映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

チャニング・テイタム

ローガン・ラッキー

Logan Lucky
仕事も家族も失った炭鉱夫ジミーは、一発逆転を目論み、シャーロット・モーター・スピードウェイでまもなく開催される全米最大のモーターカーイベントNASCARのレース中に金庫から大金を盗み出すという前代未聞の強奪計画を企てる。だが、足が不自由なジミーと、戦争で片腕を失った弟クライド、そして美容師でカーマニアの妹メリーという、不運続きのローガン一家だけでは何とも頼りない。そこで伝説の爆破犯ジョー・バングに協力を仰ぐことに。服役中のジョーを一時的に脱獄させ、コトが終わったら刑務所に戻すという奇想天外な作戦は順調に進むかに思えたが、予想外の事態に直面することになる…。

監督引退宣言をしていたスティーヴン・ソダーバーグの復帰第1作となる犯罪コメディー「ローガン・ラッキー」。ツキに見放されたローガン家の面々が悪運を跳ね返すため、大胆な大金強奪計画に挑む姿を描く。複数のメンバーで完全犯罪を目論むストーリーは、ソダーバーグの代表作「オーシャンズ」シリーズによく似ている。「オーシャンズ」がゴージャスでスタイリッシュでド派手なのに対し、本作はユルくてアナログ、垢ぬけない印象だ。だが、これが、肩の力がうまい具合に抜けていて、なかなか面白い。ローガン家はもちろん、爆発のプロのジョーとそのおバカすぎる弟たちは何ともマヌケで不器用、でも愛すべきキャラクターたちだ。不測の事態やとぼけたミスでハラハラさせ、それでも巧妙に進む計画を見ていると、いつのまにか“呪われたローガン”を応援してしまう。

危なっかしいのに実は緻密な犯罪計画は、資金や最先端の武器の代わりに、知恵と度胸と愛嬌で勝負だ。チャニング・テイタム、アダム・ドライバーなど俳優陣が皆、適役だが、何と言っても爆発犯を怪演するダニエル・クレイグが、クールなジェームズ・ボンドとは真逆の魅力を見せて最高だ。物語のキーとなるのが劇中に効果的に使われる名曲「カントリー・ロード」。その曲は“カントリー・ロード、私がいるべき場所、故郷に連れて行っておくれ”と歌う。ソダーバーグがいるべき“ふるさと”は、やっぱり映画だ。おかえりなさいと迎えたい。
【80点】
(原題「LOGAN LUCKY」)
(アメリカ/スティーヴン・ソダーバーグ監督/チャニング・テイタム、アダム・ドライヴァー、ダニエル・クレイグ、他)
(爽快度:★★★★☆)
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マジック・マイクXXL

Magic Mike XXL: Original Motion Picture Soundtrack (+ 2 Bonus Tracks)
男性ストリップのパフォーマーを引退したマイクは、小さな家具メーカーを営んでいた。念願が叶ったのにどこか寂しさを感じていた彼に、同じく引退を決意した昔の仲間たちから連絡が入る。「もう一発ド派手にステージを飾ろうぜ!」。東海岸マートルビーチのダンスコンテストに参加するため旅に出た彼らは、行く先々でトラブルに巻き込まれながらも、遂に最後のショーに挑むこととなるが…。

人気スターのチャニング・テイタムの実体験をベースにした「マジック・マイク」の続編である「マジック・マイクXXL」は、宣伝文句は女性向けだが、実は男性にとっても見るべき点が多い作品だ。主人公のマイクと、今回一緒に旅に出る仲間たちは、パフォーマーからの引退を決めていて、最後のステージで青春の終焉を迎えると決めている。大会で優勝してもおそらく彼らの未来は何も変わらないだろう。それでも踊りたい。女性を楽しませ、セクシーなパフォーマンスを披露する喜びと狂乱のひと時は、マイクたちの最後の打ち上げ花火なのだ。前回登場したマシュー・マコノヒーやアレックス・ベテファーが出演しないのは少し寂しいが、おそらく次のステップを上がっているだろう彼らが不在であることで、起業の夢がかなったのにダンサーだったころの充実感が忘れられずにくすぶっているマイクのやるせなさが際立った。鍛え上げられた肉体と派手で官能的なダンス・パフォーマンスに目を奪われがちだが、見終われば、男たちの友情とほろ苦さが残るロード・ムービーなのである。
【60点】
(原題「MAGIC MIKE XXL」)
(アメリカ/グレゴリー・ジェイコブズ監督/チャニング・テイタム、マット・ボマー、ジョー・マンガニエロ、他)
(肉体美度:★★★★☆)
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マジック・マイクXXL@ぴあ映画生活

