映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「パッセンジャー」「キングコング 髑髏島の巨神」etc.

マーク・ウォールバーグ

テッド2

テッド2 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
テッドが父親になるべく人権裁判で奮闘する「テッド2」。今回は完全にテッドが主役。

アルバイト先で出会った恋人タミ・リンとついに結婚した中年テディベアのテッドは、親友のジョンと相変わらずツルむ毎日。テッドは子供がほしいと願うが、そのためにはテッドはぬいぐるみではなく人間であることを証明する必要があった。モノと見なされれば、結婚も無効になってしまう。親友をモノ扱いされ怒り心頭のジョンは、若くて美人の弁護士サマンサに協力を頼み、何とかテッドの人権を勝ち取ろうとするが…。

テディベアのテッドが命を宿すことも、見た目は可愛いぬいぐるみのテッドが中身は中年であることも、前作ですでに学習済。そういう意味でのインパクトは薄れたものの、前作では大人になりきれない“人間の”ジョンの物語だったが、今回は“ぬいぐるみ”のテッドが堂々の主役だ。命を宿したぬいぐるみであるテッドが人間だと、いったいどうやって証明するのか?!が見所である。まったく成長が見られないサンダーバディ(ジョンとテッド)が裁判に挑むが、真面目な法廷ものになるはずもなく、相変わらずお下劣、おたく、ボストン愛が満載。とはいえ、セス・マクファーレン監督は、そのバカバカしさの裏側に「人間とは果たしてどういう存在か」という哲学的なテーマをこっそりと仕込んでいる。前作で登場したテッドを偏愛する例の男が再び登場し、彼の悪知恵がテッドの人権問題を大きく揺るがすことに。映画愛やコミコンネタも楽しいが、今回のイチオシは、ある大物スターのカメオ出演だ。映画序盤とエンドロールの後のワンシーンに登場し、笑わせてくれる。個人的には映画冒頭の、ザッツ・エンターテインメントばりのダンスシークエンスがお気に入りだ。いやはや、無駄に豪華なところが素敵である。
【65点】
(原題「TED 2」)
(アメリカ/セス・マクファーレン監督/マーク・ウォールバーグ、アマンダ・セイフライド、モーガン・フリーマン、他)
(盛りだくさん度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
テッド2@ぴあ映画生活

トランスフォーマー ロストエイジ

Transformers: Age of Extinction (Music from the Motion Picture)
トランスフォーマーと人類が挑む新たな戦いをド迫力で描く人気シリーズ最新作「トランスフォーマー ロストエイジ」。最初から最後まで大騒ぎ!でもメカフェチには至福かも。

トランスフォーマーと邪悪なディセプティコンが激闘を繰り広げてから3年。今や政府は人類を守って戦ったトランスフォーマーを敵視していた。テキサスの発明家ケイドは偶然トランスフォーマーのリーダー、オプティマスプライムに出会うが、そのため政府の秘密機関KSIから命を狙われる。さらわれた娘のテッサやオプティマスを助けるため、ケイドは立ち上がるが、ディセプティコンの残党で最強の敵ロックダウンや、謎の恐竜ダイナボットなどがたちはだかる…。

最初から最後までクライマックスのような大騒ぎで、ひたすらド派手。ストーリーの細部を突っ込んでいたら、こっちの体力がもたないので、いちいち気にしない。これがマイケル・ベイ作品の鑑賞時のお約束だ。シリーズ最新作である本作は、主演のマーク・ウォールバーグを筆頭にキャストを一新している。上映時間も165分と長尺で、テキサスの田舎から始まり、大都会の香港でも破壊の限りを尽くすムチャぶりだ。シリーズ初見の観客は、トランスフォーマーは人類の味方で正義、ディセプティコンは悪ということだけ覚えておけばOK。しかし、いつまでもトランスフォーマーから守ってもらうばかりの人間の進歩のなさには、やるせないものがある。ストーリーの空虚さに反比例して、ビジュアルのド迫力は桁違いで、シリーズ最高と言っていい。トランスフォームするときの滑らかな動き、クールな新デザインのトランスフォーマーのりりしさ、恐竜型トランスフォーマーのダイナボットや、巨大宇宙船でやってくるロックダウンらが入り乱れる超絶バトルを堪能するためにも、3D、もし可能ならIMAXでの鑑賞をすすめたい。ひたすらぶっ壊し、時折挿入されるユルいギャグやセクシーショット。いつしか楽しんでいる自分がいるはずだ。
【60点】
(原題「TRANSFORMERS: AGE OF EXTINCTION」)
(アメリカ/マイケル・ベイ監督/マーク・ウォールバーグ、ニコラ・ペルツ、スタンリー・トゥッチ、他)
(破壊度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
トランスフォーマー/ロストエイジ@ぴあ映画生活

