映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

マーク・ミラー

キングスマン

KINGSMAN / キングスマン(初回限定版) [Blu-ray]
秘密裡に活躍するスパイ組織が凶悪な敵の陰謀に立ち向かう「キングスマン」。コリン・ファースってアクションもできるのか!

ロンドンの高級スーツ店“キングスマン”の実体は、どこの国にも属さない超エリートスパイ組織。中でもブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリーは、凄腕のスパイで、日々任務を遂行していた。ある時、キングスマンの仲間が何者かに殺害される。ハリーは街の不良少年エグジーにスパイの素質を見出して、彼をスカウトし教育することに。実はエグジーの父親も、かつてキングスマンに属していたのだ。そんな中、巷では科学者の失踪事件が頻発。事件の首謀者のヴァレンタインは恐ろしい人類抹殺計画を進めていた…。

世界平和を守っている組織が実は貴族のスパイ組織だという設定がいかにもイギリスらしい。だが英国映画は階級闘争を描くとき、常に古い貴族社会に労働者階級という爆弾を放り込んで新風を巻き起こす。ハリーは貴族がすでに過去のものになりつつあることを知っているのだろう、かつて自分をかばって死んだ同僚の息子であるという恩義以上に、労働者の家庭で育ったエグジーの中に新時代を生きるスパイの可能性を見出して、一から仕込んでいく。傘や靴、ライターに万年筆といった男の伝統的アイテムに、それぞれ007ばりの仕掛けがあって実に楽しい。だが本作の一番の楽しみは、英国人オスカー俳優コリン・ファースがキレキレのアクションを見せてくれるという嬉しい驚きにあるのだ。街のチンピラたちをパブで蹴散らす場面はまだ序の口。教会での大虐殺アクション・シークエンスには度肝を抜かれた。まるでダンスを踊るかのような動きとリズミカルなカット割りは美しくクール。世界征服を企むヴァレンタインの部下で義足を凶器にした女殺し屋のアクションもまた、冴えている。監督のマシュー・ヴォーンは「キック・アス」でも意外性のあるヒーロー映画を作って見せたが、本作はそれに優雅さを加味した、痛快な進化形だ。
【70点】
(原題「KINGSMAN:THE SECRET SERVICE」)
(イギリス/マシュー・ヴォーン監督/コリン・ファース、マイケル・ケイン、サミュエル・L・ジャクソン、他)
(過激度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
キングスマン@ぴあ映画生活

映画レビュー「ウォンテッド」

ウォンテッド リミテッド・バージョン [DVD]ウォンテッド リミテッド・バージョン [DVD]
◆プチレビュー◆
脳髄を刺激するダイナミックな映像が快感。ハリウッドに進出した暴走系ロシア人監督に大注目だ。 【75点】

 仕事も恋も生活もストレスだらけの気弱な青年ウェスリーは、突如現れた謎の美女フォックスから、自分は凄腕暗殺者の血を引く人間だと知らされ驚愕する。世界の秩序を守る暗殺組織フラタニティにスカウトされた彼だったが…。

 ティムール・ベクマンベトフ。発音すると粘着質な感があるが、この俊英監督が放つ映像は、驚くほどクールでドライだ。米映画とはひと味違う、荒々しい手触りを持つ彼の才覚は、鮮烈な嵐となってハリウッドに降臨する。監督は、カザフスタン生まれで独特のVFXの使い手。役者はハリウッドの有名スターに欧州の気鋭俳優。原作は大人気グラフィック・ノベル。異なる要素が激しくもファンキーな化学反応を起こした。ただごとではない気配とともに。

 太古から続く暗殺組織フラタニティのモットーは“1を殺して1000を救う”なのだが、いくら正義のためとはいえ人殺しには変わりない。だが、この映画は、そんなモラルなど知ったことかと言わんばかりだ。居直り同然の超絶的な設定が、独特のおかし味を持つ世界観へとつながる。限りなくありえない物語の主人公ウェスリーは「アイム・ソーリー」が口癖の“M”なヘタレ君だ。彼が次第に覚醒し、優秀な暗殺者に変貌する様が見るものにカタルシスを与える。ウェスリーを鍛えるのが“超ド級のS”キャラがハマるアンジェリーナ・ジョリーだから、これまた説得力がある。眉間だけでなく鼻の下まで皺を寄せながら発砲する物凄い形相にはちょっぴり引いたが、しなやかな身体の動きはアクション映画に優美なエロスを持ち込んだ。女性も憧れるパワフルな美女アンジーが、本作の大きな魅力であることは間違いない。

 加えて楽しいのは、マンガ的アイデア満載のユニークな映像の数々。曲がる弾道、アクロバティックなカーチェイス、クローズアップでとらえられた工芸品のような弾丸など、シュールな映像に息つく暇もない。特に細かく割れたガラスのモザイクから人物が飛び出す場面はこの映画の白眉だ。さらにスピード感あふれる展開の中に、絶妙に組み込まれるスローモーションがたまらない。かつてサム・ペキンパーは“死の舞踏”と呼ばれるスローモーションを駆使したが、さしずめ本作はリアリティを度外視した“死のオペラ”。時間を自由に引き延ばすそのセンスがあまりにエレガントで、シビれてしまう。 

 運命を変えられると信じ、今とは違う自分を想像するのは、人間なら誰でも見る夢だ。イヤミな上司に啖呵を切り、恋人を寝取った友人を張り倒す。美女と熱く抱き合い、必殺技で悪人の息の根を止める。リンチすれすれの猛特訓はさておき、もしこうだったら…と憧れることばかりではないか。後半にはウェスリーの意外な秘密を用意し、さらに過激なアクションが観客を待ち受ける。ターゲットは“運命のはたおり機”が教えてくれるという、暗殺の中核をなす部分が、もっともうさんくさいところがミソだ。主人公と父親の絆が弱いのは気になるが、そんな不満はラストの決意の弾丸が打ち砕いてくれる。粗野でありながら洗練されているという、ベクマンベトフ監督の矛盾した才能が、新次元のエンタテインメントを誕生させた。この映画、興奮必至である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ありえない!度:★★★★★

□2008年 アメリカ映画 原題「Wanted」
□監督:ティムール・ベクマンベトフ
□出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フリーマン、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

おすすめ情報
最新コメント
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

  • ライブドアブログ