プリズナーズ [Blu-ray]
愛する娘を誘拐された父が狂気に陥るサスペンス・スリラー「プリズナーズ」。アメリカの田舎には底知れない闇が潜んでいる。

誰もが家族と和やかに過ごす感謝祭。マサチューセッツ州の平穏な田舎町で幼い少女が失踪する事件が起こる。刑事ロキが捜査に当たるが手がかりは少なく、父親のケラーは第一容疑者アレックスを犯人と確信。だがアレックスは10歳程度の知能しかなく犯行は不可能として釈放される。警察をあてにできないと判断したケラーは自力で娘を取り戻す決意をし、アレックスを拉致。決して超えてはいけない一線を超えてしまう…。

「灼熱の魂」が全世界で高く評価されたドゥニ・ヴィルヌーブ監督のハリウッド・デビュー作だ。完全オリジナルのストーリーで勝負し、並々ならぬ気合いを感じる秀作に仕上がった。二転三転するストーリー、濃厚な心理描写と容赦ないバイオレンス。そんな陰鬱な物語にハリウッドスターが加わって、実に興味深い味を出している。もしも自分が最愛のわが子を奪われたらどうするか。映画はまずこの問いを観客に投げかける。壮絶な暴力をふるうケラーと、彼の行為に否定的なのに中途半端な立ち位置の友人。この状況では我が子を思う親の悲しみや怒りに目がいくだろう。だがストーリーは意外な方向へと転がっていく。事件を冷静に調べる刑事ロキは、現場で大量の血痕や謎めいた記号を発見。さらに何の繋がりもないような幼児失踪事件が思いがけない形でからんでくる。ミステリーなので詳細は明かせないが、広大なアメリカ大陸には、華やかな都会とは正反対の、閉鎖的で鬱屈した田舎町があり、そこに狂気や闇が潜んでいるということだ。「悪魔のいけにえ」を例に出すのは極端すぎるが、何の罪もない子供が犠牲になる事件の多発は、神の不在さえ感じさせるほど重苦しい。ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホールの入魂の演技は胸を打つ。何よりもドゥニ・ヴィルヌーヴという俊英監督の重厚な演出力とストーリーテリングの才能に、映画から一瞬も目が離せなかった。
【80点】
(原題「PRISONERS」)
(アメリカ/ドゥニ・ヴィルヌーブ監督/ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ビオラ・デイビス、他)
(二転三転度:★★★★☆)
チケットぴあ

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