映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

ブノワ・マジメル

太陽のめざめ

太陽のめざめ [DVD]
16歳の少年マロニーは、窃盗と無免許運転でつかまり、育児放棄が疑われる母親と共に、裁判所に呼び出される。判事のフローランスや周囲に反抗的な態度をとるマロニーだったが、薬物依存で男癖の悪い母親をかばおうとしたことから、判事の温情で、少年院送りではなく、より自由に過ごせる更生施設に行くことになる。フローランスは、マロニーと似た境遇から更生したヤンをマロニーの教育係につける。判事や指導員、ヤンの根気強い指導で少しずつ変わっていくマロニーだったが、相変わらず問題ばかり起こす日々をくり返す。そんな時、指導員の娘テスに出会い不器用な恋に落ちる…。

家庭に問題があり心に傷を負った少年が周囲の励ましで変化していく姿を追ったヒューマンドラマ「太陽のめざめ」。主人公マロニーは、6歳の時、判事の目の前で母親から育児放棄された過去がある。成長して荒れた生活を送り、何度も問題を起こす非行少年だが、自分を捨てた母親をかばうなど、根っこの部分は悪人ではない。彼に必要なのは、落ち着いた環境と教育、とことん信じて愛してくれる人間の存在なのだとわかる。それでも彼は、何度チャンスを与えてもらってもそれをふいにし、周囲の期待を裏切ってしまうのだ。自分をコントロールできず、やり場のない怒りをぶつけるマロニー。そんな主人公を演じる新人のロッド・パラドが素晴らしい。鋭い刃物のような目つき、それでいて肩を丸めて涙を流すナイーブな面も。せっかく自分を愛してくれる恋人テスに出会っても、上手く愛情を伝えることができないマロニーが不憫になる。物語は、非行少年を根気よく見守る大人という、ある意味、都合のいい構図なのだが、時に優しく、時に厳しく接する判事を演じるのが大女優のカトリーヌ・ドヌーヴであることで、この映画のレベルが上がっている。大人への敵意や不信感もあるが、誰かの子どもであることの意味を知っているマロニーが、教育係のヤンやフローレンス判事にみせるふとした優しさに、それまで受けた感謝の思いが見えた。ラストには、決して楽ではない未来をしっかり生きてほしいとの希望が込められている。
【60点】
(原題「STANDING TALL/LA TETE HAUTE」)
(フランス/エマニュエル・ベルコ監督/カトリーヌ・ドヌーヴ、ロッド・パラド、ブノワ・マジメル、他)
(成長物語度:★★★★☆)
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いのちの戦場 −アルジェリア1959−

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1954〜62年のアルジェリア植民地独立戦争を、仏政府がようやく公式に戦争だと認めたのは1999年。歴史の闇であるその実態を描く作品を企画したのが若手実力派のブノワ・マジメルだ。アルジェリアに赴任してきた新任の中尉は、戦場での不条理に嫌悪感を示すが、彼自身も次第に理性を失くしていく。拷問や虐殺などが横行する戦争そのものが人間性を奪うという事実が痛々しい。余計な恋愛ドラマなど盛り込まず、ドライに仕上げた演出に並々ならぬ決意が見えるが“内なる敵”という原題の意味はあくまでフランス目線のもの。それでも仏からこの作品が生まれた意味は大きい。
【65点】
(原題「L’ENNEMI INTIME/INTIMATE ENEMIES」)
(フランス/フローラン=エミリオ・シリ監督/ブノワ・マジメル、アルベール・デュポンテル、モハメッド・フラッグ、他)
(自己批判度:★★★★☆)

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ピアニスト

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◆プチレビュー◆
有名な、トイレから引きずり出してのキスシーンがすごい。作品のインパクトは最高だ。

中年になった今も厳格な母親に支配され、名門音楽院のピアノ教授として生きるエリカ。恋やおしゃれとは無縁の彼女の前に、若く才能溢れる青年ワルターが現われ一途に求愛する。しかし、エリカには人には言えない秘密があった…。

題名の「ピアニスト」。この何やら美しく甘いタイトルが、誤解を生みそうで心配だ。中年女性と若い青年の年の差を越えたラブ・ストーリーとか、厳格な母親の支配のもとに育った女性が自立していく物語…と思うととんでもないメにあう。

40をとうに過ぎた中年女性のエリカ先生は人生の全てをピアノに捧げて生きてきた。恋や娘らしい服装までも禁じた母親の支配すら生活の一部となっている毎日だが、どうやら本来の夢であったコンサート・ピアニストにはなれず、名門とはいえ音楽院で未来のピアニストを育てる教授という意に沿わぬ職業についている。更に女の細腕ならぬ細い指でアパートの支払いを背負い、芸術とは程遠い経済面の苦労も覗かせる。ストレスの塊のような日々を送るエリカ先生は、ポルノショップや覗き趣味でバランスを保っているからアブナイ。

そこに登場するのがワルター青年。若く美形で音楽の才能にまで恵まれている彼が、なぜイジワル中年女教師のエリカ先生に恋したのかはこの際問題ではない。二人に妥協点はあるのか?エリカ先生の非常識ワールドにワルターが足を踏み入れるのか、それとも中年女エリカ一世一代の決心でフツーの世界の住民となるのか…。愛し方を知らないエリカ先生よ、歪んだ心を抱えてどこへ行く…。まったく展開が見えないストーリーに引きずられて、ラストまでいってしまう。シューベルトを始めとする格調高い調べと共に、激しくもエグい世界が展開。そして余りにも唐突にやってくるラストシーン。

外面的にはSで内面的にはMの中年女性という難役をこなしたイザベル・ユペール。彼女の演技力の高さには驚くが、この役を引き受ける、座った根性がすごい。

母親との確執で深く病んだ心は、他人と関係を結ぶ方法を知らない。彼女が理解できるのは支配と服従のみ。それを愛に当てはめようとする悲喜劇がこの映画のポイントだ。映画の描く結末に観客は頭を抱えること必至。途中で思わずヒイてしまいそうになるのを我慢して見続けたら、気が付いたらハマッていた。そんな作品だ。カンヌの審査員も驚きのあまり3冠を与えてしまったのでは…。

原作はドイツの女性作家エルフリーデ・イェリネクの小説。ほとんど自伝だそうだが、これがホントの話なんて怖すぎないか?他人とうまく関係を結ぶことができない女性の心の闇を浮き彫りにしたこの映画、嫌悪感や違和感を通り越し、観客を引きずり込む、恐ろしくも奥が深い作品だ。

□2001年 フランス・オーストリア合作映画 原題「La Pianiste」
□監督:ミヒャエル・ハネケ
□出演:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル、アニー・ジラルド、他

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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