映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ゲット・アウト」「ブレードランナー 2049」「先生」etc.

ラッセ・ハルストレム

僕のワンダフル・ライフ

A Dog's Purpose (Blu-ray + DVD + Digital HD)
少年イーサンに命を救われたゴールデンレトリバーの子犬ベイリーは、飼い主となったイーサンを慕い、いつも一緒にいて強い絆を育んでいた。だが犬の寿命は人間より短く、やがて別れの時がやってくる。イーサンより先に旅立ったベイリーだったが、ベイリーはイーサンに再会したい一心で、犬種や性別を変えて、生まれ変わりを繰り返すことになる…。

飼い主と固い絆で結ばれた犬が何度も生まれ変わって再会しようと奮闘するファンタジー・ドラマ「僕のワンダフル・ライフ」。原作は、W・ブルース・キャメロンのベストセラー小説「野良犬トビーの愛すべき転生」で、監督は「HACHI 約束の犬」や「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」など、ドッグ・ムービーの秀作を作ってきた名匠ラッセ・ハルストレムだ。犬のベイリーが最愛の飼い主イーサンとの再会を目指すのは「イーサンを幸せにする」ため。これだけでも泣けるのだが、本作はただの動物ものファンタジーではない。イーサンが味わう、家庭や恋、将来の夢などでの苦い挫折を通してみれば、ままならぬ人生の複雑さが見えてくるし、50年間で3度輪廻転生を繰り返す犬の目を通して、アメリカ現代史の移り変わりをも見ることができるのだ。そんな深みがある作品だが、語り口はあくまでも軽やかで、嫌味のない感動作に仕上がっている。

ゴールデンレトリバー、シェパード、コーギーと、生まれ変わる度に、犬種や性別が変わるが、中身は愛すべき忠犬ベイリーのまま。複数のエピソードで語られる涙と笑いのストーリーは、犬好きの心をガッツリとらえて離さないだろう。いや、猫派の私(注:基本的に動物好きです)でも、涙腺決壊状態だったのだから、可愛らしい犬たちの名演技に誰もが魅了されるはずだ。ベイリーの声を担当するのは「アナと雪の女王」でオラフを演じたジョシュ・ギャッド。ちょっぴりおしゃべりが過ぎる気がするが、イーサンに会いたいベイリーの一途な思いを感情豊かに演じて素晴らしい。時に親友として喜びを分かち合い、時に悲しみや孤独を癒し、時には恋のお手伝いも。無償の愛を捧げる犬が人間の最良の友と言われる理由がよく分かる佳作だ。
【70点】
(原題「A DOG’S PURPOSE」)
(アメリカ/ラッセ・ハルストレム監督/ブリット・ロバートソン、K・J・アパ、ジョン・オーティス、他)
(ファンタジー度:★★★★★)
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マダム・マロリーと魔法のスパイス

マダム・マロリーと魔法のスパイス ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
フレンチ・レストランとインド料理店のバトルを描く「マダム・マロリーと魔法のスパイス」。目にも美味しい料理とあたたかなドラマで幸福感を味わえる。

南フランスの山間にあるミシュラン1つ星のフレンチ・レストランを営むマダム・マロリーは、夫を亡くした後、レストランに人生を捧げて生きている。ある日、インドのムンバイからやってきた一家が、マロリーの店のお向かいにインド料理店を開くことに。何もかも対照的な2店は食材や店の雰囲気、お客を巡って衝突を繰り返す。解決の鍵は、インド人一家の次男で絶対味覚を持つ料理の天才・ハッサンだった…。

格式高い名門フレンチ・レストランVS庶民派のインド料理店。正反対のレストランの料理バトルは、いわば異文化対決だ。スウェーデン出身のラッセ・ハルストレム監督は、国際色豊かなキャストを使いこなす名匠だけに、この手の素材を料理するのは得意なのかもしれない。原作はリチャード・C・モレイスのベストセラー小説。食べ物が人々の心をひとつにし、人間関係を円滑にするというテーマは、一見安易に思えるが、本作に登場する美しく美味しそうな料理の数々を見ていると、いつのまにか納得してしまう。さらには、高級料理や最先端の分子料理などより、自宅にある余りものでササッと作る軽食や、母親秘伝のスパイスを使った料理に、結局は心を動かされるという設定も、庶民には説得力があるものだ。フレンチ・レストランで働く親切な美女マルグリットと絶対味覚を持つ天才シェフ・ハッサンの恋もいいが、やっぱり物語に絶妙なスパイスを効かせるのは、名女優ヘレン・ミレンとインドのベテラン俳優オム・ブリのコミカルで味わい深い妙演。南仏の美しい風景も堪能できる、さわやかな小品だ。
【60点】
(原題「THE HUNDRED-FOOT JOURNEY」)
(アメリカ/ラッセ・ハルストレム監督/ヘレン・ミレン、オム・プリ、マニシュ・ダヤル、他)
(美食度:★★★★☆)
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砂漠でサーモン・フィッシング

