映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
毎日のレビューは分かりやすく簡潔な寸評で、週1本の長文映画レビューでは作品をディープに掘り下げます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる公開作品 ◎
「ファミリー・ツリー」「ダーク・シャドウ」「サニー」

ブルース・ウィリス

キリング・ショット

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ダイナーに集まったクセ者たちのバトルを描く「キリング・ショット」。時間軸を多重に操作した語り口が面白い。

薬物の取引が行われるという、ラスベガス郊外の古びたダイナー。犯罪組織のボス、メルの命令で、ドラッグ・ディーラーのテスと、仲間の姉妹ドーンとカラの3人は、メルのシマを荒らす奴らの正体を暴くためそのダイナーへと乗り込む。だがそこには真夜中だというのに数人の客がいて、しかも脅そうとした女主人の逆襲に遭う。さらにコックのビリーは「おまえらを殺せばメルが大金をくれる」と言いながらテスたちに向かってライフルを構えた。混乱するテスだったが、そこに警官の制服を着た殺し屋ロニーが現れて、全員で銃を構えてにらみあうことになる。はたして誰を、何を信じればいいのか。そしてメルの本当の狙いとは…。

監督のアーロン・ハーヴェイは新人でこれがデビュー作だが、オリジナル脚本である本作の出来に惚れ込んで、大物スターのブルース・ウィリスやオスカー俳優フォレスト・ウィテカーらが出演するという異例の豪華キャストが実現したらしい。激しく時制が行き来し、常に観客に疑問符を投げかけながら、最後の最後にピタリとパズルのピースが合うこんな物語には、物語をひっぱるカリスマ性のある俳優がいると、作品がぐっと締まる。冒頭、ブルース・ウィリスの謎めいたセリフ「7年も一緒に仕事をしたのに…。おまえが好きだった。信用はしてなかったけれど」というセリフから始まって、物語は何度も過去へと遡る。しかも遡った過去からさらに回想シーンへとつながり、少しずつもつれた糸がほどけていくスタイルは、クエンティン・タランティーノやガイ・リッチーを思い出させるものだ。マフィアのボス、ドラッグ・ディーラー、殺し屋、妄想癖のあるコックらが、三つ巴、いや、四つ巴状態で、誰を、何を信じていいのか分からない事態の中、フォレスト・ウィテカー演じる殺し屋ロニーの存在感がアクセントになっている。不気味な狂気と切ない愛が同居するロニーが、この血まみれの群像劇のキーパーソンなのだ。94分という短さの中で、何度も過去へと戻る手法は、ややテンポが悪い。だが、この監督、今回の“タランティーノ愛”全開の作品から見ても、かなりの映画好きと見た。次回作がちょっぴり楽しみである。
【55点】
(原題「CATCH .44」)
(アメリカ/アーロン・ハーヴェイ監督/ブルース・ウィリス、フォレスト・ウィテカー、マリン・アッカーマン、他)
(ポスト・タランティーノ度:★★★★★)
チケットぴあ

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キリング・ショット@ぴあ映画生活

RED/レッド

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オヤジパワー炸裂の過激なアクション娯楽作は、その非常識さが笑いを誘う。荒唐無稽な話に濃すぎる豪華キャストで気合十分だ。元CIAの腕利きスパイのフランクは、今は引退し、年金課の担当者サラと電話で会話するのが唯一の楽しみという静かな生活を送っていた。そんな彼がある日何者かに襲撃される。見事に敵を倒したフランクだったが、どうやら、過去に、ある秘密の任務にかかわった者たちがCIAから狙われているらしいという事実を突き止める。自分がかつて所属し人生を捧げてきた組織から狙われたことがフランクの闘争心に火をつけた。彼はかつて苦楽を共にした仲間たちを招集。元MI6の美人スパイや旧ソ連のスパイも加わって、事態はトンデモない方向へ。平凡な日常に退屈し、刺激のある日々を夢見ていたサラをも巻き込んだ彼らは、巨大な陰謀に立ち向かおうとしていた…。

