映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ドリーム」「亜人」「僕のワンダフルライフ」etc.

ニコラス・ケイジ

ドッグ・イート・ドッグ

ドッグ・イート・ドッグ (ハヤカワ文庫NV)
服役を終えて出所したトロイは、刑務所で知り合った仲間で、薬物中毒のマット・ドッグ、巨漢のディーゼルと再会する。先が見えない未来を変えるため、仲間思いのトロイは、地元ギャングのボスに相談し新たな仕事を請け負うことに。それはボスへの借金を返済しない男の息子を誘拐し身代金を要求するというもの。簡単な仕事に思われたが、予想外の展開へと発展し、3人は追われる身となってしまう…。

誘拐を請け負った前科者の男たちが追い詰められていく様を描くクライム・サスペンス「ドッグ・イート・ドッグ」。タイトルは“喰うか喰われるか”の意味で、原作は、自らも服役経験があり、獄中で書いた小説で作家になったエドワード・バンカーの犯罪小説だ。バンカーは11歳で少年院に入ってから20数年、ほとんどを刑務所の囚人として過ごしたというから、かなり異色の小説家である。暴力や犯罪、刑務所の描写は、経験を踏まえているだけあって、リアルだと評判で、本作でも情け容赦ないバイオレンス描写やムショ仲間特有の腐れ縁などが詳細に描かれている。主人公のトロイは仲間思いで恩義に厚く“比較的”まともな男だが、マッド・ドッグはコカイン中毒で誰もが手を焼くキレやすい性格。家庭持ちで取り立て屋のディーゼルは、普段は温和だがキレたら怖い巨漢の男だ。こんなアブナイ3人組の仕事が無事に済むわけがなく、人生の一発逆転を狙った大仕事は、偶然や必然、悪運に疑心暗鬼が重なって、堕ちるところまで堕ちていく。まぁ、ダメ男の負け犬たちがたどる運命は最初から予想がつくのだが、それにしてもウィレム・デフォーの狂犬ぶりはすさまじい。本作の通奏低音は、暗い色調の映像と運命にからめとられてがんじがらめになる男たちのハードボイルドな転落ぶりだ。手あたり次第に役を引き受けている感がある、近年のニコラス・ケイジの仕事ぶりを見ていると、彼が出演するならB級映画と安易に思われがち。あながちハズレではないが、むしろ本作はカルト映画の部類で、バイオレンス描写の合間にシレッと挿入される乾いた笑いに独特の味がある。クールなモノクロ映像で始まる冒頭、トロイが、先に出所していたマッド・ドッグからプレゼントされたスーツに対して礼を言う。「スーツをありがとう」。直後にカラー映像になり、それが「誰が着るのか、こんなモン?」状態の鮮やかな青緑色のスーツだと分かり、思わず吹き出して笑った。
【55点】
(原題「DOG EAT DOG」)
(アメリカ/ポール・シュレイダー監督/ニコラス・ケイジ、ウィレム・デフォー、クリストファー・マシュー・クック、他)
(ハードボイルド度:★★★★★)
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パシフィック・ウォー

パシフィック・ウォー ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/特製ブックレット付) [Blu-ray]
太平洋戦争末期の1945年。マクベイ艦長率いるアメリカ軍の巡洋艦インディアナポリス号は、極秘任務を下される。それは、戦争終結を目的とした原子爆弾をテニアン島に輸送する任務だった。日本軍の猛攻をかいくぐりながら、何とか目的地に到着し任務を終えたマクベイ艦長と兵士たちは、次の任務地へと向かって出航する。だが、橋本少佐率いる日本軍の潜水艦から発射された魚雷が艦を直撃し、インディアナポリス号は沈没。生存者たちは太平洋を漂流することになる…。