ローン・サバイバー

ローン・サバイバー [Blu-ray]
ネイビー・シールズ史上最悪の惨事“レッドウィング作戦”の全貌を描く戦場アクション「ローン・サバイバー」。終盤に意外な助っ人が現れる。

2005年、アフガニスタン。マーカス・ラトレル一等兵らアメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズの4人の精鋭は、タリバンのリーダー暗殺のため、幹部の隠れ場所を偵察する特殊任務に就いていた。だが、山岳地帯で作戦遂行中に山羊飼いたちに遭遇し、迷った末に彼らを解放したことから、200人を越えるタリバン兵に囲まれる。世界最強の精鋭部隊にとっても死を覚悟する絶望的な状況の中、仲間と自分を信じて行動する4人だったが…。

アメリカ軍の作戦が失敗に終わった実話といえば「ブラックホーク・ダウン」がすぐに思い浮かぶが、本作が描くレッドウィング作戦の惨事には、美しいビジュアルもなければ、ヒロイックな行動もほとんどない。あるのは極限状態の絶望感のみ。ヒーローが助けにくる娯楽映画の展開を見慣れたものには、ショックが大きいはずだ。何しろ、実話ということで、4人のうちマーク・ウォルバーグ演じるマーカス・ラトレル一等兵以外は殉死することが分かっているのだから、さらに痛々しさは増すばかりだ。そもそも山中で、山羊飼いに遭遇したことが運のつきなのだが、そこには2つの意見があった。自分たちの任務遂行を考えれば彼らを“排除”するべきというもの。そして、子供を含む民間人を犠牲にするわけにはいかないというものだ。後者は正義感よりも、その事実が明るみになった時の世界中からの非難を恐れるがゆえの意見だろう。どちらが正しかったのかという答えは、おそらくないのだ。それにしてもこのサバイバル劇はリアルである。崖を転がり落ちる描写は、痛みが伝わってきそうなほど。シールズたちが、退却を迫られながらも勇猛に闘い、仲間には「おまえだけは生延びろ」という言うなど、やや美化された描写はあるものの、米国の絶対的正義というプロパガンダ臭は薄い。むしろ、終盤にマーカスが逃げ込む村での出来事には、驚かされる。同じ国民同士で憎み合い殺し合うのが日常の人々が、部外者の米軍に対して、助けや赦しという価値観を持っているとは。熾烈なサバイバルとアフガニスタンの複雑な現状。戦争とは、常に不条理に満ちている。
【60点】
(原題「LONE SURVIVOR」)
(アメリカ/ピーター・バーグ監督/マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、他)
(孤立無援度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ローン・サバイバー@ぴあ映画生活

2ガンズ

2ガンズ(初回生産限定) [Blu-ray]
2ガンズ(初回生産限定) [Blu-ray] [Blu-ray]
互いに素性を隠した2人が強奪された資金奪還に奔走するクライム・アクション「2ガンズ」。異色のバディ・ムービーでドライなタッチがいい。

麻薬取締局(DEA)の捜査官ボビーと海軍情報部将校のマイケルは、互いの素性を知らないまま、メキシコの麻薬組織でマフィアの手先となって潜入捜査を行っていた。マフィア組織の尻尾をつかんで4000万ドル(約40億円)という大金を強奪し、晴れて互いの組織に戻れると思ったが、それがCIAの裏金だと判明。ボビーを裏切ったマイケルは金を海軍に運び込むが、上司から裏切られて金を失ってしまう。大金を失った二人はやむを得ず再び手を組むが、汚れた4000万ドルを巡って、二人は、麻薬取締局、海軍情報部、CIA、マフィアから追われることになる…。

