映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

ルーニー・マーラ

LION/ライオン 25年目のただいま

LION/ライオン ~25年目のただいま~ [Blu-ray]
サルーは、5歳の時、インドで迷子になり、孤児と認定されて、オーストラリア、タスマニアに暮らす夫婦に養子として引き取られる。利発な彼は、すぐに夫妻と新しい土地になじむ。だが、成人して本土の大学に進学したサルーは、インドにいて今も自分を探しているであろう本当の母や兄への思いが日に日に募っていた。家族を見つけることを決意したサルーは、わずかな記憶を手掛かりに、Google Earth を駆使して捜索を始める…。

5歳の時インドで迷子になりオーストラリアで養子として育ったインド人青年が25年の時を経て本当の家族を探し当てるまでを描く驚きの実話「LION/ライオン 25年目のただいま」。迷子になったのは1986年。その25年後に主人公サルーが家族を探す手助けをしてくれるのはGoogle Earthだ。IT技術が進んだとはいえ、あまりに遠い距離の“ホームカミング”がそんなに簡単に成功するものなのか?!と首をかしげたくなるが、これが実話だというから驚いてしまう。サルーはオーストラリアで幸福に暮らしているのだが、心にぽっかりと空いた穴を埋められない。愛してくれる養父母がいるのに、本当の家族を探すのは、一見身勝手にも思える。しかしそれはDNAレベルでの喪失感に基づく行為なのだ。実話なので彼が本当の家族と巡り合うことは分かっているのだが、それまでのプロセスが非常に面白い。サルーのおぼろげな記憶にあるのは、大好きだった揚げ菓子と、駅のそばの給水塔だけ。列車の中で眠り込んだ時間から距離を割り出す。給水塔のある場所から範囲を絞り込む。数字やデータを使っての検索は徐々に真実への道を照らし出していく。同時にサルーや養母の心情も丁寧に描かれる。インドで迷子になった時期は、よくまあ無事で…と思うほど波乱万丈なのだが、危険な場所や悪い大人を敏感に察知しながらたくましく生き延びる様には、サルーの中に原初的に備わる生命力を感じるし、本当の家族を探すことには自分とはいったい何者なのかを模索する、普遍的な命題が見て取れる。もっとも、養母が語る、サルーを養子にした理由が「神の啓示を受けたから」というのは、無宗教の自分には理解不能なのだが…。それでもこの驚きの実話には素直に感動を覚えた。それはデヴ・パテルやニコール・キッドマンの説得力のある名演技と、子ども時代のサルーを演じるサニー・パワールの圧倒的な存在感があるから。ラストに登場する本物のサルーの映像には思わず涙ぐんだ。そして初めてこの映画のタイトルがなぜ「ライオン」なのかが分かる。壮大な“探し物”には、沢山の奇跡と愛がつまっていた。
【70点】
(原題「LION」)
(オーストラリア/ガース・デイヴィス監督/デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン、他)
(驚きの実話度:★★★★★)
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キャロル

キャロル スペシャル・エディション [Blu-ray]
1952年、ニューヨーク。クリスマスシーズンでにぎわう高級デパートのおもちゃ売り場で働くテレーズは、ある日、娘へのプレゼントを探す、優雅で気品に満ちた人妻キャロルと出会う。テレーズは、裕福そうだがどこかミステリアスな雰囲気を持つキャロルにたちまち心を奪われる。やがて親しくなると、テレーズは、キャロルが娘の親権を巡って泥沼の離婚訴訟中であることを知る。クリスマス休暇を孤独に過ごすキャロルから、車での小旅行に誘われたテレーズは、キャロルへの憧れが予想もしない感情へと変化していくことに気づくのだった…。