原子爆弾の材料輸送の極秘任務を遂行した海軍巡洋艦インディアナポリスの艦長と兵士たちの過酷な運命を、史実をベースに描く「パシフィック・ウォー」。太平洋戦争の知られざる事実を描く戦争アクション…といった宣伝文句だが、本作は、アクション映画というより、むしろサバイバル映画。インディアナポリス号は、日本の魚雷によって沈没し多くの兵士が命を落とすが、かろうじて生き残った者たちには、飢えと渇き、そして獰猛な鮫たちが襲い掛かるのだ。もはや鮫映画と言えるほど、その状況はすさまじい。極限状態での人間ドラマ、とりわけ、一人でも多くの部下の命を救おうと奮闘するマクベイ艦長の苦悩のドラマは見応えがある。だがしかし。非常に残念なのは、あまりにもCGがお粗末なのだ。ハリウッド発の映画で久しぶりにこんな粗雑なCGを見たが、低予算映画の悲しさなのだろう。マクベイ艦長を演じるニコラス・ケイジをはじめ、役者陣(日本からは竹内豊が参加)は意外なほど好演している。軍艦インディアナポリスの役割と悲劇は知っているが、その後の軍法会議のいきさつは日本ではあまり知られていないはず。むしろ、裁判劇にすれば面白い作品になったかもしれない。ちなみに鮫映画の金字塔「ジョーズ」では、インディアナポリス号の生き残りという設定のキャラクターがいたことを、付け加えておく。インディアナポリス号の受難は、鮫の恐ろしさを広く知らしめた事件だったのだ。
【50点】
(原題「USS INDIANAPOLIS: MEN OF COURAGE」)
(アメリカ/マリオ・ヴァン・ピーブルズ監督/ニコラス・ケイジ、トム・サイズモア、竹内豊、他)
(サバイバル度:★★★★☆)
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ダーティー・コップ

ダーティー・コップ [Blu-ray]
ラスベガス。中年のストーンと若手のウォーターズの、うだつのあがらない2人の警官は、押収物の横流しで小金を稼いでいた。ある時、ストーンはドラッグの売人が多額の保釈金で即時釈放されていることに気付く。不審に思って出所を探ると、マフィアの隠し金庫の存在にたどり着く。ストーンはしぶるウォーターズを説き伏せ、大金強奪の計画を立てる。ドイツから工具を取り寄せ厳重な金庫を大胆な方法で破る奇策は、誰も殺さず、誰にも知られない金庫破りの計画のはずだった。しかし計画にのめりこむストーンは次第に狂気じみていく…。

汚職警官の大金強奪計画の顛末をえがく犯罪ドラマ「ダーティー・コップ」。ケチな小金稼ぎにせいを出す冴えない警官たちの金庫破りの計画は、最初から中年警官ストーンが主導権を握り、若手のウォーターズは、いつしか巻き込まれて手を引けなくなるという構図である。オスカーを取って以来、どうも作品選びに疑問符がつくニコラス・ケイジだが、本作でも薄気味悪いまでの怪演で、イッてしまっている汚職警官を熱演。そんなケイジと、最初から計画に乗り気でない相棒役イライジャ・ウッドの、不安とあきらめが混じり合う表情の対比がいい。友人で相棒、上司と部下でもある関係のこの二人、いつどこでどんな風に壊れてしまうのかと、金庫破りよりよほどそちらの方がハラハラしてしまった。警察腐敗は何度も映画になっている手垢のついたネタなのだが、二人の運命と金庫の中身、その後の展開には、唐突で意外な結末が待っていて、悪事の成れの果ての皮肉が効いている。名前さえ与えられない女性キャラが実は事件の鍵を握るのだが、演じているのは人気歌手のスカイ・フェレイラ。監督のベンジャミンとアレックスのブリューワー兄弟は、MTVなどで実績を積み、本作が長編映画デビューだそう。物語は典型的なB級犯罪ものながら、どこかPVのようなスタイリッシュな映像が記憶に残った。
【55点】
(原題「THE TRUST」)
(アメリカ/ベンジャミン・ブリューワー、アレックス・ブリューワー監督/ニコラス・ケイジ、イライジャ・ウッド、スカイ・フェレイラ、他)
(狂気度:★★★☆☆)
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レフト・ビハインド

