映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「フィフティ・シェイズ・ダーカー」「ハクソー・リッジ」「結婚」「ありがとう、トニ・エルドマン」etc.

ブルース・ウィリス

REDリターンズ

REDリターンズ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
引退したスパイたちが大暴れする人気アクションの続編「REDリターンズ」。やっぱりヘレン・ミレンの熟女スパイが最高にかっこいい。

引退した元CIAの凄腕エージェントのフランクは、恋人サラと共に平穏な生活を楽しんでいた。そこにかつての仲間のマーヴィンがやってきて、現役時代に自分たちが関わった小型核兵器に絡む極秘プロジェクトに起因したトラブルが発生したと告げる。フランク、マーヴィン、サラの3人は真相を探るためヨーロッパへと飛ぶ。そこには米ソ冷戦時代に核爆弾を作った天才物理学者、英国のMI6、ロシアの諜報機関がからむ陰謀が進行していた…。

「老いてますます盛ん」とは、この映画の登場人物たちにこそ最も似合う言葉ではなかろうか。彼らは引退した(はず)の凄腕スパイだが、昔の習性か、はたまた本来持っている冒険への情熱なのか、平穏な生活では決して満足できない。REDのメンバーの結束は固いのだが、敵味方入り乱れる展開は、前作のスケールを大きく上回る。今回は、フランクの元恋人でロシアの凄腕スパイにキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、韓国人のセレブで世界一の殺し屋にイ・ビョンホン、認知症を患う天才物理学者にアンソニー・ホプキンスと、新キャラもこれまた豪華だ。もともとがDCコミック原作のコミカル・アクションなので、なんでもありのド派手な展開は本作でも健在。クレムリンにもやすやすと侵入してしまう。REDの活躍で鍵を握るのは実は女性キャラなのだが、中でもやはりヘレン・ミレンは最高だ。MI6の凄腕女スナイパー、ヴィクトリアは、自然に溶け込む迷彩服で敵を一撃で倒すかと思えば、パロディ色たっぷりの狂った女王役を演じて敵の目を欺く。その一方で、敵だった旧ソ連のスパイとは熱愛中なのだから何とも可愛い。圧巻は疾走する車から二丁拳銃をブッ放して周囲の敵を一網打尽のシークエンスだ。こんな役なのに、常に優雅なのだからほれぼれしてしまう。小型核兵器の謎は二転三転し、意外な展開へと進むのだが、そこは荒唐無稽なアクション。正真正銘のご都合主義のオチがつく。平凡な一般人であるはずのサラの冒険心にも火をつけた本作、さらなる続編も期待できそうだ。
【60点】
(原題「RED 2」)
(アメリカ/ディーン・パリソット監督/ブルース・ウィリス、ジョン・マルコヴィッチ、メアリー=ルイーズ・パーカー、他)
(豪華キャスト度:★★★★☆)
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REDリターンズ@ぴあ映画生活

G.I.ジョー バック2リベンジ

G.I.ジョー バック2リベンジ 完全制覇ロングバージョン 3D&2Dブルーレイセット〔2枚組〕(初回生産限定) [Blu-ray]
G.I.ジョー バック2リベンジ 完全制覇ロングバージョン 3D&2Dブルーレイセット〔2枚組〕(初回生産限定) [Blu-ray] [Blu-ray]
国際機密部隊“G.I.ジョー”の活躍を描く人気シリーズ第2弾「G.I.ジョー バック2リベンジ」。ド派手な見せ場の連続でどこがクライマックスか分からないほど。

アメリカ大統領が、国際機密部隊“G.I.ジョー”が国を裏切ったとして、まさかの抹殺命令を下す。予期せぬ奇襲攻撃にG.I.ジョーは壊滅状態。すべては復活を目論む国際テロ組織“コブラ”の陰謀だった。わずか数名となった戦士たちは、孤立無援、絶対絶命の中、初代G.I.ジョーであるジョー・コルトン司令官に助けを求める。新生G.I.ジョーは、復活した冷酷な暗殺者ストームシャドーを要するコブラとの戦いにのぞむのだが…。