デンゼル・ワシントンとマーク・ウォールバーグがバディを組むクライム・アクションと聞けば、映画好きならワクワクしてしまう。なぜなら、この二人、善玉も悪玉もこなせる演技派だからだ。物語は、麻薬取締局捜査官ボビーと海軍情報部将校マイケルが、互いを利用し、裏切りながらも徐々に絆を深めていく展開が見所。互いが所属する組織がともに悪に染まり、正義よりもことなかれ主義に走るというから、危険な潜入捜査をこなす二人はまったく気の毒なのだが、二人もまた裏切りや抜け駆けなど平気でやってのける。この話の登場人物たちはある意味、皆ダーティなのだ。ボビーとマイケルは、不信感マックスの状態で、生き延びるために手を組まざるをえなくなる。そこにコミカルな掛け合いを盛り込んだところがいい。バディ・ムービーは絆や信頼といった設定がセオリーのため、どこかしめっぽくなりがちなのだが、本作は、最初から信頼し合わない者同士のコンビだけに、掛け合いもドライで皮肉たっぷりなのだ。果たして汚れた大金の行方は? 二人はワルだらけの組織上層部とマフィアという絶体絶命のサバイバルを切り抜けられるのか? 一難去ってまた一難。爆破に銃撃戦に常識破りのカーアクションと、見せ場もド派手だ。原作がグラフィック・ノベルというだけあって、アクションもデフォルメされていて楽しめる。札束が舞うラストシーンでは爽快感が味わえるだろう。ワシントンとウォールバーグが、軽いタッチの役柄を楽しそうに演じている。
【60点】
(原題「2 GUNS」)
(アメリカ/バルタザル・コルマキュル監督/デンゼル・ワシントン、マーク・ウォールバーグ、ポーラ・パットン、他)
(コミカル度:★★★☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

2ガンズ@ぴあ映画生活

ブロークンシティ

ブロークンシティ [Blu-ray]
ブロークンシティ [Blu-ray] [Blu-ray]
大物政治家の陰謀に立ち向かう私立探偵を描くクライム・サスペンス「ブロークンシティ」。因縁の相手と対決するには刺し違える覚悟が必要なのだ。

ビリーは、7年前に警察官を辞職し、今はしがない私立探偵を開業している。NYが8日後に控えた市長選に沸くなか、ビリーは現市長のホステラーから呼び出され、ホステラーの妻キャサリンの浮気調査を依頼される。ビリーとホステラーは7年前にビリーが警察を辞めるきっかけとなったある事件の秘密を共有する間柄だった。調査を始めたビリーはキャサリンの相手が市長選の対立候補の右腕アンドリュースだと知り愕然とする。ビリーは調査結果をホステラーに渡すが、直後、アンドリュースが殺される。ビリーはホステラーの陰謀に利用されたことに気付くのだが…。

汚れた街(ブロークンシティ)とはニューヨークのことか、はたまた街を牛耳る悪徳政治家たちの隠喩か。いずれにしても一介の私立探偵である主人公が戦いを挑むには、相手は大きすぎる。現市長と対立候補の戦い、再開発業者と現市長との癒着、同性愛にそれぞれの正義と、物語のプロットそのものは、目新しさは特にない。だが、捜査中に容疑者を射殺した過去を背負う私立探偵ビリーと、裏金や癒着という悪徳を内包する市長のホステラーは、共に正義の側にはいないところに物語の深みがある。ビリーを捨て駒と考えるホステラーと、そうはさせないと意地を見せるビリーは、共に切り札を持っていて、同時にその札を切ることに。正直、先読み不能の状況になるが、ここでキーパーソンになるのが、ビリーを無実にした上で辞職をすすめた警察の上司フェアバンクス。いわばグレーゾーンにいるフェアバンクスの立ち位置が、勝敗を分けることになる。ビリーには“一寸の虫にも五分の魂”の意地があるが、そこには、過去の贖罪の意味が込められているのだ。このあたり、元警官の私立探偵という、ハードボイルドではおなじみのキャラクターの“それでも捨てられない正義”が垣間見えてグッとくる。個人的にはビリーの秘書兼助手のケイティのキャラが大いに気に入った。窮地に陥った探偵を救うのは、いつだって、仕事ができて気風がよく頼もしい助手なのだ。マーク・ウォルバーグがタフでダーティなヒーローを、ラッセル・クロウが腹黒い政治家をそれぞれ演じて適役。小品のクライム・サスペンスだが、キャスティングが意外なほど豪華だった。
【60点】
(原題「BROKEN CITY」)
(アメリカ/アレン・ヒューズ監督/マーク・ウォールバーグ、ラッセル・クロウ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、他)
(ノワール度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ブロークンシティ@ぴあ映画生活