最近、とかくオヤジ映画が元気だが、とにかくこの作品のオヤジ(一人おばさんもいるが)たちは腕利きな上に個性的なので魅力たっぷりだ。RED(RETIRED EXTREMELY DANGEROUS)とは国家がリストアップしている“引退した超危険人物”を意味するコードネーム。アメリカ中をあっという間に移動するスピーディな展開もすごいが、何しろキャラが立ちまくっている。モーガン・フリーマンが老人ホームで暮らす末期ガンのエロじじい役なら、ジョン・マルコビッチは隠れ家に住むパラノイア、優雅なヘレン・ミレンは実は一流の銃の使い手で、マシンガンやバズーカ砲をぶっ放す過激さだ。特にピンクのぶたのぬいぐるみを抱えたマルコビッチがハマリすぎでコワいほど。この名優は、目つきが独特で、焦点があってないのにそのくせ鋭い眼が、ただならぬ雰囲気なのだ。突然の現役復帰で燃え上がるオヤジたち。ハイテク武器はないけれど、彼らには長年培った特殊工作の華麗なノウハウと処世術がある。しかもそこには、スパイならではの意外なロマンスも。過激なアクションの中には、しっかりと笑いの要素や仕事への誇りも盛り込まれていて、娯楽作としてそつがない作りだ。もっとも、CIAの陰謀の中身はありがちなもので“殺しても死なない”彼らの活躍はかなりムチャクチャ。それでも、原作がDCコミックのグラフィックノベルだと聞くと納得してしまう。「若いモンには負けないゾ!」のオヤジ・パワー炸裂の快作だが、このテのジャンルの映画には無縁に思える英国女優ヘレン・ミレンをキャスティングしたことが功を奏して、洗練された雰囲気に仕上がった。過激でひねりの効いたこのスパイ映画、できれば次々に新メンバーを加えながらシリーズ化してほしいものである。
【65点】
(原題「RED」)
(アメリカ/ロベルト・シュヴェンケ監督/ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、他)
(荒唐無稽度:★★★★☆)

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コップ・アウト 刑事(デカ)した奴ら

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ジャンルは刑事アクションだが、何しろ監督がクセモノのケビン・スミスなので、オタク趣味全開のトボけた映画になっている。NY市警で長年コンビを組む刑事のジムとポール。性格は正反対だが仕事の息はピッタリの彼らは、捜査中のミスで停職をクラうことに。そんな時、娘の結婚費用のためにレアものの野球カードを売ろうとしたジムは、強盗に遭い、貴重なカードを盗まれてしまう。そのカードを追ううちに残虐なメキシコ系ギャング“ポー・ボーイ”がからむ殺人事件に巻き込まれてしまうのだが、同じ署内の別の刑事コンビも事件を追っていた…。

ハリウッドの定番である刑事もの“バディ・ムービー”だが、組み合わせは、アクション映画の名作「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスと、スタンダップ・コメディー出身のトレイシー・モーガンという珍妙なものだ。しかも監督がオタク系のケビン・スミスとくるから、これはもうフツーのポリス・アクションではないと予想はつく。案の定、冒頭から、取り調べ室で延々と続く映画オタクのポールの名作のセリフの連打に、あっけにとられる。これが事件の重要な伏線かと身構えたが、物語はそこから、換金前に盗まれた超レアものの野球カードの話へ、さらに野球好きのレア物収集オタクのギャングとのからみになるが、謎のメキシコ人美女が鍵を握る殺人事件の本筋は、映画とも野球とは別モノなのだ。マヌケなコソ泥が出てきたり、美人妻の浮気を疑うポールの隠しカメラが登場したりもするが、これまた、ただのお笑いに終始する。いったい何がしたいのかよく分からないのだが、このトボけた味わいがケビン・スミスだと言われればそんな気も。事件の解決や悪党への裁きよりも、大切なのはあくまでも野球カードなのだ。ボケとツッコミよろしく、男2人のかけあい漫才を見ているかのように楽しめばそれでいいのだろうが、ポールのキャラが、愛情も友情もベタついているのが、どうにもいただけない。はたして換金すれば大金になるというレア物の野球カードは、ジムの手に戻るのか。そして愛する娘の結婚式で立派な父親役ができるのか。このオチだけは、なかなか洒落ていた。エンド・ロールの途中のワンシーンまで人を食ったようなシークエンスなのが、いかにもケビン・スミスである。
【45点】
(原題「COP OUT」)
(アメリカ/ケビン・スミス監督/ブルース・ウィリス、トレイシー・モーガン、アダム・ブロディ、他)
(オタク度:★★★★☆)

