映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャスティス・リーグ」「火花」「ギフテッド」「光」etc.

ベン・アフレック

ジャスティス・リーグ

「ジャスティス・リーグ」オリジナル・サウンドトラック
スーパーマンの死後、世界の秩序が乱れ、危機を感じたバットマンは、ワンダーウーマンを新たな相棒に、特別な力を持つヒーローたちを探して最強のチームを結成するべく、行動を開始する。地球を狙い宇宙からやってきた、邪悪で最強の敵ステッペンウルフに立ち向かうため、バットマンとワンダーウーマンがスカウトしたのは、怪力で無愛想な海洋生物の王アクアマン、地上最速の男フラッシュ、そして全身が機械に覆われている人間デジタルデバイスの男サイボーグ。前代未聞の超人たちの連携チーム、ジャスティス・リーグは、地球崩壊の危機に立ち向かうが…。

DCコミックスのヒーローたちが集結したドリームチームの活躍を描くアクション大作「ジャスティス・リーグ」。マーベルの「アベンジャーズ」シリーズに対抗するようなヒーローチームものだが、DC特有の、暗くシリアスな雰囲気は影をひそめ、明るさやコミカルなテイストが全面に出ていて楽しい。ストーリーもシンプルな勧善懲悪のスタイルで、かなり間口が広くなった印象だ。バットマンとワンダーウーマン以外は、単体での映画がないヒーローたちが加わるが、3人のキャラがすこぶる立っており、しかも役割が明快に分担されてそれぞれの見せ場もきっちり作られている。特に、オタクの現代っ子フラッシュが、いい味を出していて、クセ者揃いのチームの緩和剤になってくれている。そもそもバットマンに「ところであなたの能力って?」と聞けそうで聞けないことをズバリ尋ねるなんて新人ならでは。孤独で他を寄せ付けないバットマンも、自分の能力は「金持ち」と“謙虚に”答えている。

とはいえ最強の敵ステッペンウルフはやはり桁違いの強敵である。だがそこでヒーローチームは、切り札を使って、離れ業に近い最大の戦力を繰り出し、見るものを興奮させてくれるという筋書きだ。この「ジャスティス・リーグ」、監督の途中降板、交代などゴタゴタが続いたが、「アベンジャーズ」のジョス・ウェドン(脚本)が残りを引き継ぎ、結果的に“チームで戦う”というテーマをより浮き彫りにさせた形となった。ずっと一人で戦ってきた個性派ヒーローたちが、互いに歩み寄り、助け合う。このシンプルなメッセージはいつの時代にも強く響く。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でファンをがっかりさせたDCだが、これなら今後も大いに期待できるというものだ。長い長いエンドロールの後に、超・重要なワンシーンがあるので、最後まで席を立たずに鑑賞してほしい。
【80点】
(原題「JUSTICE LEAGUE」)
(アメリカ/ザック・スナイダー監督/ベン・アフレック、ガル・ガドット、ジェイソン・モモア、他)
(コミカル度:★★★★☆)
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ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
田舎町で会計事務所を開いているクリスチャン・ウルフは、ある日、大手企業から財務調査を依頼される。ウルフは15年分の資料を一晩で調査し、不正を見つけるが、なぜか調査は一方的に打ち切られる。それ以来、ウルフは、何者かに命を狙われるようになる。実はウルフは、マフィアや武器カルテル、麻薬組織など、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る闇の掃除屋で、凄腕の暗殺者でもあった。名前は偽名、本籍、私生活もすべて謎。天才的な頭脳と一級の格闘能力、百発百中の狙撃の腕を持ち、アメリカ政府からも目を付けられているウルフは、謎の組織から逃れながら、危険な戦いに身を投じていく…。

