映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「カンフー・ヨガ」「勝手にふるえてろ」「ダンシング・ベートーヴェン」etc.

チョン・ドヨン

男と女



子どもたちの国際学校のために、フィンランド・ヘルシンキにやってきたサンミンと海外勤務中のギホンは、二人でフィンランド北部にあるキャンプ場に向かうが、途中、大雪で通行止めとなり森の中の小屋へと向かう。荒涼とした雪原の中、二人は、感情に身を任せ求めあい、名前も知らないまま別れる。それから8ヶ月後のソウル。あの時のことは雪景色が見せたひと時の夢だったのだと思い、日常に戻ったサンミンの前に、突如ギホンが現れる。再会し、惹かれあう二人だったが…。

雪のフィンランドで出会った男女が互いに家庭を持ちながら激しく惹かれあう姿を描くラブ・ストーリー「男と女」。クロード・ルルーシュ監督の名作仏映画と同名の邦題だが、リメークというわけではなく、おそらくインスパイアされたのだろう。共に家庭を持ちながら不倫に溺れるサンミンとギホンには、障害がある子どもを持つという設定で、より禁断の恋のカラーが濃くなっている。雪景色のフィンランドの風景が幻想的な前半、大都会のソウルが舞台の後半と背景はメリハリが効いているが、季節は共に冬で、二人の男女の孤独感が際立つ。キャリアウーマンだが障害を持つ我が子を懸命に育てる日々に疲れ、孤独でやるせない思いを抱えるサンミンを演じるチョン・ドヨンが相変わらず上手い。国際的にも評価が高い彼女は、脱ぎっぷりと大胆な演技が持ち味だが複雑な表情こそが持ち味だ。ドヨンだからこそ、仕事、家庭に疲れ心にぽっかりとあいた穴を埋めるかのように恋に溺れるという“どうしようもなさ”をセリフではなく表情で伝えることができる。「トガニ 幼き瞳の告発」などのコン・ユも、サンミンを追う(ストーカーに限りなく近いのだが…)ギホンの一途さ、情けなさを、静に熱演していた。ラストは、ある意味、予測できるのだが、それでも役者の上手さでひっぱるラブストーリーに仕上がっている。
【55点】
(原題「A MAN AND A WOMAN」)
(韓国/イ・ユンギ監督/チョン・ドヨン、コン・ユ、パク・ビョンウン、他)
(情熱的度:★★★★☆)
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メモリーズ 追憶の剣

メモリーズ 追憶の剣 豪華版 Blu-ray BOX
高麗王朝末期、ユベク、ウォルソ、プンチョンの3人の剣士は最強の3本の剣を手に、世を変えるべく反乱を起こす。ユベク、ウォルソは愛し合う恋人同士だった。だが権力に目がくらんだユベクの裏切りによって反乱は失敗する。ウォルソは、命を落としたプンチョンの子を連れて姿を消した。18年後、大きな権力を手にしたユベクは、自ら主催した武術大会でウォルソにそっくりな剣さばきの少女を見つけ、彼女の後を追う。やがてばらばらになった3本の剣が再び揃い、全ての真実が明かされる…。

高麗末期を舞台に、愛と復讐に翻弄される4人の男女を描く歴史アクション「メモリーズ 追憶の剣」。国際的に活躍するイ・ビョンホン、チョン・ドヨンに加え、人気グループ2PMのジュノらが共演する華麗な歴史ものだ。ユベクの恋人でその後姿をくらましたウォルソの行動がひねりすぎなので、自分からコトを複雑にしている気がしないでもない。実はウォルソには秘密があるのだが、自ら剣を持って戦うほうが納得できる。だが仲間であるプンチョンの死に責任を感じている彼女は、自らを罰するかのように、より過酷な運命を選び取ったのだろう。このあたり、韓国文化によく登場する恨(ハン)なのだろうか。恨(ハン)という言葉の本質は、深すぎてわかりにくいが、恨むという感情だけでなく、そこには無念さや悲哀、無常観もあるという。ウォルソの行動は、自分に対する恨(ハン)なのかもしれない。ラストのユベクとウォルソの運命は、究極の愛だ。韓国映画のソード・アクションは、本物の武術家が演じることが多い中国映画のそれに比べて、見劣りがするのだが、本作のアクションは、舞踏から生まれたアクション演出だそうで、なかなか見応えがある。盲目となったウォルソを演じるチョン・ドヨンは、演技力に加え、剣さばきや茶を入れる所作の美しさが際立っていた。
【55点】
(原題「Memories of the Sword」)
(韓国/パク・フンシク監督/イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ゴウン、ジュノ、他)
(映像美度:★★★★☆)
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マルティニークからの祈り