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サロゲート

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ひきこもりをハリウッドらしいアプローチで描くSFアクション・サスペンス。近未来、ロボットのサロゲートが人間のすべての社会活動を代行し、人は自宅でサロゲートを操作するだけで、安全を確保していた。事故や殺人、伝染病などの危険から人間を解放したはずのシステムだが、ある日、サロゲートが襲われ、使用者本人も死亡する事件が発生。FBI捜査官のグリアーは、ロボットを開発した企業と事件を捜査することになる。

サロゲートを使う人間は、自分好みのルックスを手に入れることができるため、世の中は若い美男美女だらけ。いびつな理想郷が舞台という設定はユニークだ。だが、このサロゲートシステムのディテールが驚くほど甘い。当然起こるであろう、性別、年齢、人種を超えた極端ななりすまし、メンタルケアや出産問題などを考えると、法規制が必要となる。そういうネガティブな側面はほとんどスルーされていて、ツッコミを入れ出したらきりがない。そもそも、人間がいる家の中の絶対的な安全性が感じられない。おうちが安心という保障など、どこにもないのだ。ネトゲ廃人などのネット依存症はすでに現実のものである以上、仮想世界についてはもっとディープな描写を求めたい。しかし、あら探しされることを承知の上で、話を強引に進めるのがハリウッド流。本作は企業サスペンス風の設定だが、れっきとしたアクション映画なので、短時間で一気に見せるスピード感は心地良いものだ。起こるはずのない殺人事件の謎は、明かされてみるとありがちなものだが、もう少し心理描写を丁寧に描いてくれれば感情移入できただろう。ただ、この映画を反面教師的にとらえると、なかなか興味深い。ひきこもりを商売にする短絡性は、真の人間性とは何か?と問うものだし、劇中にチラリと描かれる戦争代行などは逆に実現してほしいほど。サロゲート姿のウィリスがターミネーター状態だとすれば、超人的能力のロボット社会で、一人生身で奮闘するウィリスは、限りなくダイ・ハード的。それにしても、若々しい肌にフサフサした髪の特殊“ロボット”メイクは、笑いが出そうなほど新鮮だ。
【50点】
(原題「SURROGATES」)
(アメリカ/ジョナサン・モストウ監督/ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザムンド・パイク、他)
(テンポの良さ度:★★★★☆)

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フィフス・エレメント

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人類の危機を救う5つの要素“フィフス・エレメント”を描くSFアクション巨編。リュック・ベッソンが20年間温めた企画を、100億円の巨費を投じて完成した入魂の作品だ。

23世紀のNY。正体不明の有機体が地球に接近していた。元宇宙連邦特殊部隊員のコーベンは、謎の美女リールーと共に、5千年に一度地球にやってくる邪悪な反生命体から地球を救うために必要な4つの石を求めて戦う。だが5つ目の要素が本当の鍵だった…。