複数の顔を持つ異色のヒーローの活躍を描くサスペンス・アクション「ザ・コンサルタント」。主人公ウルフは、表の顔はしがない会計士、裏の顔は凄腕の暗殺者。2つの顔を持つということだけなら、主演のベン・アフレックが別シリーズで演じている、悲しい過去を持つ闇のスーパーヒーローに似ていると思うだろう。だが違うのは本作の主人公が背負った過去と特殊能力の質だ。それは、回想シーンや過去のパートが挿入されることで、少しずつ明かされる。人とは違う異形の能力ゆえに苦悩した主人公の人生は、かなり切ないものだ。一方で、終始ウルフに指示を出すパソコン音声の主や謎の組織の正体、危険な仕事に身を投じるウルフの真の目的などが、企業の不正の真実と結びつく終盤は、まるでパズルの最後のピースがはまるような快感を感じる。難を言えば、アナ・ケンドリックやJ・K・シモンズら、実力派俳優が出演しているというのに、彼らの役割と活躍が少ないことだろうか。それでも、インドネシアの格闘技“プンチャック・シラット”の無駄のない美しい動きや、几帳面で無口な主人公が時折みせる、とぼけた優しさが笑いを誘うなど、意外なほど魅力にあふれている。ベン・アフレックの新たなハマリ役になりそうなこのアンチ・ヒーローの次の活躍が見てみたい。個人的に、続編希望!である。
【75点】
(原題「THE ACCOUNTANT」)
(アメリカ/ギャヴィン・オコナー監督/ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズ、他)
(アンチヒーロー度:★★★★☆)
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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

【Amazon.co.jp限定】バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション(4枚組)(オリジナル特典映像Blu-ray DISC付)[4K ULTRA HD+3D+Blu-ray]
バットマンは、両親の殺害現場を目撃したという幼少期のトラウマから悪を憎み、昼は大企業のトップ、夜になるとゴッサム・シティに横行する悪を制裁する日々を送っている。一方、クリプトン星からやってきたスーパーマンは、最愛の女性ロイスを心の支えに、人類のために持てる力のすべてを注いでいる。だがスーパーマンの驚異的な力はいつしか人類の脅威となり、人々からバッシングを受けることに。この事態を受けて、スーパーマンに対抗できる唯一の存在として、バットマンが民意を背負って、表舞台で戦うことになる…。

DCコミックスを代表する2大ヒーローが激突するアクション大作「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」。正義の象徴であるスーパーマンが悪に染まるというから、これはただごとではない。人知を超えた能力を持つスーパーマンに対し、人間であるバットマンは知力と精神力、財力にもモノを言わせて、対スーパーマン仕様の強力武器を開発して挑むという展開だ。内容については、ネタバレ禁止の厳しいお達しが出ているので、明かすわけにはいかないが、アメコミファンならずとも見逃せない大作であるのは確かである。人類を助けるため、スーパーマンはその超人的能力を駆使して戦うが、彼が戦うとその被害は甚大で犠牲者も多くでてしまう。さらに彼が地球にいることで、宇宙からの侵略者を呼び寄せてしまう恐れもある。これらがスーパーマンを敵とみなす理由だ。人は自分に理解できないものを敵視する。さらにそこに、彼の強大な力をわが物にしよう企む人物が登場する展開は、もはや歴史の必然のよう。闇に紛れて戦っていたバットマンが表舞台に登場すること、異星人VS人間の究極の戦いなど、興味はつきない展開だが、なんといってもビジュアル派のザック・スナイダー監督らしい、スタイリッシュでド派手な映像が、たまらなく魅力的だ。それにしても本作に登場する女性は、皆、芯が強い。スーパーマンの恋人で新聞記者のロイスは、相変わらず恐れ知らずだし、謎の美女ワンダーウーマン(演じるのは「ワイルドスピード」シリーズにも出演していた元ミス・イスラエルの美女ガル・ガドット)が満を持して降臨するシーンには胸が躍る。なぜ戦うのか。スーパーマンもバットマンも、共に自分の存在意義を常に自問しているが、この答には、悪を憎む心と共に無償の愛があるのだ。
【70点】
(原題「BATMAN v SUPERMAN: DAWN OF JUSTICE」)
(アメリカ/ザック・スナイダー監督/ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、他)
(大喧嘩度:★★★★★)
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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生@ぴあ映画生活

ゴーン・ガール

ゴーン・ガール 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定) [Blu-ray]
失踪した妻を探す夫が思わぬ運命に巻き込まれるサイコロジカル・スリラー「ゴーン・ガール」。ロザムンド・パイクの怪演が最高。

