映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

マイケル・B・ジョーダン

ブラックパンサー

ブラックパンサー・ザ・アルバム
アフリカの秘境にあるワカンダ王国。そこは発展途上国と思われているが、本当の姿は世間から隔絶された超文明国だった。ワカンダで産出される鉱石ヴィブラニウムが高度なテクノロジーを可能していたが、同時にそれは世界を破滅させるほどのパワーを秘めていて、歴代の王は、悪用されないように鉱石の存在を極秘にしていた。父王の急死により、国王とブラックパンサー、二つの使命を引き継いだティ・チャラは、謎の男エリック・キルモンガーや武器商人ユリシーズ・クロウらがヴィブラニウムを狙ってワカンダに潜入しようとしていることを知る…。

国王とヒーローの二つの顔を持つマーベルのキャラクターが活躍するアクション超大作「ブラックパンサー」。国家元首として自国の利益を守るか、あるいはヒーローとして技術と富を共有し人類を守るか。この葛藤は、まさしく現代アメリカを鏡に映したものではないか。さらには、国家や正義のために血のつながりを持った敵と戦わねばならない展開は、ギリシャ神話をも思わせる。ブラックパンサーの決断は、正義と政治の両方に深く関係し、その影響力は計り知れない。黒人を主人公にしたヒーローものは、ブラックスプロイテーション映画の系譜だが、この物語の同時代性を見れば、本作が人種を超えた普遍的なテーマを扱っていると、すぐに気付くだろう。

とはいえ、黒人特有の秀でた特性を活かすことは忘れていない。彼らのルーツを思わせるアフリカの鼓動のような音楽、しなやかな体躯を活かしたアクション演出はブラックパンサーと敵手エリックの動きを流麗に見せている。暴れっぷりがハンパない、美しい女性キャラにも目を奪われた。監督のライアン・クーグラーは「クリード チャンプを継ぐ男」でもアクションに冴えを見せたが、大胆な長回しを用いるなど、むしろ長編デビュー作「フルートベール駅で」にも通じる作家性をスーパーヒーロー映画に持ち込んだセンスを評価したい。マーベルのヒーローは、神だったり大富豪だったり、緑色の大男に変身する科学者だったり…と、誰もが一風変わっているが、ブラックパンサーはその中でも別格だ。希少鉱石ヴィブラニウムはキャプテン・アメリカの盾(シールド)にも使われていて、ブラックパンサーは次回のアベンジャーズにも参戦する。だが本作の優れた点は、この1本単体でも物語がしっかりと構築されていることだ。美しく強靭な黒ヒョウの活躍を見逃してはならない。
【75点】
(原題「BLACK PANTHER」)
(アメリカ/ライアン・クーグラー監督/チャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、他)
(重厚度:★★★★☆)


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

クリード チャンプを継ぐ男

「クリード チャンプを継ぐ男」オリジナル・サウンドトラック(スコア)
ボクシングのヘビー級チャンピオンだったアポロ・クリードの息子、アドニスは、保険会社の堅実な仕事を辞めてフィラデルフィアへ向かった。今は亡き父と伝説的な戦いを繰り広げた、ロッキー・バルボアに会うためだった。アドニスは老いたロッキーを捜し出すと、トレーナーになってほしいと頼む。最初は、もうボクシング界から引退したからと断るが、アドニスの中にアポロと同じ才能とファイティング・スピリッツを見出したロッキーは、トレーナーを引き受けることを決心する…。

名作ボクシング・ドラマ「ロッキー」シリーズのスピンオフともいえる「クリード チャンプを継ぐ男」は、ロッキーのライバルで親友だったアポロの息子アドニスという、思いもよらない変化球でスタートする。擬似親子のような関係のドラマや、老ロッキーの苦悩、アドニスのロマンスや成長物語も用意して、新しいファンも、往年のファンも納得する作りだ。ライアン・クーグラー監督はまだ若いが、秀作「フルートベール駅で」でみせた丁寧な演出が光っている。面白いのは、物語の中で不在であるアポロの存在感の大きさだ。鳥を追いかける練習法や星条旗のトランクスなど、心憎いアイテムや演出もたっぷりある。もちろん、ファイトシーンは迫力で、親の七光りと呼ばれたアドニスが驚くべき才能をみせ、次第にスタジアムの観客を味方につける展開は「ロッキー」と同じ。一方で、オマージュをささげながらも、現代ならではの変化もある。病におかされた老ロッキーはもはや、フィラデルデイアの階段を駆け上ることはできなくなったが、ゆっくりと、でも確実に階段をのぼる姿は、穏やかな神話のようだ。新シリーズの続編制作の話もあるとか。世代を超えた熱いファイトに、感動を覚える。
【85点】
(原題「CREED」)
(アメリカ/ライアン・クーグラー監督/シルヴェスター・スタローン、マイケル・B・ジョーダン、テッサ・トンプソン、他)
(擬似親子度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
クリード チャンプを継ぐ男@ぴあ映画生活

