. A. コンフィデンシャル」「ミスティック・リバー」などで知られる名脚本家のブライアン・ヘルゲランドがメガホンを取るが、ジャッキー・ロビンソンの全人生をなぞるのではなく、メジャーリーグデビューから、チームメイトに認められるまでの最もディープな時期に絞って描くので、締まったドラマになっている。野球好きはもちろんのこと、何か新しいことにトライし改革を志す人には必見の1本だ。
【70点】
(原題「42」)
(アメリカ/ブライアン・ヘルゲランド監督/チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー、他)
(感動度:★★★★☆)
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