マルティニークからの祈り Blu-ray
麻薬密輸容疑で逮捕され不当な扱いを受けた女性の実話をベースに描く「マルティニークからの祈り」。ほぼスッピン、激ヤセのチョン・ドヨンがさすがの熱演。

韓国人の平凡な主婦ジョンヨンはフランス入国時に麻薬密輸容疑で逮捕される。経済的に困窮し、ただ荷物を運ぶだけと言われて引き受けた仕事だったが、金塊と信じていたその荷物は実は麻薬だった。言葉も通じず、弁解の余地も与えられないまま、カリブ海のマルティニークにある刑務所に収監。ジョンヨンは、懸命に大使館に訴え、夫もまた妻を救うために奔走するが、家族は再会できぬまま2年近くの時が過ぎる…。

2006年に韓国のTVドキュメンタリー番組で紹介された衝撃の実話がベースだ。訴えたいのは、エリート意識ばかりが強い駐仏韓国大使館のずさんな仕事ぶり。むろん、平凡な家族が再会を願って死にもの狂いで奔走する家族愛のドラマとしても胸を打つ。言葉が通じない、正当な訴えが認められない、監獄では非情な女看守や囚人から身を守らねばならないし…と、ヒロインの苦労は絶えない。韓国映画界きっての演技派女優チョン・ドヨンは、弱々しい表情から激ヤセの役作り、ラストの裁判での感動のスピーチまで、すばらしい演技で観客の涙を誘うし、IT大国の韓国らしく、ネットユーザーを使っての救出作戦もリアルだ。達者な演技を披露する子役も愛らしい。だがしかし。実話だというこの話、自業自得という気がしないでもない。うさんくさい友人をあっさり信じるお人よしの夫といい、パスポートさえ持ってない世間知らず妻が中身も確認せずに外国へ荷物を運ぶ、そのあまりの不注意さ。IT大国ならばもう少し情報を得ていても良さそうな気がする。だが怠慢で無能な大使館員を誇張して描くことで、しっかりエリート批判しているのは痛快だ。ラスト、とぼけた電話がかかってくるあたり、今も改善はされていないのだろう。自国民に辛酸を舐めさせ、罪の意識さえ希薄な大使館員の末路には溜飲が下がる思いだった。
【65点】
(原題「Way Back Home」)
(韓国/パン・ウンジン監督/チョン・ドヨン、コ・ス、カン・ジウ、他)
(自業自得度:★★★☆☆)
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ハウスメイド

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無垢なメイドが禁断の愛から狂気へ至る物語。ベテランメイドの冷徹な観察眼が効いている。韓国の鬼才キム・ギヨンの「下女」(60)のリメイク。

裕福な上流階級の邸宅で住み込みのメイドとして働くことになったウニ。長年勤めるベテランメイドのビョンシクから厳しい指導を受けながら家事をこなし、妊娠中の妻ヘラと6歳の娘ナミの世話をする毎日だ。ある日、ウニの寝室に主人のフンが忍び込み、欲望に身を任せて関係を持ってしまう…。