レフト・ビハインド ブルーレイ&DVD セット(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
何の前触れもなく、世界中で数百万の人々が衣服と荷物を残して忽然と姿を消す異常事態が発生。ライフラインは乱れ、不安に陥る人々がパニックを起こし大混乱が生じる。そのころ、パイロットのレイが操縦するジャンボジェット機内でも同様の事態が発生していた。管制塔とも連絡がつかない中、レイは地上に残した娘との再会を信じ、何とか乗客を助けようと奮闘するが…。
高度3万フィートの密室で人々が消える。ジャンボジェット機は不時着の危機。こんな恐ろしげなポスタービジュアルの「レフト・ビハインド」は、ホラー映画か、はたまたパニック映画かと思う人が多いはず。しかし、蓋をあけてみると、コテコテの宗教映画だったから、思わず椅子から転げ落ちそうになった。描かれるのはヨハネの黙示録の預言で、一言でいうと携挙(けいきょ、ラプチャー)なのだが、この強引としかいえないムチャブリなラストにしばし唖然。ネタバレは避けるが、オスカー受賞以降のニコラス・ケイジの迷走(意図的とも思えるが…)を考えれば、本作のずっこけぶりは予想できよう。驚くのはこの作品、続編の制作が決定していることだ(しかも2本!)。宗教映画、とりわけ終末モノは定番のジャンルなので、需要は常にあるということだ。たとえどんな珍作でも。
【40点】
(原題「LEFT BEHIND」)
(アメリカ/ヴィク・アームストロング監督/ニコラス・ケイジ、チャド・マイケル・マーレイ、キャシー・トムソン、他)
(宗教映画度:★★★★☆)
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トカレフ

トカレフ ブルーレイ&DVD セット (初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
娘を殺された父親が復讐の鬼と化す「トカレフ」。B級映画に見えるが、意外なほど良くできている。

元ギャングのポールは、今は犯罪組織から足を洗い、妻と娘と平穏に生きている。だがソビエト製の拳銃トカレフ(TT-33)によって娘が何者かに殺害される事件が発生し、そこにロシアン・マフィアの存在が浮かび上がる。娘を失い、とてつもない哀しみが激しい怒りに変わったポールは、昔の仲間の助けを借りて壮絶な復讐劇を開始するが、そこには過去にポールたちが関わった犯罪の痕跡、さらには思いがけない真実が隠されていた…。

オスカー俳優なのに節操のない作品選びで玉石混合の出演パターンを繰り返すニコラス・ケイジ。彼独自の美学なのだろうか、明らかに“石”の割合が多いのには微苦笑を誘われるが、本作はなかなかの拾い物だ。魂が抜けたかのように椅子に座る主人公の瞳のアップから始まる異様なオープニングに、この人物が逃れられない運命にからめとられたことがすぐにわかる。娘を殺された父は娘の命を奪った銃弾が、ソビエト製の拳銃トカレフ(TT-33)だったことを知って、若き日に仲間と共に犯した罪を思い出すことに。封印したはずのその事件は、疑心暗鬼を生み、壮絶な暴力へとなだれ込むという展開である。いわゆる因果応報のストーリーかと思いきや、終盤に明かされる事件の真相は、主人公のみならず見る者を愕然させるものだ。これもまた、過去から導き出された断罪なのかもしれない。監督はスペイン人のパコ・カベサス。たたみかけるような暴力描写は見る人を選ぶだろうが、練られた脚本やクールな映像は、なかなか魅力的。子煩悩な役がよく似合うケイジだが、ここでは娘を愛するがゆえに狂気に陥る父親役を熱演している。
【65点】
(原題「TOKAREV」)
(アメリカ/パコ・カベサス監督/ニコラス・ケイジ、ダニー・グローヴァー、ピーター・ストーメア、他)
(バイオレンス度:★★★★☆)
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フローズン・グラウンド

フローズン・グラウンド [Blu-ray]
フローズン・グラウンド [Blu-ray] [Blu-ray]
連続殺人犯ロバート・ハンセンをモデルにした犯罪サスペンス「フローズン・グラウンド」。証人の勇気が犯人逮捕につながったというのが最大のメッセージだ。

アメリカ・アラスカ州アンカレッジ。17歳の娼婦シンディはモーテルの一室で拘束された姿で警官に保護される。自分をこんな目に合わせたボブ・ハンセンは殺人鬼なのだと訴えるが、模範的な市民のハンセンにはアリバイがあり、事件は娼婦と客のトラブルとして処理された。だがシンディを保護した警察官は納得できず、上司に黙って事件の調書を州警察に送付する。退職間近のアラスカ州警察巡査部長ジャック・ハルコムは、調書を見てハンセンこそ最近起こった一連の連続殺人事件の犯人と確信。ハンセンを追い詰めるが決定的な証拠がなかった。あとは唯一の生き証人であるシンディに証言を求めるしかない。だが、犯人の魔の手がシンディに迫っていた…。