「太陽がいっぱい」で知られる作家パトリシア・ハイスミスが別名義で発表した小説「よろこびの代償」を映画化した大人の恋愛ドラマ「キャロル」。テレーズとキャロルは強く愛し合うが、時は50年代。同性同士の恋愛は禁忌で病気とみなされていた時代だ。だが映画は同性愛であることや女性の自立といったフェミニズムには傾かない。むしろ、恋人との恋愛に違和感を感じ、自分の将来を模索する若い女性テレーズ、お飾りの妻であることを強要する周囲の不寛容に耐えられない人妻キャロルという二人の人間が、どうしようもなく惹かれあう純然たるラブ・ストーリーなのだ。二人は、年齢、階級、境遇などまったく異なるが、それでもあふれる思いは抑えられない。トッド・ヘインズ監督の演出は「エデンより彼方へ」以上に、艶やかで美しく、クラシックでエレガントな衣装、きめ細やかな美術セットなど、時代色豊かな映像は見応えたっぷりだ。何より、ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラの二人の実力派女優が素晴らしく、まなざしひとつ、指先の動きひとつで繊細な感情を表し、見事である。保守的な時代に、周囲の重圧に負けず人間として成長する姿に、気高さを感じる。「心に従って生きなければ人生は無意味よ」。キャロルのこの言葉こそ、本作が本当に伝えたいメッセージなのだ。それがどんなに困難で、だからこそ価値があることだということも。
【80点】
(原題「CAROL」)
(英・米/トッド・ヘインズ監督/ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン、他)
(映像美度:★★★★★)
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映画レビュー「ドラゴン・タトゥーの女」

ドラゴン・タトゥーの女 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]ドラゴン・タトゥーの女 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]
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◆プチレビュー◆
スウェーデン発の大ベストセラーをD.フィンチャーが巧みに映画化。ハリウッドらしいスタイリッシュな作品となった。 【75点】

 月刊誌「ミレニアム」で大物実業家の不正を暴きながらも、名誉毀損の裁判で有罪となったジャーナリストのミカエルに、ヴァンゲル財閥の元会長から仕事の依頼が舞い込む。それは40年前に起きた一族の娘ハリエット失踪事件の真相究明。ミカエルは天才ハッカーのリスベットと共に調査に乗り出すが…。

 女体、髑髏(どくろ)、デジタル機器、そこに流れる濃厚な黒い液体。それらが渾然一体となってエロチックにうごめく、オープニング・タイトルのCGアートが、しびれるほど魅力的だ。これから始まる陰鬱で猟奇的なストーリー
へと、観客は一気に引き込まれるだろう。

 スウェーデン映画「ミレニアム」のリメイクだが、物語の大筋を知っていても十分に楽しめる。何しろ、監督が映像派のデヴィッド・フィンチャーなのだ。凡百のリメイクではない。舞台をアメリカではなく、雪に閉ざされた北欧スウェーデンに据え置いた判断が何より正しかった。40年前に起きた謎の失踪事件には、ナチスの残党の影と数十年に及ぶ名門一族の血塗られた嗜好。さらに、リスベットが背負う過去と現在には、痩身なその体にはあまりにも重く暴力的な運命。物語はおぞましい真実を次々に露にする。

 苦虫を噛み潰したような表情のダニエル・クレイグがミカエルを好演するが、何といってもルーニー・マーラのリスベットが素晴らしい。映画には、目を覆いたくなる陵辱シーンや残酷な描写があるが、マーラはそれらに身体をはって答えた。卑劣な身元保証人の男への逆襲などは何とも胸がすく。

 失踪事件の謎は、ハリエットが残した日記から、ロシア付近で起きた未解決連続猟奇殺人事件とからみあいながら、紐解かれていく。このミステリーそのものは、原作とは異なる展開があるとはいえ、それほど目新しさはない。

 だがリスベットというかつてない造形のダーク・ヒロインの痛快な活躍が、映画を忘れられないものにした。タトゥーとピアスで身を覆っていても、中身は脆く傷つきやすい。タフで理知的、愛らしさを兼ね備えたリスベットの魅力が本作を支えているのだ。終盤には、ドラゴンのタトゥーを隠し、見事に変身したリスベットのコスプレというお楽しみも。無論それは、ミカエルの潔白を証明し、正義を敢行するための彼女なりの儀式。ラスト、少しだけ愛を知ったリスベットの、健気でいたいけなシルエットが胸を打つ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)陰鬱度:★★★★★

□2011年 米・スウェーデン・英・独合作映画 
□原題「THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO」
□監督:デヴィッド・フィンチャー
□出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、他
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