映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「パッセンジャー」「キングコング 髑髏島の巨神」etc.

モーガン・フリーマン

エンド・オブ・キングダム

エンド・オブ・キングダム ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/特製ブックレット付) [Blu-ray]
テロリストに占拠されたホワイトハウスの奪還劇から2年。シークレットサービスのマイクは、謎の死を遂げたイギリス首相の葬儀に出席する米大統領ベンジャミンの護衛でロンドンを訪れる。しかし世界中の首脳が葬儀に訪れたロンドンで大規模なテロ事件が発生。歴史的建物が崩壊し、首脳たちが次々に犠牲になる中、マイクとベンジャミン大統領は命からがら脱出することに成功。二人は世界を混乱から救おうと立ち上がるが…。

ホワイトハウスがテロリストに占拠される危機を描いた大ヒット作「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編「エンド・オブ・キングダム」は、ロンドンを舞台に、アラブの武器商人から狙われた西欧諸国の危機を描く。回りくどいドラマはいっさい排除し、いきなりド派手なサスペンス・アクションに突入、あとはクライマックスまでまっしぐら!という潔い演出がいかにもハリウッドだ。タフガイのシークレット・サービスのマイクが超人レベルで活躍するのは言うまでもないが、続編の本作では大統領とのバディ・ムービーの色合いが濃く、ベンジャミン大統領の活躍の場も増えている。ロンドンの観光名所を容赦なく破壊し、各国の首脳の運命をステレオタイプで描き分け(渋滞に巻き込まれるだけの日本の総理にトホホ…)、テロリスト相手に「おまえらが何度攻撃しようと、アメリカは安泰だっ!」と、あつくるしいタンカを切る。それでいいのか?!とのツッコミはもちろんなしだ。ただ、単純な大味ブチ壊しムービーというわけではなく、夜間の路上での銃撃戦をワンカット長回しで撮影するなど、随所にこだわりの演出が見られ、緊張感を盛り上げてくれる。強すぎるマイクを演じる1969年生まれのジェラルド・バトラーの頑張りには脱帽だ。原題の「ロンドン橋落ちたぁ〜♪」ののんきなムードが笑えるのは、伊勢志摩サミットが無事に終了したから。これぞハリウッド式エンタメ・アクションである。
【65点】
(原題「LONDON HAS FALLEN」)
(英・米・ブルガリア/ババク・ナジャフィ監督/ジェラルド・バトラー、アーロン・エッカート、モーガン・フリーマン、他)
(孤軍奮闘度:★★★★☆)
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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります [Blu-ray]
画家のアレックスと妻ルースの老夫婦は、ニューヨークのブルックリンの街を一望できるアパートメントの最上階に、愛犬ドロシーとともに住んでいる。アパートにはエレベーターがなく、昇り降りが体にこたえることから、今後を心配したルースは、しぶるアレックスを説き伏せ、不動産エージェントで姪のリリーに頼んで住み慣れたアパートを売りに出すことにするが…。

40年間暮らした家を売って新しい家を探そうとする熟年夫婦の数日間を描く「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」。まずはNYの住宅事情の予備知識を少し頭に入れておきたい。アレックスとルースが住むアパートは、かつてはマンハッタンから弾き飛ばされた若くて貧乏なアーティストたちが住んだ地区。しかし40年の時を経て、そこは高級住宅街に変貌している。映画は、この時の流れを、引っ越しを決めた老夫婦のすったもんだの騒動の中に、若い頃の思い出を上手く挟み込んで、丁寧に描いていく。エレベーターこそないものの、そこは素晴らしい眺めの部屋で、屋上では家庭菜園も。室内は散らかってはいるが、家具も雑貨もすべて大切な思い出が詰まった愛しい空間だ。描かれるのは、愛犬の急病と入院、ご近所で起こったテロ騒動、売りに出す家をみせる内覧会と競売…。様々な人種が肩を寄せ合って暮らしているNYの素顔も垣間見える。老夫婦が、まだ人種差別が激しい時代に異人種で結婚したこと、子どもができずにつらい思いをしたことなどをさりげなく盛り込み、確固たる信念を持つカップルが、最後に下す決断に感動を与えるのだ。フリーマン、キートンの両名優の滋味たっぷりの演技と、おしゃべりで世話好きの姪を演じるシンシア・ニクソンのコミカルな味と、役者も皆、好演だ。もちろん、愛犬ドロシーの“名優”ぶりも忘れがたい。不動産売買という人生の大きな選択を通して、深く愛し合う夫婦の忍耐と真実の愛を穏やかに描いて、何とも好ましい佳作に仕上がっている。
【70点】
(原題「5 FLIGHTS UP」)
(アメリカ/リチャード・ロンクレイン監督/モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン、シンシア・ニクソン、他)
(ハートウォーミング度:★★★★☆)
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ラスト・ナイツ