元ライターのニックと美しい妻エイミーはNYで出会い結婚。その後、ミズーリ州の小さな町で静かに暮らしていたが、結婚5年目の朝、エイミーが突然失踪する。居間には、血痕と偽装工作の跡、そしてエイミーが毎年結婚記念日に仕掛ける“宝さがし”のヒントが残されていた。ニックはメディアを通じエイミーを探すが、やがてニックの秘密や理想的にみえた結婚生活のほころびが明らかに。次第に世間はニックに対してエイミー殺害疑惑の目を向けはじめる…。

原作はギリアン・フリンによるベストセラーのミステリー小説。フリン本人が映画の脚本も執筆している本作では、夫の側、妻の側、警察側とそれぞれの視点からの語り口が巧みだ。謎めいた妻の失踪には明らかに尋常ではないワケがある。さらにメディアによってどうにでもなる被害者と加害者の立場や情報操作など、見るべきところは多い。原作ではアメリカ経済の激変(衰退)が大きな要素になっているが、映画は、大都会で華やかに暮らしていた理想のカップルが、田舎に引っこんで結婚生活のほころびを経験し、トンデモナイ運命に巻き込まれていくという、結婚狂騒曲のようだ。ミステリーという物語の性質上、結末は映画を見てのお楽しみとしよう。何しろ夫婦役の2人が抜群にいい。半開きの口にトロンとした目つきのベン・アフレックのダメ男っぷりには感心したが、ボンド・ガールからインディーズ映画まで縦横無尽の美女ロザムンド・パイクの怪演に近い名演には唸らされた。お人形のように完璧なルックスの彼女が演じるのは、NYのセレブなお嬢様、幸せそうな奥様から一転、ほぼスッピンで髪はボサボサ、安っぽい服を身にまとう得体のしれない悪女まで。独自の価値観でサバイバルを繰り広げる様に、文字通り目が釘づけだ。そして周到で強烈なラスト。後味がいいとは間違っても言えないが、何かスゴい映画を見てしまったという恍惚感をきっと感じるはず。2時間29分と長尺だが、まったく退屈しない。登場人物と観客の不安をあおりながら見事なストーリーを紡ぐデヴィッド・フィンチャー。やっぱりこの人の才能はすごい。
【80点】
(原題「GONE GIRL」)
(アメリカ/デヴィッド・フィンチャー監督/ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、他)
(ブラック度:★★★★☆)
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ゴーン・ガール@ぴあ映画生活

トゥ・ザ・ワンダー

トゥ・ザ・ワンダー [Blu-ray]
移ろいゆく愛の悲しさを息を呑む美しい映像で綴る「トゥ・ザ・ワンダー」。基本はメロドラマなのにマリックの手にかかると芸術的な叙事詩に変わるから不思議だ。

アメリカ人エンジニアのニールは旅先のフランスで、シングルマザーのマリーナと出会い、恋に落ちる。深く愛し合う二人はマリーナの娘タチアナと共に、アメリカのオクラホマで暮らし始めるが、慣れない土地での寂しさからマリーナは情緒不安定になり、やがて二人の心は離れていく。マリーナが娘を連れてフランスへ戻った後、ニールは幼馴染のジェーンと再会し、関係を深めていく。一方、マリーナの相談相手だったカトリック教会の神父クインターナは、救いを求める人々に布教を行っていたが、神への信仰で苦悩を深めていた。やがて、マリーナが、フランスでも生活が破綻したと知ったニールは、責任感からマリーナと結婚を決意。ジェーンは彼の元を去っていく。愛について深く考える彼らは、やがてそれぞれの結論を迫られることになる…。