宇宙連邦で最高とされる青い身体の歌姫がオペラハウスで歌うのが、ガエターノ・ドニゼッティ作曲の歌劇「ランメルムーアのルチア」。政略結婚によって引き裂かれる恋人たちの悲劇を描くこのオペラの中でも、もっとも有名な「狂乱の場」で歌われる最高難易度の曲を、映画のためにアレンジして効果的に使っている。スーパーモデルのミラ・ジョヴォヴィッチ演じるリールーが繰り広げる激しいアクションシーンのBGMとして崇高なオペラのアリアが不思議なほどフィットしていて面白い。劇中での歌は、オペラ歌手のインヴァ・ムラ・チャコによって吹き替えられている。

未来都市のパノラマやジャン・ポール・ゴルチェの衣装など、おしゃれなビジュアルも見所だ。

(出演:ブルース・ウィリス、ゲイリー・オールドマン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、他)
(1997年/米・仏/リュック・ベッソン監督/原題「THE FIFTH ELEMENT」)

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パーフェクト・ストレンジャー

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ハル・ベリーの演技力を無駄にした情けないサスペンスで脱力させられる。宣伝文句と良くできたCMにだまされるファンがきっと多いだろう。幼馴染の死を調べる元新聞記者の女性が大富豪に近づき、意外な秘密と真実へと導かれる。怪しげな風貌のジョバンニ・リビシは適役だが、ウィリスはただのエロ親父にしか見えないのが困ったもの。ベリーは相変わらず抜群に美しいので、目の保養にはいい。
【35点】
(原題「PERFECT STRANGER」)
(アメリカ/ジェームズ・フォーリー監督/ハル・ベリー、ブルース・ウィリス、ジョヴァンニ・リビシ、他)
(期待はずれ度:★★★★☆)

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映画レビュー「プラネット・テラーinグラインドハウス」

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◆プチレビュー◆
グラインドハウス第2弾は、往年のB級映画を最新技術で再現したゾンビ映画。片足マシンガンのヒロインが最高!75点】

テキサスの田舎町の米軍基地で違法の生物化学兵器が開発されるが、破壊された装置から有毒ガスが噴射。町の人々は感染し、ゾンビと化す。ゴーゴーダンサーのチェリーは別れた恋人のレイと出会うが、ゾンビに片足を食いちぎられてしまい…。

タランティーノの「デス・プルーフinグラインドハウス」と対をなす2本立て風映画の第2弾がこちら。2本同時鑑賞は無理でも、出来るだけ前作を押さえておくことをお勧めする。物語は、ゾンビファンには垂涎もので、血みどろの残酷描写は映倫スレスレ。見ているこっちが心配になるほどだ。タランティーノ版が往年のB級映画の再現に全力を注いだのに対し、本作の特徴は、伝統的なゾンビもののラインを踏襲しながら、細かい設定に現代の息吹が感じられる点にある。ロドリゲスは、製作、監督、脚本、撮影、特殊効果や音楽にいたるまで、ほとんど全ての映画技術に精通するオールマイティな天才肌。その彼が、最新のデジタルとCGIを駆使して、バーチャルな世界を見せてくれるのだから、楽しくないはずがない。

往年の低予算映画らしさは、わざと入れたフィルムの傷やノイズ、「リール喪失」のテロップをベッド・シーンの真っ最中に出し、肝心の場面をスッ飛ばすという憎い遊び心で表現する。一方、ブルース・ウィリスのような大物スターを出演させて、ビンラディンをやっつけた英雄なのに悪に染まる悲しい運命を背負わせるなど、設定はあくまで現代風。軍事基地での極秘実験というのも、どこか現実味をおびている。むやみに派手なアクションとバイオレンスもてんこもりだ。爆炎を背に大ジャンプを決めるヒロインは、見事に21世紀の女戦士である。おそらくこの感覚は、B級映画専門の映画館グラインドハウスをリアル体験ではなく、盟友のタランティーノの“教育”で自分のものにしたロドリゲスならではの咀嚼(そしゃく)によるものだろう。