ラスト ナイツ [Blu-ray]
悪政がはびこる時代の、とある封建国家。高潔な心を持つバルトーク卿は、権力欲に憑りつかれた大臣ギザモットに刀を向けた反逆罪に問われ、死罪を言い渡される。愛弟子ライデンは、主君を処刑する非道な命令を拒むが、バルトーク卿はライデンに「騎士の掟を全うし、自身亡き後の一族を守れ」と言い渡し斬首される。それから1年後、身分をはく奪されたライデンは酒浸りの日々を送っていたが、それは敵の目を欺き、仇討の機会をうかがうためだった…。

紀里谷和明監督が日本の忠臣蔵を映画化したハリウッド・デビュー作「ラスト・ナイツ」は、多国籍軍団による無国籍のチャンバラ劇だ。ハリウッド・スターはもちろん、イギリス、ノルウェー、ニュージーランド、イラン、韓国と、出演する俳優はワールド・ワイド。日本からは伊原剛志が参戦する。スタッフもまた多彩だ。これほどのキャスト・スタッフをまとめ上げた手腕はたいしたものだし、ビジュアル派の紀里谷和明監督らしい凝った映像は見ごたえがある。全編を覆う寒々しく暗い色調、中世ヨーロッパ風の美術の中にさりげなく東洋を紛れ込ませるセンスなどを背景に、気高い騎士たちによるアクションが展開する様は、ダーク・ファンタジーのようだ。だが物語は、正直“フツー”である。何しろベースとなる忠臣蔵の基本設定はほとんど変えていないのだから、驚きがないのはやむを得ない。むしろ珍作「47 RONIN」のようなトンデモ設定でないだけ、仕上がりは上品というものだ。なんといっても、独特の世界観の中心に名優モーガン・フリーマンがどっしりといるだけで画面が締まる。もっとも、耐えに耐えて主君の敵を討つ“武士道精神”がハリウッドでどこまで理解されたかは大いに疑問。ともあれ、「GOEMON」「CASSHERN」のようなトホホ感がないだけありがたいし、記念すべきハリウッド・デビュー作に“日本”をぶつけたところに監督の武士道(騎士道)があると解釈したい。
【60点】
(原題「LAST KNIGHTS」)
(アメリカ/紀里谷和明監督/クライヴ・オーウェン、モーガン・フリーマン、伊原剛志、他)
(映像美度:★★★★☆)
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LUCY/ルーシー

LUCY/ルーシー [Blu-ray]
脳が100パーセント機能してしまったヒロインの戦いを描くアクション「LUCY/ルーシー」。人間離れしたス・ヨハを楽しむ映画。

ごく平凡な女性ルーシーは、台北で、マフィアの闇取引に巻き込まれ、密輸のため新種のドラッグを体内に埋め込まれてしまう。だが、袋に入ったそのドラッグが体内で漏れ出し、ルーシーの脳はみるみる覚醒。驚異的なスピードで変化するルーシーは、脳科学者ノーマン博士が見守る中で、人知を超えた能力に目覚めていく…。

