映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
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(点数は100点が、★は5つが満点)
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◎ 今週の気になる映画 ◎
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ユダヤ人を救った動物園」etc.

トーベ・ヤンソン

ムーミン谷とウィンターワンダーランド



木の葉が静かに舞い落ちる秋。ムーミン谷に住むムーミン一家では、春までの長い眠りに備えて、ママはジャムを作り、パパはキノコを採り、食べ物を蓄えるのに、大忙し。家中を片付けてやっと眠りにつくが、ある日、ヘムレンさんがやってきてムーミン一家にこう言った。「クリスマスが来るぞ!」。クリスマスさんというお客様が来るの?それならおもてなししなくちゃ!ムーミン一家は大はりきり。好奇心旺盛のムーミントロールは、初めて目にする冬景色にビックリ。やがて、ムーミンは、数々の驚きと出会うことになる…。

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが生み出したキャラクター、ムーミンをパペットアニメで描く劇場版の最新作「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」。クリスマスをテーマにした心温まる物語は、原作者ヤンソンもお気に入りだったそうだ。本作は、1978年から1982年にポーランドのスタジオで制作されたオリジナルシリーズが、フィンランドで高度な技術によってデジタルリマスター化されたものである。ムーミン一家が冬は冬眠するということを実は初めて知ったが、冬を知らないムーミンが、初めて見る冬景色にワクワクし、クリスマスさんを探す冒険をし、さまざまな冬の魔法を体験するストーリーは、見ているこちらまで心が躍る。美しい雪の銀世界の幻想的なビジュアルがいかにも北欧らしく、見るものをファンタジックな別世界へと連れて行ってくれるかのようだ。

クリスマスさんをおもてなしするプロセスでは、ムーミン一家をはじめ、ムーミン谷に住むたくさんのキャラクターが登場し、にぎやかだ。彼らには、一人よがりだったり、おっちょこちょいだったり、ちょっと無神経だったりと、たくさんの欠点があるのだが、作り手はそんな彼らに、純朴な性格のムーミントロールを通して、あたたかいまなざしを注いでいる。やわらかな質感が伝わってくるようなパペット(人形)の愛らしさ、雪景色の美しさ、そして驚きと喜びに満ちたストーリー。見終われば、きっと心がほっこりし、幸せな気分を味わえるはずだ。ナレーションを務めるのは、神田沙也加。柔らかく澄んだ声が、作品の世界観にフィットしていた。
【60点】
(原題「MUUMIEN JOULU/MOOMINS AND THE WINTER WONDERLAND」)
(フィンランド、ポーランド/ヤクプ・ヴロンスキ、イーラ・カーペラン 監督/(声)宮沢りえ、森川智之、朴路美、ナレーション:神田沙也加 他)
(ピュア度:★★★★★)
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劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス

劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス 豪華版[初回限定生産] [DVD]
ムーミン一家が南仏リビエラで巻き起こす騒動をほのぼのとしたタッチで描く「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」。母国フィンランド発の作品が初めてとは意外。

ムーミン一家は、地中海沿岸の魅惑的なリゾート地・リビエラへとバカンスにやってきた。高級ホテルでは高貴な人々と勘違いされて豪華なもてなしを受け、ワクワクした気分に。だが、ムーミンのガールフレンドのフローレンは映画スターやプレイボーイに夢中になり、ムーミンパパは侯爵と知り合いになったことで自分のことを「ムーミン伯爵」と呼ぶ始末。そんな2人に腹をたてたムーミンとムーミンママはホテルを飛び出してしまい、一家はバラバラになってしまうのだが…。

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが生みだした不思なや生き物ムーミンと仲間たちのハートウォーミングな物語は、童話、漫画、絵本、アニメなどさまざまな形でメディア化されている。映画も過去に劇場版があったが、意外なことにフィンランドで製作される長編アニメーションは、これが初めてなのだそうだ。今回は住み慣れたムーミン谷を飛び出して、南フランスのリビエラを舞台に、ムーミン一家に訪れる家族の危機を描いている。ムーミンというシリーズは、自然たっぷりの北欧ならではの、素朴でのんびりしたテイストが特徴だが、今回の舞台はゴージャスで誘惑が多い高級リゾート地。もともと性格が多種多様で、決して完璧な善人ではない(人ではないけれど)ムーミンたちが、誘惑に負けたり、物欲や虚栄心に翻弄されるストーリーは、可愛らしい絵柄とは裏腹にかなり生々しい。トーベ・ヤンソン生誕100周年記念というだけあって、子どもだけでなく大人も楽しめて、時に考えさせられる内容なのだ。カラフルな色彩とシンプルな線で描かれたキャラクターは、手描きアニメの良さがたっぷりつまっている。お気に入りのキャラ、自由を愛するスナフキンの活躍が少ないのが個人的にはちょっと残念だった。
【60点】
(原題「MOOMINS ON THE RIVIERA」)
(フィンランド・仏/グザヴィエ・ピカルド監督/(声)高山みなみ、大塚明夫、谷育子、他)
(ハートウォーミング度:★★★★☆)
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劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス@ぴあ映画生活
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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