1980年代に全米を震撼させた“アンカレッジ娼婦連続殺人事件”を描く実録サスペンスだ。犯人のロバート・ハンセンは、約10年間に24人以上の女性に性的暴行を働き、荒野に放って人間狩のような残虐な手段で殺害を繰り返した猟奇殺人犯。逮捕された彼は、司法取引に応じ、24件の殺人のうち17件を認め、うち4件でのみ裁かれたそうだが、それでも懲役461年を求刑され、現在もアラスカ州の矯正施設で服役中とのこと。関係者や遺族もまだ存命のこの事件を映画化した本作は、ともすれば残虐な犯罪の再現を中心にした猟奇サスペンスに傾きそうだが、映画はむしろ、わずかな糸口から手がかりをつかみ、事件を追う巡査部長の執念と、唯一の生き証人で、それまで他人から虐げられて生きてきた娼婦の女性が示した勇気によって、おぞましい事件を解決に導いた事実を中心に据えている。吹雪で視界がさえぎられる薄暗い極北の地アラスカの閉塞感が、犯人の闇、あるいは警察と目撃者の苦悩に重なって見えるため、アラスカという土地そのものが、本当の主人公のようなストーリーに思えた。近頃すっかりサスペンスの顔になりつつあるジョン・キューザックが、一見模範的な市民だがその裏側に残忍な狂気を隠し持つ犯罪者を怪演。押さえた演技がかえって不気味さを醸し出していた。それにしても実力派キャスト共演にしてはあまりに地味な作風が惜しい。それでもスコット・ウォーカー監督が、劇中に登場する写真は当時の被害者の写真を使用するなど、リアリティに徹しているのは評価したい。
【55点】
(原題「THE FROZEN GROUND」)
(アメリカ/スコット・ウォーカー監督/ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、ヴァネッサ・ハジェンズ、他)
(地味度:★★★★★)
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ゴーストライダー2

ゴーストライダー2 [Blu-ray]
マーベルコミックの異色ダークヒーローの活躍を描くシリーズ第2弾「ゴーストライダー2」。ニコラス・ケイジの入魂ぶりがハンパじゃない。

ジョニー・ブレイズは、かつて、父親の命と引き換えに、悪魔と契約を結んだ男。体内に巣食う悪魔“ゴーストライダー”の存在に苦しみ続ける彼だったが、ジョニーの意思とは関係なく、憎しみや怒りの感情に反応して悪魔は現れる。そんな折、僧侶モローから依頼が。それは悪魔メフィストが“宿主”として狙っている少年ダニーを助けてほしいというもので、メフィストはダニーの身体を利用して転生し、人間界の支配を目論んでいるのだった…。

“燃焼系ヒーロー”、“燃えてるアイツ”、“アナタの心に火を付ける”。ちなみに、比喩ではない。主人公ジョニーことゴーストライダーは、炎に包まれ、物理的に燃え盛っているのだ。ドクロの顔もヘルバイクもチェーンもすべて火だるま状態なのだから、物語がやたらとハイテンションなのも無理はない。マーベル生まれのこの異色ヒーローは、悪魔と契約を結んで得た特殊能力を駆使して、その悪魔と戦うのだがら、普通のヒーローとは一線を画す複雑なキャクター。本作では、ジョニーとゴーストライダーは別人格で、善悪は常にせめぎあっている。だが、世界制覇をもくろむ悪魔メフィストを倒すには、内なる悪魔を武器とするしかなく、ジョニーがライダーを飼いならすことができるかが最大の見せ場となる。ヴィジュアル面でも見所たっぷりで、自他共に認めるアメコミマニアのニコラス・ケイジは、CGで顔が見えなくなるというのに、自ら危険で過激なスタントをこなす熱血ぶりだ。紅蓮の炎に包まれるゴーストライダーの活躍が、炎が最も映える夜ではなく、青空もすがすがしい真っ昼間だということも個性的。細部まで詳細に見える昼間を舞台にするあたり、「アドレナリン」シリーズのネヴァルダインとテイラーの監督コンビは、CGを駆使したアクションシーンによほど自信があるのだろう。加えて、ルーマニアやトルコの史跡でロケされた風景は、荒々しくも美しい。内部に巣食う闇“ゴーストライダー”の存在と意外な形で折り合いをつけたラストを見る限り、さらなる続編もアリと見た。B級臭がプンプンするが、孤高のダークヒーローの活躍に思わず釘付けである。
【60点】
(原題「GHOST RIDER:SPIRIT OF VENGEANCE」)
(アメリカ/マーク・ネヴァルダイン、ブライアン・テイラー監督/ニコラス・ケイジ、キアラン・ハインズ、ビオランテ・プラシド、他)
(激アツ度:★★★★☆)
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ゲットバック