ファンタスティック・フォー

ファンタスティック・フォー 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]
天才的な才能を持つ発明オタクのリードは、相棒のベン、科学者の養女スーとその弟ジョニーと共に、人類の未来をかけた研究に参加する。研究の末に完成した物質転送装置で異次元空間プラネット・ゼロへのテレポートに挑むが、予期せぬ事故により彼らの体は衝撃的な変化を遂げ、超人的パワーを宿してしまう。一方、同じく事故に巻き込まれ、行方不明になっていたビクターは、4人を遥かに上回る想像を絶する能力を得ていた。秘密軍事基地に連れていかれ、大人たちの思惑によりバラバラになっていた4人だったが、ビクターの恐るべき策略を知り戦うことを決意する…。

マーベル最初のヒーロー・チームの誕生の瞬間を描く「ファンタスティック・フォー」は、2000年代のシリーズからキャストを若手に一新したリブート版だ。どこまでも明るく和気あいあいとした仲良しチームの印象だったが、本作はむしろ思いがけず手にした超能力に悩む青春ドラマの様相である。おかげで、単純明快だった前シリーズと違い、本作はヒーロー・アクション・ムービーとしては動きが乏しく、何とも地味な仕上がりになってしまった。キャストが地味なのもこれまた問題だが、クライマックスのバトルが地球外で行われるというところに、脚本の決定的なミスがある。「よそでやってる勝手な戦い」的な印象で、共感できないのだ。しかし、それだけで切り捨てるにはちょっと惜しい作品でもある。若者4人のキャラはしっかりその個性を描きわけているし、心と肉体の変化にとまどいながら成長するのは、青春映画のお約束。監督のジョシュ・トランクが手掛けた「クロニクル」でもとりあげた、超人的な能力と自分の役割に折り合いを付け、仲間と共に成長するドラマとして楽しみたい。
【50点】
(原題「FANTASTIC FOUR」)
(アメリカ/ジョシュ・トランク監督/マイケル・B・ジョーダン、マイルズ・テラー、ジェイミー・ベル、他)
(地味度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ファンタスティック・フォー@ぴあ映画生活

フルートベール駅で

フルートベール駅で [DVD]
黒人青年が鉄道警官に射殺された実話を映画化した「フルートベール駅で」。痛ましい事件だが、告発調にしていないところがいい。

サンフランシスコの郊外ベイエリアに住む、22歳の黒人青年のオスカーは、恋人ソフィーナと、2人の間に生まれた愛娘タチアナと共に慎ましく暮らしている。失業したが、何とか生活を立て直そうと心に誓っていた。大晦日、母親の誕生日を祝い、ソフィーナや仲間たちと新年の花火を見るためサンフランシスコへ行くが、地下鉄の中でケンカに巻き込まれて乱闘騒ぎになってしまう。駆け付けた鉄道警官からフルートベール駅のホームに引きずり出されたオスカーは、何もしていないと主張するのだが…。

2009年の元日、サンフランシスコのフルートベール駅で、22歳の黒人青年オスカー・グラントが鉄道警察に銃で撃たれて死亡した。丸腰の彼が撃たれる様子は、居合わせた他の多くの乗客が携帯で撮影。人種差別によって引き起こされたその事件の映像はネットに流れ、全米で抗議集会が行われるなど、大きな波紋となって広がった。本作は、事件の犠牲者である青年オスカーの“人生最後の1日”を描くものだ。前科がありドラッグの売人の経験もあるオスカーは、失業したことで一度は麻薬の売人に戻ろうとするが、良き夫、良き父親になるため、踏みとどまる。彼は、より良い人生をおくりたいという希望を胸に抱いた、ごく平凡な心優しい青年なのである。オスカーのこのキャラクターは、観客に「自分の近くにもオスカーはいる」と思わせ、共感を呼ぶはずだ。事実、これが最後の1日になるとは知らずに過ごす、オスカーの日常は、思い悩みながらも、小さな喜びや幸福感に満ちている。そんな中、印象的な場面は、ガソリンスタンドの前でひき殺された犬を抱きしめるシーンだ。無抵抗なまま命を奪われるその犬は、オスカー自身に他ならない。フルートベール駅のホームで、手錠をかけられうつぶせの状態で白人警官に射殺された黒人青年オスカーの事件は、波紋を呼ぶが、白人警官に下された罰は懲役2年でわずか11ヶ月で釈放されている。これがアメリカの法の実態だ。作り手は大きな憤りを胸に秘めているが、映画は決して告発調には傾かない。不条理に命を奪われた一人の青年の、ささやかだが愛おしい人生を見つめた演出が好ましい。低予算でわずか20日間で撮影された本作は、サンダンス映画祭他、世界中で高く評価された。米国の黒人を扱う映画の多くは主人公は偉人や有名人でドラマチックな歴史を背負うことが多いが、本作の主人公は名もない青年。だからこそ彼の短かすぎる人生が多くの観客の胸にリアルに迫る。
【65点】
(原題「FRUITVALE STATION」)
(アメリカ/ライアン・クーグラー監督/マイケル・B・ジョーダン、メロニー・ディアス、オクタヴィア・スペンサー、他)
(不条理度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!


人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

フルートベール駅で@ぴあ映画生活
おすすめ情報
最新コメント
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

  • ライブドアブログ