映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「あさひなぐ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「プラネタリウム」「ユリゴコロ」etc.

ファン・ビンビン

スキップ・トレース

SKIPTRACE
香港のベテラン刑事ベニー・チャンは、相棒を殺した犯罪王ヴィクター・ウォンを9年間追い続けていた。ベニーは亡き相棒から娘サマンサを託され、大切に育ててきたが、彼女がヴィクターの犯罪に巻き込まれてしまう。過激な捜査で停職中の身のベニーだったが、サマンサを救うために、ヴィクターの犯罪現場を目撃していた詐欺師のコナー・ワッツを追ってロシアに向かうことに。ロシアン・マフィアに拘束されていたコナーを無事救出し、連れ戻そうとしたベニーだったが、なぜか二人とも追われる身になってしまう…。

香港の刑事とアメリカ人の詐欺師が逃亡劇を繰り広げるアクション・コメディー「スキップ・トレース」。ジャッキー・チェンが生真面目な刑事に扮し、悪徳犯罪王をとらえるため奮闘するアクション映画だが、物語はロード・ムービーの形をとっている。香港、マカオから始まる物語は、ロシアから、広大なモンゴルの草原を抜け、中国へ。遊牧民族や少数民族と触れ合い、彼らの文化や祭り、暮らしぶりを見ながら、美しい自然も堪能できる。ロシアン・マフィアとは何度も激しいバトルを繰り広げるが、どこかコミカルな掛け合いで、笑わせてくれるのも楽しい。ジャッキーのアクションと言えば、その時に身近にあるものや日常生活の小道具を使った創意工夫ある動きが特徴。本作ではそれもたっぷり見せてくれるが、ロシアの人形・マトリョーショカを使ったシークエンスは見事だった。ジャッキーは確かに歳を重ねたが、長年鍛えた身体は今もしっかり動くし、何より観客を楽しませる術(すべ)を良く知っている。

監督はフィンランド出身でハリウッドで大作映画を手掛けてきたレニー・ハーリン。なんとしばらく中国を拠点に映画を撮るそうで、アジアへ出稼ぎか?!と心の中でツッコんだ。それはさておき、ジャッキーの良さを十分に活かし、誰もが楽しめる娯楽活劇に仕上げた腕前はさすがだ。もの静かなジャッキーとお調子者のジョニー・ノックスヴィルのバディ・ムービーとしても相性がいいし、ファン・ビンビンは相変わらずの美女で目の保養である。そして犯罪王を追い詰めたクライマックスには、どんでん返しまで用意されているのだ。安心してみていられるのがジャッキー映画の良さで、ファンもそれを求めている。ジャッキー・チェンには、やっぱりこういうコミカルなアクション映画がよく似合う。
【60点】
(原題「SKIPTRACE」)
(米・中・香港/レニー・ハーリン監督/ジャッキー・チェン、ジョニー・ノックスヴィル、ファン・ビンビン、他)
(安心感度:★★★★★)
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マイウェイ 12,000キロの真実

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圧倒的な戦闘シーンからすさまじい生命力を浮き彫りにする「マイウェイ 12,000キロの真実」。韓国映画らしい過剰な描写と力技に圧倒される。

1928年、日本統治下の朝鮮・京城(現ソウル)。憲兵隊司令官の祖父を持つ日本人の辰雄と、朝鮮人の使用人の息子ジュンシクは、共に走ることが好きな少年だ。成長し、オリンピックを目指すライバルとなるが、ある事件をきっかけに2人は憎しみ合うようになる。やがてノモンハンの戦場で、日本軍に強制徴用されていたジュンシクは、守備隊長の辰雄と再会する…。