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ヒット作「コン・エアー」のコンビが再びタッグを組んだクライム・サスペンス「ゲット・バック」。ニコラス・ケイジは困った顔が本当に良く似合う。

超一流の銀行強盗のウィルは、長年チームを組んだ仲間と銀行を襲い、鮮やかな手口で金を奪う。だが仲間の一人のヴィンセントが人を殺そうとしたことからと口論になり、結局ウィルは逮捕される。8年後、出所したウィルは、成長した娘のアリソンに会いに行くが、自分を置き去りにした父を恨むアリソンはその場を去ってしまう。直後、アリソンを誘拐したとの脅迫電話が。事件によって片足を失いタクシー運転手に落ちぶれたヴィンセントがウィルを逆恨みし、逃走中にウィルが隠したと信じる、銀行から奪った金の分け前を要求してきたのだ。要求額は1000万ドル、猶予は12時間。窮地に立たされたウィルは、愛する娘を取り戻すため、ある無謀な計画を立てる…。

大ヒットアクション「コン・エアー」のサイモン・ウェスト監督と主演ニコラス・ケイジが久々にタッグを組んだサスペンスだ。飛行機のハイジャックほど大掛かりではないが、今回は、名物の祭“マルディグラ”でごった返す混沌とした南部の街ニューオリンズを舞台にしたことで、独特の空気感がある。逮捕後、仲間を売らずに服役した男気のあるウィルは、実は、少しでも罪を軽くするために、奪った大金を燃やしていた。つまり彼には払うべき金がないのだ。そこで、身代金を払うために、再び銀行強盗を実行せざるを得なくなる。犯した罪を悔いてカタギになろうとした男が、昔のしがらみから再び悪の道へ。手垢のついたストーリーだが、ここでは彼が自分の名誉や仲間や女のためでなく、愛する娘のために死に物狂いに戦うというところがミソだ。観客は、大きくなった娘にどう接していいかわからず不器用にぬいぐるみを手渡す主人公を見て、犯罪者だが彼は悪い人じゃないと感情移入してしまう。その思いは、長年ウィルを追跡してきた刑事のハーランドも同じだ。ウィルを追いながらも、彼のプロフェッショナルな仕事ぶりを認めて、一目置いている。理不尽な要求で意に沿わない犯罪に手を染めても娘を取り戻すためなら命さえ惜しまないウィルを助ける人間は、他にもちゃんといるのだ。この映画はそういう意味で、サスペンスやアクションというより、人情ドラマのようでもある。マルディグラで賑わうニューオリンズの街の中、仲間の裏切りや警察からの追跡、誘拐犯との対決と、クライマックスへと加速し、遂に犯人と対峙することに。すべてが終わったラストシーンは、コミカルな演出も。それはまるでルパン三世と銭形警部の関係に似て、ちょっと微笑ましいのだ。
【60点】
(原題「STOLEN」)
(アメリカ/サイモン・ウェスト監督/ニコラス・ケイジ、ジョシュ・ルーカス、マリン・アッカーマン、他)
(サスペンス度:★★★☆☆)
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ブレイクアウト

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ニコラス・ケイジとニコール・キッドマンの2大スターが初共演した「ブレイクアウト」。シチュエーション・サスペンスなのに、緊張感に欠けてどうする。

カイルは、美しい妻サラと、反抗期だが愛らしい娘のエイヴリーと3人で豪邸に住むダイヤモンド・ディーラー。鉄壁のセキュリティを誇るはずのこの邸に、突然、覆面武装した4人組の強盗団が侵入する。強盗は、金庫を開けて中にあるダイヤを出せと迫るが、カイルにはその宝石をどうしても渡せない理由があった。一方、妻サラにもカイルに打ち明けられない秘密があって…。

