映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

マーク・ストロング

女神の見えざる手

Miss Sloane [Blu-ray]
敏腕ロビイスト、エリザベス・スローンは、銃の所持を支持する仕事を断り、大手ロビー会社から、銃規制派の小さな会社に数人の部下を連れて移籍する。莫大な財力を誇る敵陣営に、卓越したアイデアと強気の決断力で立ち向かうエリザベスだったが、やがて彼女の赤裸々な私生活が露見し、さらには彼女の部下を巻き込んだ予想外の事件が発生。事態が悪化し、絶体絶命のピンチに陥ってしまう…。

政府や世論を影で動かす戦略のプロで天才ロビイストのヒロインの闘いを描く社会派サスペンス「女神の見えざる手」。ロビイストとは、特定の主張を有する個人または団体の利益を政治に反映させるために、 政党・議員・官僚などに働きかけることを専門とする人々のこと。主人公エリザベスは花形ロビイストで、真っ赤なルージュ、高級ブランドの服、ハイヒールといういでたちで、敵だけでなく味方さえも欺く戦略の天才だ。ワーカホリックで寝る時間も惜しんで働き、恋愛はエスコートサービスで合理的に済ませるという、あまりに好戦的なこのヒロインに共感するのが最初は難しいかもしれない。だが、したたかで巧妙な彼女の手段は時にダークでも、その信念は気高いことに気付いた時、エリザベスが“女神”に見えてくる。

演技派のジェシカ・チャステインが「ゼロ・ダーク・サーティ」よりさらにパワフルな女性を怪演に近い熱演で演じて魅力的だが、脇を固める役者もマーク・ストロング、ジョン・リスゴー等、渋いキャスティングなのがいい。「恋におちたシェイクスピア」などのジョン・マッデン監督の演出は、すこぶるテンポが良く、裏切りやどんでん返しを繰り返しながら、132分を一気に駆け抜け、飽きさせない。欲を言えば、先を読み、罠をしかけ、切り札を隠し持つエリザベス・スローンの、プライドとストレスでせめぎ合う心の内(うち)をもう少し見たかった気がする。銃規制法案というタイムリーな話題、聴聞会のシーンから過去を紐解く語り口の上手さ、政治の腐敗の内幕までも見せてくれる、良質な社会派ムービーだ。同時に、現実社会でこれほど銃乱射事件が頻発し犠牲者が出ても、アメリカが銃社会であり続ける複雑な事情が伝わってきてやるせない。
【70点】
(原題「MISS SLOANE」)
(アメリカ/ジョン・マッデン監督/ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ジョン・リスゴー、他)
(辛辣度:★★★★★)
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リピーテッド

リピーテッド [Blu-ray]
記憶に障害を持つ女性が思いもよらない事態へと巻き込まれるサスペンス「リピーテッド」。記憶は常に書き換えられる可能性があるのだ。

事故の後遺症により、目覚めるたびに前日の記憶を失うという特殊な記憶障害を持つ女性クリスティーンは、献身的な夫ベンの支えで毎日を送っていた。ある日ベンの留守中に、ナッシュという医師から電話がかかり、少し前からベンに内緒でクリスティーンの治療を行っていること、ここ数週間のクリスティーンの毎日を記録した映像日記があることを知らされる。その映像を再生すると、思いもよらない真実が記録されていた…。

原作は、SJ・ワトソンのベストセラーミステリー「わたしが眠りにつく前に」。主人公クリスティーンは、記憶障害は事故のせいではなく、何者かに襲われて瀕死の重傷を負ったためだと知り、その謎を探っていく。そのためのツールが“昨日の自分からのビデオメッセージ”というところが面白い。原作では映像日記ではなく文字でつづる日記。映像にすることで、クリスティーンの不安や動揺がよりリアルに伝わってくる。壁に貼られたたくさんの幸福そうな写真、再会した親友や医師の言動、優しく献身的な夫ベンのどこか思いつめたような表情。これらすべてが複雑にからみあっている。サスペンスなので謎解きは語れないが、真相はすべて“愛”ゆえということなのだろう。ベンの真実の姿はやや唐突に感じられるが、どれほどつらい事実であっても正面から向き合えば、その先に傷だらけの幸福が待っているのだ。ニコール・キッドマンとコリン・ファースのオスカー俳優同士の共演は2度目で、どちらもワケ有の夫婦という設定。美しいがどこか寒々しい室内装飾と、キッドマンの見開いた瞳がミステリアスだった。
【60点】
(原題「BEFORE I GO TO SLEEP」)
(英・仏・スウェーデン/ローワン・ジョフィ監督/ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、他)
(不安度:★★★★☆)
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記憶探偵と鍵のかかった少女

記憶探偵と鍵のかかった少女 ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
他人の記憶に潜入できる探偵が少女の記憶にまつわる謎に挑むゴシック調ミステリー「記憶探偵と鍵のかかった少女」。迷宮のような記憶の中で主人公が彷徨う物語。