人気アクションシリーズの続編は、スケールアップが絶対条件。とはいえ本作の破壊とムチャぶりは、キャッチコピーの通り「ハイパー半端ねぇ」状態そのものだ。前作のラストでコブラの一員が大統領になりすましホワイトハウスを乗っ取るというとんでもない事態を予告したが、今回はそれをスタート地点に、冒頭いきなりG.I.ジョーを壊滅させるのだからスゴイ。前作の主要キャストをあっさりとお陀仏にして、パワフルな新キャストに入れ替えるという強引さだ。ロック様ことドウェイン・ジョンソン、アクション映画の大御所ブルース・ウィリスと、近頃、超売れっ子の二人が参戦したG.I.ジョーに対し、コブラ側はイ・ビョンホン扮する悪役ストームシャドーが復活を果たす。この冷徹な刺客ストームシャドーの過去を語り、彼の運命に転機が訪れるのが本作の見所だ。映像はあきれるほど気合が入っていて、特にヒマラヤの絶壁でのバトルはすごい。忍者たちが綱一本で天空を飛び回り、空中戦を繰り広げる様は3Dで見る価値がある迫力だ。さらに戦いの場はロンドン、モスクワ、上海、東京と世界規模。フィギュア好きには、形状が変形する改造バイクや忍者たちの手裏剣、ハエ型爆弾に不気味なエア・ボートと、遊び心に満ちたたくさんのガジェットがたまらないだろう。文字通り、息をもつかせぬアクションで、見終わった途端にストーリーを忘れてしまいそうだが、頭をからっぽして楽しめば、そんじょそこらのテーマパークはかなわないくらいの興奮を味わえる。
【55点】
(原題「G.I. JOE: RETALIATION」)
(アメリカ/ジョン・M・チュウ監督/ブルース・ウィリス、チャニング・テイタム、ドウェイン・ジョンソン、他)
(破壊度:★★★★★)
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G.I.ジョー バック2リベンジ@ぴあ映画生活

ダイ・ハード/ラスト・デイ

ダイ・ハード/ラスト・デイ<最強無敵ロング・バージョン> 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定)    [Blu-ray]ダイ・ハード/ラスト・デイ<最強無敵ロング・バージョン> 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定) [Blu-ray] [Blu-ray]
大人気アクション大作「ダイ・ハード」シリーズ第5弾「ダイ・ハード/ラスト・デイ」。異国の地でやりたい放題の親子鷹にあいた口が塞がらない。

ニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンは、疎遠になっていた息子のジャックが、モスクワで警察沙汰に巻き込まれたため、身柄を引き取りに現地に降り立った。だが、出廷するはずの裁判所の前で爆発テロ事件に巻き込まれ、騒動の最中にジャックと再会する。裁判所で証言するはずだった大富豪コモロフを守ろうとするジャックの思いがけない行動に驚きながらも、マクレーンは、謎の組織から追われる身に。親子は互いの命を守りながら、巨大な陰謀に立ち向かうこととなる…。

毎回信じられない大災難が降りかかる“世界一運の悪い男”ジョン・マクレーンの活躍は、ついにシリーズ初の海外へと拡大した。相変わらずの運の悪さをボヤきながらも、今回はソリが合わない息子ジャックとの確執もあって、ボヤきにも磨きがかかる。物語は、息子ジャックが法廷で重要な証言をしようとするコモロフを守ろうとするが、それを阻止しようとする悪徳政治家が執拗に彼らを追い、父親であるジョン・マクレーンもその争いに巻き込まれるという構図だ。疎遠だった父子は武装集団とその黒幕に攻撃されて、図らずも共闘することに。裁判所の大爆発に始まって、重量級の装甲車のありえないカーチェイス、高層ビルからのダイブに、ついにはあのチェルノブイリまで登場するから、まさにやりたい放題である。“ラスト・デイ”という何やら不吉なサブタイトルが気になるところだが、マクレーン親子は、「普通、死ぬでしょう」なメに100回は遭いながらも、いつだって元気一杯なので安心してほしい。終盤にはちょっとしたドンデン返しもあるが、もはやそんなことはどうでもよくなる。これほどの大騒ぎの果てに、のん気なラストでシレッと終わる屈託のなさ。よその国で破壊の限りを尽くし、世界の正義を守ったと信じる自己満足。アメリカってこれだから困るよ…と、マクレーンよろしくボヤきたくなる。ともあれ、ブルース・ウィリスといえば、ダイ・ハード。祝祭にも似た人気アクションシリーズは、まだまだ終わりそうにない。
【60点】
(原題「A GOOD DAY TO DIE HARD」)
(アメリカ/ジョン・ムーア監督/ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー、ユーリャ・スニギル、他)
(親子愛度:★★★★☆)
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映画レビュー「ムーンライズ・キングダム」