フランスのモン・サン・ミッシェルのブルーグレーに煙った風景、オクラホマの乾いた大地と豊かな自然景観、信仰に悩む神父が祈りを捧げるほの暗い室内。すべての映像が一枚の絵画のように美しい。生きる伝説と言われ、世界中の俳優が出演を渇望する巨匠テレンス・マリックは、不確かな愛や移ろう心を、豪華スター共演で詩的に描き出した。マリック作品といえば、静かで印象的なナレーションによって物語が進行するスタイルが特徴だが、本作のナレーションは語り部というより、祈りのよう。この人だけを生涯愛し続けようと誓っても、永遠と思われたその愛は、一時も同じ形ではとどまらない。「なぜ愛は冷めるのか」という解けない命題を登場人物それぞれが深く思考するのだが、英語、フランス語、スペイン語と異なった言語で心象風景が語られるように、彼らの心は苦悩し乖離していく。男女が出会い、離れていくストーリーはメロドラマ以外の何者でもないが、本作には信仰という視点があるため、愛がもたらす喜びと悲しみ、さらに真実の愛の意味を探求する哲学に思えてくる。ベン・アフレックやハビエル・バルデムがいつもと違う静謐なイメージで好演しているが、オルガ・キュリレンコの起用は少し意外。マリック作品のヒロインといえば、はかなげで影が薄く、それでいて聖なる女性のイメージなのだが、キュリレンコの内に秘めた激情が、物語に先読み不能のサスペンスを与えていた。格調高いクラシックのメロディーと、名カメラマンのエマニュエル・ルベツキの美技を堪能したい。
【65点】
(原題「To the Wonder」)
(アメリカ/テレンス・マリック監督/ベン・アフレック、オルガ・キュリレンコ、レイチェル・マクアダムス、他)
(映像美度:★★★★☆)
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トゥ・ザ・ワンダー@ぴあ映画生活

映画レビュー「アルゴ」

アルゴブルーレイ&DVD (2枚組)(初回限定版) [Blu-ray]アルゴブルーレイ&DVD (2枚組)(初回限定版) [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
ウソの映画製作で人質を助け出す驚きの実話「アルゴ」。監督ベン・アフレックの緩急をつけた演出が見事だ。 【80点】

 1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激化する中、過激派がアメリカ大使館を占拠し52人が人質となる。混乱の中、大使館員の6名が脱出し、カナダ大使の自宅に潜伏。彼らが過激派にみつかり殺害されるのは時間の問題だった。そんな時、CIAのトニー・メンデスはある奇想天外な救出作戦を提案する…。

 イランの過激派がアメリカ大使館で人質をとり、米国に逃げた前国王の引き渡しを要求するという大事件は世界中が知るところだ。政治的な側面はさておき、この人質救出作戦の顛末は面白すぎる。こんな突拍子もないことをやってのけるCIAという組織の本質を改めて考えてしまうが、この作戦は常識を超えて暗躍するエキスパートの存在があってこそだ。

 その人とは、人質奪還スペシャリストのトニー・メンデス。彼の“名案”とは、嘘の映画製作を企画し、6人をロケハンに来た撮影スタッフに仕立て上げて出国させるという作戦だ。あきれ気味のお偉方を不思議な説得力で説き伏せ、メンデスは、偽の映画製作を実行に移していく。脚本を買い上げ、映画の名をSF超大作「アルゴ」と決定。製作発表、記者会見、プロモーションと、盛大なウソが続くさまはハリウッド的ともいえる痛快さだ。

 一方で、人質たちの緊張感はマックスに達し、アメリカからフォローするはずのCIAは国際情勢に左右されブレまくる。三つのストーリーが同時進行するスリリングな展開は、結果を知っていても手に汗を握る。偽の映画製作を、光と影の幻影にすぎない映画で描くという虚構の複眼が、何より素晴らしい。

 ベン・アフレックは、本作が監督第3作。今回は脚本こそ担当していないが、その演出力は確かで、才能は疑いがない。人質救出というヒロイックな事件は、社会派サスペンスにもなる固い素材だが、とぼけたユーモアを漂わせるセンスには感心した。これには、嘘っぱちに慣れ切ったハリウッドの映画人役に、ジョン・グッドマン、アラン・アーキンなどの渋い脇役をキャスティングしたことが効いたと見る。「嘘の映画製作?まかせろ!」には笑った。