ハード・ラッシュ

ハード・ラッシュ [Blu-ray]
伝説の運び屋が家族を守るため大勝負に出るアクション「ハード・ラッシュ」。悪役に魅力がないのが難点。

クリスはかつては国際的に暗躍する超一級の運び屋として裏社会に名を馳せていたが、今は、足を洗い、家族とともにつつましくも幸せに暮らしていた。だが義弟がコカイン密輸に失敗したため、ギャングから負債を押し付けられる。家族の命を守るための唯一の方法として、クリスは“ニセ札密輸”を計画。実行するため、刑務所にいる父や、親友に協力を仰ぎ、仲間とともに貨物船でパナマへと向かった。しかしそこでは、地元警察やマフィアなど、すべての者がクリスの目的を阻もうとする。クリスは彼ら相手に一大トリックを仕掛けるが、行く手には思わぬ罠が待ち受けていた…。

最近では「テッド」の大ヒットのおかげで、三枚目路線に傾いていたマーク・ウォールバーグ。もともとのイメージであるアクション映画へ戻ってきたのが本作だ。ただし、仲間とともに華麗なトリックであっと驚く完全犯罪を企てる痛快作というより、しがらみから闇家業に復帰した主人公が、裏切りやアクシデントの中で、泥臭くも捨て身の勝負に出る物語である。主人公クリスは男気あふれる性格だが、義弟アンディは犯罪者としても堅気の人間としても中途半端だし、親友のセバスチャンも何やら怪しい。一大トリックには信頼できる仲間が必須条件なのに、彼の周りは頼りにならないヤツらばかりで、別の意味でハラハラする。ギャングやパナマのマフィア、そして思わぬ裏切り者と、悪役キャラに強烈な個性がないのも迫力不足だ。パナマでの、マフィアとの取引はハプニングの連続で、ニセ札ばかりか名画強奪という事件まで起こってしまう。事件の発端やクリスの綿密な計画は、序盤は断片的でかなり判りづらいし、後半の展開は出たとこ勝負というより破れかぶれの作戦にしか思えない。それでも終盤はつじつまが合うし、ラストにはちょっとした爽快感も。何より、裏切り者を始末するのが、闇社会から足を洗うと決めた主人公ではなく、息子が堅気になったことを誇りに思っている、刑務所の中にいる父親というのがいい。巨大な貨物船を密室に仕立てた舞台設定がユニークだった。
【55点】
(原題「CONTRABAND」)
(アメリカ/バルタザール・コルマウクル監督/マーク・ウォールバーグ、ケイト・ベッキンセール、ベン・フォスター、他)
(家族愛度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ハード・ラッシュ@ぴあ映画生活

テッド

テッド ブルーレイ (デジタル・コピー付) [Blu-ray]テッド ブルーレイ (デジタル・コピー付) [Blu-ray] [Blu-ray]
命が宿ったテディベアと自立できない中年男の友情を描く異色コメディ「テッド」。愛くるしいルックスで中身はオヤジというギャップが最高!