義足代わりにマシンガンを装着して戦うセクシーなヒロイン。監督ロドリゲスの頭の中には、何よりも先にこのビジュアルイメージが浮かんだに違いない。片足を食われたのになぜ感染しないのか?とか、マシンガンの弾切れはないの?などの突っ込みはさておき、異形の容姿に変わってからの展開は、ダンサーならではの決めポーズの連打だ。ヒロインのチェリーは愛するレイの励ましで、泣き虫の女の子から、力強い戦士へと変貌。ふっきれた女は、いつだって美しくてカッコいいのである。豪華でムチャクチャな脇役を配するのも忘れない。注射針を武器に戦う女医ダコタは、強いんだか弱いんだか判断不能で、どこかオトボケな美女。バーベキューソースに固執する兄弟のコアなやりとりや、狂気のレイプ魔をタランティーノに演じさせるなど、ロドリゲスのアイデアとおふざけは無尽蔵だ。チェリーとレイの純愛に涙し、ゾンビ相手のサバイバルに興奮する。なんでもアリのごった煮感が、最大の魅力と断言したい。フェイク(偽)予告編の映画「マチェーテ」もぜひ作ってほしいものだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)痛快度:★★★★☆

□2007年 アメリカ映画 原題「GRINDHOUSE/ PLANET TERROR」
□監督:ロバート・ロドリゲス
□出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、マイケル・ビーン、他

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ラッキーナンバー7

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豪華キャストで贈る犯罪サスペンス。前半は、半ボケ顔のジョシュ・ハートネットのキャラが生きた設定でコメディ・タッチ、後半は意外な展開で、芋づる式の謎解きが快感。ギャングの抗争に巻き込まれた不運な青年の運命は?随所に仕込まれた映画ネタが楽しい。
【75点】
(原題「LUCKY NUMBER SLEVIN」)
(アメリカ/ポール・マクギガン監督/ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、他)
(だまされて快感度:★★★☆☆)

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シン・シティ

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◆プチレビュー◆
けれん味たっぷりのバイオレンス・アクション。残酷でエグい場面が多いにもかかわらず、白黒であることと、あまりにシュールなので、残虐性はあまり感じない。

憎しみと裏切りの街、シン・シティ。この街で3人の男がそれぞれ愛する女のために命がけの闘いを挑むことになる。仮出所中のマーヴは、唯一優しくしてくれた高級娼婦ゴールディのために。ドワイトは、娼婦のボスで昔の恋人ゲイルのために。ハーディガン刑事は少女の日からずっと見守ってきたナンシーのために。それぞれの愛はどんな結末を迎えるのか…。

白黒で撮られたスーパー・バイオレンス映画は、ひたすらクール。特にパート・カラーと呼ばれる、一部分だけに色をつけた映像は、現実とかけ離れた劇画の世界に観客を引きずり込む。モノトーンに浮かぶのは、真っ赤なドレス、青い瞳、光で照らされた顔。ハードボイルドな世界観を完璧に活かすため、セリフやカット割はほぼコミックスを忠実に引用。これはもう、動く劇画と呼んでもいい。

3つのエピソードからなる物語は、わずかに重なる部分があるが、基本的に独立したストーリー。個性的で豪華なキャストは、特殊メイクで本人と分からない人もいる。これも原作のイメージを重視した結果だ。男も女もイノセントでは生きられない罪の街。昨今ハリウッドで奨励される家族愛などは、きっぱり断ち切ったストーリーが潔いではないか。

いちいちけれん味たっぷりのこの映画、好き嫌いははっきりと分かれるだろう。この表現はありふれているようだが、今まで見たことがない映像だ。劇場の大画面で見る価値は大いにある。

□2005年 アメリカ映画 原題「SIN CITY」
□監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー、クエンティン・タランティーノ
□出演:ブルース・ウィリス、ジェシカ・アルバ、ミッキー・ローク、他

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◆映画ライター、映画評論家
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◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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