 アフレック自身が演じる主人公は、もっさりとした風貌の寡黙な人物だ。今見るとどうにもダサい70年代ファッションに身を包んだメンデスは喜怒哀楽が乏しく、笑顔もほとんどない。そんな彼が「何としてでも6人の命を救う」と決意する瞬間に、静かなヒロイズムが炸裂する。派手な銃撃戦や爆発などないのに、尋常ではない緊張感が漂う脱出劇のクライマックスは、間違いなく一級のサスペンス。隠し味は映画愛なのだから、映画好きにはこたえられない。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)荒唐無稽度:★★★★★

□2012年 アメリカ映画 □原題「ARGO」
□監督:ベン・アフレック
□出演:ベン・アフレック、アラン・アーキン、ブライアン・クライストン、他
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アルゴ@ぴあ映画生活

映画レビュー「ザ・タウン」

ザ・タウン (ベン・アフレック 監督・主演) [DVD]ザ・タウン (ベン・アフレック 監督・主演) [DVD]
◆プチレビュー◆
宿命から抜け出そうともがく青年の純愛と、クライム・アクションのからみが絶妙な「ザ・タウン」。監督アフレックの手腕は確かだ。 【85点】

 ボストン北東部チャールズタウン、通称“タウン”は、有数の犯罪地域。特に銀行強盗は全米で最多だ。タウン育ちで、プロの強盗一味を率いるダグは、ある時、なりゆきで支店長クレアを人質にとる。その後彼女を無事解放するが、キレやすいジェムが、クレアが同じ街の出身と知り、始末しようと言い出す…。

 ボストンというと、著名な大学が集まっているせいか、どこか知的な学術都市のイメージがある。だが「ミスティック・リバー」や「ディパーテッド」などの映画の中で描かれるそこは、多くの場合、貧困と犯罪がうずまくふきだまりだ。ここでは強盗がファミリー・ビジネスとなり、次の世代に受け継がれるほど、すさんでいる。母は家を出て、父は服役中というダグも、そんな人生を歩む一人。誰も傷つけないことを信条に強盗を繰り返しながらも、いつかここを抜け出して、まっとうに生きたいと切望する青年だ。幼馴染ジェムの過激すぎる行動にも辟易しているのだが、友情に厚く恩人でもあるジェムとの絆を断ち切るのは難しい。何よりタウンが新しい生き方をダグに許さない。

 そんなダグの心を揺さぶったのは、純粋で心優しいクレアとの出会いだった。自分の正体を隠して、彼女の動向を探るうち、ダグは恋に落ちる。銀行強盗のリーダーと、人質の女。クレアはやがて彼の正体を知ることに。だが、ダグは彼女との出会いによって、ボストン・レッドソックスのスタジアム襲撃という大仕事を最後に、犯罪から足を洗い、街を離れる強い決意を固めることになる。計画は成功するのか。幼馴染のジェムや仲間たちと決別できるのか。さらに強盗グループの黒幕である花屋のファーギーの卑劣な脅しと、彼の口から聞いた母の衝撃の事実を、ダグはどう受け止め、どう決着を着けるのか。映画は登場人物の人間性を丁寧に掘り下げながら、極上のクライム・サスペンスとして昇華していく。監督ベン・アフレックの巧みな演出は、すでに巨匠の風格さえ漂わせていて、目の肥えた映画ファンを釘付けにするだろう。

 そのアフレックは、本作で、監督、脚本、主演をこなす大活躍だが、決して自分だけが前面に出るオレ様映画にしなかったのが上手い。「グッド・ウィル・ハンティング」の脚本で盟友マット・デイモンと共にオスカーを手にした彼は、派手な演出より緻密なストーリーを重視していて、堅実さがうかがえる。監督第一作の「ゴーン・ベイビー・ゴーン」も、日本では劇場未公開と冷遇されたものの、素晴らしい人間ドラマで、この人の手腕に唸ったものだ。俳優兼監督の大先輩クリント・イーストウッドとの共通性を指摘されることが多いが、厳しい現実の中で生きる男たちの友情や純愛、譲れない誇りと葛藤は、なるほどイーストウッドを思わせる。渋いキャスティングにも共通性が見られ、脇役にクリス・クーパーやピート・ポスルスウェイトのようないぶし銀の名優を使うセンスが素晴らしい。