ムーンライズ・キングダム [Blu-ray]ムーンライズ・キングダム [Blu-ray] [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
少年少女の駆け落ち騒動を描くハートフルなドラマ「ムーンライズ・キングダム」。無名の子役を大物スターたちが支える構図がいい。 【70点】

 1960年代のニューイングランド島。12歳のサムとスージーは“駆け落ち”を決意する。二人は、ボーイスカウトのキャンプを黙って抜けだし、森で自由を満喫していた。やがて大人たちが二人を探して大騒ぎになるが…。

 可愛くて、毒があって、どこかヘンテコ。それが鬼才ウェス・アンダーソンの世界だ。これまで父と子の確執を繰り返しテーマとしてきたが、本作では、人形劇のような世界観で、少年少女の“ひと夏の冒険”を遊び心たっぷりに描いている。毒気は薄いが、ノスタルジックな優しさがあって好感度は高い。

 変わり者のサムはボーイスカウトの仲間内でも浮いた存在。読書好きのスージーは、本の中のキャラクターの世界に没頭する孤独な少女。共にアウトサイダーだが、2人の愛の逃避行は、個性的かつロマンチックで微笑ましい。養子である寂しさや母の不倫というショックが残酷な現実ならば、運命の相手と共に、海で遊び、夢を語り合って、初めてキスをすることもまた現実。とぼけたセリフや突飛な演出とは裏腹に、物語は意外なほど地に足が着いているのだ。

 子供たちの駆け落ちを知った大人は、二人を見つけ、引き離そうとする。さらには身寄りのない問題児のサムを、福祉局は少年収容所に入れようとする。加えて大嵐と火事が島を襲い、平和な小島はかつてない大騒動に。先読み不能な物語の中、孤独な警官や、頼りないボーイスカウトの隊長、サムを嫌っていた仲間までもが、意外な優しさと正義感を発揮しながら活躍する様子は、アンダーソンならではのマジカル・ワールドである。

 そのウェス・アンダーソンと言えば、豪華キャストがおなじみだ。今回は子役が無名な分、大物ハリウッドスターやオスカー俳優が、冴えない大人をすっとぼけた味わいで演じているのが見所だ。アクション抜きのブルース・ウィリス、間の抜けた表情のエドワード・ノートン、冷酷な福祉局を怪演するティルダ・スウィントン。誰もが、今まで演じた役柄とはかけ離れた、不器用で愛おしい表情を披露する。彼らがこんなにキュートな役者だったとは、驚きだ。

 タイトルのムーンライズ・キングダムとは、サムとスージーがみつけた、手つかずの自然が残った美しい入り江のこと。思えば「小さな恋のメロディ」も「リトル・ロマンス」も、欠点だらけの大人たちの運命を、子供たちのピュアな思いが変えていく物語だった。本当は大人たちにこそ“月の昇る王国(ムーンライズ・キングダム)”が必要なのである。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)おかし味度:★★★★☆

□2012年 アメリカ映画 □原題「MOONRISE KINGDOM」
□監督:ウェス・アンダーソン
□出演:ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、他
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LOOPER/ルーパー

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今の自分と未来の自分が出会う前代未聞のSFタイムトラベルの秀作「LOOPER/ルーパー」。最大の見所は無気力な主人公の心の成長だった。

