映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

ベン・ウィショー

パディントン2

Paddington 2
南米・ペルーのジャングルからやって来たクマのパディントンは、ロンドンのウィンザー・ガーデンでブラウン家の家族の一員として、幸せに暮している。もうすぐ大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日なのでプレゼントを探していたパディントンは、骨董品屋ですてきな飛び出す絵本を見つける。高価なその絵本を購入するために慣れないアルバイトを始めるが失敗ばかり。それでも頑張っていたある日、絵本が何者かによって盗まれ、パディントンはなんと容疑者として逮捕されてしまう。パディントンは自分の無実を証明するため、ブラウン家の人々と事件の真相を追うが…。

紳士すぎるクマのパディントンの活躍を描く人気作の続編「パディントン2」。今回は飛び出す絵本に隠された秘密を巡って落ち目の俳優が仕組んだ罠で無実の罪に!だが心配ご無用。礼儀正しく親切なパディントンの愛すべき“もふもふパワー”が見事に事件を解決していく。前回のヒットを受け、この続編は大幅にスケールアップしていて、大都会ロンドンを舞台に、カーチェイスや走行中の列車上での移動など、アクションすべてが躍動的でパワフルだ。もちろん前作同様、心がほっこりするエピソードも多数。中でも刑務所で最凶の囚人ナックルズ(名優ブレンダン・グリーソンが妙演)と友情を育む様は、微笑ましい。悪役なのにどこか憎めないヒュー・グラントの存在も効いているし、パディントンが飛び出す絵本に入り込む夢のシーンなど、カラフルでファンタジックな映像にも心が躍る。

赤い帽子と青いダッフルコートのパディントンはもちろん今回も最高にキュートだが、移民や多様性をテーマにした前作同様、この続編にも大切なメッセージが隠されている。それは相互理解だ。偏見を持たず寛容の心を持つことの難しさを痛感する昨今だからこそ、純粋なパディントンと、彼を家族として受け入れたブラウン一家との家族の絆、心優しい囚人仲間の友情が胸を打つ。苦さと甘さが溶け合うマーマレードように、豊潤な香りがするハッピーな作品だ。
【70点】
(原題「PADDINGTON 2」)
(英・仏/ポール・キング監督/ヒュー・グラント、ブレンダン・グリーソン、(声)ベン・ウィショー、他)
(ほっこり度:★★★★★)


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

白鯨との闘い

白鯨との闘い ブルーレイ&DVDセット(2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
1819年、アメリカ・マサチューセッツ州ナンタケット島は、捕鯨産業でその名を世界にとどろかせていた。大量の鯨油を手に入れようと島の港を出港した捕鯨船エセックス号には、腕のいい一等航海士チェイス、名家出身だが経験不足の船長ポラードらが乗船していた。だが、太平洋沖4,800kmの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。死闘の末に、船を沈められてしまう。生き残った者たちはわずかな食料と飲料水をかき集め、ボートで脱出するが、絶望的な漂流生活の中、生きのびるためにある決断を下すことになる…。

ハーマン・メルビルの小説「白鯨」にインスピレーションを与えた、捕鯨船エセックス号の海難事故の衝撃的な実話を映画化した「白鯨との闘い」。「白鯨」はグレゴリー・ペック主演で映画化もされている米文学の名著だ。ただ、映画を見ると「白鯨との闘い」という邦題には、ちょっと違和感を感じてしまう。観客は、人間と巨大鯨が海上で一大バトルを繰り広げるアクション映画を期待するはず。もちろん化け物のような白鯨とは戦うが、本作の主題はむしろ沈没後の壮絶な漂流サバイバルにあるのだ。闘うのは極限状態にある自分自身である。映画は、作家メルビルがエセックス号最後の生存者ニカーソン(事故当時は少年)に取材をしながら、誰もが口を閉ざした事実を浮き彫りにするスタイルで進んでいく。メルビルが知った、生き抜くために倫理や道徳を踏み越えた人間たちの“真実”が、やがて白鯨に片足を奪われたエイハブ船長の狂気の復讐という圧倒的な“物語”を生み出したのだ。自然をねじふせようとした人間の傲慢への神の怒りが、巨大な白鯨を遣わしたのだろうか。航海士チェイスの目の前をゆっくりと横切る白鯨の大きな瞳は、これから彼らに起こることすべてを見透かした目のようだ。19世紀の鯨油ビジネスの階級制度など、興味深いサブストーリーにも注目したい。爽快さとは無縁の過酷なサバイバル劇だが、名匠ロン・ハワードは、ミステリアスな実録ドラマに仕上げてみせた。時に荒れ狂う大海原、巨大鯨との死闘、命がけの漂流。どれもが死と隣り合わせなのに、その映像は不思議なほど荘厳で美しい。
【70点】
(原題「IN THE HEART OF THE SEA」)
(アメリカ/ロン・ハワード監督/クリス・ヘムズワース、ベンジャミン・ウォーカー、キリアン・マーフィ、他)
(サバイバル度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
白鯨との闘い@ぴあ映画生活