ジョンは他人の記憶を見ることができる“記憶探偵”。妻の死から立ち直れない彼のリハビリを兼ねて、上司が依頼したのは、資産家夫妻の娘アナのトラウマを探ってほしいという仕事だった。異常なまでに聡明で大人びたアナと向き合い、彼女の記憶に潜入すると、そこには、家族に関する忌まわしい過去や学校での衝撃的な出来事など、16歳の少女には耐えがたいものばかりだった。だがジョンがその記憶の関係者を訪ねると、彼らの証言はアナの記憶とは正反対のものばかり。さらに過去の秘密を追ったジョンは、黒づくめの謎の男が尾行される…。

記憶探偵といえば何か近未来SFのようだが、他人の心を覗きプロファイリングの手法で事件を解決する展開はは「羊たちの沈黙」でも描かれている。また、他人の記憶に潜入するというモチーフは傑作「インセプション」がすぐに思い浮かぶ。だが、本作は、サイコサスペンスや大がかりなアクションとは無縁な、きわめて小粒な作品だ。記憶探偵ジョンと謎めいた少女アナの2人の対峙の物語は、2人それぞれが持つ心の傷を明かしながら進んでいく。記憶とは実は曖昧なもので、時には自分の都合のいいようにインプットされているものだという点は共感するが、終盤に明かされるアナの驚きの行動は、いくらなんでも無理があるように思える。謎解きとしても魅力に欠けるのだが、それでも結果的には、ジョンの心が未来へ向いたのは、せめてもの救いだろうか。アメリカ映画ではあるが、監督はスペイン人、俳優は英国人が多いため、どこかヨーロッパ映画風の暗みを帯びた映像だ。ヒロインのアナを演じるのは、演技派女優ヴェラ・ファーミガの21歳年下の妹タイッサ・ファーミガ。少し幼いが姉に似た美貌で将来性を感じさせる。
【60点】
(原題「MINDSCAPE」)
(アメリカ/ホルヘ・ドラド監督/マーク・ストロング、タイッサ・ファーミガ、サスキア・リーヴス、他)
(謎解き度:★★★☆☆)
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記憶探偵と鍵のかかった少女@ぴあ映画生活

ビトレイヤー

ビトレイヤー ブルーレイ&DVD (初回限定生産) [Blu-ray]
捜査官と大物犯罪者の奇妙な共闘を描くクライム・サスペンス「ビトレイヤー」。クールな映像、渋い役者と、なかなか見所がある。

イギリス・ロンドン。捜査官マックスは大物犯罪者スターンウッド一味を単独で追い、重傷を負った上、取り逃がす。心と身体に深い傷を負ったマックスだが、3年後、スターンウッドが、息子が事件に巻き込まれたため、潜伏先からロンドンに戻るとの情報を得て、再び執念で彼を追うことに。衝突しながら距離を縮める二人は、やがて政治絡みの巨大な陰謀に巻き込まれたことを知り、生き残るために図らずも協力しあうことになる…。

ブルーグレーの映像で切り取られたロンドンの風景は、歴史的景観や観光名所などはいっさい映さない。冒頭のスタイリッシュな犯罪と一味を追う捜査官のシークエンスで一気に引き込まれる。ちなみに、イギリスは銃規制が厳しく、刑事でさえも通常は銃の携帯は許されていないことを、この映画で初めて知った。主人公の捜査官マックスは、撃たれた膝の激痛でボロボロ状態。だが、挫折感と屈辱感で心の痛手の方が根深い。傷だらけの捜査官が犯罪者を追ううちに政治的陰謀に巻き込まれるというのが軸となるストーリーだが、実は影の主役はマーク・ストロング演じるベテラン犯罪者スターンウッドの方なのだ。息子を罠にかけた犯人とその黒幕を追う彼は、どんな時も冷静で入念に準備しスキがない。それどころか、自分を追うマックスを助け、溺愛する息子を亡くして涙するなど、その男気に思わず感情移入してしまうほど。執念でスターンウッドを追うマックスが動なら、どこか達観した犯罪者スターンウッドは静。この対比が鮮やかで効いている。ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロングをはじめ、脇を固める俳優も英国出身の渋い役者が揃った。クライマックスの激しいアクションシーンは手に汗を握るが、裏切り者(ビトレイヤー)が事の顛末を台詞で説明しすぎるのがやや難点。とはいえ、どこの国でも起こる腐敗した政治の思惑はおかげですんなり理解できる。上映時間はキリッと99分。地味ながら刑事サスペンスとしてはなかなかの拾い物だ。
【65点】
(原題「WELCOME TO THE PUNCH」)
(米・英/エラン・クリーヴィー監督/ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロング、アンドレア・ライズブロー、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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