1980年代のボストン。孤独な少年ジョンはクリスマスにもらったテディベアのぬいぐるみと本当の友達になりたいと祈る。ジョンの願いは叶い、命が宿ったテディベア“テッド”とジョンは「一生、親友でいよう」と誓い合う。それから27年。約束は守られ、中年になったジョンと同じく中年ベアになったテッドは、今日もソファでマリファナを吸いながらB級映画を見て怠惰に過ごしている。いい年をしていつもツルんでいる2人を見て、ジョンの恋人のローリーは「自分とテッドのどちらかを選んで!」とジョンに迫る…。

ぬいぐるみのテディベアに命が宿る。これは紛れもない奇跡だが、最初はもてはやされた奇跡も毎日続くと日常になる。魂が宿ったテッドの存在を周囲がごく当たり前として受け入れているという設定が、なにげなく可笑しい。奇跡のベアとして一時はセレブ扱いされたテッドが、一発屋の哀しさであっさりと堕落し、今や下品なジョークを連発するおっさんベアになっているというシビアな運命が、これまた可笑しい。テッドの声も担当している、セス・マクファーレン監督は、最初はこの物語をアニメ化しようと考えていたらしいが、絶妙な可笑しさが漂う実写にして大正解だ。女好きで、酒とドラッグに目がなく、パーティ好きな上にB級映画おたくの中年テディベアというだけあって、劇中には、過激なセリフやあられもないシーンが数多いのだが、これが不思議といやみがないのは、やっぱりキュートな見た目のおかげだろう。恋人のためテッドと離れる決心をしたジョンだが、テッドが就職し、一人暮らしを始めても、やっぱりツルんでしまうジョンにテッドが言う「いつも人のせいにして大人になりきれないのはおまえの方だ!」との言葉が鋭い。そのセリフの後の、実写アクション映画も顔負けの迫力の取っくみあいの大ゲンカを見ていると、ジョンとテッドは表裏一体で不可分の関係なのだと分かる。下品で粗野なテッドだが、最後にはジョンとローリーの間を取り持ち、熱い友情で感動させてしまうのだから、ガッツリ心をつかまれた。アメリカ映画のコメディは笑いのセンスがなかなか噛み合わないものだが、この作品は多くの観客のツボにハマるはず。タフガイのイメージのマーク・ウォールバーグだが、本作では、大人になりきれない中年男という脱力キャラを好演していた。凝りまくった「フラッシュ・ゴードン」ネタや、ノラ・ジョーンズ本人の出演など、細部まで意外にも豪華なのが楽しい。
【70点】
(原題「TED」)
(アメリカ/セス・マクファーレン監督/マーク・ウォールバーグ、ミラ・クニス、セス・マクファーレン、他)
(斬新度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

テッド@ぴあ映画生活

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事(デカ)!

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! [Blu-ray]アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! [Blu-ray]
クチコミを見る
“俺たち”シリーズの新しい主役は、その他大勢の刑事たち。笑いはスベり気味だが、金融業界を悪役にした物語は隠れ社会派だ。ラストに猛毒が仕込まれている。

ニューヨーク市警のテリーとアレンはスーパーヒーローとはほど遠い刑事コンビ。正義感は強いが、熱血が空回りするドジなテリーと、現場よりデスクワークが好きなアレンは、署内でいつもバカにされている。だが、アレンが処理していた書類仕事が、金融界の巨大な不正事件の摘発に発展していくことになり…。

アメリカ映画はヒーローが大好き。スクリーンには超絶的な活躍をするタフな刑事たちが山ほどいる。本作の冒頭でも、サミュエル・L・ジャクソンとドウェイン・ジョンソンのヒーロー・コンビが派手な銃撃戦やカーチェイスで大暴れするが、二人はあっさりと殉職。彼ら亡き後、次期スター候補を狙う“その他大勢(アザー・ガイズ)”は浮き足立つというわけだ。実際、花形刑事の活躍を支えているのは、名もない警官たちなので、目の付け所は面白い。物語は、駄目刑事ぶりを示すエピソードが無駄に多く、アレンの妻で超セクシーなシーラとのやりとりや、テリーが突如踊りだすなど、ほとんど意味のないギャグが満載。だが、そのギャグの合間にテリーとアレンが追う相手がちょっと変わっている。連続殺人犯や麻薬王ではなく、証券マンなのだ。木製のおもちゃのピストルやエコカーを駆使して、すったもんだしながら、結果として投資詐欺の巨悪に立ち向かってしまう。ウィル・フェレルという俳優のギャグは下ネタ系が多いせいか、どうも日本ではウケが良くないし、マーク・ウォルバーグもコメディにはフィットしていない。サービス精神は認めるが何だか消化不良の感があるコメディだなぁ…と思っていると、最後のエンドクレジットに思わぬ“爆弾”が仕掛けてあった。アニメーションを使って、世界不況を招いた金融崩壊の仕組みを巧みに説明し、詳細なデータを明記。おバカコメディのふりをして、根っこは硬派な作品なのである。これだから米映画のコメディは侮れない。
【65点】
(原題「The Other Guys」)
(アメリカ/アダム・マッケイ監督/ウィル・フェレル、マーク・ウォールバーグ、エヴァ・メンデス、他)
(脱力感度:★★★★☆)



にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事〈デカ〉!@ぴあ映画生活

ザ・ファイター

ザ・ファイター コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]ザ・ファイター コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
ボクシング映画にハズレなしというが、本作でもまたそのことが証明された。ボクシングというストイックなスポーツの魅力と、労働者階級出身のボクサーが抱える問題だらけの人生が見事にシンクロし、深い感動を呼ぶ。

マサチューセッツ州ローウェルに住むミッキーとディッキーは異父兄弟。兄のディッキーは才能あるボクサーだったのに、薬物に手を出し、すさんだ毎日を送っている。弟のミッキーは、トレーナーの兄やマネージャーの母が組む無理な試合のせいでさっぱり勝てない。ミッキーの恋人のシャーリーンは、家族と手を切ってトレーニングすればきっと勝てると提案するが…。

1985年にプロデビューしたアイルランド系米国人ミッキー・ウォードは、2003年に引退するまで数々の名勝負を繰り広げた伝説のボクサーだ。ミッキーはガッツあふれるボクサーだが善良でシャイな性格。一方、兄のディッキーは虚栄心が強く怠惰で、薬物依存。ついには、強盗騒ぎを起こして監獄送りになる。さらに悪いことにマネージャーを務める過保護な母親がミッキーの足を引っ張っていた。気の強い恋人シャーリーンは、ミッキーのために彼と家族を切り離そうとするが、内気なはずのミッキーは、毅然として言う。「僕には、きみもディッキーも母さんも必要なんだ」。誰かに必要とされること。それがどん底まで落ちた兄ディッキーを救ったのだ。その後、弟のトレーナーとして自覚したディッキーは薬物と手を切り、兄弟は二人三脚で栄光をつかんでいく。そのプロセスは、スポーツもの特有の高揚感に満ちていた。これはミッキーという“三流ボクサー”の才能が開花するボクシング映画である以上に、問題を抱えた家族が変化していく物語なのだ。クライマックスの迫力のファイトシーンには、見ているこちらも思わず拳に力が入る。ショボいのに愛すべきローウェルという町そのものが一人のキャラクターのようで、町の誇りである兄弟ボクサーに懸命にエールをおくっているかのよう。体重を13kgも落とし髪を抜き歯並びまで変えて怪演するクリスチャン・ベイルと、子供を愛しすぎるがゆえに束縛してしまう母を演じたメリッサ・レオが見事にオスカーを受賞したが、恋人シャーリーンを演じるエイミー・アダムスやミッキー役のマーク・ウォルバーグも文句なしに素晴らしい。ボクシング映画というと主人公一人が際立つのが普通だが、本作は俳優たちの名演技のアンサンブルによって、忘れがたい作品になっている。
【75点】
(原題「THE FIGHTER」)
(アメリカ/デヴィッド・O・ラッセル監督/マーク・ウォールバーグ、クリスチャン・ベイル、エイミー・アダムス、メリッサ・レオ、他)
(家族愛度:★★★★☆)
チケットぴあ


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ザ・ファイター@ぴあ映画生活

【送料無料】ザ・ファイター COLLECTOR'S EDITION

【送料無料】ザ・ファイター COLLECTOR'S EDITION
価格:2,953円(税込、送料別)

映画レビュー「ラブリーボーン」

ラブリーボーン [DVD]ラブリーボーン [DVD]
◆プチレビュー◆
14歳で殺された少女の視点で描く物語は、意外な方向から生を肯定する。幻想的な映像が美しい。 【70点】

