映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
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(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
アメリカ映画「シェイプ・オブ・ウォーター」

パオロ・ヴィルズィ

ロング,ロングバケーション

Das Leuchten der Erinnerung
元文学教師でアルツハイマーの夫ジョンと末期がんの妻エラは半世紀を一緒に過ごしたおしどり夫婦。ある日二人は、心配性の子どもたちに黙って、ボストンの自宅からキャンピングカーに乗って南へ向かって旅に出る。70歳を超えた今、人生最後の旅の目的地は、ジョンが大好きな作家ヘミングウェイの家があるフロリダのキーウェストだ。旅の途中では、記憶があいまいなジョンがエラを置き去りにしたり、ナイフを持った若者に脅されたり、ウィスキー片手にスライド写真を見て家族の楽しい思い出をふり返ったり…とさまざまな出来事が。ハプニングとトラブルの連続の末についにキーウェストに到着した二人だったが…。

長年連れ添った老夫婦の人生最後の旅を描くロードムービー「ロング,ロングバケーション」。原作はアメリカ人作家マイケル・ザドゥリアンの小説「旅の終わりに」だ。本作は、イタリアの名匠パオロ・ヴィルズィ監督が初めてアメリカを舞台に作った英語作品となる。笑いあり、涙ありの旅は単なる観光旅行ではない。共に歩んだ人生を振り返り、最後の瞬間から目を背けずにゴールを目指す旅路である。高齢化社会、介護などのシリアスな問題も描かれるが、ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドの二人の名優にかかると、ユーモアと美しさをにじませて、思わず二人の演技に見入ってしまう。特に、ジョンの記憶の衰えにいらだち、そんな自分のいらだちを後悔するなど、繊細な心理描写を見せるエラ役のヘレン・ミレンの演技はパーフェクトと言うしかない。

認知症のジョンはエラが今も初恋の相手と会っていると思い込み、エラは数十年前のジョンの浮気を知って怒り心頭!だったり。なんだかんだ言っても夫婦には確かな愛の歴史があり、強く結ばれているのだ。ついにたどり着いた約束の地での“選択”は、賛否両論だろうが、決して悲しくも愚かでもないと思えれば、その時観客はこの映画の幸福な“共犯者”になるだろう。イタリア映画界を代表する名カメラマン、ルカ・ビガッツィによる映像が、ロードムービー特有の心地よい光と風を運んでくれた。
【65点】
(原題「THE LEISURE SEEKER」)
(イタリア/パオロ・ヴィルズィ監督/ヘレン・ミレン、ドナルド・サザーランド、ジャネル・モロニー、他)
(終活度:★★★★★)


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歓びのトスカーナ

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イタリア、トスカーナ地方。緑豊かな美しい丘にある精神診療施設ヴィラ・ビオンディには、心に問題を抱えた人々がそれぞれの方法で社会復帰を目指して暮らしている。ベアトリーチェはこの施設の女王様的な存在で、大きな声で人々に指示を与えながら施設内を闊歩していた。ある日、やせ細った身体にたくさんのタゥーを刻んだ若く美しい女性ドナテッラが入所してくる。ルームメートになったベアトリーチェとドナテッラは、ひょんなことから施設を抜け出して旅に出ることに。何もかも正反対の二人だっが、旅の途中で互いの過去や心の傷を知り、絆を深めていく…。

トスカーナの精神診療施設から脱走した2人の女性の破天荒な逃避行を描くヒューマン・ドラマ「歓びのトスカーナ」。舞台は精神診療施設だが、日本でいう精神病院とはずいぶん異なる。自由な空間の中で、農業や手仕事を通して心の病に向き合いながら患者の自立を促すというものだ。最近では、同じくイタリア映画「人生、ここにあり」で、精神病院廃絶を決定したバザリア法成立後の患者の自立を描き、イタリアでの精神医療を生き生きと活写していたのが記憶に新しい。

本作のヒロイン二人は、外見も内面も何から何まで正反対だ。ベアトリーチェは裕福だが虚言癖があり、常にハイテンションで周囲を引っ掻き回す存在。一方、貧しい環境で生きてきたドナテッラは、過去のあるトラウマから自分の殻に閉じこもるローテンションの女性だ。定期的に安定剤等の薬の投与が必要だというのに、行き当たりばったりの逃避行に飛び出した二人の旅は、あぶなっかしいのに、なぜかキラキラしていて、幸せを求める冒険に思えてくる。とはいえ、二人は常に施設の職員から追われる身。けっこうハラハラさせられてしまうのだ。秀作「人間の値打ち」のパオロ・ヴィルズィ監督は、正反対の女性二人の友情物語から、自由に生きる素晴らしさ、過去の悲しみも含めて人生を肯定する勇気を歌い上げる。「テルマ&ルイーズ」を連想する車での逃避行、美しいトスカーナの風景と、ビジュアル的にも見応えがある佳作だ。
【65点】
(原題「LA PAZZA GIOIA/LIKE CRAZY」)
(伊・仏/パオロ・ヴィルズィ監督/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ミカエラ・ラマツォッティ、トンマーゾ・ラーニョ、他)
(友情物語度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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