パディントン

パディントン [Blu-ray]
ロンドンのパディントン駅に、真っ赤な帽子をかぶった小さなクマが降り立つ。家を探しに南米ペルーのジャングルの奥地からやって来たそのクマは、紳士的な態度と丁寧な言葉使いで通行人に話しかけるが、彼がクマだからか、誰からも相手にされない。やがて新切なブラウン一家と出会った彼は“パディントン”と名付けられ、一家の屋根裏に住みながら家を探すことに。初めての都会暮らしにとまどいながらも、純粋なパディントンは、次第に街の人気者になっていく。だが、謎の美女ミリセントが、パディントンを誘拐しようと狙っていた…。

世界中で愛されているマイケル・ボンドの児童文学「くまのパディントン」を実写映画化した「パディントン」。ポスターやチラシを見るかぎりでは、なんだかあまり可愛くない。というよりリアルすぎてキモい。原作の挿絵のパディントンの愛らしさを返せ〜!と、ひそかに憤っていたのだが、いざ映画を見てみると、意外なほど可愛いのだ。動いてナンボだったのか、パディントン!紳士的で丁寧な言葉使い、性格はかなりドジだけど、誠実でピュアなクマ。なるほど人徳、いや熊徳がある。ストーリーは、パディントンと、ちょっぴり変わり者のブラウン一家との心温まる日々から、ある理由からパディントンをつけ狙う美女ミリセントとの攻防という冒険物語へ。悪役を演じるニコール・キッドマンがノリノリで、まるでMIPのトム・クルーズばりのアクションまで披露して笑わせる。何よりも驚いたのは、パディントンの声を演じるベン・ウィショーの演技力だ。声のトーンだけで、あれほどパディントンの野性と知性、健気さまで表現できるとは!一見子どもむけのファンタジー映画だが、根底に流れるテーマは、他者との違いを喜び合う社会を目指すこと。人種や宗教の差異による争いが絶えない現代社会には、最も必要なメッセージかもしれない。
【65点】
(原題「PADDINGTON」)
(イギリス/ポール・キング監督/ベン・ウィショー(声)、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、他)
(ほのぼの度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
パディントン@ぴあ映画生活

ブライト・スター いちばん美しい恋の詩(うた)

ブライト・スター いちばん美しい恋の詩うた DVD
夭折した天才詩人キーツの恋を描く繊細な恋愛ドラマだ。1818年、ロンドン郊外に若き詩人のジョン・キーツがやってくる。親友のブラウンの家で暮らす彼は、隣家に住む、刺繍やダンスが大好きな娘ファニーと惹かれ合う。詩人として駆け出しのキーツは、評論家の酷評や弟の死、貧しさなどに苦しみながらも、ファニーとの淡い恋の中で、次々に完成度の高い作品を生み出していく。だが、キーツは弟と同じ肺患を患ってしまい…。