砂漠でサーモン・フィッシング Blu-ray砂漠でサーモン・フィッシング Blu-ray [Blu-ray]
途方もない夢が人生を輝かせる「砂漠でサーモン・フィッシング」。釣りの奥義が人生の奥義と重なる。

真面目な水産学者のフレッド・ジョーンズ博士は、投資コンサルタントのハリエットから「砂漠の国イエメンで鮭釣りを」という依頼を受ける。依頼人はイエメンの大富豪シャイフで彼は大の釣り好きだ。フレッドは最初は「不可能!」と一括する。しかし、中東情勢悪化の批判をかわしたい政府が話を聞きつけ、高飛車な広報官マクスウェルはフレッドにプロジェクトを実現すべく専念するよう厳命。強力なバックアップを背景に突拍子もない夢物語が実現に向かって動きだす。おおらかで人間味にあふれ、スケールの大きな“釣り人”シャイフ、仕事ができ女性としても魅力的なハリエットと共に、フレッドは次第にこの一見バカげたイエメン鮭プロジェクトにのめり込んでいくのだが…。

原作であるポール・トーディのベストセラー小説は、全編がメール、メモ、手紙で構成されている。それを見事に脚本化した実力とセンスこそがこの映画最大の魅力といえよう。「砂漠の国イエメンで鮭釣りがしたい」。この無謀な望みは、どこからみても“ありえない”。だがそれを“ありえる”プロジェクトにするのは、大富豪の桁外れの財力と、国家の広報戦略の思惑、さらに不可能な挑戦に心からのめり込む純粋さの3つの要素が奇跡的に合致したからだ。シャイフは財力にまかせて趣味の鮭釣りを思いついたのではなく、砂漠に水を引く長期計画で国民の生活を変えようと壮大な夢を持っていた。シャイフが言う「釣り人には信じる心がある」というセリフが印象深い。糸を垂れ、魚がくるのを信じてひたすら待つその信念は、思想や宗教を越えた人生の奥義のようで、悟りの境地に近いものだ。壮大すぎる上にバカバカしい計画もまた、信じるところからすべてがスタートし、それに係わる人間たちに思いがけない人生の“釣果”をもたらすことになる。映画は、プロジェクト実現への熱血チャレンジ物語になるかと思ったら、そう単純ではなく、政治批判やロマンスをコメディタッチでからめながら、終盤はサスペンスへと変化し、最終的には風変わりな感動を届けてくれるヒューマンドラマへと帰着する。それはまるで、鮭が川を上流へと遡上するかのごとく、はたまた、源流から涌き出た一滴の水が多いなる旅を経て大河へと至るがごとく。見終わったら、何かさわやかなロードムービーを見たような気持ちになる。
【70点】
(原題「SALMON FISHING IN TH YEMEN」)
(イギリス/ラッセ・ハルストレム監督/ユアン・マクレガー、クリスティン・スコット・トーマス、エミリー・ブラント、他)
(爽やか度:★★★★☆)
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親愛なるきみへ

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深く愛し合う男女の純愛を描くストーリー。9.11テロや戦争を物語にからませる必要があったのか?と疑問が残る。

休暇で帰省した軍人ジョンは、海辺で偶然出会った美しい女性サヴァナと恋に落ちる。サヴァナは大学、ジョンは赴任地へと戻らねばならず、つらい別れが訪れるが、メールや電話さえ届かない場所で特殊任務に当たるジョンとサヴァナとの間では、何通もの手紙が行き来し、絆を深めていった。任務が終われば除隊すると決めていたジョン。だが、アメリカ同時多発テロが起こり、軍人としての使命感からジョンが服務期間の延長を決めたことから、二人の関係はすれ違い始める…。