原題「Trespass」は不法侵入の意味。まったく違う邦題になってしまったが、「ブレイクアウト」って確かチャールズ・ブロンソンの同名映画があったっけ。そして「アウトブレイク」という間違えやすいタイトルの映画も。混乱必至のこの題名からして何かB級臭が漂うが、フタを明けてみると、思ったとおりのユルいサスペンスだった。物語は、密室状態で、犯人と人質が心理戦を繰り広げるというシチュエーション・サスペンス。監督のジョエル・シューマッカーは、かつて「フォーン・ブース」でこのジャンルで冴えをみせたが、今回はなんとも締りがない。それはひとえに妻サラのポジショニングの曖昧さが原因だ。もしや強盗団と仲間なのか?という疑問を夫が持つのだが、その真相はあっけないもの。夫カイルの秘密にいたっては、最初からバレバレに読めてしまう。この物語、むしろ、犯人側の方のドラマを描く方がよほど面白かったのでは…と思うが、そちらの描写も、中途半端に終わっている。密室ものとしても、途中であっさり外に出てしまうなど、粗が目立つ作りだ。2大オスカー俳優の夢の初共演も、これでは残念な結果というしかない。サスペンスとしては弱すぎるこの作品を楽しむためには、問題を抱えた家族が、非常事態によって、もう一度絆を取り戻す家族ドラマとしてみるべきだろう。
【45点】
(原題「Trespass」)
(アメリカ/ジョエル・シューマッカー監督/ニコラス・ケイジ、ニコール・キッドマン、リアナ・リベラト、他)
(密室度:★★☆☆☆)
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ハングリー・ラビット

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代理殺人から始まる秘密組織との戦いを描く「ハングリー・ラビット」。ニュー・オリンズの街がもうひとつの主役。

ウィルは平凡な高校教師。ある日、愛する妻ローラが犯罪者に暴行を受け重症を追う。犯人の目星もつかず、怒りに震えるウィルに、謎の男サイモンがささやいた。「代わりに復讐してやろう。いずれ頼み事をするかもしれないが」。動揺していたウィルが苦悩した末にその条件をのむと、犯人は死んだとの知らせが。半年後、ウィルはサイモンと彼が所属する組織から“代理殺人”を要求される。拒否したウィルは、無実の罪をきせられ、警察と組織の両方から追われることになり…。

代理殺人といえば、ヒッチコックの「見知らぬ乗客」が有名だが、本作は交換殺人ではなく、法では正当に裁けない犯罪者を“正義”の名のもとに成敗する秘密組織の依頼で、誰かを殺す手伝いをさせられるというもの。相手が誰かも分からず、いつ、何をさせられるかも分からないというところに個性がある。愛する家族を守るというモチベーションはニコラス・ケイジの十八番だ。妖しげで狂信的な謎の男をクールに演じるガイ・ピアースもなかなかハマっている。だが、この話、脚本がどうにも甘い。ケイジは演技もアクションもこなせる器用な役者だが、本作はサスペンスとしてもアクションとしても中途半端。組織が、素人相手に“自殺に見せかけた殺人”を依頼するなどそもそもムチャな話だし、平凡で何の特技もない高校教師が、突如、警察も顔負けのやり手に豹変する姿にも驚く。ただ、舞台となっているニュー・オリンズの街の雰囲気がいい味を出している。ハリケーン・カトリーナの爪あとがいまだ残るその街は、呪術や異国情緒など、文化的にも混沌として、そこに住む人々は、陽気で善良な反面、排他的で、犯罪多発の街の顔も持つ。本作は、犯罪が犯罪を生み、暴力の連鎖が止まらないアメリカ社会の闇を描こうとしたのだろう。誰が味方で誰が敵かも分からない状況の中、タイトルにもなっている「空腹のウサギは跳ぶ」のセリフは、最後の最後まで意味深に登場し、含みと余韻を残している。
【50点】
(原題「SEEKING JUSTICE」)
(アメリカ/ロジャー・ドナルドソン監督/ニコラス・ケイジ、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、他)
(中途半端度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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