近未来。開発されたタイムマシンの使用は禁じられ、犯罪組織が殺したい相手を証拠を残さずに消し去るため過去に転送する目的で悪用していた。そこでターゲットを消すのはルーパーと呼ばれる殺し屋だ。凄腕ルーパーとして名をはせるジョーは、ある時、いつも通り単純な仕事として請け負った暗殺の仕事で、何と30年後の自分と対峙してしまう。一瞬、引き金を引くことをためらったジョーの不意をつき“未来のジョー”は街へと消える。「奴を殺さなければ自分が消される!」。必死に追跡し、未来の自分を追いつめたとき、彼がこの時代へ来た驚くべき理由が明かされる…。

学園ハードボイルドの佳作「BRICK ブリック」のライアン・ジョンソン監督と主役を演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットが再び組んだ本作は、実にユニークなSFアクションだ。“同じ時に同じ者が同時に存在してはならない”というタイムトラベルのセオリーをあっさりと破ってみせるのが刺激的で、物語には、先読み不能の面白さやスリリングなアクション、そして驚愕の結末が混在する。だが実は、本作のキモは、自分本位に生きていた主人公の心の成長にある。凄腕のルーパーのジョーは、犯罪の闇の世界で生きる男で、殺しの仕事や高額の報酬に満足し、他者と真剣に係わることもない。そんな彼が未来から来た自分のある目的を知ることで、自分がたどる運命を知り、負の連鎖を断ち切ることを決意。さらに愛するものを守ろうとするのだから、泣かせるではないか。ヤング・ジョー役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、オールド・ジョーを演じるブルース・ウィリスに、特殊メイクだけでなく、立ち居振る舞いも意識的に似せていて、芸が細かい。しかも本作が、腕力勝負のアクションではなく、人間の心理をつく繊細な物語である点が、旬の俳優ジョセフ・ゴードン=レヴィットの個性に合っている。今の自分は未来の自分を殺せるのか?今の自分が未来の自分に殺されたら、未来の自分は存在しないのだから今の自分は死なないのでは?? 数々の「?」が頭をよぎって悩みはつきないが、そんなことよりもストーリーの意外な方向性の面白さにやられてしまった。
【75点】
(原題「LOOPER」)
(アメリカ/ライアン・ジョンソン監督/ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エミリー・ブラント、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
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LOOPER/ルーパー@ぴあ映画生活

シャドー・チェイサー

シャドー・チェイサー(Blu-ray)シャドー・チェイサー(Blu-ray)
スペインを舞台にした巻き込まれ型サスペンス「シャドー・チェイサー」。キャストは豪華だが物語のディテールがなってない。

米国人のウィルは、家族と休暇を過ごすためスペインにやってくる。しかしバカンスの最中に、母や弟たち家族が誘拐されてしまう。それは、父親のマーティンが国家間の陰謀に巻き込まれたことが原因だった。実はCIAの工作員であるマーティンは、ウィルの目の前で何者かに狙撃される。その場に現れた父の同僚のキャラックに不信感を持ったウィルもまた、危険にさらされることに。スペイン国家警察、CIA、そして謎の組織に追われるウィル。家族を救うため、生前の父が連絡を取っていた相手に接触し、そこで知り合った女性ルシアの協力を得て、本能だけを頼りに陰謀に立ち向かうウィルだった…。