ジュピター

ジュピター ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
宇宙の運命を握るヒロインと彼女を守る兵士が地球を救うために戦う壮大なSFアクション「ジュピター」。激しいミスキャストに唖然。

近未来の地球。シカゴで清掃員として働く女性・ジュピターは、遺伝子操作された元兵士のハンター、ケインから、自分が宇宙の未来を変える運命を持つ存在であると告げられる。地球の人々は高度な知性を持った異星人によって管理され、宇宙最大の王朝ではアブラクサス一族の3人の継承者たちが支配権を争っていた。彼らは女王と同じ遺伝子を持つジュピターが地球を引き継ぐことが許せず、全人類を滅ぼそうとしていたのだが…。

ウォシャウスキー姉弟監督の「マトリックス」は誰もが認めるエポックメイキングなSF作品。これ以降、SFアクションすべてが変わったといっても過言ではない。その偉大さは、作った本人たちでさえ越えられないほどだと、改めて思い知った。「マトリックス」以来初の完全オリジナル・ストーリーで挑んだ本作は、確かに驚異的で荘厳なビジュアルがてんこもりなのだが、どれもどこかで見たことがあるようなものばかりで新鮮味がまったくない。地球から飛び立った先はオズの国ならぬ、宇宙の王朝のアブラクサス一族の華麗なる宮殿。そこでの肉親間の争いはシェイクスピアばりの愛憎劇なのだが、これが何とも薄っぺらい。オスカー受賞のエディ・レッドメインが悪役なのが話題だが、悪いヤツというよりむしろキモいヤツ。それを上回るのがマッチョなチャニング・テイタムで、アイラインバッチリのメイクや“エルフ”な尖がり耳はいったい何の冗談なのか。スタイリッシュが売りのウォシャウスキー作品なのに、こうまでミスキャストでは失笑するしかない。ペ・ドゥナやショーン・ビーンなど、豪華な脇キャラがまったく活きてないのも残念。もはやウォシャウスキーの関心は、人物造形ではなく、凝りに凝ったガジェットなど細部のアイテム偏愛に至ったようだ。確かに引力変換・空飛ぶブーツは楽しかったけれど。“マトリックス越え”は作った当事者でさえ難しい。壮大な無駄が微苦笑を誘う珍作とでも評したい。
【40点】
(原題「JUPITER ASCENDING」)
(アメリカ/ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー監督/チャニング・テイタム、ミラ・クニス、ショーン・ビーン、他)
(ミスキャスト度:★★★★★)
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ジュピター@ぴあ映画生活

フォックスキャッチャー

フォックスキャッチャー Blu-ray
財閥御曹司が金メダリストを射殺した事件を描く実録ドラマ「フォックスキャッチャー」。静かな狂気を漂わせるスティーヴ・カレルが素晴らしい。

マークはレスリングのオリンピック金メダリストでありながら、練習環境にも恵まれず、経済的にも苦しい生活を送っていた。ある日、デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンから、ソウル・オリンピック金メダル獲得を目指したレスリングチーム“フォックスキャッチャー”に誘われる。マークにとってそれは夢のような話だった。デュポンとマークは、名声や孤独、心の中に隠した欠乏感など、多くを共有し惹きつけあうが、デュポンの秘めた狂気が現われるにつれて彼らの関係性も変化することに。さらにマークの兄で、同じく金メダリストのデイヴがチームに加わったことで、誰もが予測もしない事態へと発展することになる…。