通常は10パーセントしか機能していない脳が100パーセント機能してしまったら? 本作はこのアイデア一発で勝負するアクション・エンタテインメントだ。何しろ脳が完全に覚醒するなどありえな設定なので、ストーリーは妄想の枠内で何でもありの暴走状態。めったにお目にかかれない珍作に仕上がっている。わずか数分で外国語をマスターし、傷みも感じない身体はスーパーパワーを身につけ、肉体的な格闘を超越して超能力の域に達する。ということは、映像は面白いが「アベンジャーズ」のブラック・ウィドウのような華麗なアクションは必要ないわけで、ルーシーがさっと指を動かしただけで敵はふわりと宙に浮くなど、物語は瞬く間にヘンテコな方向へ。「her/世界でひとつの彼女」でも人間ではない存在を演じたスカ・ヨハだが今回彼女が行きつく先は「2001年宇宙の旅」の劣化バージョンのような出来事だった。最近、製作、監督と精力的に働いているリュック・ベッソンは、魅力的なヒロインを生みだしてきたが、本作はスカ・ヨハというとびきりの素材を得て少々悪乗りしている感がある。オスカー俳優モーガン・フリーマン演じる脳科学者はほとんど役にたっていないし、韓国の名優チェ・ミンシクにいたってはオバカなコリアン・マフィアの悪役にすぎないのだから、トホホ状態である。気弱な女の子から、人間性を失いつつも超人に激変するスカ・ヨハを楽しみたいファンにはおすすめだ。
【55点】
(原題「LUCY」)
(フランス/リュック・ベッソン監督/スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン、チェ・ミンシク、他)
(荒唐無稽度:★★★★☆)
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トランセンデンス

トランセンデンス [Blu-ray]
亡き天才科学者の意識を持つ人工知能に世界が支配される様を描くSFサスペンス「トランセンデンス」。映像が極めてスタイリッシュ。

意識を持つ人工知能を研究する天才科学者ウィルは、ある日、反テクノロジーの過激派組織によって銃撃されてしまう。同じ研究に携わる妻エヴリンは、ウィルを愛するあまり、瀕死の彼の頭脳をスーパーコンピューターにアップロードする。ウィルの自我を持つそのコンピューターはネットにつながることによって、世界中の軍事、産業、個人情報まで手に入れ、超高速で進化を遂げていった。ナノテクノロジーを駆使して生命までもコントロールし始めたウィルに脅威を感じた世界は、彼の抹殺を図るのだが…。

人類を凌駕するテクノロジーの脅威。このテーマはSFではありがちだが、本作では愛する人の命をつなぎとめたいという切実な思いに端を発しているところが切ない。思えば、白塗りではないジョニー・デップが普通に素顔で演技するのは久し振りなのだが、映画はすぐに彼をコンピューターの中へと取り込み、デジタルの怪物・フランケンシュタインへと変えてしまう。またしてもジョニデの素顔は遠くにいってしまうというわけだ。主人公がすべての情報を手に入れてからのストーリーは、サイバー空間にいる男が“神”となって、米国の名もない田舎町を拠点に新文明を築いていくという驚異的な文明論になっている。監督のウォーリー・フィスターは本作が初監督だが、映像技巧派のクリストファー・ノーランと共に仕事をしてきたカメラマンだけあって、映像はとことんスタイリッシュで個性的だ。ナノテクノロジーによって電脳化が加速した世界の映像は、ブルーを基調にしたクールなビジュアルで見事。デジタルとリアルを超越(トランセンデンス)した場所に愛があるとした本作、なかなかセンチメンタルなSF作品だった。
【65点】
(原題「Transcendence」)
(アメリカ/ウォーリー・フィスター監督/ジョニー・デップ、モーガン・フリーマン、レベッカ・ホール、他)
(映像美度:★★★★☆)
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エンド・オブ・ホワイトハウス

エンド・オブ・ホワイトハウス [Blu-ray]
ホワイトハウスがテロリストの標的になる衝撃的なクライム・アクション「エンド・オブ・ホワイトハウス」。主人公の孤軍奮闘ぶりは“ダイ・ハード”のようだ。

ワシントンが空爆され、謎のテロリスト集団がホワイトハウスを襲撃、大統領とその側近を人質に立てこもる。彼らは、日本海域からの米国第七艦隊の撤収と核爆弾作動コードを要求する。かつて大統領の警備をつとめた優秀なシークレット・サービスだったマイク・バニングは、この非常事態にほぼ廃墟と化したホワイトハウスに単独で潜入。大統領奪還とテロリスト撃破を誓い、単身ゲリラ戦に挑むのだが…。