舞台は魅力的なスペイン、主役は新スーパーマンに抜擢された注目株のヘンリー・カヴィル、共演にブルース・ウィリス、シガーニー・ウィーヴァーら大物俳優、戻ったらクルーザーから家族が忽然と消えていたというヒッチコック風の導入など、期待できる要素がてんこもりなのに、いざ見てみるとストーリーがなんともおそまつだ。実はCIAだった父が隠した謎のブリーフケースの中身をめぐる陰謀に巻き込まれた主人公は、そもそもド素人である。言葉も通じない見知らぬ異国で、国家レベルの陰謀に立ち向かうには、主人公に何か特殊技能があるか、もしくは強力な助っ人がほしいところだが、このウィルというフツーの青年は、ワケがわからないまま、いきなり強くなる。事件の発端となる陰謀とは、イスラエルの諜報機関モサドやCIA内部の裏切りと隠ぺいなどが絡む大がかりなもの。だが本当の悪人である犯人は、容易に想像がつくし、犯人やその部下の行動ときたら、とてもプロとは思えない。素人にあっさり尾行され、街中での銃撃戦でもサクッと顔をさらす無防備さ。世界を揺るがす国家的陰謀と大風呂敷を広げるわりにはディテールが甘すぎる。いくら作りものの映画とはいえ、細部がいいかげんでは、説得力を持ってストーリーを追うことができないではないか。ただ、石畳が続くマドリードの街で繰り広げられるカーチェイスはなかなかの迫力で、迷宮のように入り組み、アップダウンの激しい路地を爆走するクライマックスは手に汗を握る。ヨーロッパの旧市街特有の狭い場所での撮影は苦労が多いので、この撮影は見所だ。
【40点】
(原題「THE COLD LIGHT OF DAY」)
(アメリカ/マブルク・エル・メクリ監督/ヘンリー・カヴィル、ブルース・ウィリス、シガーニー・ウィーヴァー、他)
(B級度:★★★★★)
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シャドー チェイサー@ぴあ映画生活

キリング・ショット

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ダイナーに集まったクセ者たちのバトルを描く「キリング・ショット」。時間軸を多重に操作した語り口が面白い。

薬物の取引が行われるという、ラスベガス郊外の古びたダイナー。犯罪組織のボス、メルの命令で、ドラッグ・ディーラーのテスと、仲間の姉妹ドーンとカラの3人は、メルのシマを荒らす奴らの正体を暴くためそのダイナーへと乗り込む。だがそこには真夜中だというのに数人の客がいて、しかも脅そうとした女主人の逆襲に遭う。さらにコックのビリーは「おまえらを殺せばメルが大金をくれる」と言いながらテスたちに向かってライフルを構えた。混乱するテスだったが、そこに警官の制服を着た殺し屋ロニーが現れて、全員で銃を構えてにらみあうことになる。はたして誰を、何を信じればいいのか。そしてメルの本当の狙いとは…。

監督のアーロン・ハーヴェイは新人でこれがデビュー作だが、オリジナル脚本である本作の出来に惚れ込んで、大物スターのブルース・ウィリスやオスカー俳優フォレスト・ウィテカーらが出演するという異例の豪華キャストが実現したらしい。激しく時制が行き来し、常に観客に疑問符を投げかけながら、最後の最後にピタリとパズルのピースが合うこんな物語には、物語をひっぱるカリスマ性のある俳優がいると、作品がぐっと締まる。冒頭、ブルース・ウィリスの謎めいたセリフ「7年も一緒に仕事をしたのに…。おまえが好きだった。信用はしてなかったけれど」というセリフから始まって、物語は何度も過去へと遡る。しかも遡った過去からさらに回想シーンへとつながり、少しずつもつれた糸がほどけていくスタイルは、クエンティン・タランティーノやガイ・リッチーを思い出させるものだ。マフィアのボス、ドラッグ・ディーラー、殺し屋、妄想癖のあるコックらが、三つ巴、いや、四つ巴状態で、誰を、何を信じていいのか分からない事態の中、フォレスト・ウィテカー演じる殺し屋ロニーの存在感がアクセントになっている。不気味な狂気と切ない愛が同居するロニーが、この血まみれの群像劇のキーパーソンなのだ。94分という短さの中で、何度も過去へと戻る手法は、ややテンポが悪い。だが、この監督、今回の“タランティーノ愛”全開の作品から見ても、かなりの映画好きと見た。次回作がちょっぴり楽しみである。
【55点】
(原題「CATCH .44」)
(アメリカ/アーロン・ハーヴェイ監督/ブルース・ウィリス、フォレスト・ウィテカー、マリン・アッカーマン、他)
(ポスト・タランティーノ度:★★★★★)
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キリング・ショット@ぴあ映画生活