米国有数の財閥の御曹司ジョン・デュポンが元金メダリストを射殺。1996年に起こった、この衝撃的な事件を取り扱う本作は、最初から最後まで冷え冷えとした空気に満ちている。実話なので結果は分かっているのに、終始、緊張感が絶えないのだ。アメリカではレスリングはマイナーなスポーツで、金メダリストといえども境遇は恵まれない。そんなレスリングをなぜか偏愛する大富豪がいて、彼は自分のチームでの世界制覇を目指していた。生まれながらに莫大な富と権力を手にしているが母親の愛情や理解を得られないデュポンが内面に秘める狂気。兄デイヴを心から慕いながらも、兄の影響下から抜けだせないマークの劣等感と脆さ。孤独と欠乏感が2人を結びつけたのは自然に思える。妻子と幸せな家庭を築き健全で論理的な常識人デイヴは、不協和音そのものなのだ。デュポンはデイヴに対し、あまりにも唐突に引き金を引くが、そこにいたる説明はほとんどない。映画全体を見ても、説明的な要素はなく、セリフや音楽も最小限。だからこそ、登場人物たちの感情の軋みが浮かび上がってくるのだ。出演俳優は皆、名演をみせるが、中でもコメディーのイメージが強いスティーヴ・カレルが素晴らしい。能面のような薄気味悪い表情からは、歪んだ関係性の中で極限に達した愛憎と狂気がにじみ出るかのようで、安易な共感など許さない迫力がある。それぞれの俳優の新境地を見事に引き出したベネット・ミラー監督の手腕に驚かされた。
【80点】
(原題「FOXCATCHER」)
(アメリカ/ベネット・ミラー監督/スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、他)
(愛憎度:★★★★☆)
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ホワイトハウス・ダウン

ホワイトハウス・ダウン [Blu-ray]
占領されたホワイトハウスでテロリストと戦うアクション大作「ホワイトハウス・ダウン」。大統領と落ちこぼれ警備員の格差コンビのバディ・ムービーだ。

議会警察官のジョン・ケイルは、ソイヤー大統領を警護するシークレット・サービスの面接を受けるが不採用に。大統領に憧れる幼い娘エイミーをがっかりさせたくないジョンは、気晴らしも兼ねてホワイトハウス見学ツアーに参加する。だが突如、謎の武装集団が現れ、瞬く間にホワイトハウスを占拠し、大統領とエイミーらを人質にとって立て篭もる。大統領と愛する娘を救い出すため、ジョンは単独で武装集団に挑んでいく…。

ホワイトハウスが破壊され大統領が人質に。そこで一人の男が“ダイ・ハード”チックに孤軍奮闘。何だか「エンド・オブ・ホワイトハウス」に激似のストーリーだが、本作の敵は内部にもいて、内側からテロが始まるのがポイントだ。そのサスペンスをじっくり味わうヒマもなく、ハリウッドでも指折りの“破壊王”ローランド・エメリッヒ監督ならではの、盛大なぶっ壊しバトルが展開する。白亜のホワイトハウスは爆破されて半分以上が木っ端微塵。大統領専用機にはミサイルがブチ込まれ、ホワイトハウス前庭では、激しいカーチェイスが繰り広げられる。もうムチャクチャなのだが、そういえばエメリッヒ、「インディペンデンス・デイ」や「2012」でもホワイトハウスを破壊していた。何か恨みでもあるのか? それはさておき、この物語では、偶然居合わせた元軍人の警官と、大統領という、超格差コンビが運命共同体になり、一緒に戦う設定が面白い。ジェイミー・フォックス扮する大統領がちょっぴり天然のためか、激しいアクションの合間にユーモラスなセリフがあって、クスリと笑える。今は経費削減で、ホワイトハウスの見学ツアーは中止になっているそう。公的な部屋や秘密の通路などを再現したこの映画を見るのは、いわばバーチャル見学ツアーで、その意味でも楽しめるものだ。もっともテロの黒幕はあっさりと予測がついてしまうのはご愛嬌である。売れっ子俳優チャニング・テイタムが、アクションもほとんど自分でこなす頑張りで、娘思いの父親役を好演。その娘役のジョーイ・キングは、これから続々と公開映画が続く注目の子役なので、映画好きならこの子の顔はチェックしておきたい。
【60点】
(原題「WHITE HOUSE DOWN」)
(アメリカ/ローランド・エメリッヒ監督/チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、マギー・ギレンホール、他)
(破壊度:★★★★★)
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ホワイトハウス・ダウン@ぴあ映画生活

君への誓い

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記憶を失った妻の愛をもう一度勝ち取ろうと奮闘する夫の献身を描くラブ・ストーリー「君への誓い」。ベタなタイトルだが、物語のポイントでもある。

シカゴに住むペイジとレオは結婚式をあげたばかりの幸せなカップル。だが、ある雪の夜、車の追突事故によって妻のペイジは頭部に外傷を負い、レオと出会ってからの4年間の記憶を失ってしまう。ショックを受けるレオだったが、彼女の記憶が戻らないと知り、妻のペイジに対してもう一度恋のアプローチを試みる。二人の距離は次第に縮まっていくかに見えたが…。

