ビトレイヤー ブルーレイ&DVD (初回限定生産) [Blu-ray]
捜査官と大物犯罪者の奇妙な共闘を描くクライム・サスペンス「ビトレイヤー」。クールな映像、渋い役者と、なかなか見所がある。

イギリス・ロンドン。捜査官マックスは大物犯罪者スターンウッド一味を単独で追い、重傷を負った上、取り逃がす。心と身体に深い傷を負ったマックスだが、3年後、スターンウッドが、息子が事件に巻き込まれたため、潜伏先からロンドンに戻るとの情報を得て、再び執念で彼を追うことに。衝突しながら距離を縮める二人は、やがて政治絡みの巨大な陰謀に巻き込まれたことを知り、生き残るために図らずも協力しあうことになる…。

ブルーグレーの映像で切り取られたロンドンの風景は、歴史的景観や観光名所などはいっさい映さない。冒頭のスタイリッシュな犯罪と一味を追う捜査官のシークエンスで一気に引き込まれる。ちなみに、イギリスは銃規制が厳しく、刑事でさえも通常は銃の携帯は許されていないことを、この映画で初めて知った。主人公の捜査官マックスは、撃たれた膝の激痛でボロボロ状態。だが、挫折感と屈辱感で心の痛手の方が根深い。傷だらけの捜査官が犯罪者を追ううちに政治的陰謀に巻き込まれるというのが軸となるストーリーだが、実は影の主役はマーク・ストロング演じるベテラン犯罪者スターンウッドの方なのだ。息子を罠にかけた犯人とその黒幕を追う彼は、どんな時も冷静で入念に準備しスキがない。それどころか、自分を追うマックスを助け、溺愛する息子を亡くして涙するなど、その男気に思わず感情移入してしまうほど。執念でスターンウッドを追うマックスが動なら、どこか達観した犯罪者スターンウッドは静。この対比が鮮やかで効いている。ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロングをはじめ、脇を固める俳優も英国出身の渋い役者が揃った。クライマックスの激しいアクションシーンは手に汗を握るが、裏切り者(ビトレイヤー)が事の顛末を台詞で説明しすぎるのがやや難点。とはいえ、どこの国でも起こる腐敗した政治の思惑はおかげですんなり理解できる。上映時間はキリッと99分。地味ながら刑事サスペンスとしてはなかなかの拾い物だ。
【65点】
(原題「WELCOME TO THE PUNCH」)
(米・英/エラン・クリーヴィー監督/ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロング、アンドレア・ライズブロー、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ビトレイヤー@ぴあ映画生活