RED/レッド

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オヤジパワー炸裂の過激なアクション娯楽作は、その非常識さが笑いを誘う。荒唐無稽な話に濃すぎる豪華キャストで気合十分だ。元CIAの腕利きスパイのフランクは、今は引退し、年金課の担当者サラと電話で会話するのが唯一の楽しみという静かな生活を送っていた。そんな彼がある日何者かに襲撃される。見事に敵を倒したフランクだったが、どうやら、過去に、ある秘密の任務にかかわった者たちがCIAから狙われているらしいという事実を突き止める。自分がかつて所属し人生を捧げてきた組織から狙われたことがフランクの闘争心に火をつけた。彼はかつて苦楽を共にした仲間たちを招集。元MI6の美人スパイや旧ソ連のスパイも加わって、事態はトンデモない方向へ。平凡な日常に退屈し、刺激のある日々を夢見ていたサラをも巻き込んだ彼らは、巨大な陰謀に立ち向かおうとしていた…。

最近、とかくオヤジ映画が元気だが、とにかくこの作品のオヤジ(一人おばさんもいるが)たちは腕利きな上に個性的なので魅力たっぷりだ。RED(RETIRED EXTREMELY DANGEROUS)とは国家がリストアップしている“引退した超危険人物”を意味するコードネーム。アメリカ中をあっという間に移動するスピーディな展開もすごいが、何しろキャラが立ちまくっている。モーガン・フリーマンが老人ホームで暮らす末期ガンのエロじじい役なら、ジョン・マルコビッチは隠れ家に住むパラノイア、優雅なヘレン・ミレンは実は一流の銃の使い手で、マシンガンやバズーカ砲をぶっ放す過激さだ。特にピンクのぶたのぬいぐるみを抱えたマルコビッチがハマリすぎでコワいほど。この名優は、目つきが独特で、焦点があってないのにそのくせ鋭い眼が、ただならぬ雰囲気なのだ。突然の現役復帰で燃え上がるオヤジたち。ハイテク武器はないけれど、彼らには長年培った特殊工作の華麗なノウハウと処世術がある。しかもそこには、スパイならではの意外なロマンスも。過激なアクションの中には、しっかりと笑いの要素や仕事への誇りも盛り込まれていて、娯楽作としてそつがない作りだ。もっとも、CIAの陰謀の中身はありがちなもので“殺しても死なない”彼らの活躍はかなりムチャクチャ。それでも、原作がDCコミックのグラフィックノベルだと聞くと納得してしまう。「若いモンには負けないゾ!」のオヤジ・パワー炸裂の快作だが、このテのジャンルの映画には無縁に思える英国女優ヘレン・ミレンをキャスティングしたことが功を奏して、洗練された雰囲気に仕上がった。過激でひねりの効いたこのスパイ映画、できれば次々に新メンバーを加えながらシリーズ化してほしいものである。
【65点】
(原題「RED」)
(アメリカ/ロベルト・シュヴェンケ監督/ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、他)
(荒唐無稽度:★★★★☆)

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コップ・アウト 刑事(デカ)した奴ら

コップ・アウト Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)コップ・アウト Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
ジャンルは刑事アクションだが、何しろ監督がクセモノのケビン・スミスなので、オタク趣味全開のトボけた映画になっている。NY市警で長年コンビを組む刑事のジムとポール。性格は正反対だが仕事の息はピッタリの彼らは、捜査中のミスで停職をクラうことに。そんな時、娘の結婚費用のためにレアものの野球カードを売ろうとしたジムは、強盗に遭い、貴重なカードを盗まれてしまう。そのカードを追ううちに残虐なメキシコ系ギャング“ポー・ボーイ”がからむ殺人事件に巻き込まれてしまうのだが、同じ署内の別の刑事コンビも事件を追っていた…。