映画の大半の舞台となる大邸宅は、まるで美術館のように一級の芸術品とモダンな調度品で飾られ、一部のすきもない。自分の望むものはすべて手に入れる主人のフンも、現在の裕福な暮らしに執着する妻のヘラも、ウニのことを見下している。傲慢さの象徴のようなその屋敷の中でそれなりのバランスだった彼らの関係は、主人のフンが、バスルームを掃除するウニの官能的な後姿に目を留めたときから、ゆがみ始める。このときの瞬間の描写が実に効いていて、中央の柱を軸に、左に部屋に妻ヘラ、右側のバスルームにウニという、挑発的な構図だ。二人の女が同時に見える中央の位置に主人のフンがいるわけだが、この主人の後ろに、老メイドのヒョンシクの存在を感じずにはいられない。事実、天真爛漫なウニの妊娠がわかり、それぞれの思惑が交錯し始めたことで、観察者であるビョンシクは初めて自分の意思を明らかにする。ウニの壮絶な決意が分かるのはその直後だ。その“復讐”は、復讐映画大国の韓国にしてみれば、正直生ぬるいと感じてしまったのだが、その後に描かれる金満一家のカリカチュアされた姿に、背筋がゾッとした。額縁に入った絵のような白々しい彼らの姿こそ、最大の衝撃かもしれない。世界が認める実力派女優チョン・ドヨンが、無邪気で官能的なヒロインを危うい魅力で演じて、相変わらず上手い。
【65点】
(原題「下女」)
(韓国/イム・サンス監督/チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ、ソウ、ユン・ヨジョン、他)
(サスペンス度:★★★☆☆)



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素晴らしい一日

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韓国映画らしからぬ抑えた演出が好印象。人間描写も巧みで、ラブ・ストーリーとも人間ドラマとも判別しにくい物語の中から、生きていくやるせなさと愛おしさが見えてくる。

恋人も職もなく貯金も底をついた30代の女性ヒスは、1年前に別れた元恋人ビョンウンに、貸していた350万ウォンを今すぐ返せと迫る。手持ちの金はおろか、住む場所さえない彼は、友人たちから金を借りて返すと言うがヒスはその言葉を信用できず、結局、借金取り立てのためビョンウンと行動を共にすることに。昔と変わらずお調子者のビョンウンの態度にイラつきながらも、ソウル市内を車で走り回るヒスは、彼の意外な交友関係を知ることになる…。

原作はオール読物新人賞を受賞した平安寿子の短編小説。甲斐性なしのくせにいつも能天気なビョンウンの笑顔と、苦虫を噛みつぶしたような表情のヒスの顔が好対照だ。女社長、スキー教室の教え子、ホステスやいとこなどから次々に調子よく金を借りるビョンウンは明らかにいいかげんな男なのに、彼を悪く言うものは誰もいない。それはなぜ?という疑問の答えを、ヒスと一緒に観客も探すことになる。時間が過ぎていくに連れて険悪だった2人の間に、微妙な空気が流れ始めるが、ドラマチックなラブ・ストーリーに突入しないところがこの映画の“大人の奥ゆかしさ”だ。描かれるのはわずか1日の出来事なのだが、小さなエピソードを丁寧に重ねて、最後にはヒスは柔らかい笑顔を取り戻す。この作品がいつのまにか、人と人とのつながりの大切さや前向きな思考、何より自分自身の可能性を信じることが大切と教えてくれたことが分かるだろう。昔の男と一緒のソウル市内の“旅”は、観光名所でもなくおしゃれなスポットでもない、あくまでも生活の場がメイン。都市に生きる人々の横顔をきちんと切り取っている。実力派女優チョン・ドヨンが、濃いメイクでキツい性格のヒロインを好演するが、のらりくらりとした憎めない男を演じるハ・ジョンウの独特の存在感がいい味を出している。
【70点】
(原題「Meozzin Haru/My Dear Enemy」)
(韓国/イ・ユンギ監督/チョン・ドヨン、ハ・ジョンウ、他)
(凸凹コンビ度:★★★★☆)
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シークレット・サンシャイン

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しばらく政界に身を置いた名匠イ・チャンドンの新作の主人公は、シングルマザーと不器用な中年男だ。愛する息子を殺害された女性シネが魂の救済を求めてもがく姿を乾いたタッチで描く。見知らぬ土地で懸命に生きる女性の脆さ、理不尽な悲劇、宗教考察と、見所は多い。女が自ら髪を切るのは再生の証。その意味で、一度は心の均衡を失ったシネの最後の姿は、それでも生きていくという決心と希望だ。ドヨン、ガンホ共に名演で見事。
【70点】
(原題「SECRET SUNSHINE」)
(韓国/イ・チャンドン監督/チョン・ドヨン、ソン・ガンホ、ソン・ジョンヨプ、他)
(不条理度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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