映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
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◎ 今週の気になる映画 ◎
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レゴ

レゴ (R) ニンジャゴー ザ・ムービー

Lego Ninjago Movie: Songs From Motion Picture
Lego Ninjago Movie: Songs From Motion Picture [CD]
平和なニンジャゴーシティに、世界征服を企む悪の帝王ブラックガーマドンとその手下が現れ、街は窮地に立たされる。愛するニンジャゴーシティを守るため、世界を闇の支配から救うため、特別な力を受け継ぐ伝説のニンジャのロイドは、師匠のウー先生のもとで共に修行してきた仲間のカイ、ジェイ、コール、ゼン、ニャーたちと共に、立ち上がる…。

世界中で愛されるデンマーク発・組み立てブロック玩具LEGO(R)を基にしたTVアニメシリーズの劇場版「レゴ (R) ニンジャゴー ザ・ムービー」。劇場版「レゴ(R)ムービー」としては第3弾となる。6人のニンジャ仲間が、緑、火、雷、水、氷、地から得たエレメントパワーと、師匠ウー先生から授かった必殺技で戦う様は、さながらニンジャ版パワーレンジャー。6人の友情パートが薄味なのは残念だが、その分、父ブラックガーマドンと息子ロイドの、あからさまなスターウォーズのパロディーで笑わせて(時には泣かせて?)くれる。その他にも、悪人の息子のロイドが学校で孤立する哀しさは学園もの、ロイドであることを隠しながらニンジャゴーシティを守るジレンマはヒーローもの、トランスフォーマーばりのロボット・アクションものなど、内容はサービス精神旺盛で、盛り沢山なのだ。

「レゴ(R)ムービー」は、玩具のレゴを見事に組み立てて、表情豊かなキャラや武器、小道具を形作るのが魅力。だが劇中、重要な役割を果たすニャジラ(猫)が実写なのはいかがなものか。もちろんホンモノの猫は可愛いし微笑ましいユーモアを醸し出してはいるが、個人的にはここはレゴで作ってほしかったところだ。とはいえ、そんな“小さな不満”を吹っ飛ばしてくれるのが、冒頭と終盤に、不思議なアンティークショップの謎めいた老店主役で登場するジャッキー・チェン、その人だ。物語の語り部として、ウー先生(字幕版で声を担当)として、魅力全開。「レゴ(R)ムービー」は、過去2作品が非常に出来が良かったため、本作は、自ずとハードルが上がってしまったのが気の毒だが、今回はTV版とは別物で、お子様向き映画と割り切って見てほしい。とは言っても、往年の香港カンフー映画風のタイトルロゴで、冒頭からワクワクさせるなど、お子様向けと言いながら、やっぱり大人の映画好きをニヤリとさせるのが「レゴ(R)ムービー」。あなどれないアニメだ。
【60点】
(原題「THE LEGO NINJAGO MOVIE」)
(アメリカ/チャーリー・ビーン監督/(声)ジャッキー・チェン、ジャスティン・セロー、デイヴ・フランコ、他)
(パロディー度:★★★★☆)
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LEGO(R) ムービー

LEGO (R) ムービー ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ブロック玩具・LEGO(R)をフィーチャーした異色のアニメーション「LEGO(R) ムービー」。これは完全に大人向けアニメだ。

LEGO(R)ブロックだけで作られた巨大都市ブロックシティで働くミニフィギュアのエメットは、生真面でごく平凡な青年。ある日、美しいワイルドガールに出会い、なぜか桁外れの能力を持つ伝説のヒーローだと勘違いされてしまう。とまどうエメットだが、ブロックシティを牛耳る邪悪なおしごと大王の陰謀から世界を守るため、ワイルドガールのボーイフレンドのバットマンら、ヒーローたちと共に、大冒険の旅に出ることになる…。

デンマーク発のブロック玩具、LEGO(R)は世界的に有名なおもちゃで、映画では「レゴ(R)スター・ウォーズ・ムービー」がコアなファンを熱狂させた。だが今回は万人向けで、しかもLEGO(R)が3Dの長編アニメーションになるのだからビックリである。LEGO(R)は自由に組み立てたり壊したりできるのが特徴だが、滑らかさ重視のアニメーション映画において、あえてギクシャクしたストップモーションアニメの風合いを出しているのが本作の最大の個性だ。そんな、実はハイクオリティのビジュアルもさることながら、驚くのは本作のストーリーである。建設作業員のエメットは、ポジティブな性格だが、マニュアルがないと何もできない。それは仕事だけじゃなく日常生活も同じことだ。背景にあるのは、支配者のおしごと大王の“常識”を何の疑問もなく受け入れている画一化社会の恐怖である。現実社会を反映したこの設定だけでも十分に大人向け社会派映画だが、少々頼りないバットマンや、性格に難ありのクセモノ・ヒーローたちの登場は、これまた大人の映画ファンを意識したものだ。お気楽なキャラのエメット、バッド・コップとグッド・コップの二重キャラ、スゴいのかヘタレなのか判別不能の長老と、キャラも激しく立っている。平凡な青年がヒーローへというストーリーはありがちだが、その先に用意されている展開がスゴいのだ。アニメと実写の境界線を飛び越え、実は大人向けという裏設定をさらに子供目線に裏返すひねり技、そして奇跡のパーツの本当の意味。これには思いがけず感動してしまった。終盤の実写パートには、ヴォイスキャストも務めるあのコメディ俳優も登場。遊ぶ人の感性で自由に構築し、やり直しも可能というLEGO(R)ならではの特製を活かしたこのアニメーション、見逃すにはあまりに惜しいユニークな1本だ。
【70点】
(原題「THE LEGO MOVIE」)
(豪・米/フィル・ロード、クリストファー・ミラー監督/(声)ジル・ウィルフェルト、マシュー・アシュトン、キャスリーン・フレミング、他)
(ユニーク度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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