ハリウッドの定番である刑事もの“バディ・ムービー”だが、組み合わせは、アクション映画の名作「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスと、スタンダップ・コメディー出身のトレイシー・モーガンという珍妙なものだ。しかも監督がオタク系のケビン・スミスとくるから、これはもうフツーのポリス・アクションではないと予想はつく。案の定、冒頭から、取り調べ室で延々と続く映画オタクのポールの名作のセリフの連打に、あっけにとられる。これが事件の重要な伏線かと身構えたが、物語はそこから、換金前に盗まれた超レアものの野球カードの話へ、さらに野球好きのレア物収集オタクのギャングとのからみになるが、謎のメキシコ人美女が鍵を握る殺人事件の本筋は、映画とも野球とは別モノなのだ。マヌケなコソ泥が出てきたり、美人妻の浮気を疑うポールの隠しカメラが登場したりもするが、これまた、ただのお笑いに終始する。いったい何がしたいのかよく分からないのだが、このトボけた味わいがケビン・スミスだと言われればそんな気も。事件の解決や悪党への裁きよりも、大切なのはあくまでも野球カードなのだ。ボケとツッコミよろしく、男2人のかけあい漫才を見ているかのように楽しめばそれでいいのだろうが、ポールのキャラが、愛情も友情もベタついているのが、どうにもいただけない。はたして換金すれば大金になるというレア物の野球カードは、ジムの手に戻るのか。そして愛する娘の結婚式で立派な父親役ができるのか。このオチだけは、なかなか洒落ていた。エンド・ロールの途中のワンシーンまで人を食ったようなシークエンスなのが、いかにもケビン・スミスである。
【45点】
(原題「COP OUT」)
(アメリカ/ケビン・スミス監督/ブルース・ウィリス、トレイシー・モーガン、アダム・ブロディ、他)
(オタク度:★★★★☆)

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サロゲート

サロゲート [DVD]サロゲート [DVD]
ひきこもりをハリウッドらしいアプローチで描くSFアクション・サスペンス。近未来、ロボットのサロゲートが人間のすべての社会活動を代行し、人は自宅でサロゲートを操作するだけで、安全を確保していた。事故や殺人、伝染病などの危険から人間を解放したはずのシステムだが、ある日、サロゲートが襲われ、使用者本人も死亡する事件が発生。FBI捜査官のグリアーは、ロボットを開発した企業と事件を捜査することになる。

サロゲートを使う人間は、自分好みのルックスを手に入れることができるため、世の中は若い美男美女だらけ。いびつな理想郷が舞台という設定はユニークだ。だが、このサロゲートシステムのディテールが驚くほど甘い。当然起こるであろう、性別、年齢、人種を超えた極端ななりすまし、メンタルケアや出産問題などを考えると、法規制が必要となる。そういうネガティブな側面はほとんどスルーされていて、ツッコミを入れ出したらきりがない。そもそも、人間がいる家の中の絶対的な安全性が感じられない。おうちが安心という保障など、どこにもないのだ。ネトゲ廃人などのネット依存症はすでに現実のものである以上、仮想世界についてはもっとディープな描写を求めたい。しかし、あら探しされることを承知の上で、話を強引に進めるのがハリウッド流。本作は企業サスペンス風の設定だが、れっきとしたアクション映画なので、短時間で一気に見せるスピード感は心地良いものだ。起こるはずのない殺人事件の謎は、明かされてみるとありがちなものだが、もう少し心理描写を丁寧に描いてくれれば感情移入できただろう。ただ、この映画を反面教師的にとらえると、なかなか興味深い。ひきこもりを商売にする短絡性は、真の人間性とは何か?と問うものだし、劇中にチラリと描かれる戦争代行などは逆に実現してほしいほど。サロゲート姿のウィリスがターミネーター状態だとすれば、超人的能力のロボット社会で、一人生身で奮闘するウィリスは、限りなくダイ・ハード的。それにしても、若々しい肌にフサフサした髪の特殊“ロボット”メイクは、笑いが出そうなほど新鮮だ。
【50点】
(原題「SURROGATES」)
(アメリカ/ジョナサン・モストウ監督/ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザムンド・パイク、他)
(テンポの良さ度:★★★★☆)

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プロフィール
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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