レイルウェイ 運命の旅路 [Blu-ray]
第二次世界大戦を背景に英国人将校の壮絶な体験と献身的な妻の愛をつづるヒューマン・ドラマ「レイルウェイ 運命の旅路」。後日談を映像化せず淡々と語ったのはクレバーな演出だった。

第2次世界大戦で日本軍の捕虜となった、鉄道好きの青年将校エリックは、タイとビルマ間を走る“死の鉄道”タイメン鉄道の建設に従事し、過酷な労働を強いられ、非道な拷問を受ける。30年後、エリックは妻パトリシアと静かに暮らしながらも、戦争中の壮絶なトラウマに苦しんでいた。そんな時、自分を拷問した日本人通訳・永瀬が現在も生きていることを知る…。

原作は「エスクァイア」誌ノンフィクション大賞に輝いたエリック・ローマクスの自叙伝。戦争中に日本人が捕虜に対して行った強制労働や拷問の実態は、日本人にはつらい内容なのだが、学校の教科書には決して載らないこういう真実を教えてくれるのが映画の魅力であり役割のひとつでもある。鉄道マニアの青年将校だったエリックは、戦況を知るためにラジオを作るが、それが日本軍にバレて激しく拷問される。エリックの拷問現場に立ちあい通訳をしていた永瀬が、戦後、タイで戦争体験を伝える活動をしていると知ったエリックは、激しく動揺するが、悩んだ末に永瀬に会うことを決意する。終盤に描かれるこの2人が相対する“決闘”シーンは、緊張感がみなぎる迫真の場面だ。エリックは永瀬の非道と嘘を問い詰めるが、彼が最終的に下した決断は、キリスト教的な愛に基づく崇高な行為だった。戦争は単純な勝ち負けでは語れない。本作のテーマは赦しと贖罪。戦後、長く友情を育んだというエリックと永瀬のことを美談にして映像化せず、淡々と描いた演出が功を奏した。心に傷を負った人物を演じるコリン・ファースと真田広之の、共に抑えた熱演が素晴らしい。
【65点】
(原題「The Railway Man」)
(豪・英/ジョナサン・テプリツキー監督/コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田広之、他)
(歴史秘話度:★★★★☆)
チケットぴあ

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