ツーリスト [DVD]ツーリスト [DVD]
良くも悪くも古典的なラブ・サスペンス。このメンツで、これでいいのか?!との不満がくすぶる困った作品だ。

傷心を癒やすためにヨーロッパを旅行しているアメリカ人フランクは、ヴェネチアへ向かう列車内で謎めいた美女エリーズに声をかけられる。だが彼は、国際的な金融犯罪者と間違えられ、マフィアから命を狙われるハメに。妖艶なエリーズと行動を共にしながら、危険なアバンチュールに酔いしれるフランクだったが…。

アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップというハリウッドを代表する美男美女の豪華共演というのが、本作最大にして唯一のウリ。黄金期のハリウッド映画のようにスターだけを強調した、とても21世紀とは思えない“トラッド”な作りだ。アンジーとジョニデの2人が出ているというのに、この平凡な出来ばえは、イエローカードを出したくなる。さらに監督は「善き人のためのソナタ」のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。あの感動作の作り手が手掛けた作品がこれでは、やはりイエローではなくレッドカードを出さねばならない。久しぶりに“普通の顔”のジョニデを拝めたのは嬉しいが、エキセントリックな役で持ち味を発揮する彼の演技力が生きる場はほとんどなく、いつもはキレのいいアクションでタフな美女を演じるアンジーも中途半端におとなしい。実は登場人物たちにはさまざまな秘密があって…というミステリアスなストーリーの結末を明かすわけにはいかないが、終わってみれば拍子抜け。ストーリーだけ見れば“まるでヒッチコック映画を見ているよう”だが、これが褒め言葉にならないところが本作のツラいところだ。主演の2人が、無駄にゴージャスな装いで華麗な舞踏会に出席しても、ロマンスとしてどうにも盛り上がらないのである。ポール・ベタニーやティモシー・ダルトンまで出ているというのに、あまりに残念。サスペンスとしてもラブロマンスとしても弱いようでは、パリやヴェネチアの風景を堪能するしかなさそうだ。舞台は、数々の名画の舞台になった、世界一ロマンティックな水の都で、そこに美男美女が収まっている図はまるで絵葉書のように美しい。抜群のロケーションの旅情サスペンスと割り切れば楽しめる。
【50点】
(原題「The Tourist」)
(アメリカ・フランス/フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督/アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、他)
(ロマンティック度:★★★★☆)

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