撃破され半壊するホワイトハウス。焼け焦げ引きずり降ろされる星条旗。飛行機の羽がかすめてオベリスクをなぎ倒し、人々が逃げ惑う。独立記念日7月4日に起こるこれらの地獄絵図が、あまりにもショッキングだ。ホワイトハウスの地下にある危機管理センターさえも陥落し、護衛官は全滅という絶体絶命の危機に、特殊部隊出身で元シークレットサービスの主人公が、臨時副大統領や上司と無線で連絡を取りながら、一人、また一人とテロリストを倒していく。アジア系テロリストと明言を避けてはいるが、韓国語を話すことから北朝鮮を想定した設定であることは明らか。現実とあまりにリンクしているがゆえに、ド派手な展開も絵空事とは思えなくなるのだ。さらに、大勢の国民を犠牲にする9.11テロのような派手なスタイルではなく、核作動コードを知るアメリカ大統領と数人の側近を押さえさえすれば、世界を手中にしたも同然という作戦は、空恐ろしさがある。劇中、テロリストは13分でホワイトハウス制圧するが、実際に「ホワイトハウスに軍隊が到着するのに15分」という事実に基づいているそう。主演のジェラルド・バトラーは製作にも名を連ねるだけあって、超人的な活躍ぶり。だがホワイトハウス陥落というショッキングな映像と、命がけで危機を救うヒーローという対比の構図は鮮やかだ。シミュレーション・ゲームのような内容ではあるが、現況の世界情勢を思うと不気味な迫力がある。
【60点】
(原題「OLYMPUS HAS FALLEN」)
(アメリカ/アントワン・フークア監督/ジェラルド・バトラー、モーガン・フリーマン、ラダ・ミッチェル、他)
(リアル度:★★★☆☆)
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RED/レッド

RED/レッド [DVD]RED/レッド [DVD]
オヤジパワー炸裂の過激なアクション娯楽作は、その非常識さが笑いを誘う。荒唐無稽な話に濃すぎる豪華キャストで気合十分だ。元CIAの腕利きスパイのフランクは、今は引退し、年金課の担当者サラと電話で会話するのが唯一の楽しみという静かな生活を送っていた。そんな彼がある日何者かに襲撃される。見事に敵を倒したフランクだったが、どうやら、過去に、ある秘密の任務にかかわった者たちがCIAから狙われているらしいという事実を突き止める。自分がかつて所属し人生を捧げてきた組織から狙われたことがフランクの闘争心に火をつけた。彼はかつて苦楽を共にした仲間たちを招集。元MI6の美人スパイや旧ソ連のスパイも加わって、事態はトンデモない方向へ。平凡な日常に退屈し、刺激のある日々を夢見ていたサラをも巻き込んだ彼らは、巨大な陰謀に立ち向かおうとしていた…。

最近、とかくオヤジ映画が元気だが、とにかくこの作品のオヤジ(一人おばさんもいるが)たちは腕利きな上に個性的なので魅力たっぷりだ。RED(RETIRED EXTREMELY DANGEROUS)とは国家がリストアップしている“引退した超危険人物”を意味するコードネーム。アメリカ中をあっという間に移動するスピーディな展開もすごいが、何しろキャラが立ちまくっている。モーガン・フリーマンが老人ホームで暮らす末期ガンのエロじじい役なら、ジョン・マルコビッチは隠れ家に住むパラノイア、優雅なヘレン・ミレンは実は一流の銃の使い手で、マシンガンやバズーカ砲をぶっ放す過激さだ。特にピンクのぶたのぬいぐるみを抱えたマルコビッチがハマリすぎでコワいほど。この名優は、目つきが独特で、焦点があってないのにそのくせ鋭い眼が、ただならぬ雰囲気なのだ。突然の現役復帰で燃え上がるオヤジたち。ハイテク武器はないけれど、彼らには長年培った特殊工作の華麗なノウハウと処世術がある。しかもそこには、スパイならではの意外なロマンスも。過激なアクションの中には、しっかりと笑いの要素や仕事への誇りも盛り込まれていて、娯楽作としてそつがない作りだ。もっとも、CIAの陰謀の中身はありがちなもので“殺しても死なない”彼らの活躍はかなりムチャクチャ。それでも、原作がDCコミックのグラフィックノベルだと聞くと納得してしまう。「若いモンには負けないゾ!」のオヤジ・パワー炸裂の快作だが、このテのジャンルの映画には無縁に思える英国女優ヘレン・ミレンをキャスティングしたことが功を奏して、洗練された雰囲気に仕上がった。過激でひねりの効いたこのスパイ映画、できれば次々に新メンバーを加えながらシリーズ化してほしいものである。
【65点】
(原題「RED」)
(アメリカ/ロベルト・シュヴェンケ監督/ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、他)
(荒唐無稽度:★★★★☆)