ヒロインはよく窓辺に座っている。猫を抱いて物思いにふけったり、光にかざして手紙を読んだり、美しい緑を眺めたり。まだ女性が社会の中で自由ではなかった時代、窓辺にたたずむ行為は、広い世界への憧れのように見える。何しろファニーは、弟や妹らの付き添いなしには、愛するキーツに会うことさえ難しいのだ。だがこのような厳格な時代の空気が映画全編に漂う品格となって、はかなく美しい恋の、内に秘めた情熱を際立たせた。わずか25歳でこの世を去ったロマン派の詩人ジョン・キーツの純愛物語は、プラトニックゆえの官能性に満ちている。ブライト・スターとは「煌く星よ」というキーツの詩からとられたタイトルだ。ファニーとの純愛が、キーツの詩才を刺激し、美しい作品が生まれていく様子はみずみずしい輝きに満ちているが、病の身体で一人イタリアに旅立つキーツと彼と共に行けない悲しみを押し殺すファニーの表情もまた、残酷なまでに美しい。19世紀の英国には、伝統と革新がせめぎあっている。そんな時代の中、「平凡な50年を生きるより、夏の3日間を生きる蝶でありたい」と願う若い恋人たちはどこまでもピュアだ。襟につけたレースの手触りや、柔らかいリボン、優雅なドレスの衣擦れの音まで伝わってくるようで、細部にまで神経が行き届いている。ジェーン・カンピオンの十八番である硬質でストイックな少女の世界がここには確かにある。快活で知的なファニー・ブラウンを演じるアビー・コーニッシュの、何かを強く決心したような横顔が忘れがたい。
【65点】
(原題「Bright Star」)
(英・豪/ジェーン・カンピオン監督/アビー・コーニッシュ、ベン・ウィショー、ポール・シュナイダー、他)
(純愛度:★★★★☆)
人気ブログランキン  グ←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

映画レビュー「パフューム ある人殺しの物語」

パフューム スタンダード・エディション [DVD]パフューム スタンダード・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
天才調香師が作った究極の香水に唖然。目には見えない“香り”をすばらしい技術で映像化する。物語は奇想天外で、一種のファンタジーだ。 【65点】

18世紀のフランス。天才的な嗅覚を持ち、加えて自らには体臭がない孤独な青年グルヌイユは、街で見かけた少女の香りに魅了される。人間から匂いを抽出する方法で同じ香りを作ろうと、彼は次々に若い女性の命を殺めるが…。

究極の香りを作るために起こす殺人。観客には、犯人とその動機は分かっている。残る興味は、この物語にどう決着をつけるのか。そのプロセスで最も重要なのは、殺人事件の発端である「香り」を映像化する方法だ。

目に見えない香りを表現するのに使ったのは、映像美と潜在意識と音。まず映像のデフォルメがすごい。渋く強調した色彩と明暗で描き、細部まで作り込んだ高密度の映像が観客の脳内に叩き込まれる。魚市場の悪臭、赤毛の少女の芳香、紫に染まるラベンダー畑。これらに、ベルリン・フィル・ハーモニー管弦楽団の最高の演奏がかぶれば、香りはスクリーンから文字通り立ち昇る。潜在意識に香りが注入されたら、物語の虜になるのは時間の問題だ。

驚異的なビジュアルは、時には笑いさえ誘いながら終盤に向けてエスカレート、殺人罪で捕まったグルヌイユの処刑場で頂点へ。大群集による異様な大乱交シーンは、綿密に計算された振付けによるものだ。ありえない!なぜこうなるの?でもスゴイ!金縛り状態で、目が離せない。

一見、天才調香師の成功物語のように始まり、予想もしない軌道を描くこの作品には、常識の枠を越えた独創性がてんこもりだ。主人公は矛盾した救世主で、人々を愛で酔わせ、自らも愛に収束したと考えれば、納得がいく。映画「ツィゴイネルワイゼン」の中で“桃は腐りかけが一番美味しい”と言うセリフがあるが、この物語はまさにそれ。境界線ギリギリの位置に立つ映画だ。踏み外せばキワモノだが、すんでのところでアートになっている。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ユニーク度:★★★★☆

□2006年 ドイツ映画 原題「Perfume - The story of a murderer -」
□監督:トム・ティクヴァ
□出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が趣味で運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり更新中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
当サイトはリンクフリーです
★相互リンクは設けておりませんが、当サイトはリンクフリーなので自由にリンクしてください。リンクの報告は基本的に不要です。
リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