 出身地ボストンに強くこだわりながらも、タイトルは“ボストン”や“チャールズタウン”ではなく「ザ・タウン」なのはなぜか。それは本作が、世界中の、貧しく荒れた街のストーリーだからだ。暗くつらい現状から抜け出し、未来を求める青年の姿は普遍的で、いつしか私たちは、希望と絶望の間にいる主人公に手を差しのべたくなる。物語は、陽光が降り注ぐハッピーエンドではない。だが、柔らかい優しさで包まれる夕焼けのようなラストが、心にしみた。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)緊張感度:★★★★☆

□2010年 アメリカ映画 原題「THE TOWN」
□監督:ベン・アフレック
□出演:ベン・アフレック、ジェレミー・レナー、レベッカ・ホール、他


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ザ・タウン@ぴあ映画生活

そんな彼なら捨てちゃえば?

そんな彼なら捨てちゃえば? [DVD]そんな彼なら捨てちゃえば? [DVD]
豪華キャストで男女の本音を描き、勘違い系女子の恋愛観にカツ!を入れるセリフの数々は興味深い。物語は、男性と出会うたびに暴走してしまうジジと、彼女にシビアなアドバイスをするアレックスの二人を中心に、ユーモラスに進んでいく。

同性愛や不倫など、あらゆる恋のパターンを盛り込み、誇張した言動で笑わせるが、終わってみると、妻の立場を尊重するなど、意外とマトモな恋愛劇だったりする。米映画の本質というのは、昔も今も案外保守的なのだ。原題は「彼はあなたに気がありません」というミもフタもないもの。目線は完全に女性寄り。だが男子禁制の女性映画かといえば、そうとも言えない。なぜならここには女性の本音と理想がぎっしり。デート・ムービーには不向きだが、男性が見てこそ女性心理の勉強になろう。
【65点】
(原題「He's Just Not That Into You」)
(アメリカ/ケン・クワピス監督/ジェニファー・アニストン、ベン・アフレック、ドリュー・バリモア、他)
(恋愛指南度:★★★★☆)

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映画レビュー「消されたヘッドライン」

消されたヘッドライン [DVD]消されたヘッドライン [DVD]
◆プチレビュー◆
巨大な権力にペンの力で挑むポリティカル・サスペンス。終盤、ひねりすぎるのが惜しい。 【70点】

 ワシントングローブ紙の敏腕記者カルは、黒人少年の射殺事件と、国会議員コリンズの部下で愛人の女性が突然死した事件に、奇妙な共通点を嗅ぎ取り調べ始める。やがてそこに軍事企業ポイント・コープ社の影が見え始めるが…。

 もともとは英国BBCのTVシリーズで、リメイクとして設定を練り直し、俊英脚本家たちが一本の映画にまとめたのがこの「消されたヘッドライン」である。ジャーナリズムと国家権力の攻防というと、名作「大統領の陰謀」を思い浮かべるが、本作の内容はメディアの危うさと、戦争という“産業”の実態を浮き彫りにする、別種の緊張感に満ちたものだ。

 物語は、カルとコリンズの関係性を軸に描かれる。二人は浅からぬ仲で親友同士だが、カルは、時には違法スレスレの取材も辞さない男だ。奇麗事だけではヘッドライン(新聞の大見出し)を飾る記事を書くジャーナリストにはなれない。コリンズに友人として接する反面、情報源として利用もする。そんなブンヤ魂の権化のような男を、でっぷりと太ったラッセル・クロウが熱っぽく演じて上手い。新米だが優秀なWEB版記者デラや豪腕女性編集長キャメロンなど、それぞれの熱意が物語を牽引し、二転三転しながら真実に近づいていく。

 この“二転三転”が本作の急所なのだ。議員のスキャンダルを発端に、警察との駆引き、政治圧力、謎の殺し屋と、物語は危険なミステリーへと転がっていく。やがて事件は、軍事をアウトソーシングするビジネス提携、つまり戦争をめぐる企業と政界の癒着へとたどり着く。国内の安全保障まで商売道具にする謀略を糾弾するコリンズは、一見正義の側だが、コトはそう単純ではない。物語は、終盤に次々に新事実を用意し国家から個人へと話が収縮してしまった。