特定の人一人分の記憶をそっくり失うという“都合のいい”記憶喪失なんて、あるのだろうか?と最初は首をかしげたのだが、この物語は、ニューメキシコ州に住むカーペンター夫妻の実体験を綴った本を元に作られているというから、実際にあるのだ。本作は、不慮の事故で思いがけない障害を負いながらも、互いに寄り添い、相手を、そして自分を見つめなおす真実の物語なのである。とはいえ、そこはハリウッド発の純愛ラブストーリー。あくまでも美しく、切なくという演出になっている。夫のレオは記憶を失くしたペイジとぎこちなく過ごすが、日常の些細な事で、自分が妻にとって“見知らぬ人”になったと幾度も思い知る場面がやるせない。妻の記憶を取り戻そうとするのではなく、もう一度自分に恋してもらいたいと頑張る彼の誠実さも、見るものの胸を打つ。ただ、ペイジの両親との不和や、元カレの出現などによる展開は、あまりスムーズとは言えない。とってつけたようなトラブルで苦笑を誘うばかりだ。ラブ・ストーリーへの出演が多いレイチェル・マクアダムスと、アクションから恋愛ものまで幅広くこなすチャニング・テイタムは共に好感度は高いが、記憶をたどる心の旅というには、演技は表層的で平凡。最も強く印象に残るのは、エンドロールに登場する、映画の元となったカーペンター夫妻の今を写した幸せそうなポートレートだった。
【50点】
(原題「THE VOW」)
(アメリカ/マイケル・サシー監督/レイチェル・マクアダムス、チャニング・テイタム、サム・ニール、他)
(思いやり度:★★★★☆)
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君への誓い@ぴあ映画生活

親愛なるきみへ

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深く愛し合う男女の純愛を描くストーリー。9.11テロや戦争を物語にからませる必要があったのか?と疑問が残る。

休暇で帰省した軍人ジョンは、海辺で偶然出会った美しい女性サヴァナと恋に落ちる。サヴァナは大学、ジョンは赴任地へと戻らねばならず、つらい別れが訪れるが、メールや電話さえ届かない場所で特殊任務に当たるジョンとサヴァナとの間では、何通もの手紙が行き来し、絆を深めていった。任務が終われば除隊すると決めていたジョン。だが、アメリカ同時多発テロが起こり、軍人としての使命感からジョンが服務期間の延長を決めたことから、二人の関係はすれ違い始める…。

原作は「きみに読む物語」のニコラス・スパークスの小説。遠く離れても愛を貫こうする若い男女は、手紙という古風なツールを使って愛情を確かめ合う。それは何でも便利な現代では逆に新鮮で、二人のみずみずしさをより際立たせるものだ。物語は、典型的なメロドラマで、二人の間には当然障害がある。だが9.11テロや戦争よりも、二人を引き裂いたのは別の要因なのだということが終盤に分かる。これがどうにも、唐突に思えてしかたがない。そもそもジョンが軍人でなければ戦地へと赴くこともなくサヴァナの側にいられたと思えば、戦争やテロが遠因と言えなくもないのだが。病を患うジョンの父や、サヴァナが打ち込む自閉症の子供のための活動などの描きこみも中途半端で物足りない。何より別れの手紙の真意を知る終盤の展開は、なんだかサヴァナに都合が良すぎやしないか。美しい自然描写と、純真な令嬢のサヴァナを演じるアマンダ・セイフライトのさわやかさが救いだった。
【45点】
(原題「DEAR JOHN」)
(アメリカ/ラッセ・ハルストレム監督/チャニング・テイタム、アマンダ・セイフライド、ヘンリー・トーマス、他)
(メロドラマ度:★★★★★)



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親愛なるきみへ@ぴあ映画生活

陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル

陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル *セルBD [Blu-ray]陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル *セルBD [Blu-ray]
警察組織の内幕を暴くクライム・サスペンス。舞台を9.11テロ直後のNYに設定したのが上手い。

2002年のNY。NY市警のジョナサンは、生まれ育った犯罪多発地区のクイーンズに配属される。ジョナサンは少年の頃に誤って殺人事件を起こしたが、殉死した父の相棒のスタンフォード刑事が、事件をもみ消した過去があった。そんなジョナサンのもとに過去の秘密を知る匿名の脅迫状が届き、女性記者が16年前の事件隠ぺいを嗅ぎつけ警察を非難する記事を新聞に掲載する。ジョナサンは、上司のマサーズ警部の命令で新聞社を訪れ、記事掲載を止めるよう頼み込むが…。