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インビクタス/負けざる者たち

インビクタス / 負けざる者たち ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]インビクタス / 負けざる者たち ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]
偉人マンデラの理想と希望を、ラグビーとのつながりを通して描く実話だ。1994年、27年間の投獄生活から解放されたネルソン・マンデラは、南アフリカ共和国初の黒人大統領になる。アパルトヘイトにより黒人と白人の間にできた大きな溝、激しい経済格差、国際社会でのアピールなど、さまざまな課題を抱えたマンデラは、南アの白人社会の象徴であるラグビーチームの建て直しを図り、1995年の自国開催のラグビーW杯での優勝を目指すと宣言する。

マンデラがスポーツを国家再建の鍵とみなしたことは、長期間、監獄にいながら世の中の情報や人心を把握する指導者としての優れた資質を失わなかったという事実を示している。国をひとつにまとめるという大事業はどんな国でも困難だが、人種差別により憎しみが横行する南アではなおさらのこと。マンデラは、険しい道の第一歩は、虐げられていた黒人が白人に対して赦しを提示することと主張した。この人には、寛容はむろんのこと、白人の誇りを尊重した人心掌握の読みの深さがある。さらにスポーツイベントが国際社会に及ぼす影響をも見越した政治的センスも。その一方で、誰よりも精力的に激務をこなしながら、家庭では問題を抱えて悩む姿も描き、画一的なキャラクターにしていないところが、イーストウッドらしい。

マンデラ大統領をモーガン・フリーマン、ラグビー・チームのキャプテンでマンデラの人柄に魅了されていくピナールをマット・デイモンが演じて、磐石のキャスティングだ。だが、「チェンジリング」「グラン・トリノ」と、近年、心をわしづかみにする傑作を連打している巨匠イーストウッドの作品としては、ソツのない作りではあるが平凡な出来。実話なので、大会で起こる奇跡の躍進劇にも驚きは薄い。それでも、ついに始まったW杯では、肉弾戦でぶつかる選手の声や真下からのカメラワークなど、ラグビーというスポーツの激しく美しい側面をスクリーンにとらえ、感動的なドラマに迫力を添えて仕上げている。何より、黒人も白人も一体になり、スタジアムから国全体に広がる高揚感で満たされるクライマックスには、ストレートな感動を覚えた。
【65点】
(原題「INVICTUS」)
(アメリカ/クリント・イーストウッド監督/マット・デイモン、モーガン・フリーマン、他)
(融和度:★★★★☆)

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ゴーン・ベイビー・ゴーン

ゴーン・ベイビー・ゴーンゴーン・ベイビー・ゴーン
日本ではなぜか劇場未公開だった米映画「ゴーン・ベイビー・ゴーン」をDVDで鑑賞。

俳優のベン・アフレックが初めて監督に挑戦した作品だ。
主演はベンの実弟ケイシー・アフレック。共演は、最近売れっ子のミシェル・モナハン。他に、ベテランのモーガン・フリーマンとエド・ハリスが重要な役で登場。ちなみにベンは出演せず監督業に専念している。

ボストン・ドーチェスター地区を舞台に、少女誘拐事件を追う暗いサスペンスだ。これだけの豪華キャストなのに、なぜ日本ではビデオ・スルー(劇場公開されず直接レンタル店に並ぶ作品)になってしまったのかは不明だが、過激な銃の描写でR指定は必至、何より幼児虐待という陰鬱なテーマが問題だったのでは…と推察する。案の定、米国での興収はかんばしくなかった。

物語は、やや懲りすぎの感はあるものの、アメリカ映画によくある勧善懲悪ものではなく、何が正しいのかをはっきりと描かない、いわゆる問題提起型の作品と言えようか。子供にとって何が幸せなのか、親と社会の役割や限界などがテーマ。作り手の意欲は感じるのだが、子供を題材にしているだけに、白黒をはっきりと付けない曖昧さがあと味の悪さにつながってしまった。それから、ケイシーはいい役者だが、風貌が幼いので、やさぐれ探偵に見えないのもマイナスだったと思う。