 スージーは14歳のときに、近所に住む男から襲われ殺された。彼女は美しく不思議な場所へ辿り着く。ここは天国? スージーはその場所から、悲しみに沈む家族や野放しの犯人を見つめ、何とか自分の思いを伝えようとするが…。

 あの世とこの世の境のような場所から、現世をみつめる少女。この立ち位置が何といってもユニークだ。少女の胸の内にある感情は、理不尽に殺された無念、犯人への憎しみ、何より、自分の死によって崩壊していく家族に対して、何もできないもどかしさ。カトリックには煉獄(れんごく)という考え方があって、小さな罪を犯した死者の霊が悔い改めて天国へと向かう、浄化の場があるが、何の罪もないスージーがいるその場所では、何をどう浄化すればいいのか。映画はこの問いに不思議な道のりで答えていく。

 ホラー映画ならスージーは幽霊になって犯人に復讐…という展開になろうが、この映画は無慈悲な殺人事件の解決には主眼を置いていない。これはたった14歳で人生を終えた少女が、自分に起こった死という大事件を理解し、受け入れ、短いながらに愛に満ちた生を肯定していく物語なのだ。14歳の身にあまりに突然降りかかった死は、スージーには受け入れがたいもの。彼女は混乱し不安になりながらも、短い人生のあらゆることをゆっくりと咀嚼していく。姿は14歳のままだが、彼女の心は成長するという設定が上手い。

 風変わりな物語と共に映画を魅力的にしているのは、独創的なビジュアルだ。神秘的な色彩とシュールな構図で、スージーの心境に寄り添うように姿を変える魔法のような情景が素晴らしい。スージーの立つ光り輝く水面の先には、父親が作っていたボトルシップが見える。深い森では見知らぬ少女と出会って仲良しになる。雪に覆われた山々のふもとの湖面には、巨大な赤いバラの花が。そして繰り返し現れる見晴らし台。現世でゆかりのあるアイテムを散りばめたその空間は、初めて見る感覚と懐かしい感覚の両方を兼ね備えている。

 それにしても、ショッキングな殺人事件を告げる導入部からファンタジーの世界をさまようこの物語が、これほどスリリングだとは。私たち観客は、犯人を知っているがどうすることもできないスージーと同じなのだ。捜査で行き詰る警察や両親の不和、命を狙われる大切な妹の運命、初恋の人レイへの消えない思いを、ドキドキしながら見守ることになる。スージーを演じるシアーシャ・ローナンは、過酷な運命を受け入れ再生する死者という難役を繊細に演じてくれた。彼女が自分よりずっと大人の登場人物たちを見守る、包容力さえ感じさせるのだからスゴい。今後がますます楽しみな若き演技派女優である。

 不条理な犯罪と被害者家族の癒えない傷。悲劇に見舞われたスージーの物語は、悲痛なだけに終わらず、癒しを与えてくれるものだった。残された者たちが悲しみを乗り越え、しっかりと前を向いて生きることが、死者に平穏をもたらすという死生観がこの物語のスタンスなのだ。道徳や法律とは少し違う正義や死後の世界の解釈で、賛否が分かれそうな作品だが、生の肯定を死者の思いからとらえ直した逆転の発想と、それを壮大なファンタジーとして昇華する作品世界には、ポジティブな感動がある。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)映像美度:★★★★☆

□2009年 米・英・ニュージーランド合作映画 原題「THE LOVELY BONES」
□監督:ピーター・ジャクソン
□出演:シアーシャ・ローナン、マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、他

映画レビュー用BRバナー
←応援ポチ、よろしくお願いします!

シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
震災には負けない!
リンクシェア・ジャパン 東北地方太平洋沖地震 義援金プロジェクト

犬・猫の総合情報サイト『PEPPY(ペピイ)』

icon icon
おすすめ情報
おすすめ情報

twitterやってます!
おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
いいね!もよろしく♪
Facebookをご利用の皆さん、このブログが気に入ったら、ぜひ「いいね!」ボタンをポチッと押してください。 渡まち子の励みになります!
タグクラウド
  • ライブドアブログ