 だが、ケヴィン・マクドナルド監督は、イディ・アミンもクラウス・バルビーも、人となりを掘り下げることで彼らを偶像化した社会そのものを炙り出してきた。それゆえ本作でも視点を国家権力へと向けず、一個人の苦悩として描いたのだろう。巨大な陰謀の激震の渦中で真実を探る武器もまた、カルのような古参の記者の誇りとひらめきという個の力でしかない。ジャーナリズムの面目は幸いにも保てたが非常にきわどい勝負だったのだ。次に勝てる保証はない。だからこそ、カルとデラの絆が、安易な恋愛関係ではなく師弟関係になったことは建設的に思える。近年の新聞ばなれにメディアも旧態では生き残れない。真実の報道のためには内外の圧力と戦わねばならない時代なのだ。

 報道の正義を正面から描くことができた70年代とは違う混迷が、現代の米国には漂っている。サスペンスとしてひねりすぎて、社会派映画の比重が低くなったのが惜しいが、それでもこの映画のメッセージ性は損なわれていない。時代の変化が政治の腐敗を生んだなら、ジャーナリズムとて危うい存在であることに変わりはない。発行部数増加のために報道が魂を売る日が来ないと誰が言いきれよう。エンドロールに映る輪転機は本物のワシントン・ポストの機械だという。この映画の裏側のテーマはジャーナリズムの衰退への警鐘だということに気付かねばならない。朝刊の一面に刷られるのが真実である今のうちに。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)スリリング度:★★★★☆

□2009年 アメリカ映画 原題「STATE OF PLAY」
□監督:ケヴィン・マクドナルド
□出演:ラッセル・クロウ、ベン・アフレック、ヘレン・ミレン、他

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ゴーン・ベイビー・ゴーン

ゴーン・ベイビー・ゴーンゴーン・ベイビー・ゴーン
日本ではなぜか劇場未公開だった米映画「ゴーン・ベイビー・ゴーン」をDVDで鑑賞。

俳優のベン・アフレックが初めて監督に挑戦した作品だ。
主演はベンの実弟ケイシー・アフレック。共演は、最近売れっ子のミシェル・モナハン。他に、ベテランのモーガン・フリーマンとエド・ハリスが重要な役で登場。ちなみにベンは出演せず監督業に専念している。

ボストン・ドーチェスター地区を舞台に、少女誘拐事件を追う暗いサスペンスだ。これだけの豪華キャストなのに、なぜ日本ではビデオ・スルー(劇場公開されず直接レンタル店に並ぶ作品)になってしまったのかは不明だが、過激な銃の描写でR指定は必至、何より幼児虐待という陰鬱なテーマが問題だったのでは…と推察する。案の定、米国での興収はかんばしくなかった。

物語は、やや懲りすぎの感はあるものの、アメリカ映画によくある勧善懲悪ものではなく、何が正しいのかをはっきりと描かない、いわゆる問題提起型の作品と言えようか。子供にとって何が幸せなのか、親と社会の役割や限界などがテーマ。作り手の意欲は感じるのだが、子供を題材にしているだけに、白黒をはっきりと付けない曖昧さがあと味の悪さにつながってしまった。それから、ケイシーはいい役者だが、風貌が幼いので、やさぐれ探偵に見えないのもマイナスだったと思う。

それでも監督であるアフレックは、出身地のボストンの空気を上手くつかみ、地元住民をエキストラに使ってリアルな質感を目指すなど、真摯に取り組んでいる。彼はかつて、「グッドウィル・ハンティング」の共同脚本で盟友マット・デイモンと共にオスカーを受賞した才能の持ち主だ。米国では、児童犯罪は、デリケートな社会問題。本作では、あえて難しいテーマに挑む気概とアフレックの映画作りへのこだわりを、評価したい。

(出演:ケイシー・アフレック、ミシャル・モナハン、モーガン・フリーマン、他)
(2007年/アメリカ/ベン・アフレック監督/原題「Gone Baby Gone」)


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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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