第二次世界大戦期、日本とソ連とドイツの軍服を着て、生き抜いた男たちがいた。荒唐無稽に思えるこの設定、実話が基だというから驚く。驚くのはそれだけではない。この映画の戦闘シーンの迫力は、ハリウッドの「プライベート・ライアン」に匹敵するほどダイナミックなのだ。日本人と韓国人二人の愛憎半ばの友情という感動のツボを、あえて薄味にしてまで、こだわり抜いたド迫力の戦闘場面はすさまじいの一言である。大量の人と物を動員し、さらにアジアからヨーロッパへ大陸を横断して撮影を敢行、圧倒的なスケールで演出したカン・ジェギュ監督は、今までのアジア映画にはない迫力を生みだしている。オダギリジョーとチャン・ドンゴンのダブル主演だが、走ることだけを信じ決してブレないジュンシクに対し、オダギリ演じる辰雄は悪役で分が悪い。だが、戦争の不条理と生死の極限状態で、信じていた国から裏切られた辰雄の心が変化する様は、逆に人間らしくも思える。対照的なジュンシクと辰雄に共通するのは、どんな状況でも生きると決めたこと。満州、ソ連、ドイツ、フランス・ノルマンディーと、どれほどの危機に瀕してもしっかり生き残る展開には苦笑するのだが、歴史の大きなうねりに翻弄されながらも、生き抜く生命があるというメッセージは力強い。サミュエル・フラーが監督した傑作「最前線物語」の中の“戦場では生き残ることがモラルだ”という名セリフが思い出される。
【65点】
(原題「My Way」)
(韓国/カン・ジェギュ監督/オダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビン、他)
(スペクタクル度:★★★★☆)
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運命の子

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「史記」に記された有名な物語を映画化した歴史絵巻「運命の子」。愛、復讐、犠牲、葛藤が入り乱れる愛憎劇だ。

中国・春秋時代、晋の国。武官・屠岸賈(とがんこ)の策略により、趙氏は一族を皆殺しにされる。生まれたばかりの赤ん坊だけが、医師である程嬰(ていえい)に預けられ難を逃れるが、趙氏一族の根絶やしを図る屠岸賈は、赤子の命までも奪う。だがその子は、赤子を守るため差し出した、程嬰の実子だったことを屠岸賈は知らなかった。我が子と妻までも殺された程嬰は、趙氏の生き残りの子を育てることで屠岸賈への復讐を誓う…。

司馬遷の「史記」に記され、2,600年もの間、語り継がれてきた物語「趙氏孤児」は、中国では誰もが知る有名な復讐譚。雑劇、新劇、京劇など、さまざまな形式で繰り返し演じられている、今なお人気の作品だ。我が子のため命を犠牲にする母、母子の命を見逃す家臣、子と妻を殺されて復讐を誓う医師の苦悩と葛藤など、複雑な人間の心理が描かれる。程嬰は、武官・屠岸賈への復讐のために、あえて彼の門客となるが、屠岸賈は、程嬰の子・程勃(ていぼつ)が趙氏最後の生き残りだとも知らず、溺愛する。同じく、何も知らない程勃は、程嬰を父さん、屠岸賈を父上と呼んで、両方を慕う。なぜこんなややこしい復讐の手順を踏むのか。程嬰の狙いは、程勃がすべてを知り復讐を決行するとき、程勃を溺愛する屠岸賈へのダメージを大きくすることにある。そのために息子が成長するまで15年という長い時間をかけるのだから、やっぱり中国という国は何をするにしても考え方のスパンが長い。実の親、育ての親、父とも慕う身近な人物と、まさに“運命”の子といえる宿命を背負わされる遺児こそ、気の毒なのだが、この遺児の心の内をほとんど描かないのが物足りない点だ。ただ、この作品では、映画では珍しく“父性本能”に重点を置いて描いているのが面白い。悪人の屠岸賈の中にも父性愛があるとするのが、チェン・カイコー監督の新解釈だ。この映画のメッセージは、古い世代が滅び、新しい世代へと代わるとき、引き継ぐのは悪意であってはならないということなのだろう。
【65点】
(原題「趙氏孤児/SACRIFICE」)
(中国/チェン・カイコー監督/グォ・ヨウ、ワン・シュエチー、ファン・ビンビン、他)
(宿命度:★★★★★)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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