原作は「きみに読む物語」のニコラス・スパークスの小説。遠く離れても愛を貫こうする若い男女は、手紙という古風なツールを使って愛情を確かめ合う。それは何でも便利な現代では逆に新鮮で、二人のみずみずしさをより際立たせるものだ。物語は、典型的なメロドラマで、二人の間には当然障害がある。だが9.11テロや戦争よりも、二人を引き裂いたのは別の要因なのだということが終盤に分かる。これがどうにも、唐突に思えてしかたがない。そもそもジョンが軍人でなければ戦地へと赴くこともなくサヴァナの側にいられたと思えば、戦争やテロが遠因と言えなくもないのだが。病を患うジョンの父や、サヴァナが打ち込む自閉症の子供のための活動などの描きこみも中途半端で物足りない。何より別れの手紙の真意を知る終盤の展開は、なんだかサヴァナに都合が良すぎやしないか。美しい自然描写と、純真な令嬢のサヴァナを演じるアマンダ・セイフライトのさわやかさが救いだった。
【45点】
(原題「DEAR JOHN」)
(アメリカ/ラッセ・ハルストレム監督/チャニング・テイタム、アマンダ・セイフライド、ヘンリー・トーマス、他)
(メロドラマ度:★★★★★)



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親愛なるきみへ@ぴあ映画生活

HACHI 約束の犬

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日本人なら誰もが知っている忠犬ハチ公の物語を、米国郊外に舞台を移してリメイク。ベタな演出は極力控えながらもハートウォーミングな物語になった。駅で大学教授のパーカーに保護された迷い犬の子犬はハチと名付けられ元気に成長する。ハチは毎日5時になると駅にパーカーを迎えに行くのが日課になったが、ある日教授が急死してしまう。

教授との絆、死別してからも待ち続けるけなげな姿はオリジナルと共通するが、個性的なのは、人間に媚びない秋田犬の特質を盛り込んだこと。またハチが見る世界をモノクロにしたのが効果的だ。低い位置の犬目線のカメラワークで人の仕草や自然が描写されるのは、擬人化していないのにハチの気持ちが手に取るようにわかるクレバーな表現法で、上手さを感じさせる。ホラーやアニメばかりが注目される日本映画。派手なアクションや冒険がなくても心温まる愛と絆の物語は人の心を打つ。大の犬好きというギアのあたたかい演技も大きな魅力になっていて、そのせいか、教授とハチの幸福な姿がいつまでも記憶に残る。
【70点】
(原題「Hachiko: A Dog's Story」)
(アメリカ/ラッセ・ハルストレム監督/リチャード・ギア、ジョーン・アレン、サラ・ローマー、他)
(けなげ度:★★★★★)

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ショコラ

ショコラ【廉価2500円版】
この映画の重要な食べ物はチョコレート。タイトルもそのまま、チョコレートを意味する「ショコラ」となっている。

フランスの田舎街で、小さなチョコレート屋を開いた女性ヴィアンヌ。彼女が売る不思議なチョコレートが、因習に閉ざされた村の人々を幸せに導いていく、あたたかいファンタジーだ。ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、レナ・オリン、アルフレッド・モリーナ、ジュディ・デンチなど、国際的な豪華キャストが贅沢だ。

主人公ヴィアンヌは客との会話から好みを探り、また、彼らに何が必要かを考えて、絶妙のチョコレートを選んで薦める。また、彼女が作るチョコレートはどれも独特の味付けがなされているのだが、特に驚くのは、唐辛子を入れたチョコレート。ホット・チョコレートにチリ・ペッパーを入れたりする。映画の中では、これが「愛の妙薬」として効果を発揮した。

チョコレートは、かつての高級品カカオを使うことから、中世の欧州では上流階級の特権的食べ物だった。手軽に庶民の口に入るようになった今でも、生活を、時には人生を、少しだけ幸せにしてくれる不思議な味は変わらない。

チョコレートは、映画の中で、可愛くて華やかな、また重要な小道具として登場することが多い。映画「フォレスト・ガンプ」では“人生はチョコレートの箱のよう。開けて食べてみないと中身はわからない”という名セリフがあった。他に「チャーリーとチョコレート工場」もチェックしたい。

(2000年/アメリカ/ラッセ・ハルストレム監督/原題「Chocolat」)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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