それでも監督であるアフレックは、出身地のボストンの空気を上手くつかみ、地元住民をエキストラに使ってリアルな質感を目指すなど、真摯に取り組んでいる。彼はかつて、「グッドウィル・ハンティング」の共同脚本で盟友マット・デイモンと共にオスカーを受賞した才能の持ち主だ。米国では、児童犯罪は、デリケートな社会問題。本作では、あえて難しいテーマに挑む気概とアフレックの映画作りへのこだわりを、評価したい。

(出演:ケイシー・アフレック、ミシャル・モナハン、モーガン・フリーマン、他)
(2007年/アメリカ/ベン・アフレック監督/原題「Gone Baby Gone」)


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映画レビュー「最高の人生の見つけ方」

最高の人生の見つけ方 [DVD]最高の人生の見つけ方 [DVD]
◆プチレビュー◆
名優二人の絶妙な掛け合いが最高。人生にはやりたい事とやらねばならない事がある。 【75点】

 家族想いの自動車整備工カーターと独身の大金持ちで傲慢なエドワードは、病院で偶然相部屋になる。何から何まで正反対の二人だったが、共に余命6ヶ月と分かると意気投合。“バケット・リスト”を手に旅に出る…。

 バケット・リスト(棺おけリスト)とは、死ぬ前にやっておきたいことを書き出したもの。若くて元気な頃は楽しい空想だが、老いて死を目前にしたらそれは本気で“やるべきこと”になる。カーターが作ったこのリストに同室のエドワードが勝手に項目を付け加えたことから、1枚の紙切れは動きだした。ちなみに、大富豪がなぜ豪華な個室ではなく相部屋なのかという謎の答えは、映画を見て確かめてほしい。その病室では、家族や親戚が次々に見舞いにくるのがカーター。エドワードはと言うと見舞い客は秘書ただ一人だ。この状況で二人がどんな人生を送ってきたかを見事に語る。ロブ・ライナー監督が久しぶりに才能を発揮したヒューマン・ドラマは、笑いと涙の老人バディ・ムービーだ。

 老人といっても普通のじいさんじゃない。渋い名優フリーマンとハジけた怪優ニコルソンである。癌で半年後に死ぬ運命の人間を、愉快に演じて笑わせ、泣きの芝居など微塵も見せない。そのくせ、映画なのに、二人が逝った後の寂しさはどうだろう。私はそれほどカーターとエドワードという老人二人が大好きになっていた。欧州、アフリカ、インド、香港。リストに書かれた夢を次々にかなえる彼らの豪勢な旅に、確かに自分も立ち会った。

 そのバケット・リストには、そもそもどんなことが書かれているのか。スリルと冒険と愛に満ちた“やり残したこと”が好対照で面白い。例えばカーターは「見ず知らずの人に親切にする」。一方、エドワードは「スカイダイビングをする」。精神的な満足と物質的な興奮。こんな二人が徐々に歩み寄り、変化するのが好ましい。特にエドワードがふざけて書いた「世界一の美女にキスをする」が叶えられる瞬間は、目頭が熱くなる。金儲けばかりに気をとられていたエドワードはカーターの人間性に触れ、価値ある人生を取り戻したのだ。

 変わったのはエドワードだけじゃない。勤勉実直なカーターも、実は若い頃、夢をあきらめたことへの苦い後悔がある。家族のために尽くした人生は立派なものだが、チャレンジを恐れたのもまた事実。そんな彼がアフリカでライオン狩りをするときの顔の、なんと楽しそうなことか。カーターは自分に贅沢を与えることに挑戦した。それがどんなに大切なことかは彼の笑顔が教えてくれる。

 もちろん末期ガン患者が、医者や家族の意見を無視して世界旅行だなんて…と思う人もいるだろう。でも、それが伝統的にポジティブなアメリカ映画の良さだと思う。名優たちの適度に肩の力の抜けた演技はたまらなく魅力的。その証拠に、人が二人も死ぬ映画だというのに、こんなに溌剌(はつらつ)としているではないか。壮大な景色の向こうで、彼らは今も笑っている。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)生涯の友度:★★★★★

□2007年 アメリカ映画 原題「THE BUCKET LIST」
□監督:ロブ・ライナー
□出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ショーン・ヘイズ、他

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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