警察内部の隠ぺい体質や腐敗を描いた作品は数多いが、どれもが沈痛なムードに満ちている。なぜなら法と正義の番人の警官の罪には、大きな絶望感を感じ取るからだ。ジョナサンが少年時代に命を奪った人間は、麻薬を常用する犯罪者で、死んだとしても誰も気にしないような男。時代設定である9.11テロの翌年の2002年に、警察に遠い昔の隠ぺい事件を告発する手紙が届いた時「テロで400人も仲間が死んだのに、街のダニが死んだ過去の事件を掘り起こすのか?!」とのセリフには、なるほど説得力がある。だが、そんな時代の空気とは別に、人を殺めたという事実は、成長したジョナサンに重い十字架のように常にのしかかっている。匿名の手紙の送り主は予想がつくのだが、警官という職業の明と暗、表と裏がぶつかりあって、その決着の付け方は予測不能だ。原題の「THE SON OF NO ONE(誰の息子でもない)」とは、警察一家の掟を破る人間は身内ではないという意味があるのだそう。スタンフォード刑事が幼いジョナサンに男の生き方を語るセリフが悲しくも味わい深い。正義や勇気の行動で男になるのではない。男とは“クソみたいな問題を抱えながら”生きていくことなのだ。こう考えているのが、警察の腐敗と戦った「セルピコ」のアル・パチーノなのだから、やるせなさもひとしおだ。抵所得者向けの公営住宅を俯瞰でとらえた映像が独特の効果をあげていて、きつく締まったネジのようなその形が主人公の逃れられない運命を物語っていた。
【65点】
(原題「THE SON OF NO ONE」)
(アメリカ/ディート・モンティエル監督/チャニング・テイタム、ジュリエット・ビノシュ、アル・パチーノ、他)
(沈痛度:★★★★☆)
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陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル@ぴあ映画生活

G.I.ジョー

G.I.ジョー [DVD]G.I.ジョー [DVD]
世界を救っているのか、ブッ壊しているのか、区別がつかない超ド級のアクション映画は、人気ミリタリー・フィギュア・シリーズの実写映画化。近未来を舞台に、破壊兵器ナノマイトを奪った悪のテロ組織コブラに、国際機密部隊G.I.ジョーが立ち向かう。だが、隊員のリーダーのデュークには、コブラに所属する美女バロネスと浅からぬ因縁が。悪徳武器商人や謎の科学者などが入り乱れ、エジプト、パリ、北極と、世界中で激しい攻防を繰り広げる。

これだけ目立っておいて、G.I.ジョーのどこが“機密部隊”なのかと言いたくなるが、ヘンテコ日本描写など、ツッコミどころは山ほどあって、きりがないので止めておく。長所は、ハイ・スピードで話が進むのに、キャラが抜群に分かりやすいので混乱がないことだ。タフガイで正義感の主人公を中心に、ジェット機操縦の名人、頭脳明晰な美女、寡黙なニンジャといった具合。敵側も負けずに個性的だ。韓流スター、イ・ビョンホンが悪役で米映画進出を果たしているのは目を引く。ヘタな成長物語や中途半端な心理描写をバッサリ切り捨てて、アクションに徹しているのが何より潔い。花の都パリを舞台にした大乱闘や、海中の秘密基地でのバトルは荒唐無稽を絵にかいたよう。登場人物がハイパー・スーツを着用し、数々のガジェットを駆使して超人的に活躍する図を見ていると、もはやストーリーなど二の次に思えてくる。破壊度ばかりが高く、見終わって何も残らないが、このテの映画ではかえってそれが心地よいというものだ。
【55点】
(原題「G.I. Joe: The Rise of Cobra」)
(アメリカ/スティーヴン・ソマーズ監督/チャニング・テイタム、シエナ・ミラー、イ・ビョンホン、他)
(男子映画度:★★★★☆)

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ステップ・アップ

ステップ・アップステップ・アップ
貧しい青年とリッチなお嬢様がダンスを通じて知り合い、恋に落ちる青春ダンス・ムービー。物語はありふれたもので、人間描写も深みがない凡作。ただし、バレエとヒッピホップ・ダンスの両方が楽しめるので、ダンス好きにはいいだろう。
【40点】
(原題「STEP UP」)
(アメリカ/アン・フレッチャー監督/チャニング・テイタム、ジェナ・ディーワン、マリオ、他)
(エンタメ度:★★★☆☆)

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